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政と源

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作品情報

あらすじ

東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。当年とって七十三歳の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか良いコンビ。水路のある下町を舞台に老人パワーを炸裂させるふたりの、痛快で心温まる人情譚! 【目次】一、政と源/二、幼なじみ無線/三、象を見た日/四、花も嵐も/五、平成無責任男/六、Y町の永遠

作品詳細情報

タイトル:
政と源
ジャンル:
小説国内小説一般
著者:
三浦しをん
出版社:
集英社
掲載誌:
ファイルサイズ:
1.9MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2018-3-1 ]

荒川と隅田川に挟まれた三角州のような、墨田区Y町。
ここで育った、有田国政(ありた くにまさ)と堀源二郎(ほり げんじろう)は、当年とって73歳同士の幼なじみ。

元銀行員でお堅い国政だが、仕事人間で家庭を顧みなかったツケか、妻は逃げ出して長女一家と同居している。
少し虚無的な気持ちになっている彼は、どうかすると、死後の世界のことを考えたり、残りの人生を消化試合のように感じてしまう。

小学校もろくに出ずにつまみ簪(かんざし)職人として気ままに生きる源二郎は、周りに人が集まるおおらかな性格だが、家と家族を空襲で失った日を忘れることはない。
家族が欲しくて欲しくてたまらず、ようやくめとった恋女房には40代で先立たれてしまった。

そういうわけで、ともに一人暮らしなのだが、最近、吉岡徹平という若い弟子を取って、なにやら家族同然に遠慮ない間柄になっている源二郎を、国政は心の中で羨まずにはいられない。
その徹平も、まだ二十歳ながら、家庭を持ちたいと望んで…
政と源は、彼らのために一肌脱ぐのである。

懐かしさを残す東京の風景と、人情、大切な家族との様々な形に思いをはせる。
笑ったり泣いたり、本人にしてみれば大きな事件。
しかし、それは、Y町の永遠の中の一部。
死んだら、死後の世界ではなく、親しかった誰かの記憶の中に行くのだという、源二郎の言葉が良い。
そして、誰がいなくなっても、桜は毎年咲くのだ。
そんな風に思いながら、終りまでの日々を親しい人とゆったり暮らせたらいいな。

鯛の指輪、かわいい。

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