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福家警部補の挨拶 福家警部補シリーズ1

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作品情報

あらすじ

冒頭で犯人の視点から犯行の経緯を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ。本への愛ゆえに殺人も辞さない私設図書館長の献身「最後の一冊」、科警研主任として鳴らし退職後は大学講師に転じた“教授”が厭わしい過去を封じる「オッカムの剃刀」、二女優の長きにわたる冷戦がオーディションを機に火を噴く「愛情のシナリオ」、経営不振で大手に乗っ取られる寸前の酒造会社社長が犯す矜恃の殺人「月の雫」、以上四編を収録。刑事コロンボをこよなく愛する著者が渾身の力を注ぐ第一集。

作品詳細情報

タイトル:
福家警部補の挨拶 福家警部補シリーズ1
ジャンル:
小説ミステリー・サスペンスミステリー・サスペンス(国内)
著者:
大倉崇裕
出版社:
東京創元社
掲載誌:
ファイルサイズ:
2.4MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2014-3-20 ]

>NHK版もフジテレビ版も、福家が柳田をいつ怪しいと思ったかという部分をなぜ省略してしまうのか。倒叙ミステリ史に残る抜群のアイディアなのに。(大意)

現在、フジテレビにて連続ドラマとして放映中の『福家警部補の挨拶』
その「オッカムの剃刀」のエピソード放映時、ミステリ評論家の千街晶之さんがTwitterでこのようなつぶやきをなさっていた。無性に気になり原作本を購入。
うん、確かに凄い。そして、これがあるからこそのラストの切れ味。タイトルも効いてくる。

物語の最初に犯人が明らかにされ、それを探偵がどのように追いつめていくのかという倒叙ミステリというジャンル。なのでドラマを観てネタがわかっていても面白かった。

ドラマも面白いが、映像化に際して省略されていたり改変されている部分が結構ある。
原作の方ではかなり緻密に伏線がばらまかれており、福家も地道な聞き込みでそれを丁寧に回収していく。
また福家の一人称ではなく、犯人を含む聞き込み対象者複数の視点から事件が描かれているので、なぜこのような発言や行動をしたのか、なぜミスを犯したり思わずボロを出してしまったのか等の心理が腑に落ちる。

四篇収録。

『最後の一冊』
私設図書館長の犯罪。ドラマ未放映。

『オッカムの剃刀』
復顔術の権威、柳田「教授」の犯罪。
ドラマ版とはキーアイテムが微妙に違い、それをなぜ見落としたのかも納得。小さな点だがうまい。
そして冒頭でも書いた「柳田を怪しんだ理由」
倒叙ミステリで......いやあまり語り過ぎるのもなんですね。

『愛情のシナリオ』
女優の犯罪。
犯人と被害者の「女優としてのキャラ被り」の描写がうまい。
ドラマ版ではセリフで説明させていたが、原作ではミステリの伏線のようにさりげなく仕込まれていて面白い。
そしてなによりドラマ版と犯行のトリックが違う。
ドラマ版も密室物として良かったが、原作はさまざまな伏線と連動していてこちらも良かった。
動機の解明も自然で好き。
伏線伏線と連呼してしまったが、犯行部分だけではない緻密な構成がよくできていて一番楽しんだ。

『月の雫』
酒造会社社長の犯罪。
原作では社長は男。
とある描写はページを遡って二度読み、三度読み。
いろいろうまいなぁと思いつつ、いつの間にか犯人の気持ちになってドキドキ。

犯罪とは別の部分で、福家の行動によって周囲の人間の心に変化が生じたりもする。
客観的視点で描かれる主人公で謎も多いが、つかみ所はないながらも、ぽっと灯が点るような温かさも感じられる。

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