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作品情報

あらすじ

生物学の常識を覆す「凍結解凍覚醒法」によって、ついに国産バナナの栽培に成功した奇跡の物語。驚異的なスピードで成長して、11月の岡山でも実る耐寒性を備え、1本1000円でも飛ぶように売れる「もんげーバナナ」は今、テレビや雑誌などで話題沸騰中。

作品詳細情報

タイトル:
奇跡のバナナ
ジャンル:
サイエンス・テクノロジー農業・農学
著者:
田中節三
出版社:
学研
掲載誌:
ファイルサイズ:
15.1MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2019-2-4 ]

「へぇ、どんなもんよ」と軽い気持ちでマユツバ半分に購入したら、ガチガチの遺伝工学系の話でビビった。それも在野の研究者による。

曰く、バナナの成長細胞を180日かけてマイナス60度まで下げて冷凍すると、遺伝情報を修飾しているヒストンというタンパク質が壊れて、冷凍に耐えて生存した2%の細胞からは強い耐寒性と成長力を持った、まったく形質の違った個体が生まれるという。

冷凍する際には1日0.5℃ずつ下げられないので、冷凍庫の制御に量子力学と人工知能が使われ、発現した個体には冷凍前と15万個に及ぶ遺伝情報の相違があったと。こうして、岡山県南の気候でも生き抜くバナナの生産が可能になった。

そこで普通は「なんでわざわざ日本でバナナを」という話になるところだが、熱帯性の植物が温帯で育てられるようになると、農薬がいらなくなる。つまり食害する昆虫が存在しないので、無農薬で皮まで食べることができ、また樹上完熟した糖度の圧倒的に高いバナナが生産できる、と。

はぁ〜、すごい。

なお、2018年4月から岡山大学農学部に研究室ができ、作付けした12万株のバナナの売り上げ目標は50億円だそうです。さらにその先の野望が大きすぎて……。

ハァ〜、スゴい。

ちなみに田中節三先生、小さい頃から2〜3時間しか眠らない典型的なショートスリーパーのようです。

----------(以下、引用)----------

「これから私がやりたいことは、シベリアを農地に変えることです。

シベリアは永久凍土ですが、6〜9月の4カ月は、暖かいのです。平均気温は約20度ですから、この4カ月は農業ができます。

ところが、たった4カ月で収穫できるような作物はないのです。ハツカダイコンならつくれますが、それだけでは生計が立ちません。

そこで、バナナをつくろうとしています。バナナやパパイヤ、パイナップル。まずは私が研究してきた南洋の果物から始めて、大豆や小麦、トウモロコシなどの穀物をシベリアで栽培しようと思っています。

シベリアの面積は、日本の平野の51.8倍です。しかも水が豊富で、永久凍土ですから、大腸菌も害虫もほぼいません。病気の心配がないから、無農薬で作物が作れるのです。

シベリアの6月から9月までの気温なら、「凍結解凍覚醒法」によって耐寒性を高めれば、どんな植物でも十分に栽培できます。バナナでも大丈夫ですし、パパイヤだったら間違いなくいけます。パパイヤは成長速度が速いのです。シベリヤにバナナとパパイヤを植えて、実際に収穫できるかどうか、試してみるつもりです。

シベリヤが農地に変わるというのは、すごいことですよ。21世紀には食糧危機の時代といわれていますが、この技術が完成すれば、それが一発で解消します。今の地球の人口が必要としている以上の作物が作れるからです。

今まで食糧が作れなかった地域でもつくっていける。シベリヤは、その最有力候補なのです。農作物の耐寒性と成長スピード、さらには収穫量を向上させることに成功すれば、わが国の近くに、食糧の一大生産地が出現することになります。もちろん、世界にとっても大きなギフトとなるでしょう。

特に大豆やトウモロコシは、食糧であるとともに油の原料でもあります。

もしもバイオディーゼルの燃料として使用できれば、化石燃料の使用量を減らすことができます。また、家畜の飼料として供給できれば、肉の価格も下がることでしょう。

これが私たちの事業目標です。

夢のような話ですが、私は実現すると確信しています」(p135-137)