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長いお別れ

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2019/7/1 0:00まで
価格:657(税抜)

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作品情報

あらすじ

認知症を患い、正常な記憶が失われていく父。日々発生する不測の事態のなかでも、ときには笑いが、ときにはあたたかな感動が訪れる。

「十年か。長いね。長いお別れ(ロング・グッドバイ)だね」
「なに?」
「ロング・グッドバイと呼ぶんだよ、その病気をね。少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行くから」

東家の大黒柱、父・昇平はかつて区立中学校長や公立図書館の館長をつとめ、十年ほど前から認知症を患っている。
長年連れ添った妻・曜子とふたり暮らし。
娘が三人、長女の茉莉は夫の転勤で米国西海岸暮らし。次女の奈菜は菓子メーカー勤務の夫と小さな子供を抱える主婦、三女の芙美は独身でフードコーディネーター。

ある言葉が予想もつかない別の言葉と入れ替わってしまう。
迷子になって遊園地へまぎれこむ。
入れ歯の頻繁な紛失と出現。
記憶の混濁により日々起こる不測の事態――しかし、そこには日常のユーモアが見出され、昇平自身の記憶がうしなわれても、自分たちに向けられる信頼と愛情を発見する家族がいつもそばにいる。

認知症の実父を介護した経験を踏まえて書かれた短編連作。
暗くなりがちなテーマをユーモラスに、あたたかなまなざしで描いた作品は、単行本発表時から大きな話題になり、中央公論文芸賞や日本医療小説大賞にも選ばれた。

映画化決定!

解説・川本三郎

作品詳細情報

タイトル:
長いお別れ
ジャンル:
小説国内小説一般
著者:
中島京子
出版社:
文藝春秋
掲載誌:
ファイルサイズ:
0.3MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2018-5-3 ]

アメリカでは、認知症のことを「長いお別れ」というらしい。
そう語ることによって、病気というイメージから「詩的」イメージへと昇華する。いかにもアメリカらしい言い方か。
本作も、妻や娘の目を通して、認知症の夫(父親)の行状が語られているが、決して暗くならず、ユーモアさえ感じられる。
妻の介護は自らも網膜剥離に罹るなど困難の極みだし、三人の娘たちもそれぞれ事情を抱えて余裕などなく、深刻で大変な状況であるが、悲惨な状況には描かれておらず、読後感も悪くない。
長寿高齢社会の現代にあって、認知症は、本人家族あるいは近親者など、誰でもが避けては通れない問題かもしれない。
しかし、せめてこの小説世界ぐらいの気持ちの持ち様で、対処したいと思うが。

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