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the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

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作品情報

あらすじ

Google、Apple、Facebook、Amazon――GAFA

GAFAが創り変えた世界の姿とは。
この激変を予言した著名教授が断言する、次の10年を支配するルールとは。
米国発、22カ国で続々刊行のベストセラーがついに日本上陸!


【本書の3大テーマ】
GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか
GAFAは世界をどう支配し、どう創り変えたのか
GAFAが創り変えた世界で、僕たちはどう生きるか

【GAFAが生み出した「新ルール」とは】
・「崇高なビジョン」を掲げる
・利益はいらない
・法律は「無視」できる
・競争相手は「資金」で踏みつぶす
・人間の「本能」を刺激する
・ほとんどの人は「農奴」になる ・・・・・・など

【本書の主な内容】
・GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか?
・GAFAが狙い打ちにする「人間の本能」とは何か?
・GAFAに共通する「8つの覇権遺伝子」とは何か?
・GAFAは世界を、どのように創り変えたのか?
・GAFAに続く「第五の騎士」は現われるのか?
・GAFAが創り変えた世界で、僕たちはどう生きるか?・・・・・・など

【著者紹介】
【著者】
スコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。MBAコースでブランド戦略とデジタルマーケティングを教える。
連続起業家(シリアル・アントレプレナー)としてL2、Red Envelope、Prophetなど9つの会社を起業。
ニューヨーク・タイムズ、ゲートウェイ・コンピューターなどの役員も歴任。
2012年、クレイトン・クリステンセン(『イノベーションのジレンマ』著者)、リンダ・グラットン(『ライフ・シフト』著者)らとともに
「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出。
Youtubeで毎週公開している動画「Winners & Losers」は数百万回再生を誇るほか、
TED「How Amazon, Apple, Facebook and Google manipulate our emotions
(アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルはいかに人間の感情を操るのか)」は200万回以上閲覧された。

【訳者】
渡会 圭子(ワタライ ケイコ)
翻訳家。上智大学文学部卒業。主な訳書に、ロバート・キンセル/マーニー・ペイヴァン『YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち』、マイケル・ルイス『かくて行動経済学は生まれり』(以上、文藝春秋)、エーリック・フロム『悪について』(ちくま学芸文庫)などがある。

作品詳細情報

タイトル:
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
ジャンル:
ビジネス・経済経営経営・経営学
著者:
スコット・ギャロウェイ渡会圭子
出版社:
東洋経済新報社
掲載誌:
ファイルサイズ:
5.9MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2018-8-15 ]

GAFA - Google, Amazon, Facebook, Appleがいかに傲慢で支配的であるのかを滔々と語った本。結構長い。GAFAが強大であるのはみなが知っての通りであるが、それがいかにして支配力を獲得し、今も高め続けているのかを熱意と敵意を込めて語っている。
著者は、彼らをヨハネの黙示録に出てくる支配者にちなんで「四騎士」と呼んでいる。著者は彼ら「四騎士」について、一般の人々が考えているほどには善良であるとは考えていない。四騎士の存在は、ある領域においては影響力や規模の面においても政府や法律も超えている。その傲慢さによって暴走しないように四騎士同士の対抗心による自己抑制が働くことを著者は期待している。

以下、GAFAそれぞれについて見ていく。

【Amazon】
Amazonは、小売業界を破壊しようとしている。すでに全米の52%の世帯にAmazon Primeは浸透している。いまや固定電話よりもAmazon Primeの方が多い。
Amazonがゼロクリックオーダー(ユーザが欲しくなるであろうものを送っておいて、不要なものを返品する方式でAmazonにより特許が取得されている)が完成すれば、小売業界は大きな変革を迫られるだろう。ホールフーズの買収はそれに向けた一歩として店舗兼倉庫となる拠点の確保という意味合いを持っているという。われわれは、小売業界の大きな転換点を見ているのかもしれない。Amazonは、オンラインだけではなく、オフラインも含めて小売りの世界を支配する。Amazonは消費者の山ほどのデータを使ってそれを実現するだろう。
Amazonの強みのひとつとして、他の小売業が太刀打ちできない安い資本コストが得ていることが挙げられる。これはベゾスのストーリーテリングの能力の賜物でもある。他の企業では致命傷になりそうな携帯端末事業での失敗もいまやすっかり忘れ去られている。ベゾスは失敗を推奨しさえする。歴史的には大胆さ(Bold)が報われているとして、大胆であることを奨める。おとなしいことには代償が伴うのだ。本当に奇想天外なことは、ばかげているのではなく、大胆なのだ。空飛ぶ倉庫やドローン配送なども先んじて取組む姿勢を見せることで周りに対して機先を制している。今ではAmazonにとっては、投資が大きいものであれば、大きいほどよい。なぜなら競争相手は指をくわえてそれを見ているしかないからだ。Amazonは、「莫大な資金がかかるために他社ではできないことで、我々が他社を出し抜けることは何だろうか」と考える。
Amazonはクラウドの世界でも(AWS)、メディアの世界でも(Amazon Prime Video)大きな存在感を見せている。おそらくは、サーバー事業を自ら手掛けたように、運送事業も自ら手掛けるようになるだろう。そのときには、Fedex、DHL、UPSなどが競争相手(捕食対象)になる。
Alexaによる音声インタフェースへの進出も見事だった。Amazonは安い資本コストと、ハードウェアで利益を得る必要がないというメリットを存分に生かして他社を出し抜きつつある。
著者によるとAmazonが最初に時価総額一兆円を達成する企業になるだろうと予測する。

【Apple】
Appleは、高級品として自らを位置づけることで、企業体として最も長く生きながらえる可能性が高くなっているとする。世の中の高級品ブランドを見るとそのことが理解できる。ジョブズを失ってもAppleの収益性はさらに磨きがかかっているのは、自らを高級品ブランドとして認知させることに成功したからだ。成功の基礎は、当初酷評されたApple Storeによるものが大きいと著者はいう。それこそがジョブズが自らの製品を単なるデジタル製品として見ていなかったことの証である。iPhoneの利益率とその他のAndroidスマホの利益率の違いが、それが贅沢品であることを示している。
それにしてもジョブズ帰還後のAppleの革新は思い返すに飛び抜けていた。2001年以降の10年間において、iPod、iTunes、iPhone、iPadを新しく生み出した。
著者はジョブズ本人については、その品性を含めて厳しい評価をしている。いわく、チャリティーに興味がなかった、娘の認知をしなかった、など。ジョブズが教祖然としてあがめられていることにも皮肉な目を向ける。Appleが犯罪捜査のためにスマホのデータを司法が見るためのバックドアを作ることを拒否したことに対しても批判的だ(そのことで著者はずいぶんと世間で非難されたようだけれども)。
テクノロジー企業は短期間で大企業になれるが存続する期間も短かいが、Appleはテクノロジー企業の軛から離れて高級品ブランドを売るようになったとする。それにより、Appleは他社が容易には追いつくことができない深い溝を掘ることに成功した。
著者は、AppleがGAFAの中で22世紀まで存続する可能性が一番高いと予測する。

【Facebook】
Facebookは、利用者数の観点では史上最も成功した企業である。その数は20億人、地球上の人類の約1/4と関係を持っている。その数は中国人よりも、カソリック教徒の数よりも多い。人々は毎日50分以上の時間をFacebookとInstagramとWhatsUpに費やしているという。そのことでFacebookはマーケティングファネルの一番上流にあたる認知に影響力を持つこととなった。
Facebookはプライバシー問題で騒動を起こしたが、とにかく利用者のことをよく知りうる立場にある。150の「いいね」を分析することで配偶者よりもよくその人を理解することができ、300の「いいね」で本人よりも理解することができると言われている。Facebookは規模とターゲティングの両方を併せ持つ初めてのメディア企業となった。GoogleとFacebookは今や最大のメディア企業でもある。
一方で、Facebookは自らをメディア企業とみられたくないのだと著者は言う。彼ら自身がメディアとしての公共責任を負いたくないからだと批判する。かつてニューヨーク・タイムスの取締役にもなっていた著者はメディアの中立性や責任を強調し、Facebookのことを金がすべての企業だと批判する。よほどフェイクニュースやケンブリッジ・アナリティクスの件が気に入らなかったらしい。

【Google】
Googleは、人びとから得られているその信頼から神にも比されている。
GoogleはAppleが高級品ブランドになるのとは逆に公益企業となった。どこにでもいて、あるのが当たり前の空気のような存在になりつつある。そのために常に独占禁止法の対象になっている。
Googleは、インターネットの発展とともにさらに発展する可能性が高いと予測する。その支配力と影響力の高さを次のように表現する - 「誰もがうつむいてスマホを見つめ、Googleに祈りをささげる」

著者は、上記の四騎士には共通する8つの要素があるという。①商品の差別化、②ビジョンへの投資、③世界展開、④好感度、⑤垂直統合、⑥AI、⑦キャリアの箔付けになる、⑧地の利、である。これを一兆円企業になるためのTアルゴリズム (Trillion Algorithm)と呼んで、著者が保有するコンサル会社のツールやビジネススクールでの講義に使っているという。この中でも優秀な人材確保のためにGAFAに採用されることがその後のキャリアの箔付けになると認知されることは、人材が競争力の源泉にもなることから本当に重要だ。

そもそも、著者としては四騎士に対してはその成功を評価するものの、よい印象を持っていない。「それまで考えられなかったスピードで価値を生み出して発展した大企業は、ある種のペテンや知的財産の盗用犯していることがよくある。四騎士もまた例外ではない」というのが押しなべての批判になる。
著者の大きな懸念は、これらの四騎士がその企業価値に比して実質的な雇用を産まないことだ。Amazonは多くの雇用を支える小売業から雇用を奪っている。一握りの大金を握る支配層と貧困にあえぐ下層に分かれて、かつてアメリカが理想とした中産階級の消滅を嘆いている。ビリオネアになるのはかつてないほど容易だが、ミリオネアになるのはかつてないほど難しい時代だという。著者自身は、成功したシリアルアントレプレナーであり、ビジネススクールの人気教授でもあり、明らかに成功者である。そして根っからのリベラルである。Appleに対してその莫大な利益から無料の教育機関を創設するべきだと進言するくらいリベラルだ。だから雇用を奪う四騎士のことが心から好きにはなれないのだろう。リベラルはGAFAのような会社が条件抜きで好きなのかと思っていたのだけれど、冷静に考えると彼らはすでに支配者であり、リベラルが好きな解放者ではなくなっているのかもしれない。もちろん、IBMやMicrosoftの例を持ち出すまでもなく四騎士が将来においても支配力を維持し、どうしようもなく盤石であるということではない。それでも、この四騎士がかつてないほど強大な影響力を持つ企業になっていることは間違いない。その他の企業にとってはいまやどう戦うのかでなく、多くの場合はどうやって協力関係を取り結ぶのかということが課題となっているのである。

著者は四騎士に対抗する第五の騎士についても言及している。Alibaba, Tesla, Uber, AirBnB, Microsoft, Verizon/AT&T/Comcast/Time Warner, などを挙げているが、彼らとて大きな雇用を産むわけではない。Uberは大きな雇用を産んでいるけれどもその多くは低賃金のドライバーで本書では「農奴」とまで呼んでいる。ちなみにVerizon/AT&T/Comcast/Time Warnerは、第五の騎士候補としてはとりあえず触れただけという感じで、ろくな分析はされていない。こういった既存大企業はずいぶんと期待されていないということなのだろう。

最後にこれからの若者に対するアドバイスとして、大学、それもよい大学に行けという。身も蓋もない学歴主義だが、実際そうなのだから仕方がない、と。もちろん、授業料の高騰への批判は忘れない。また、ちゃんと20代、30代の頃に株式などに投資しなさいという。好きなことでなく、得意なことでキャリアを築きなさい、ともいう。好きなことをやりなさいとは言わないのが、妙に現実主義者でもある。また、①人前で失敗しても平気でいられるか、②売り込みは好きか、③大企業で働くスキルに欠けているか、と問う。大企業で働くスキルがなく、①と②の能力を持っているのであれば、起業するのも悪くない、と自分のことを振り返って伝える。大企業で成功するにはユニークなスキルが求められるということだ。そのスキルがあるのであれば、リスクを考えると大企業にいるのは悪い選択ではないと。皮肉屋だけれども、どこまでも現実的である。

ちょっと批判バイアスがかかりすぎのような気がするが、ある意味「リベラル的」健全さを持った現状解説になっている。ものすごく意外な分析はなかったが、GAFAまとめて整理するにはよいのでは。

※リベットの実験の解釈が少々おかしいと思うのはご愛敬というところか(人は無意識にクリックする)。

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