ブックパス

キーワード

セーフサーチ

成人向けコンテンツの制限

並べ替え

価格

円 〜

条件追加

カテゴリー

ビジネス

趣味・実用

小説

雑誌

コミック

女性コミック

男性コミック

ラノベ

のこされた動物たち――福島第一原発20キロ圏内の記録

ブックコイン・WALLETポイント

0(今月中に0コイン失効 0

作品情報

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

20キロ圏内で、動物保護のボランティアをするカメラマンが撮りためた、3か月に及ぶ記録。
無人の家で飼い主を待ち続ける犬、最後の力を振り絞って助けを求める猫…。
強く生きる姿も、助けられなかった命も、
動物たちの現状を、ありのままに伝えます。


【私は、ごめんよ、ごめんよ、と謝りながら写真を撮りました。
私にできることは、写真を撮り、今起こっている現実を多くの人に知ってもらうこと。それしかできないのです。
やがて怒りが沸いてきて、チクショー、チクショーと呻きながらシャッターを切りました。
その怒りは、私を含めた人間に対してのものです。(本文より)】

作品詳細情報

タイトル:
のこされた動物たち――福島第一原発20キロ圏内の記録
ジャンル:
趣味風景・動物・その他写真集動物・生物
著者:
太田康介
出版社:
飛鳥新社
掲載誌:
ファイルサイズ:
80.3MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2018-2-5 ]

福島第一原発20キロ圏内で助けを待ち続ける、動物たちの写真集。
犬猫のみでなく牛・豚・鶏・馬・はては駝鳥まで、カメラが姿をとらえている。
臆病な私はなかなかページをめくれず、読んだら読んだで今度は息苦しくなっている。
悲しみや怒りや悔恨、様々な感情が渦巻いて涙が後から後から流れる。

政府が悪いだの原発さえなければだの、批判するのはたやすい。
だが胸に手をあてて考えて欲しい。
被災地以外に住むあなたは、生き物は連れていかれないと知った時、反対の声をあげたか。
決まっているものなら仕方がないと、沈黙していなかったか。

避難所に生き物などいなくて良かった。自分だったら我慢できない。
臭いしうるさいしと、ほんの少しでも思わなかったか。
調理された牛や豚や鶏は食べるのに、置き去りにされた家畜たちのその後を
少しでも想像したか。放っておけばそのうち・・と思わなかったか。
つまるところ、人々の意識の低さがこの悲劇を招いたのだ。
二度とこんなことがあってはならないと、言うのもたやすい。
ではあなたは何が出来るのか。その時どう行動するのか。

立ち入り禁止エリアで撮り続けた写真の中には、思わず目をそむけてしまうものもある。
でも記憶に焼き付けなければいけない。
私たち人間がしたことを。これは、どこかの誰かがしたことではないのだ。
そして、誰かが何とかしてくれるだろうという問題でもない。

餌をあげても、食べずにただすり寄ってくる犬、どうして?と問うような馬の目、
悲しいほどやせ細った猫たち、訳も分からず餓死してゆくしかない牛たち・・
太田康介さんはこう書いている。
「私は、ごめんよ、ごめんよと謝りながら写真を撮りました。
 私に出来ることは、写真を撮り、今起こっている現実を多くの人に知ってもらうこと。
 それしか出来ないのです」
そして今も、月に二回被災地に出向いて、保護活動と餌やりを続けているという。

ラストには、この本で被写体となった子たちのその後が載っている。
飼い主さんに無事巡り合えた子もいれば、ボランティア団体さんの元で新しい飼い主さんを待っている子もいるという。ここで、ほんの少しほっとする。
犬猫を家に迎えたいと思っている方、ペットショップではなく保護団体から譲り受けてほしい。そして最期までともに暮らしてほしい。
救いの手を待ちながら亡くなっていった、多くの生き物たちの鎮魂のためにも。

我が家も16匹の保護猫と暮らしている。
有事の際にはどう動くか。すでに何十回もシミュレーションしているが、その通りに行くかどうかは分からない。でも精一杯やるしかない。

同じ著者の作品