[このレビューにはネタバレが含まれます]
人は便利さを追い求め続けてきた。環境に適応するのではなく、環境を変えることで、より豊かな生活を送ることができるようになったが、それは果たして、身体にとっても豊かなものとなったのだろうか、というのがこの本の主題である。
狩猟生活から農業革命、産業革命などを通じて、人々はどんどん動かなくなり、建物の中で生活するようになった。
より健康的になり、便利になったが、近視や腰痛、生活習慣病など、別の病気に悩まされるようになった。
また、『ホモ・デウス』でも述べられていたが、飢餓問題は、肥満問題へと変わった。
世の中はこれからもますます便利になっていくだろう。
手を動かし、フリック入力さえしなくなった将来は人間の身体にどのような問題が発生するのだろうか。
今狩猟生活を再開するのは本末転倒だが、少しでも意識的に体を動かすことが大事なのだな、と改めて感じた。
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