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作品レビュー

[ 2018-06-18 ]

カズオ・イシグロの短編5編。
どの作品も印象的な音楽をバックに、夫婦の危機であったり男女の微妙な距離感を底辺に据えて、時にはユーモア全開に、あるいはポール・オースター風の不条理な謎かけで、あるいは哀愁あふれる物語であったりと、作者の自在な構想力を楽しめる作品集に仕上がっている。
中でも自分がいいなと思った作品は『老歌手』と『降っても晴れても』だったかな。

『老歌手』は東欧から来たしがないギター弾きがヴェネツィアの地で、昔、母が好きだった有名老歌手と出会い、彼のためにゴンドラからホテルの一室にいるその老歌手の妻に歌声を捧げるという企画に参加する物語。
物語全体に漂う哀愁とラストの愛情のすれ違いが何とも堪らない余韻を残す作品となっている。

『降っても晴れても』はいまや人生の成功者となっている学生時代の友人夫妻のもとを訪れた男の視線から、夫婦間の危機をドタバタに描き出すブラック・コメディー。
もともといろいろな作品で時折見せていたカズオ・イシグロ流のユーモアであったが、今回はタガを外したかのように全開で炸裂させていて、普段とは違う不条理なギャグセンスを見せてくれる作品。

『モールバンヒルズ』は音楽界の最前線から少し離れ、力を溜めこむために姉夫婦のいる田舎のカフェに転がり込んだギタリストの青年と、たまたまそのカフェを訪れたスイス人夫婦とが織りなす音楽を通じた対話の物語。
物語全体につんつんとした感じがあって、青年とスイス人夫婦とのその接触と距離感とを自然の雄大さと対照させており、そうしたヴィジュアル的にも面白い構図のまま迎えたラストが印象的であった。

『夜想曲』はこれまたポール・オースターを思わせるような不条理で謎に満ちた突拍子もない展開が魅力の物語。
何といっても顔面を整形手術して包帯でぐるぐると顔を覆い隠した男女二人が、深夜のホテルの中を歩きまわる姿が滑稽でもあり、さらには物哀しさも感じさせる微妙なバランスが面白かった。

『チェリスト』は東欧からきたチェリストが、自分を有名チェリストであると名乗る美女から日々チェロの特訓をすることになった話。
これも謎が先行する話だが、チェロの特訓を通じてお互いを理解できるようになった男女の物語でもあり、ラストの思いがけない別れは夢から覚めた昔話の感覚を思わせる。

全体として、男女の別れをテーマにしながらも、カズオ・イシグロのお茶目ぶりとチャレンジが味わえる短編集だったのではないか。
『夜想曲』や『チェリスト』はさらに後ろを広げて、長編にしても良かったかもしれない。

[ 2017-10-21 ]

■老歌手 ※往年の名歌手。老夫婦のそれぞれが愛し合っているにもかかわらず再起に賭けて別れる。
■降っても晴れても ※親友夫婦の間をとりもつ滑稽でダメなぼく。
■モールバンヒルズ ※夫婦のズレを目撃する、ミュージシャン志望の若者。
■夜想曲 ※整形手術を受けたサックス奏者と、隣室で知り合ったセレブが、トロフィーをめぐりドタバタ劇。
■チェリスト ※駆け出しのチェリストは、楽器を弾かない大家からレッスンを受ける。

音楽と(人生の)夕暮れ、という副題が美しいほどにぴったり。
最初から「書き下ろし短編集」として編まれた5題。
重、軽、 重、軽、重、という構成もよい。

ユーモアとペーソスをまぶされた、夫婦の黄昏れ。
才能と継続。諦念。郷愁。転機。芸術と世俗。シビアでもコミカルでもある人生というもの。
「愛し合っているのに……」「愛し合っているからこそ……」という男女の機微。
これらはすべて年を重ねたからこそ味わえる滋味だ。
長く生きれば必然として滓や澱のように溜まるものがある。
ドタバタコメディでもある「降っても晴れても」や「夜想曲」の背後にも、それらはもちろん。
解説で中島京子さん曰く「可笑しいんだか、悲しいんだか」。まさにこれ。

[ 2011-03-06 ]

Nocturnes(2009年、英)。
音楽をメインテーマとした短編集。チェーホフを彷彿とさせる哀切感漂う3編(奇数章)と、アメリカンコメディーのような2編(偶数章)で構成されている。

「降っても晴れても」が一番好きだ。著者の作品としては例外的に軽妙に笑える。とはいえ、根源にあるのはやはり哀愁なのだが…。全編を通して私が最も好きな登場人物が、この物語の主人公、レイモンドなのである。他の人々が自分の才能を人に認めさせようと躍起になる中、彼だけは自分のアドバンテージを自ら放棄して、親友夫妻のために道化役を演じるのだ。それが本人の意図を超えて、何もそこまでやらんでも、というほど必要以上に道化になってしまうところが笑えるのだが。「イシグロ史上最も冴えない語り手(解説者談)」は、「最も心優しき語り手」でもあると思う。素っ頓狂な友人チャーリー(そもそもこいつが全ての元凶だ)とのやり取りも絶妙で、ベストコンビ賞を贈りたい。それにしてもチャーリー、最終試験のあと泥酔して何をやったんだろう?

[ 2018-07-18 ]

友人に「カズオ・イシグロの中で一番貴女向き」と言われて手に取った。タイトルから静かな人生の一時がBGMとともに続く作品かと想像していたら、どれも不協和音が聞こえるような話だった。5編中4編にどこかぎすぎすした夫婦(元を含む)がでており、作中に出てくる登場人物は流れる音楽に興味を持津人物とそうでない人物がはっきりしている。そしてドタバタ喜劇のような進行(モンティ・パイソンかよ!と突っ込み)。でもこれが実は最もカズオ・イシグロらしい一冊ではないかと思った。英国で育ち60年代に長髪でボブ・ディランを聞きロックスターに憧れていた青年が長じて書いた物語らしいと思う。若いのにどうしてこうも人生の黄昏を迎えた人たちを書くのだろうと思ったけど、著者55歳の作品だと思うと不思議ではない。イシグロ氏は1979年から小さな2冊のノートしかない」とNHKのインタビューで語っているが、小さなきっかけから様々な作品を生み出しているのだろう。ところで友人はなぜ私向きだと思ったのだろう?

[ 2012-06-07 ]

すごくよかった。
わたしは基本的に、短編、どこか不思議な話、で?って感じの話、が苦手なんだけど、この作品はそのすべてにあてはまるのに、すごく楽しめた。
どの短編も、ユーモアがあって。こんなに笑えるとは思わなかった。(とくにメグ・ライアンのチェスと、トロフィーのワニがすごくおかしかったー)。
だけど、すごくせつなくて。

ヨーロッパの観光地や田舎町など、舞台となる場所の空気感みたいなものが伝わってくるような、その場所に連れていかれるような感じがして、雰囲気がすごく好きだった。

才能とか運命みたいなことも考えさせられた。

あと、村上春樹に似ているなーと思った。(いや、村上春樹が、というべきなのかわからないけど)。

[ 2011-03-12 ]

夕暮は光と闇の変わり目、明と暗の入り混じった時間と空間。
音楽と夕暮・・・男と女、夫婦、才能、過去と現在
別れの予感・決意、栄光と衰退、希望と現実

音楽をバックに
「降っても晴れても」「夜想曲」は語り手自らが夕暮にあり
「老歌手」「チェリスト」は語り手の目を通して
「モールバンヒルズ」は語り手自らと語り手の目を通して
夕暮の世界が描かれている。

静かな味わい

[ 2017-11-12 ]

とてもロマンチックな内容でした。
夕暮れと音楽がテーマになっていますが、人情もののように感じました。
消化不良気味はきっと読み手の想像力を誘うんだろうなあ。
旅に出たくなり、次に読む時は、ジャズやクラシックを聴きながら読みたいです。
見知らぬ土地へ放浪する音楽家たちの、優しい物語です。

[ 2016-09-24 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

続きを表示

[ 2019-09-22 ]

音楽とその才能、そして夫婦の危機という共通のキーワードを持つ作品集。会話などでの心の襞を納得感のある繊細な表現で描写してくれるところが好きです。
降っても晴れても、夜想曲は現実にはありえないようなとんでもない方向に展開していて、それでもその先に興味も持ち続けたまま読ませてくれます。老歌手と夜想曲は繋がりがあり、作者もこのキャラクターをもう少し描きたいと思うことがありそうだと考えながら楽しめました。
いずれも味わい深い短編、その先をもう少し読みたいと思うところで終わるところも余韻と想像力を掻き立てます。

[ 2015-04-28 ]

是非、ジム・ジャームッシュ監督による映像化キボンヌ!な短編5つ。

日常が醸成する(多かれ少なかれの)狂気。これを伝え、あるいは理解させることに特化した言語が音楽だとしたら。
そんなテーマのもとに綴られる、どこか寂しい人たちの優しいストーリー。

[ 2015-12-30 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

続きを表示

[ 2011-11-17 ]

音楽にまつわる5つの短編集。
「わたしを離さないで」から入ったからか、そこまでの衝撃や衝動を感じる事無く、淡々と読むことでできました。
音楽や洋楽の知識があれば、もっと深い所まで楽しめたのかもしれません。
私は、随所に出てくるアーティストの名前も分からないものが多く…。

繊細な心の機微を、ゆるやかに静かに表現していて素敵なのですが、
全体通して、穏やかなテンションで進んでいくので、少し物足りなかったところもあります。

[ 2015-11-22 ]

愛の夕暮れは、音楽のように響く。

副題「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」とあるが、確かに、なんとなく、夕暮れの物語である。全体に漂うのは、寂しさ。どの短編にも愛の危機にある人々が出てくる。何か哀しみの予感がする。人生は甘いものばかりで出来ていない。カズオ・イシグロを読むと、いつもそう思う。

[ 2011-11-13 ]

美しい夜想曲。関係ないけど、たまたまテタンジェのノクターンのことを考えていたので強いシンクロニシティを感じた。たまたまヘミングウェイを読後に読んだので、これでも説明「しすぎ」な印象を受けた。あれだけの文章の達人=イシグロをしても書きすぎと思わせるのだから、ヘミングウェイのそぎ落とし方がいかにすごいのか、と思った。あと、イシグロの短編は村上春樹を想起させますね。

[ 2011-07-05 ]

 カズオ・イシグロの短編集。
 どれも<音楽>が関わってます。
 そして、物語はピンボールのようにそれぞれがつながっていきます。

 「夜想曲」が圧巻。
 整形するために、高級ホテルに滞在していたサックス奏者が、同じ理由で隣室に滞在していた有名ミュージシャンの元妻と知り合いになる。
 お互い、顔に包帯をまいてる状態で、ホテルの中という小さな世界で、二人は次々に冒険をする。
 少年少女のような、無垢がそこにある。

 が、それは<顔>というものがないから成立したことなのだろう。

 そして、そのことを二人は確実に知っている。
 そのことが、やるせない気持ちになるのである。

 うむ。どれも、切ない物語だった。

 「チェリスト」は、結局のところイシグロにとって<音楽>は、崇高なものでも救いでも何でもない、ただそこに存在するものであるという現れなのかもしれない。
 「わたしを離さないで」でも、音楽は大事な要素としてでてくる。が、そこに必然はない。主人公は、切実に音楽を求めているわけではない。
 「チェリスト」に出てくる大家は、結局何もなさなかった人なのだ。私は、そこにむしろ憎しみを覚える。
 <自分の才能を守らなければならない>と、教師を拒否して、ようするに何もやってこなかった彼女。
 それは、いわば音楽の否定に他ならないと思う。

 音楽を音楽たらしめるのに、テクニックは不可欠だ。
 その部分を完全否定して語る音楽は、所詮、絵空事でしかない。
 
 イシグロが描きたかったのは、むしろこの絵空事に気づかないで、小さい世界に閉じこもっていく彼女の哀れさだたのかもしれない。

 だとすれは、随分皮肉な話だ。

 音楽をテーマに描く話のほとんどは、音楽に対する強烈な愛情が根底にある。
 が、イシグロはその対極あるといっていいだろう。
 音楽への愛を叫ばない、音楽の短編集として、確かに新しい岸辺を臨んでいると思う。

[ 2011-02-13 ]

ノリで買っちゃったもんね♪ 
初めてのカズオさん。

雰囲気が村上春樹っぽい?
つまり、現代小説家なんですね。 

[ 2019-08-19 ]

読みやすかったです。
イシグロもこんな短編集を書いていたんだなぁと。
チェリストという話が1番不思議だったけどどのお話も心地良い余韻が残っていてよかった。
一日の最後に枕元で読んでみてほしいです。

[ 2018-11-05 ]

うまいな、といった感じの短編集。ササッと読めてしまった。

「老歌手」
「まるで国語のテストの問題文みたいだ」という謎の感想がアタマをよぎった。なぜだ?
オチはなんだか取って付けたみたいだが、実は後のほうの短編への伏線になっている。

「降っても晴れても」
まるでコメディ映画。テンポが良いね。

「モールバンヒルズ」
イシグロみたいな一人称の手法を指して「信用できない語り手」と呼ぶとどこかで読んだ。この短編集ではその手法が前面に出るではないが、やはり語り手が、ひねくれた自意識やコンプレックスを抱えていて素直には語っていない気がする。この短編ではクラウト夫妻も素直でない。

「夜想曲」
これもコメディ映画風。老歌手では脇に近かったリンディが前面に。

「チェリスト」
この短編は珍しく語り手が素直で存在感が薄い。その代わりか女がミステリアス。

[ 2015-02-20 ]

老歌手、降っても晴れてもモールバンヒルズ、夜想曲、チェリストの五編。音楽と夕暮れをめぐる、とあるが、全編を通じて夫婦間の問題、才能とは、ということが流れているという解説は至言。/「ああやってわしが歌うのを聞いて喜んだと思う。だが、もちろん、悲しんでもいた。わしも同じだ。二十七年間というのは長い。今回の旅行のあと、わしらは別れる。これは夫婦として最後の旅だった」。お互い深く愛し合い、それを理解もしているけど、利己主義的に聞こえても、お互いの生きる目的のために、別れたほうがいいという選択、理解できないヤネク、けど見守るしかない、と。妻のほうは、別の短編で天真爛漫な姿を披露してくれる。/「なあ、レイ。他人が口出しできることなんて限られてる。おまえの人生だ。あるところからは自分の意思で乗り越えなくちゃならん」/「でもね、人生って、誰か一人を愛することよりずと大きいんだと思う。あなたはその人生に出ていくべき人よ、スティーブ」/その他大勢として生きることに甘んじるか、抜きん出ることを目指してもがきあがき前に進むか、という選択でもある、と。それは音楽に限らず。/サラ・ボーン「ラバーマン」「パリの四月」は聞いてみたいとおもった。

[ 2018-05-29 ]

カズオ・イシグロ氏の本を初めてよんだ。
英文学の翻訳と言うこともあると思うけれど、村上春樹から性的なところと狂気さを少なくした感じを受けた。

音楽に纏わる短編集であるこの作品は、とても良かった。
二話目の終わり方が好き。

また、社会主義経済圏出身の登場人物の描写が、興味深かった。

[ 2018-08-12 ]

音楽が関わる5つの短話。それぞれの話の流れが個々の音楽を聴いているような印象を受けた。全体的に静かな感じで心地良く、時折アップテンポになる感じで飽きが来なくとても楽しめた。

[ 2017-12-18 ]

音楽と夕暮れをめぐるとある通りの短篇集。適度に通底しながら5つの短編が楽しめる。何箇所か笑えたところがありしんみりもできた作品群だった。

[ 2017-11-17 ]

著者特有の、信用のできない語り手というか、変な雰囲気はよく維持されている。
反面、やはり短編集になってしまうと掘り下げが浅くなってしまう。イギリス文学は短編に向かないのではないか。どうでもいい日常を切り取ってよくわかんない余韻を残すような手法は、アメリカ文学の方が優れているような気がする。英文学はどっしりと構えた長編の方が面白いのではないな。
とはいえ楽しく読了した。ジャズマンの話が特に好きだった。整形手術で顔が包帯だらけという奇妙な状況、再起を夢見るスタートの邂逅、プライドの高いクソ野郎の主人公。。。いいねー。好きな要素が詰まってる。

[ 2017-10-23 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2018-04-10 ]

「忘れられた巨人」と一緒に平積みになっていたのを買う。「巨人」も老夫婦の話だったが、本書も中年・老年の夫婦の話ばかり。著者のテーマなのだろうか。

[ 2018-04-15 ]

過ぎ去りし時代の音楽は知らない曲ばかり、YouTubeで探し聴きながら読んだ。格調高い文章は行間に時間の狭間が織り込まれる。情景を空想し登場人物に自分を重ね合わせて読む。すると今日一日疲れた体、心が癒される、不思議な文体である。

[ 2016-10-24 ]

私は初めての作家を読む場合、短編から入るたちなので、この短編集も初めて読んだカズオ・イシグロ作品です。
話の内容とか面白さ云々よりも、カズオ・イシグロはなんて心地良い文章を書くのだろう!と感じた記憶があります。(翻訳者のセンス良さもあると思いますが)
中でも『老歌手』は雰囲気が良く、印象に残りましたし『夜想曲』は面白すぎで大笑いでした。

[ 2015-07-07 ]

初の短編集だそうだ。音楽と男女をめぐる短編集。素敵なテーマではないか、読んでいてそれぞれの音楽を聴いてみたくなった、映画のサントラのように。どれも、小さな可笑しみや感情の揺れを鮮やかに切り取っている。

[ 2015-06-09 ]

お久しぶりのカズオ・イシグロさん。
副題の「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」に惹かれて。
どれも淡々とした話なんだけど、ふと彼らはその後どうなったんだろうって考えてしまう。イシグロさんは人生の夕暮れを迎えた人たちを描くのがお上手だなと思った。

[ 2017-12-31 ]

夜想曲集-音楽と夕暮れをめぐる5つの物語-
カズオ・イシグロ
2009年6月発行
2017年12月31日読了

2017年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの短編集。
カズオ・イシグロは長編ものが多いそうですが本作品は短編集作品。
全部で5つの物語からなる。作者からは全5楽章からなるこの作品を1つのアルバムのように味わって欲しいとの想いがあるそうです。
・老歌手
・降っても晴れても
・モールバンヒルズ
・夜想曲
・チェリスト
どの作品にも「音楽」「夫婦間もしくは男女間の危機」が共通のテーマとしてあるということ、そして、どの作品も「ある人生の一瞬」を切り取った時間軸で短編集が構成されてます。
1つ1つ読み終わると、「えっ?」ここで終わりなの?というものが多いです。その続きは?どうなるの?という作品が多いです。
もう1つ、どの作品にも「哀愁」というか「寂しさ」を感じさせます。
老歌手
語り手(ギタリスト)はベネチアである老歌手夫婦間に出会う。かつてビッグネームだった歌手だが今はその輝きを失い、夫婦にも不協和音が。
その歌手に請われ妻のために一夜の伴奏を請け負うが…
他にもモールバンヒルズ、夜想曲。
のんびりしんみり読めました。

[ 2019-01-31 ]

副題「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」
を描いた短編集。

物語によってしんみりしたりクスッとできたり
なかなか面白かったです。「降っても晴れても」の
主人公の友人たちのなかなか下衆さに呆れたり
「夜想曲」のホテル探検はいい歳した大人でも
ハラハラドキドキしてしまいました。

なんとなく50~60歳になったときに
また読みたい。

[ 2019-05-04 ]

音楽が出てくる小説が好きなので友人が貸してくれたが…なかなか手こずってしまった。外国の方の話はもともと苦手なのもあるけど…文章はそんなに難しくないし登場人物も少ない。なのに、息苦しい感じがして、読み進むのに時間がかかり、頭に入ってこなかった。残念ー。
他の本もこんな感じかな?長編にチャレンジしてみたい。

[ 2014-01-01 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

続きを表示

[ 2014-12-13 ]

音楽と夫婦の危機をテーマにした5つの短編集。しんみりした物、コメディタッチの物と作風に変化はあったが、妻側がお金とか名声とか夫に求めるものが多く、それが叶わず上手く行かない…みたいなのが多かった。取り上げられている60年代の音楽に私自身が馴染みがなく、作品にどれ程の効果をあげているのか今一つ掴めなかったのと、どれにも落ちが無くて読後どう感じたものやら途方にくれた。その時の状況と心情を汲み取って味わうものなのでしょうか?

[ 2015-09-23 ]

ここに収められた五つの短編には、音楽における通奏低音のような一貫したテーマが読み取れるものとなっている。長い人生のある一点、そしてその一点が人生のターニングポイントとなるような瞬間を切り取る物語。

[ 2017-11-19 ]

ヨーロッパのカフェや丘の情景が浮かぶ。
どんな作風なのか、と思って購読。
自分の事を見つめるのがやはり外国っぽいかも。
夜想曲のサックス奏者の話

[ 2013-10-21 ]

をーもしろい!
電車で読むと笑っちゃう。降っても晴れても

唐突に不穏な空気をかもしてくるとこがすき

[ 2018-05-04 ]

短編集。
ガードナーさんが歌う 老歌手

ノートを見なかったことに。家が犬臭くなるレシピ 降っても晴れても

リンディ ガードナーの隣の部屋のサックス奏者 夜想曲
などなど。

カズオイシグロさんを初めて読んで、なんだか好きだなぁと思い、何冊か買ってしまった。

[ 2013-03-29 ]

クラッシックに興味があったため、タイトルのノクターンにつられて手に取りました。内容はもちろん音楽が密接に関係していますが、印象が強かったのは男女の恋愛です。短編集なんですが、どれもが恋愛色が濃いですね。またそれが夫婦間ということもあり、まだ二十歳になったばかりの私には理解しかねる場面が多々ありました。正直に事を云うのではなく、フィーリングが大切なんですね(苦笑)。
それぞれの話は違った世界観があり、とても楽しめました。知らない単語もありましたが気にせずスラスラ読めましたね。あまりの大人な話になんだか自分がませたような気がしますよ(笑)。
著者のカズオさんは私と同じ長崎出身だそうで大変光栄です。私好みのお話ということもあり他の作品を読んでみたいです。

[ 2016-03-10 ]

素晴らしい短編を読んでいる最中とその読後は、わたしはいつも上機嫌だ。
郷愁、旅情、人の生きる辛さやせつなさをそのままの言葉にせず、作家の言語で表している。

[ 2017-11-05 ]

サブタイトルに「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」と書かれている五つの短編集。夕暮れは、人生の華やかな時を終え、夫婦の睦まじき時を過ぎ、孤独の世界に入ろうとする作中の主人公たちを象徴しているように感じる。音楽はその孤独を強める。楽しい本ではなかった。年老いて、人生の真実を突きつけられたように感じる。心理描写がよく、自分の経験を繰り返している感じを受けた。訳も優れる。

[ 2012-07-09 ]

物語として純粋に楽しめる。イギリスの作家だという事を忘れる程身近に感じられるお話。途中話し言葉の和訳が変で笑った。知らいでか!って使わない。

[ 2012-06-19 ]

初の短編。一日の終わりに一編ずつ読んでいきました。短編であるから仕方のないことであるし、それが余韻や良い雰囲気を醸し出しているともいえるのですが、話の閉じ方が暗示的すぎるといいますか、悪くいえばすっきりしないものが多かったように感じました。「日の名残り」「わたしを離さないで」といった愛すべき作品のことを思うと、自分は、やっぱり彼の長編が好きなんだなって思いますね。とはいえ、満足の一冊。優しさと温もりに包まれた一日の最後のひと時。この本に触れるあの毎夜の喜びがこれでおしまいなんだと思うと、あぁ寂しいです。

[ 2012-03-05 ]

〈人生の夕暮れ時とそれを彩る音楽に関する、著者初の短編集。〉

著:カズオ・イシグロ

イシグロの初短編集。

イシグロらしい、取り返しのつかない人生への少しの後悔が感じられる作品集です。

面白いのが、いくつか勢いのあるコメディみたいなものがあったこと。

出てくる歌手の名前とあいまって、古き良きアメリカ映画を思い出しました。

こういうのも書けるのだなー

長編ばかりに疲れた骨休めにどうぞ。

[ 2012-03-04 ]

カズオイシグロ「夜想曲-音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」http://t.co/HggjBnoD 読んだ。たぶん2度目…人生や男女関係の黄昏に音楽が絡む。この人の眼は意地悪だな。冷徹とは違う。皮肉屋さん。人が困った状況にあるのをにやにや見ながら冗談にしちゃう感じ。

[ 2015-02-15 ]

20150213読了。
静かな余韻の残る短編集。
どれも音楽がメインに流れ、そしてそれに絡まる人間模様。
破綻に向かう夫婦関係の中を音楽が淡々と流れていく。
特にここという盛り上がりがあるわけでもないのだが、なぜか心に響いてくる。

[ 2012-02-27 ]

カズオ・イシグロさんは、日本人のようですが、感覚は日本人のようではないようで、外国書を読むといつも感じることですが、微妙なニュアンスが伝わらないです。
文化の違いかな?

[ 2012-05-12 ]

やはり、カズオ・イシグロの作品は好き!長編とはまた違った短編ならではの味わい。こんなのも書けるんだ、と感激した。長編の完成度高い傑作と比べ、力の抜けた、リラックスして書いたようなさりげない感じがまたいい。全体的にこの人らしく、淡々と穏やかで表現力豊か、的確で洗練された雰囲気。2話と4話はユーモアに溢れていて新鮮。
どの話も何か欠けている普通の人たちが登場する。リアルで皮肉で悲しい、でも軽やかなタッチ。音楽の叙情とあいまってとてもお洒落に仕上がっている。タイトルのさりげなさもいい。

・「老歌手」
一番好き。とても切ない。
・「降っても晴れても」
笑わずにいられない軽妙なドタバタ話。
・「モールバンヒルズ」
・「夜想曲」
ドタバタ系。大声あげて笑っちゃった。
・「チェリスト」
これも切ない。才能があると言われ、自分でも信じながら、それを人生において開花することのないまま時を経てしまう。もう諦める?まだ今から?
プライドがある。でもどこかでわかってる。エロイーズの今日に至る考えや行動は極端で、滑稽にさえ見えるが、時に芸術とはそういうものだ。常識や社会通念から切り離されて、自身の信念や熱意が崇高に昇華され花開く。エロイーズの正常な狂気に、どことなく感じる不気味さ。結局、少年含め結果を出せず凡人としての人生を送る哀しさ。大人になったから、この類のテーマは心にチクチク刺さります。

[ 2014-04-27 ]

雰囲気は独特のものがあります。この本の表紙だけ見ると、怪しい本に思えてしまいますが(苦笑)そんなことはありません。
短編集ですが、なんとなくもやっとしたものが多い。それぞれの登場人物たちが納得して道を選択しているのはわかるのだけれども、なんとなく「もっと他にいい方法がなかったのかなぁ」と思ってしまいます。よい意味で。面白いというわけではないけれど、夢の余韻のようにちょっと心の中に残っちゃう、みたいな雰囲気です。

[ 2012-03-22 ]

音楽が思い出を想起させて現代と対比させる話が中心的につづられる

音楽について無知でも楽しめる

もっと読みたい

[ 2011-09-24 ]

短篇集なのだが、なんだか途中で飽きてしまった。
理由は、ずっと同じ調子で、どの作品も進んでいったからだと思う。

「モーバンヒルズ」の主人公にはイライラさせられた。身勝手すぎるし、頭も悪いし…
そうした生身の人間くささがカズオ=イシグロ作品の面白さなのかもしれないが。

[ 2012-01-23 ]

イシグロ、初の短編集。
そのためか、「短編を書こう」という意気込みが強すぎてやや空回りしている印象。
もう少し肩の力を抜いて長編と同じようなトーンで書ければよかったんだろうけど。。

[ 2014-03-03 ]

同じ著者の「日の名残り」「わたしを離さないで」が面白かったので購入に至る。

ストーリーに大きな山もなく、(この著者にしてはポップでギャグが多いのだが、)一般的にいえば恐らく些か静かな短編が5編収録されている。長編の習作ではない短編は初めてで、また短編集を出すこと自体も初とのこと。
普通に面白い作品ばかりだったが、「日の名残り」や「わたしを離さないで」に比べれば、少し型落ちするかなという印象。いずれも余韻を残した終わり方をする話ばかりで、それが僕にとっては「残しすぎ」と映ってしまった。面白いのはここからじゃないのかと。それでも僕は夢中になって一日で読み終えてしまったが。
登場するキャラクターのひとりひとりは皆、魅力的で、
会話やちょっとした設定なんかも面白く感じた。特にリンディは無邪気で気分屋でかわいらしい。
また、巻末の訳者あとがきが面白かった。欧米でも日本でも短編は人気が無いらしい。具体的にいえば、欧米の短編マーケットは、長編に比べて、1/4になるそうだ。自分の好みとは逆なので、非常に驚くとともに、面白いなと感じた。

[ 2016-09-27 ]

著者初の短編集という事で期待していたが、不思議な味わいと独特の余韻はあるものの、面白いかというとそんなでもなかった。翻訳は良し。

[ 2018-08-30 ]

副題のとおり、音楽と夕暮れがモチーフとなる5つの短編集。ぼく、として語られる主人公は音楽家だったり、音楽好きだったり。そして主人公に関係するカップルが登場するがどれも関係が危うくなっている。話の進行には音楽が介在し、物語は進む。5つの短編それぞれが一つの曲が流れるように、一つの曲を聴き終わるように、そんな読後感だ。

「老歌手」はベネチアでバンドを掛け持ちするギター弾きが、ある老歌手が妻のためにホテルの窓下の水路で歌う伴奏をする。なぜそういうシチュエーションが起きたのかがミソ。

「降っても晴れても」は、雲行きが怪しくなった、ロンドンに住む大学時代のクラスメイト夫婦の家に訪問した47歳の主人公の話。その妻と主人公とは音楽の好みで共通点があったが・・・

「モールバンヒルズ」は、ひと夏、姉夫婦の営むイギリスのモールバンヒルのカフェで働くギターで身を立てようとする若い男性が、客として訪れた音楽家夫婦に自分の作った曲を聴いてもらうと・・。

「夜想曲」。これはなにかとんでもなく突飛な設定。売れないサックス吹きが、「整形をしたら売れるんじゃない?」というマネージャーの言に従い手術をしたが、その術後の部屋の隣に有名な女性スターがいて・・

「チェリスト」。これもなんとも不思議な話。イタリアのアドリア海に面した町で、若いチェリストがやってきて町のバンドに在籍するが、天才チェリストと名乗る女性と出会い、自身の演奏を指導してもらうが、女性は決して自分では演奏して見せない。実は・・

[ 2016-05-08 ]

カズオイシグロの本を何冊か読んで気に入ったためこちらを手に取った。
音楽に詳しければもっと楽しめただろう。
どれも儚げな味わいがあり、ユーモアもある上質な短編集。短編なのでやや物足りない部分もあったが、それは致し方ない。個人的には夜想曲が面白くて好き。

[ 2011-04-29 ]

ウィットに富んだ短編集だけど、いかにも翻訳調の悲喜劇で楽しめない。
静かな感動を丁寧に重ねていく長編がカズオイシグロの本領と思う。
中島京子の解説は素晴らしいけど、本編がしっくりこない。

[ 2012-04-16 ]

オシャレな話しばかりだなぁとおもった ほどよく現実+ほどよく現実離れしていて 絵本のようでもあり大人哲学のようでもあり どのストーリーもすごく面白かった。

[ 2012-02-08 ]

大きな事件が起こるわけではないが、細やかな男女の機微を描いた作品。やるせない哀愁が漂う。
(2012.2)

[ 2011-04-29 ]

離婚だの、袋小路に入って出られそうになくなって顔を合わせるのが苦痛そうな夫婦など、なんだか「ああ、どうしようもないな」という関係ばかりが、次々に語られる、ちょっと辛気臭い連作小説。
この本を読むことは、ちょっと気の晴れない読書になるが、『降っても晴れても』で、太った口うるさいおばさんになって かわいらしさを失ったエミリが、最後にちょっと漏らした本音とか、『モールバンヒルズ』で(本当にそう思っているわけでもないのに)何事も「運がいい」を連発する夫に、イライラを誘発されてしまう妻とか、細かい部分の感情がとてもリアルに感じられて、読むことをやめられなくなる。

[ 2017-06-27 ]

2017年6月26日、再読。ケン・リュウ、テッド・チャンと続けて読んで、SF小説なので当たり前だが、どの話も必ずSFの形を取っていることに疲れを感じて、本棚をゴソゴソ探してきた。私の好きな音楽をテーマにしていることもあり、どの話も面白かった。プロどころか、今となってはアマチュア音楽家でもなくなってしまったが、それでもなお、まだ音楽に心をグッとつかまれて身悶えすることがある。それは私にとっては私だけの特別な感覚のような気がしていているのに、見事に言葉にしてしまう作者にすっと引き込まれてしまう。私にとって村上春樹と並んで特別な作家である。

[ 2012-11-29 ]

イシグロの作品に、病みつきになっている。いつも、いつまでも手放したくない思いだ。この短編も良い。どれも確かな手応えがある。全てにこれからがあるというのが魅力なのだ。それも予測不能なのがよい。

[ 2011-04-13 ]

kindleで原書で読み始めました。
なぜ購入したか、というと文中にジャズが出てきたから。平易な表現のなかにコメディやペーソスを感じます。
文体にリズムがあり、音読するように黙読しました。

[ 2011-05-05 ]

日系イギリス人のカズオ・イシグロの初の短編集。音楽と夕暮れをモチーフに小粋な作品ばかりだ。日本との文化の違いで細かい部分が理解しにくいところもあるが、その文章、内容を素直に受け止めて味わうといいだろう。次はブッカー賞受賞の「日の名残り」を読んでみたい。

[ 2019-04-30 ]

老歌手
この短いテキストでこれほどに芳醇なストーリーが編めるのかと驚きます。まあ、この老歌手に共感できるようになってこそはじめて、一端の大人、なのかもしれません。

降っても晴れても
この作家の作品をそれほどたくさん読んだことがあるわけではありませんが、こういうコメディタッチもありなんですね。小説というよりもドラマ脚本という感じがしますが、それでもどこかに詩的な雰囲気が漂っていて入り込めました。

モールバンヒルズ
人間というのはなかなかまっすぐに伸びていくことはできないものですね。節を作りながらそのたびに少しずつ曲がっていくので、それがその人のその人らしさを形づくっていくんですね。

夜想曲
ひょんなことから顔の整形手術を受けることになった男のコミカルなショートストーリーです。現状と未来との間にプライドがとぐろを巻いていて、あるセレブリティがそれを解きほぐすために突然目の前に現れる。シンプルな筋なのに、読み手側で色々な解釈ができるエンディングです。

チェリスト
他の作品とは少し違った趣があります。ある意味では、最も他の長編小説に近いものがあるような気もしました。コメディタッチは鳴りを潜め、どこか深刻な苦しさが表れているような気がしました。

[ 2011-09-12 ]

音楽をモチーフにした短編小説集。コメディー物もあり、各話ともあまりシリアスにならずに話が展開して行きます。
この作者らしく、どの作品も語り手の主観しか見えません。様々なキャラクターの主人公からなる物語と語り口によって、バラエティ豊かな一冊になっています。
イギリスやイタリア、アメリカが舞台となり、いずれの主人公もどこかから来てどこかに行く存在です。それが独特の緩やかな雰囲気を全体に与えているのかも。

[ 2011-08-12 ]

食べ物やファッションなど、文字とは別の器官で捉えるものをあえて文字で。の、音楽編。

おしゃれだったけど、やぱり長編のほうがすきかなあ、

[ 2018-01-13 ]

寂しいとか、哀しいとか、そのような印象だけが読後感として強く残る。失礼ながら話の筋はあまり残らない。。印象だけを強く残すという、感覚を得た。
こういうのが芸術としての文学っていうのかな。
仮にこれの話の要旨をまとめても、この話を説明したことにはならない。全部読んでようやくこの話を味わったことになるという意味で芸術なのかもしれない。

[ 2011-04-26 ]

english journalでkazuo ishiguroの文章の素晴らしさを賞賛する記事を読み、果然読みたくなってまずはと短編集を図書館で予約。

予約待ちしてやっと手に入ったと同じタイミングで、NHKのETVで10年ぶりに来日したkazuo ishiguro特集をやるのを知って早速予約。

なんか運命を感じます。

前置きはこの辺で、彼はとにかく村上春樹でさえめずらしく賞賛するほどの才能の持ち主。
だけど彼の作品の中でお勧めをあげるとすれば、この短編をあげる人はまずいないだろう

彼の緻密で計算されて構成、洗練された表現は長編でこそ発揮され、長編でなければじっくり味わえない気がする

あとは、できれば彼の作品は英語で読んでほしいと思う
決して英語は得意でない私でさえ、この短編であきらかに訳のまずさのせいでひっかかる部分がいくつかあった

今the remains of th dayを読み始めたばかりの私だけど、読み勧めていくのがはやくも惜しくなっていっている

[ 2011-07-28 ]

副題の通り、音楽と夕暮れをめぐる短編集。男女の人生の悲哀が音楽に絡めてうまく浮かび上がってくる。どの話もよくできているけれど、敢えて1つ挙げるとすれば「チェリスト」かな。自分に可能性があると思っていて、それを信じているのだけれどいつの間にか損なってしまう、そしてそれに自分は気づかない(或いはその振りをしている)、そんな男女の姿が何とも言えず物悲しく、でもリアリティを持って描かれている。読んでいて、自分も同じ状況なんじゃないかと不安感を覚えてしまう。こういう話ってなかなか書けない。

でも、やっぱりカズオ・イシグロは長編を読みたいかな。

[ 2018-03-26 ]

老歌手/降っても晴れても/モールバンヒルズ/
夜想曲/チェリスト

音楽と親しい人たちが物語る。メロディーをバックに時々の想いを。知らない曲のほうが多くてちょっと残念。知ってる作曲家の時はちょっと嬉しい。

[ 2012-03-18 ]

近年大好きな作家のカズオ・イシグロ。この短編集も良かった!世界各地いろいろな街が舞台なのに、共通に漂う濃霧のようなしっとりとした空間。それぞれの音楽を聞きながらもう一度読めたらいいなあ。そんなカフェやせめてテレビ・ラジオ番組ないかな。「海辺のカフカ」のベートーベンとか、「1Q84」でも音楽がながれていたはず。ああ、ブログでもいいなあ、本と音楽をまとめたサイトつくっているひといないかなあ。

[ 2011-06-18 ]

今まで何冊か読んできたが、この中の「降っても晴れても」はカズオ・イシグロの「ユーモア」をはっきりと感じることができた。
彼は、本当に「人生の夕暮れ」を描くのがうまい。

[ 2011-11-08 ]

これは合わなかった。。。
カズオ・イシグロがどんなに音楽が
好きかということは分かったけれど。。。

[ 2011-04-26 ]

著者、初の短編集だそうだが上手い。
人と人の間に起こる、ごく微妙な心の揺れや、感情の移り変わりが、さらっと、でも鮮やかに描かれていて、自分もそんな気持ちを持ったことがあったと、気づかされた気がする。
「チェリスト」「降っても晴れても」が特に好きだ。

[ 2015-08-14 ]

よくわからんかったです……。「私を離さないで」の印象が強かったのもある。少し不思議を期待してしまった。背表紙や解説にもある「ユーモア」も解せず。
音楽、才能、男と女。通じるテーマで描かれる連作はどこか気だるげで。夕暮れという言葉は素晴らしい。

[ 2011-04-01 ]

「音楽と夕暮れをめぐる5つの物語」というサブタイトルのついた短編集。カズオ・イシグロ初の短編集、だそうです。

年老いたかつてのスター歌手が妻に捧げる歌――「老歌手」。
友人夫婦の奇妙ないさかいに巻き込まれた男――「降っても晴れても」。
ミュージシャンを夢見る若者とドイツ人夫婦の出会い――「モールバンヒルズ」。
整形手術を受けることになった才能あるサックス奏者――「夜想曲」。
若きチェリストとその才能を見いだした女性との不思議な個人レッスン――「チェリスト」。

淡々とした語り口の中ににじむユーモアとペーソスが味わい深い。
また、静かな緊張感が一貫して漂っていて、独特の読後感があります。
でも、この人は長編の方がいいんじゃないかな、というところで星3つ。

[ 2015-08-23 ]

以前から気になっていたカズオ・イシグロさん。
タイトルにも含まれているが、夜・夕暮れの雰囲気が漂う五編の短編集でした。
どの物語にも音楽が深く絡み、燻っている特別な才能の悶々とした感じと、評価されているようなされていないような有耶無耶な感じから侘しさと薄暗さが滲み出ていた。

特に好きだったのは「モールバンヒルズ」の夕方に丘の上のベンチで行われたコンサートの場面と、「夜想曲」のハラハラする夜中の探検(悪戯)の場面。
とんだユーモアというか、「降っても晴れても」の主人公には同情します。

今度は長編も読みたい。

[ 2012-12-24 ]

昨日読了。

著者初の短編集。
タイトル通り、全ての作品に
音楽家(二篇目のみ音楽愛好家)が登場する。
各篇独立しながらも、
夫婦の危機、音楽家としてのアイデンティティといったテーマは、
全篇通底している。
その手法はどこか、
60~70年代の英国ロックバンド達が世に送り出した、
コンセプトアルバムを思わせる。
しかし、作者は作中の音楽愛好家に、
そのコンセプトアルバムについて、
「仰々しいだけのロックバンド」が奏でる音楽だと
語らせている。
そういった、皮肉のきいたユーモアが、
全篇に満ちている。

普通なんだけどどこか変・・。
くすくす笑っていたのになんだか切ない・・。
そういった読了感は、
イシグロ氏の長編小説のそれと共通するもの。

[ 2011-11-04 ]

長い人生に時々訪れる、センチメントな一瞬の物語。
そんな瞬間には、必ずふさわしい調べがあるのだと思った。
映画やドラマにBGMが欠かせないように。

どの話もやわらかく、少しつめたく、くっきりとしている。
別れゆく妻のために奏でられる音楽、
友人たちとの不思議な関係の間にただよう音楽、
めまぐるしく入れ替わる倦怠と愛情の下を流れ続ける音楽、
いつ開くかわからない可能性をうたう音楽、
そして追憶を彩る音楽。

何ということのない、起伏の少ない物語ではあるけれど、
その起伏の少なさゆえに、味わいの芳醇さをじっくり楽しめたと思う。

[ 2012-09-21 ]

全編、短編らしい魅力があった。
イシグロらしい抑えた筆致が
淡い水彩画のようで好きだ。
「降っても晴れても」のどうしようもない
間の悪さ。
鮮やかに切り取ってみせる
一つのトラックみたいだ。

[ 2011-06-23 ]

渋くて粋。
ジャズが、聞こえてくる。



才能と夫婦の危機と、

人生の夕暮れ。
ビターだ。

[ 2014-12-13 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2012-05-18 ]

大好きなカズオ・イシグロの初の短編集。長編はあんなに重厚で大作なのだから、短編はどうなるのだろう、と思っていたが、ユーモアとちょっぴりの悲しさを含んだ面白い短編だった。アメリカ系の作家の短編と同じ感覚。ずしり、と来るものはないけれど、さらっと読んでなんとなく心にじわりと入り込むようなお話たち。音楽が一貫したテーマになっているのも、とても素敵だった。

[ 2015-03-01 ]

日常に一瞬訪れる夢のような時間と、そこから現実に戻る時のほろ苦さがじんわりくる作品……と、一応書いてみたものの。

全然内容が心に残ってない。
印象の薄い一冊。

[ 2012-02-21 ]

カズオ・イシグロの短編集。カズオ・イシグロを最初に読む作品として適しているかも。他のは長いし、わけのわからないものもあるので。

[ 2012-02-05 ]

何度も読み返したくなる短編集。
「本を開いてあの頃へ」ですすめられていて興味を持ったが、とても気に入った。
読むたびに新しい発見や視点を見つけられそう。
やっぱり老歌手が一番好きかな。

[ 2011-03-15 ]

5つの音楽に携わる残念な男女の短編集

本当に残念な人たちだと思う


『わたしを離さないで』を買ったきり、読んでないのでよまないとなぁ

[ 2011-03-03 ]

面白かった。やっぱり長編より短篇が好きかも。(集中力がないだけ?)悲哀をともなうユーモアに満ちている。音楽とパートナーと夢とについて語るうち、人生を語っている。
「降っても晴れても」がいちばん好き。「じぶんの部屋だとくつろげない」というところにえらく共感した…。ジャズに染まった青春、いまは冴えない独り身50男。親友夫婦からはあんな仕打ちを受け、それでも腐らないでまじめに犬のきもちを考えたりして、滑稽!情けない!でも刹那、目の前にあるちいさな幸せを味わっていたい…。余韻の残るラストも好き。

[ 2011-07-07 ]

「わたしを離さないで」のカズオ・イシグロの短編集。
テーマは、夫婦の危機、音楽。

「わたしを離さないで」よりはいれこめなかった。期待が大きすぎたかもしれない。
別のこんどは長編を読みたい。

[ 2011-04-26 ]

日系アメリカ人作家カズオ・イシグロの短編集。ちなみに『日の名残り』は未読、『わたしを離さないで』は『殺人容疑(映画「ヒマラヤ杉に降る雪」の原作」』の作家と勘違いして読みました。どちらも映画は観てません。5篇のお話はすべて自分や他人の才能を信じ、ある種身勝手にそして無様に、どこまでも我が道をゆこうとする人々を淡々とした筆致で描いたもの。あまり好みではありませんでした。

[ 2017-11-03 ]

海外の翻訳本は殆ど読まないですが、
ノーベル文学賞を受賞されたというので
初めてイシグロさんの本を手に取りました。

五編の共通するところは音楽をテーマにして
夫婦のいざこざが描かれています。
どれも主人公が男性のうだつの上がらないミュージシャンです。
うだつが上がらないから妻と関係が上手くいかないのか、
それとも妻との関係も上手くいかないからうだつが上がらないのか。
と卵が先か鶏が先かと思ってしまいますが、
どちらかが上手くいかないと両方ダメになってしまう
パターンがこの芸術家には多いようにも思えます。
男性がうだつが上がらない状態だと日本だけでなく、
他の国でも男性が切なく思えてしまうのは万国共通なようです。

ここに出てくる音楽は洋楽であまり知らない分野だったので、
詳しいことを書かれていても理解しにくく、
雰囲気などもしっかりと味わえない所が少し残念でした。
音楽に詳しい方だったら音楽の要素も味わいながら
この作品も十分に味わえるかと思います。

解説ではユーモラスに描かれているとありますが、
ユーモラスというのが日本と海外では少し異なると思うので
あまり笑えるという要素が低いかと思いましたが、
一番分かりやすくて面白かったのは「夜想曲」でした。
これは映像化にしたら凄く分かりやすくて面白いかと思います。
コメディ映画にでもなりそうな気がします。
この作品の中で
人生は、ほんとうに一人の人間を愛することより大きいのだろか。
という台詞が印象深かったです。

好みの作品は「老歌手」。
ベネチアという舞台からいっそう悲哀感が出ていて、
男性の女性に対する想いのいじらしさ、純粋さが出ていたようで
思わず頑張って欲しいとエールを送りたくなるような物語でした。

ラストの「チェリスト」だけは夫婦ではなく、
これから結婚して夫婦になる作品でしたが、
それまでが不思議な関係の物語でした。
これが音楽の才能、または感性や才能というものなのかとも思い
それまでの物語のミュージシャンの才能というものを
また振り返り考えさせられるものかと思いました。

どの作品もどこか大人の雰囲気があり、
セピア色のアルバムをめくっているような雰囲気を味わいました。
やはり風景、情景などが日本人とはまた違った表現方法なので
異国情緒がここかれも垣間見れました。
これぞ海外の大人の文学なのかなとも思わされました。

翻訳本にしては短編集のせいか割と読みやすい作品が多かったので、
また何かの機会があったら今度は長編を読んでみたいと思いました。
秋の夜長に音楽と共に読書をするには良い作品だと思います。

[ 2012-07-05 ]

友人が面白いと言っていたので図書館で借りて読もうと思っていたのですがいつも予約上位でなかなか借りられませんでした。発行後暫く立つのでようやく借りることが出来ました。
長編と短編で売れ行きがそれほど違うのか、と驚きましたがそう言われると自分も短編集ってそれほど読んでいないかも、と振り返って思いました。まあでも作家さんやジャンルによるかもしれないですが。

面白いと言っていいのか何となく悲しいと言っていいのか。悲しみの中にじんわりとしたおかしさがあり、反対もまた然り。人生って何となくコミカルですね。だけど振り返ってみるとさみしかったりもするよなあとそんなことを思いました。

[ 2017-10-31 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2013-07-13 ]

表題作の「夜想曲」が一番気に入った。ぎゅっとなるような、ほろ苦いお話ばかり。
イシグロの作品に触れたのはこれで3つ目ですが、今のところ感じていた彼の持ち味は、長編のほうが活きるのかもしれないと感じた。抑制された語りとか、緻密に張り巡らされたミステリとかが延々と続くのが巧みだな!と思っていたので。

[ 2011-03-06 ]

旅する気分を味わいながら、軽やかに楽しめる短編集だった。
景色の描写も素晴らしいし、音楽好きな人ならなお楽しめる。

「モールバンヒルズ」が一番好き。いつか行ってみたい。

[ 2014-02-18 ]

音楽をモチーフにした短編5作。売れない音楽家の哀感を描いたものが多い。余韻を残すためか、終わり方が中途半端なのがある。