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武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

山口周
(15)

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作品情報

あらすじ

この本は、ビジネスマンのための「哲学の使い方」をまとめた1冊です。哲学というと、これまでは「実世界では使えない教養」と捉えられてきましたが、それは誤解です。実際は、ビジネスマンが、「クリティカルシンキング」つまり現状のシステムへの批判精神を持つために、とても重要な示唆をくれる学問です。本書の著者、山口周さんは、慶応義塾大学大学院の哲学科出身でありながら、経営コンサルとして現役で活躍する異色の経歴の持ち主。独自の視点から、「ビジネスマン向け」に役立つ哲学の思想、用語を解説します。

作品詳細情報

タイトル:
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
ジャンル:
心理・思想・歴史哲学・思想
著者:
山口周
出版社:
KADOKAWA / 中経出版
掲載誌:
ファイルサイズ:
7.3MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2018-7-18 ]

20180718
UCSBのFaculty of Law & Societyで、最初に習ったのは哲学だった。transcendental philosophy. 懐かしい響き。カントを読み解くとそこには「無知の知」が内包され、ホッブスの怪物が、国家権力と法体系を召喚する。人間の愚かさと可愛らしさ、哀しみと切なさ。戦争と平和、闘争と統制、そして二項対立を打ち崩す脱構築。そして、今日も生きていくことの確かな光。本書は狙いに満ち溢れ、ありがちな空論を排除して使える哲学に集中している。青白き炎の様な、熱を孕んでいる。

ー無教養な専門家こそ、われわれの文明にとっての最大の脅威である(シカゴ大学教授 ロバート・ハッチンス)

ーロゴス(論理)エトス(倫理)パトス(情熱)、論理だけでは人は動かない。(アリストテレス「弁論術」)

ー予告された報酬は動機付けを減退させる(学習心理学の定説)努力すれば報われるなどと神様は言っていない(ジャン・カルヴァン「予定説」)

ー自分の努力に対して正確に相関する報酬を受け取れる。そういうわかりやすいシステムであれば、人間はよく働く。そう思っている人がすごく多い。雇用問題の本を読むとだいたいそう書いてある。でも僕は、それは違うと思う。労働と報酬が正確に数値的に相関したら、人間は働きませんよ。何の驚きも何の喜びもないですもん。(内田樹、中沢新一「日本の文脈」)

ーペルソナとは、一人の人間がどのような姿を外に向かって示すかということに関する、個人と社会的集合体とのあいだの一種の妥協である(カール・グスタフ・ユング)

ー人間は自由の刑に処されている(ジャン・ポール・サルトル)アンガージュマン=engagement

ー悪とは、システムを無批判に受け入れることである(ハンナ・アーレント「エルサレムのアイヒマン」)

ー人間は合理的な生き物なのではなく、後から合理化する生き物なのだ(レオン・フェスティンガー「認知的不協和理論」)

ーミハイ・チクセントミハイ「フロー概念」挑戦とスキルの相関図

ーどんな手段や非道徳的な行為も、結果として国家の利益を増進させるのであればそれは許される(ニッコロ・マキャベリ「君主論」)不道徳たれと言っているわけではなく、冷徹な合理者たれと言っているだけで、時に合理と道徳がぶつかり合う時には、合理を優先せよと言っている。

ーリーダーシップには文脈依存性があります。ある状況においてうまく機能したリーダーシップが、全く別の局面においても機能するとは限りません。

ーある意見が、いかなる反論によっても論破されなかったがゆえに正しいと想定される場合とそもそも論破を許さないためにあらかじめ正しいと想定されている場合とのあいだには、きわめて大きな隔たりがある。自分の意見に反駁・反証する自由を完全に認めてあげることこそ、自分の意見が、自分の行動の指針として正しいといえるための絶対的な条件なのである。全知全能でない人間は、これ以外のことからは、自分が正しいといえる合理的な保証を得ることができない。(ジョン・スチュアート・ミル「自由論」)

ー神の見えざる手、経済分野における過剰な統制への拒否(アダム・スミス「国富論」)

ー組織における意思決定のクオリティは、侃侃諤諤の意見交換が行われれば行われるほど高まる。(中略)たくさんの反論に耐えられた言論が優れたものだとすれば、反論を封じ込めることで言論の市場原理は機能不全に陥ることになる。

ーその人の判断がほんとうに信頼できる場合、その人はどうやってそのようになれたのだろうか。それは、自分の意見や行動にたいする批判を、つねに虚心に受けとめてきたからである。どんな反対意見にも耳を傾け、正しいと思われる部分はできるだけ受け入れ、誤っている部分についてはどこが誤りなのかを自分でも考え、できればほかの人にも説明することを習慣としてきたからである。ひとつのテーマでも、それを完全に理解するためには、さまざまに異なる意見をすべて聞き、ものの見え方をあらゆる観点から調べつくすという方法しかないと感じてきたからである。じっさい、これ以外の方法で英知を獲得した賢人はいないし、知性の性質からいっても、人間はこれ以外の方法では賢くなれない。(ミル「自由論」)

ーdevil’s advocate 悪魔の代弁者、キューバ危機の際のEXCOMにおけるケネディ大統領のエピソード

ー解るということはそれによって自分が変わるということでしょう(阿部謹也「自分のなかに歴史をよむ」)

ーおおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう(マタイの福音書)条件に恵まれた研究者は優れた業績を上げることでさらに条件に恵まれる: 【マタイ効果】利益優位性の累積メカニズム(ロバート・キング・マートン)

ー機長と副操縦士、事故が多いのは機長が操縦桿を握っている際である。それは何故か。「意見の表明による摩擦の表出」が存在せず、組織の意思決定のクオリティが著しく低い状態。権力格差(ヘールト・ホフステード)

ーanti-fragile 反脆弱性: 外乱や圧力によって、かえってパフォーマンスが高まる性質(ナシーム・ニコラス・タレブ)脆弱の反対語は頑強robust ではない。耐久力のあるものは、衝撃に耐え、現状をキープする。だが、反脆いものは衝撃を糧にする。

ー「曙のまばたきのように、光を放ち始める。口からは火炎が噴き出し火の粉が飛び散る。(中略)首には猛威が宿り顔には威嚇がみなぎっている。(旧約聖書ヨブ記41節より)トマス・ホッブス「リバイアサン」

ー世界というシステムのあり様を1.人間の能力に大きな差はない、2.人が欲しがるものは希少で有限である、という二つの前提とすると、必然的に引き出される社会の状態は、「万人の万人による戦い」。ここから社会契約論が導かれ、「私はあなたの所有物には手を出さないと約束しますから、あなたも私の所有物に手を出さないと約束してください」となり、「安全な社会をつくるためには国家権力が必要だ」となる。巨大権力に支配された秩序ある社会か、自由だが無秩序な社会のどちらが人々にとって望ましいか?

ー優秀アリとマヌケアリの話し。自然淘汰のメカニズムにはエラー(突然変異)が必須の要素として組み込まれている。エラーを起こすことで意外な正解に偶然辿り着く。結果的に短期的な非効率が中長期的な高効率につながる。(チャールズ・ダーウィン)

ーパラノとスキゾ(ジル・ドゥルーズ)どうもヤバそうだと思ったら、さっさと逃げろ。

ー人種差別は逆に同質性の問題だとわかる。私と深い共通性を持った者、私と同意すべきであり、私と信条を分け合うはずの者との間に見出される不和は、たとえ小さくとも耐えられない。その不一致は実際の度合いよりもずっと深刻なものとして現れる。差異を誇張し、私は裏切られたと感じ、激しい反発を起こす。(セルジュ・モスコヴィッシ)

ー消費とは記号の交換である。古典的マーケティング論では、消費の目的とは、1.機能的便益の獲得、2.情緒的便益の獲得、3.自己実現的便益の獲得。私はあなた達とは違うという、差異を表す記号。(ジャン・ボードリヤール「消費社会の神話と構造」)

ー見えない努力もいずれは報われる、世界は公正であるべきだし、実際にそうだ: 公正世界仮説(メルビン・ラーナー)これに対し現実は、世界は公正ではない。これを直視する必要がある。

ー無知の知、学びは「もう知っているから」と思った瞬間に停滞する(ソクラテス)達人への道:1.知らないことを知らない、2.知らないことを知っている、3.知っていることを知っている、4.知っていることを知らない

ーコミュニケーションにおける聞き方の深さ: 1.自分の枠内の視点で考える、2.視点が自分と周辺の境界にある、3.自分の外に視点がある、4.自由な視点。「要するに何々でしょ」はLEVEL1: Downloadingにすぎない。(オットー・シャーマー「U理論」)

ーイドラ、誤解にはパターンがある(フランシス・ベーコン「知は力なり」)1.種族のイドラ(自然性質による錯覚)、2.洞窟のイドラ(個人経験による独善)、3.市場のイドラ(伝聞によるミスコミュニケーション)、4.劇場のイドラ(権威による盲信)

ー我思う、ゆえに我ありCogito Ergo Sum(ルネ・デカルト「方法序説」)存在の確かなものなど何もない。しかし、ここに全てを疑っている私の精神があることだけは、疑いえない。キリスト教が盲信を押し付ける世界の中で、徹底的に自分の頭で考えろ、とシャウトした。自分がここにいるという、確実な地点から厳密に考察を重ねようとした。

ーエポケー: 客観的事実をいったん保留する(エドムント・フッサール)リンゴが存在している、故に私がそのリンゴを見ているという主観的認識を結果とする考え方を止めて、リンゴを認識している自分がいる、故にリンゴがそこに実在していると考える。還元の思考プロセス: 客観的実在を主観的認識に還元する。「本当にそれで正しいのか?」という視点を差し挟むことの重要性。

ーブリコラージュ:何の役に立つのかよくわからないけれど、なんかある気がする、というグレーゾーンに対する直感(クロード・レヴィ=ストロース)用途市場を明確化しすぎるとイノベーションの芽を摘むことになりかねない一方、用途市場を不明確にしたままでは開発は野放図になり商業化は覚束ない、というジレンマ。

ー二項対立の構造を崩す:脱構築(ジャック・デリダ)

ーThe best way to predict the future is to invent it. 未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ。

ーソマティック・マーカー仮説: 人は脳だけではなく身体でも考えている(アントニオ・ダマシオ)情報に接触することで呼び起こされる感情や身体的反応(汗が出る、心臓がドキドキする、口が渇く等)が、脳の前頭葉腹内側部に影響を与えることで、目の前の情報について、良い或いは悪いの判断を助け、意思決定の効率を高める。論理を超えた直感的考察が人間には機能として存在しているのかもしれない、という仮説に耳を傾けることの価値、無知の知。

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