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作品情報

あらすじ

東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、”彼”はMARCHクラスには楽勝で合格していた! これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。

作品詳細情報

タイトル:
AI vs. 教科書が読めない子どもたち
ジャンル:
コンピュータ・インターネットIT・Eビジネス・資格・読み物インターネットビジネス
著者:
新井紀子
出版社:
東洋経済新報社
掲載誌:
ファイルサイズ:
5.4MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2018-3-10 ]

AIが搭載されたロボットは東大に合格できるのか?、という意欲的な目標に挑んだ「東ロボくん」プロジェクトのディレクタを務めた数学者が、日本の教育に鳴らした警鐘の書。これを読んで、薄ら寒さを覚えない人がいるとすれば、どうにかしているという思うくらい、個人的には衝撃を受けた。

本書の前半は「東ロボくん」プロジェクトで、どのようなアプローチでAIの性能を引き上げていったかという苦労が語られる。最終的に東大に入るほどの成績は収められなかったが、著者の見解ではこのレベル(成績的にはいわゆるMARCHに入れる学力ではある)がAIの限界であるとされる。AIについて過剰な期待を持つ人が多い中で、著者はAIの研究者としての立場から、論理・確率・統計という数学的言語しか操れないAIには、シンギュラリティの到来などは夢物語に過ぎないということを主張する。数学者としての立場から、AIの実体をこの3つの数学的言語から説明する著者のアプローチは非常に分かりやすく、AIに関する基礎的な理解を深める意味でも意義深い。

しかし、本書の面白さはむしろ後半、東ロボくんの開発で培ったノウハウを元にした文章読解テストを全国の中高~大学生にトライしてもらった結果、愕然たるデータが得られた、という点にある。

衝撃的なのは、何ら知識を問う内容はなく、文章をちゃんと読めば論理的に分かるはずの問題が全く解けない子どもたちが3人に1人はいる、という事実である。私自身、これだけインターネットが普及した現代において、分からないことがあれば基本的にはwikipediaを見れば、凡そのことは知ることができる、と思っていたが、3人の1人の子どもの読解力では、恐らくそれは無理ということなのかもしれない。読解力がない以上、眼の前のどれだけの情報があったとしてもそれは意味を持たず、むしろ(ここからは推測になるが)画像や動画など文章を読まなくても理解できてしまうようなフェイクメディアに流されてしまう危険性がある。

小学校からの英語義務化やプログラミング教育、反転学習など、教育業界の変化は非常に激しいが、そんなことよりも、オーソドックスな読解力を高める教育が必要なのではないか。本書の研究では、読解力と強い相関のある因子は見つかっておらず、一般的に相関がありそうに思われる読書量ですら、相関が低いという結論になっている。私見だが、読書量との相関はないにしても読書の習慣に加えて、感想文を書くなど、何らかのアウトプットの習慣は、読解力を上げるトレーニングとして効果が期待できるのではないかと考えるのだが、どうだろうか(もしかしたら、それも様々な因子との相関分析の中で否定されているのかもしれないが)。

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