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作品情報

あらすじ

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」。著名なこの一文で始まる本書は、近代日本最大の啓蒙家である著者が、生来平等な人間に差異をもたらすのは学問の有無によると説く。彼のすすめる学問とは、西洋実学の批判的摂取である。明治の人心を啓発したその言は、一世紀を経た今日も清新である。(解説 小泉信三)

作品詳細情報

タイトル:
学問のすゝめ
ジャンル:
心理・思想・歴史哲学・思想
著者:
福沢諭吉
出版社:
岩波書店
掲載誌:
ファイルサイズ:
1.8MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2017-10-9 ]

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」から始まる『学問のすすめ』。この言葉は、人の平等について述べたものではあるが、その主旨は、機会の平等であり、現実にある不平等は学問のありなしによるものであることを強調するためのものである。機会はすべてのものに平等に与えられるべきものであるが、学び続けなければその機会を捉えることはできないというものである。「人と人との釣り合いを問えばこれを同等と言わざるを得ず。ただしその同等とは有様の等しきを言うにあらず、権利道義の等しきを言うなり」と明言している。

福澤諭吉は、欧米列強が世界に進出する中で世界の情勢をよく知っていたであろう。場合によっては植民地化される危機も現にあったであろう明治初期において、福澤の持つ危機感は、今から想像することも難しいものであったかもしれない。その思いは、「独立の気力なき者は国を思うこと深切ならず」と書くときに、国の「独立」が持つ意味は今とは全く違ったであろうことを意識するべきである。福澤諭吉が「国内のことなればともかくなれども、いったん外国と戦争などのことあらばその不都合なること思い見るべし」というときには、その切実さに思いを至らせるべきだろう。「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人に諛ものなり」というくだりについては、今の時代においても心しておかなければならないところである。

また、「これをもって世の人心ますますその風に靡き、官を慕い官を頼み、官を恐れ官に諂い、毫も独立の丹心を発露する者なくして、その醜体見るに忍びざることなり」という言葉は、メディアにも当てはまることではあるが、自分も含めて多くの人に無関係なことではない。官よりも民というものは『学問のすすめ』の中ですでに徹底されているし、私学として慶應義塾大学を創設したその行動にも表れている。また外国がやっていることをそのまま信じるべきではないというところは、自分の仕事に照らすと、他社がやっていることや海外のメーカーから言われたことをそのままやるようなことはするべきではなく、きちんと自分の頭で考えよということにも通じるであろう。そのために常に学ぶ姿勢と、独立の気力が必要となるのである。

『学問のすすめ』の中でも「電信・蒸気・百般の器械、したがって出ずればしたがって面目を改め、日に月に新奇ならざるはなし」と言われている。現代は当時と比べるとさらに秒進分歩くらいのスピードで世の中が変わっていることは間違いない。その変化が自らの有利に働くようにするためには、常に学び続けることが必要だろう。

「学問の道を首肯して天下の人心を導き、推してこれを高尚の域に進ましむるには、とくに今の時をもって高機会とし、この機会に逢う者はすなわち今の学者なれば、学者世のために勉強せざるべからず」と言う。「学問の要は活用にあるのみ。活用なき学問は無学に等し」とするところは実用・現場に適用してこその知識という点でも重要である。

最後には、立ち振る舞いや容姿、スピーチ能力についても言及をしており、非常にプラグマティックである。

以下が、『学問のすすめ』の章立てである。女性の教育などについてもすでにリベラルで先進的である。
それにしても明治の知識人の範囲は広い。


初編: 端書「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」~
二編: 端書 人は同等なること
三編: 国は同等なること 一身独立して一国独立すること
四編: 学者の職分を論ず 付録
五編: 明治七年一月一日の詞
六篇: 国法の貴きを論ず
七編: 国民の職分を論ず
八篇: わが心をもって他人の身を制すべからず
九編: 学問の旨を二様に記して 中津の旧友に贈る分
十篇: 全編のつづき、中津の旧友に贈る
十一編: 名分をもって偽君子を生ずるの論
十二編: 演説の法を勧むるの説 人の品行は高尚ならざるべからざる野論
十三編: 怨望の人間に害あるを論ず
十四編: 心事の棚卸し 世話の字の義
十五編: 事物を疑いて取捨を断ずること
十六篇: 手近く独立を守ること 心事と働きと相当すべきの論
十七編: 人望論

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