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天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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作品情報

あらすじ

豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波―。史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。

作品詳細情報

タイトル:
天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災
ジャンル:
心理・思想・歴史歴史・地理日本史
著者:
磯田道史
出版社:
中央公論新社
掲載誌:
ファイルサイズ:
0.4MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2016-1-11 ]

歴史学者の磯田道史氏が朝日新聞に連載した、「磯田道史の備える歴史学」(2013年4月~2014年9月)をまとめたもの。2015年の日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。
著者は、東日本大震災後、理系の研究者が地震や津波の実態を明らかにした数多くの本が出版されたとしながら、本書の狙いを、「本書は、地震や津波ではなく、人間を主人公として書かれた防災史の書物である。防災の知恵を先人に学ぶとともに、災害とつきあい、災害によって変化していく人間の歴史を読みとっていただけたなら、幸いである」と語っている。
本書では、豊臣秀吉を襲った1586年の天正地震と1596年の伏見地震(これらの地震がなければ、徳川家康の天下にはならなかったと言われる)、1707年の宝永地震とそれが招いた大津波及び富士山の宝永噴火、1828年のシーボルト台風(これにより、佐賀藩は軍事大国となり幕末史にも影響を与えたと言われる)ほか、様々な地震、津波、台風と土砂崩れ・高潮などの災害について、古文書を丁寧に読み解いて、その様子やそこから得られるものを示している。
また、著者は、災害史に興味を持った大きな理由として、著者の実母が1946年に徳島県で昭和南海地震・津波に遭い、九死に一生を得たことと語っており、そのときの実母の経験とそこから得られる知恵についても、詳しく述べている。
そして最後に、東日本大震災の教訓として、津波被災地の古い神社の多くでは、津波は神社の石段を上った鳥居までは来たものの、神社の社屋は被害を免れたことを紹介し、歴史や先人の知恵に学ぶことの大切さを強調している。
英国の歴史家E.H.カーは、名著『歴史とは何か』の中で「歴史とは現在と過去との対話である」と述べ、現在を生きる人間がどのように捉えるかによって、過去の事実のもつ意味は変わってくると言っているが、災害がその時代にどのような影響を及ぼしたのか、及びその災害から現在の我々は何を学べるのかについて知る上で、有益な書と思う。
(2015年12月了)

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