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作品情報

あらすじ

「エリは今、眠っているのよ」とマリは打ち明けるように言う。「とても深く」「みんなもう眠ってるよ、今の時間は」「そうじゃなくて」とマリは言う。「あの人は目を覚まそうとしないの」真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。4人の男女はそれぞれの場所で、夜の闇のいちばん深い部分をくぐり抜ける。村上春樹の転換点を示す長編小説。

作品詳細情報

タイトル:
アフターダーク
ジャンル:
小説国内小説一般
著者:
村上春樹
出版社:
講談社
掲載誌:
講談社文庫
ファイルサイズ:
1.4MB
配信方式:
ストリーミング、ダウンロード

作品レビュー

[ 2018-8-26 ]

ブンガク
かかった時間110分

夜の街。女の子と青年。暴力を受けた中国人。元女子プロレスラーのホテル支配人。逃げ回るコオロギ。目覚めないエリ。暴力を振るい、何事もなかったかのように日常に戻る男。テレビの向こうの四角い部屋。顔のない男。それらを見ることができる「わたしたち」。

なんとなく眠れない夜にぴったりの、詩的な小説だ。ここしばらく、謎が巡らされ、冒険とともに謎解きがあるタイプの村上春樹をよく読んでいるけど、この作品はどちらかというと「風の歌を聴け」に近い、いくつかの断片から為る、美しいモザイクのような雰囲気がある。物語は淡々と進み、そこには何かしらの希望があり、さわやかで優しい読後感がある。以前に「多崎つくる」を読んだ時、村上春樹はなんてくだらない話を書くようになってしまったんだ、と思ったが、あの作品も、もしかしたら、こういう風に、イメージで読むべき作品だったのかもしれない。また、今回「星4つ」としたが、深夜のしっとりした気分じゃなかったら、もう少し評価は低かったかもしれない。

位置づけ的には、「村上春樹の新境地!」という感じらしいが、それでも、夜の(闇の)深さや、そこでは全てが起こりうるのだということ、そして昼の光の、ほとんど祝福のような明るさとあたたかさは、他作品と共通するものだし、女の子と青年の出会い方が、「100%」の雰囲気と似ている。

作品の初めと終わりで示されているように、わたしたちは個であり世界のたんなる断片だ。断片の美しさ、というか、ちいさなきらめきのようなものが、この作品からは感じられると思った。

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