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あなたの人生の物語

作品レビュー

[ 2018-12-05 ]

 テッド・チャンが凄いとか、「あなたの人生の物語」が名作だとか、そういうSFファンのなんと多いことか。でもチコちゃんは知っています。……あ、違った。
 そういう世評は知ってはいたけれど、なかなか読む気にならなかったのは、テッド・チャンを読むならまずこの長編をというその長編がそもそもないからである。長編を、しかも分厚いやつを書かないと一流SF作家とみなされない英米SF界において、短編だけでこれだけ鳴らしているのは凄いことなのではあるのだが。
 で、結局、読む気になったのはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『メッセージ』がよかったことと、そのせいで本屋に並ぶ短編集『あなたの人生の物語』が『メッセージ』のばかうけ型宇宙船の映画写真のカバーにことごとく変わってしまったからである。オリジナル・カバーの本書を見つけて、つい買ってしまったのだ。

 ついに空の丸天井にたどり着いたバベルの塔で、さらにその丸天井を掘り進む「バビロンの塔」はオチが読めてしまったが、ブリューゲルの『バベルの塔』を見てきた記憶がまだ色褪せぬなか、小説の場面は頭のなかでブリューゲルのタッチに変換されていた。
 アルジャーノンの異版のようにはじまり、最後は超能力者対決みたいになる「理解」。これは映画化したら面白そうだ。監督はクローネンバーグ。
 1が他のすべての数と等しいと証明してしまった数学者と、他のすべての人に感情移入できるその夫という夫婦の破綻を描く「ゼロで割る」。理系と文系のわかりあえなさ?

 「あなたの人生の物語」は必然的に映画『メッセージ』と対照しながら読むことになる。映画の原題は「到来 Arrival」であり、7本足の異星人ヘプタポッドは地球に到来はするがメッセージを送るわけではないので、ありがちなことだが、映画の邦題というのは業界のセンスの悪さを示している。話の大筋は踏襲してはいるが、映画はやはり映画的なスペクタクルを追及していることがわかる。原作では異星人との接触は双方向通信装置を介してだが、映画では実際の宇宙船に乗り込んでガラス越しにヘプタポッドと対峙する、などなど。しかし最大の違いは映画が異星人とのファースト・コンタクトに重きがおかれているのに、原作のほうはあくまで「あなたの人生の物語」なのである。語り手ルイーズの娘である「あなた」、25歳で事故死してしまう「あなた」の物語。異星人とのファースト・コンタクトは「あなたの人生の物語」にかかわる挿話でしかない。
 そしてヘプタポッドがやってきた理由を映画では説明してしまうが原作ではわからないままである。それでいいのだ、挿話に過ぎないのだから。

 「七十二文字」は無生物に名辞を書き込むことで動かすゴーレム的世界観と、生物の胚にホムンクルスがいるという前成説の世界観の融合。生命の謎に挑んでいく名辞師の物語。遺伝情報も一種の言語であると考えれば、現実世界のアナロジーのようでもある。
 「人類科学の進化」は「ネイチャー」に掲載されたという、科学論文のパスティーシュ。
 「地獄とは神の不在なり」では、神が物理的に実在する。というか、天使がときどき降臨する。天使が降臨するとその物理的ショックで死ぬ人が現れるとともに、奇跡によって、病気が治る人が現れる、という世界が描かれる。ときどき地面を透かして地獄が見えてきて、人々は地獄に堕ちた人の様子を観察することができるが、そこでは現世とあまりかわらない生活をしている。ただそこには神がいないだけである。これは徹底したリアリズムで信仰の馬鹿馬鹿しさを描いた物語かと思ったが、あとがきをみると理不尽さという信仰の本質を真面目にえぐろうという意図のようだ。
 「顔の美醜について──ドキュメンタリー」は、顔の美醜を認知する脳領域を可逆的に機能不全にする技術が生み出された世界で、この処置を全学生が受けるべきという運動が起きた大学の話を、人々の証言で綴る。「人間は顔じゃない、中身だ」という題目を、ポリティカル・コレクトネスとして実現すべきか、それは行きすぎとみるのか。多様な意見が投げ出される。途中、宗教学者が内面こそ大事というヘブライズムと肉体の美を称揚するヘレニズムと指摘するあたりが面白かった。

 でも、テッドちゃんは知っています。短編こそがSFの精華だと。

[ 2017-06-03 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-06-18 ]

SF短編集。
表題作は映画「メッセージ」の原作。
テッドチャンを初めて読んだが、凄いです。ある空想的な設定の元に、科学的・論理的に、ストーリーを細かに進めていく。発想と話の展開のおもしろさ。
ちょっと難しいが読み応えあました。

他の作品も読んでみたいが、邦訳の書籍は他には出てないのだろうか。

以下は読書メモ:
バビロンの塔
塔を登って天空にたどり着き、穴を掘っていたら出水。
円筒印章のごとく天と地はつながっていた。

理解
ホルモンKにより理解力が異常に発達した男。
映画 ルーシーみたいにも思う。

ゼロで割る
数学者が、1=2でありどんな数も同じであることを証明してしまって苦悩する。

あなたの人生の物語
映画「メッセージ」の原作。
言語学者が宇宙人の言語を解明していく。
ヘプタポッド ルッキンググラス
目的論 表義文字 同時的認識様式

七十二文字
名辞という文字が力を持つ世界では、人類の世代交代が限界にきていた。
名辞を操る命名師の話。

人類科学の進化
ショートショート
人類と超人類

地獄とは神の不在なり
神が降臨する世の中。その際、祝福も災厄ももたらすことがある。
人が亡くなった時、天国と地獄のどちらに行ったかがわかり、地獄の様子を覗くことができる。
神への信仰とは何かを書くが、かなり難しい。

顔の美醜について ー ドキュメンタリー
カリー 美醜失認処置
顔の美醜を判断できなくする処置に関する、いろいろな人のコメントや報道だけでドキュメンタリー的に展開する。

[ 2017-06-28 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2012-04-11 ]

あまり意識はしなかったのだけれど、テッド・チャンの小説は私の嗜好に合致していて読んでいて気持ちよい。というのも、氏の作品は一口にSFとは言い切れない、ファンタジーや歴史的要素が多分に含まれたものだからだと思う。

個人的には巻頭の「バビロンの塔」が一番面白かった。バビロンの塔をどんどん建てていく人々が、バビロン的な世界観のなかで天の頂上に達し、そのさらに上を目指すとき、そこに神はいたのかという話。不思議な読書体験だったし、こういう語り口があるのかと感嘆した。

惜しむらくはテッド・チャンが非常に寡作な作家だということ。一冊でファンになってしまいました。

[ 2017-08-15 ]

表紙からして全力で宣伝をかけている通り、映画「メッセージ」の原作である表題作「あなたの人生の物語」をふくむSF短編集。この作品がこの1冊に占める割合はそんなに多くないので、まずこの分量を良く映画にしたな、と思うはずだ。
SF、というと我々が生活している実社会とは大きく離れた世界観や科学技術を取り入れるイメージが強いだろうが、収録作品の多くは実社会をベースにしており、また科学についても世界観に影響を与える前段階、「その技術の誕生により世界がどう変容するか」という描き方をしているように思う。つまるところ、我々が実際に生活する社会のif思考実験だ。
そして、多くの作品においてその題材は、「人間の認知」と「世界(科学技術をふくむ)」のやり取りをテーマとして描き出しているように思う。科学技術や世界観の変化によって、人の認知の枠組みは変容するのか。人がそれまでと異なる認知をし始めたとき、世界に対してどのような影響を及ぼすのか。そのような問いが現実感を伴って書かれているのを読むとき、我々は実際にそのような変容があったら自分はどうするのか、と思わずにはいられないだろう。
そうして考えていくうちに、きっと気が付くはずだ。フィクションレベルまで行かなくとも、現実の社会においてある程度この作品を読むことによって得た「認知」が、現実の社会における生き方にも影響を与えているということに。
それほどの力を持った作品であるので、多くの人に読んでもらいたいとは思う。が、いかんせん文が難しい。ある程度「学問」というもののイメージが付いていないと、作品の特性上学者が出てきて、彼らが話すことがどう論理的なのか判別しにくくなるだろう。自分で学問を始められる大学生辺りからチャレンジしてほしい。

[ 2019-02-13 ]

『バビロンの塔』
 これバベルの塔だよな……。聖書に昏いとこういう時に辛いな。西洋の文化に触れる上でキリスト教は避けては通れないと散々言われているのにどうしてちゃんと勉強しなかったのか。とりあえず『創世記』の「バベルの塔」を読み直してみた。
 バベルの塔とは、創世記に出てくる巨大な塔。天に届く塔を造ろうとしたけど崩れちゃいました、という話で、
・神と対等な立場に立とうという驕り(天に届くとか無理だぞ)
・科学信奉への警鐘(アスファルトとか使ってるけど無駄ですよ)
・自己中心性への警鐘(バビロンだけ特別になろうとするな)
・人類は複雑さを内包していることを示した(話していた言語(=民族)をバラバラにした神)
……と、ちょっと調べただけで色々な解釈があって面白い。
 ただ、私としては折角頑張ってるのに可哀想じゃん、何様だよ(神様なのだが)と思ってしまう。神様なんていねえよ。と。
 で、この小説では神様なんていないので、バベルの塔はどんどん高くなってゆく。神がいようが神がいなかろうが、だから何だって話。

『あなたの人生の物語』
 異星人とコンタクト取ってる間に、自分の人生の未来が分かるようになっちゃった、しかも娘は悲しい死を迎えちゃう、という話。
 未来が分かったとしても、未来に悲劇が待っているとしても、そこに至るまでのプロセスに幸せを感じることができるのかなと思う。以前恋愛小説で「一緒にいるだけでうれしいし、何があるかわかっていても、楽しいものは楽しいよ」(七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』p.267)って台詞を読んで以来、そう思っている。
 当たり前っちゃ当たり前なのだろう。好きな漫画や小説って何度でも読み返すし、極論死ぬって分かってるのに一所懸命生きてるわけだし。
 「物理法則の一般的公式は因果律的であるのに対し、フェルマーの原理のような変分原理は合目的的、ほとんど目的論的なもの」(p.239)とするなら、良い人生は後者かなと思う。ゴール目指して走ってる感じ。


『七十二文字』
 人口抑制という、まるで神々が行うかのようなテーマがある。以前マルサス『人口論』に挑戦した際は、難しかったのと、雲の上の話だなという印象があり結局挫折してしまった。
 ここでは、貧困層の人口抑制について触れられる。人道主義的な主人公はこれに反対するし、なんとなく私も反対かなーと思ってしまう。子ども産む産まないなんてものに国家等がいちいち首を突っ込むことではない。
 ただ、マクロな視点で考えたときに、人為的な人口抑制をすることによって結果的に社会全体の幸福の量が増えるのかもしれないし、何をもって人道とするかという考えに至った場合、人口抑制をしないことが非合理的、それどころか非人道的と捉えられるような考え方もあるのかもしれない。
 新書レベルで人口論について学んでみようと思った。

『人類科学の進化』
 科学がどんなに進歩しても……という話。これが皮肉なのかは分からないが、「進化」という言葉自体が単なる「変化」に一つの価値観を与えただけに過ぎない。否応なしに変化していく「科学」に、人はどう対峙すればいいのか。なんだか自然災害への備えみたいだな。

『地獄とは神の不在なり』
 『ヨブ記』の解釈が物語に関わってるみたい。『ヨブ記』は、「美徳は必ずしも報われるわけではない」(p.502)ということが書かれているらしい。あとは、神の信仰を疑うなとか、信仰に対価を求めるな、とか。『ヨブ記』では最終的に不条理な目に遭った男がハッピーエンドを迎えるらしいけど、チャンが書いたこの作品は最終的な救済なし。
 ハッピーエンドにしないのはある意味当たり前と言えば当たり前で、ハッピーエンドなら美徳は報われたってことになっちゃう。でもまあ信仰に対価がないなら信仰したくないなぁと思っちゃうし、自分が『旧約聖書』を編纂するなら(!!)信者に読んで信仰のモチベを上げてもらうことを考えてハッピーエンドにしちゃうかなと思う。
 で、現代の現実がどうかというと、そもそも神なんてものはいないから神という概念を頼ることはできなくて、でも理不尽なことは起きてるから、それを納得して受け入れる術がない→神が不在のこの世の中は地獄だなってことなのだろうか。
 物語自体は頓珍漢すぎて付いていけなかったんだけど、不条理に対峙する方法として宗教というものを据える場合、客観的にみたらこんなに滅茶苦茶な話になるんですよ、ということなのかなと思った。

『顔の美醜について』
 面白かった。美しさの持つ功罪をここまで直截的に取り扱っている小説には初めて出会ったかも。
 ある学生団体が、ルッキズム(容姿差別)を解消するために、顔の美醜が判断付かなくなる処置「カリー」(美醜失認処置)を行うという議案を大学で提出し、様々な議論や感情論、企業の陰謀が渦巻くという話。
 顔の美醜が人生に影響を与えることを否定する人はそうそういないだろう。ここでは、病気や先天性の条件で顔に奇形があり冷遇されている人や、美形すぎてちやほやされて精神的に発達しないを取り上げ、こうした悲劇が起きないように「カリー」を行うべきだと学生団体が声を上げる。
 反対意見も当然出されるが、全体を通じて、どちらかと言えば賛成派が善に見えるように描かれていると思う。
 私もどちらかと言えば賛成だが、それは私が顔の美醜がプラスに働く側の人間ではないからかもしれない。「正直いってあんまりお面のよくない人たちが、自分を慰めるためにでっちあげたんじゃないかな」(p.452)と、正直すぎる意見(?)も持ち上がっている。
 私だって、人とちょっとくらい性格が悪くても、顔が良ければ良いなと思ってしまうだろうし、性格がすごく良いのにモテない人とか見ると、この世界は間違ってるよなとも思う。こうした自己嫌悪や世界への嫌悪を抱かなくてよくなるのであれば、やっぱり「カリー」を行うべきなのかなと思う。こんな美人じゃ自分と釣り合わないな、なんてことを考える必要もなくなるだろうし。
 また、話は変わるが、自分の意思決定までのプロセスに、どれだけ金稼ぎを目論む人間の手が加えられているのだろうかと恐ろしくなった。
 この物語では、「カリー」に反対する団体に対し、化粧品業界が資金提供を行っており、それどころか、反対スピーチに音声操作を行い演説が良いものだと思い込ませる加工を行っている。
 私はいい歳にもなって流行物を追いかけることに嫌悪感を抱いてしまう側の人間だが、それは、やっぱり自分の意思を何者かに委ねてしまったかのような気持ち悪さがあるからだ(もちろん、日々広告に囲まれている中でそうした他者の意思から自由になるなんてありえないんだけど、そこは気分と程度の問題ということで)。

[ 2020-03-13 ]

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[ 2018-04-23 ]

おもしろい!理系脳を持ち合わせていないので、理解が追いつかず、時間がかかるのは、私に問題あり!単なるSFじゃない「近い未来」のはなし

[ 2018-08-28 ]

生き方の価値観を揺さぶられました。あと、物理を学んでいた自分にとって新しい物理の魅力に気がつけた、そんな1冊でした。

[ 2016-11-06 ]

科学の世界に詳しい人には特に楽しめると思われる作品。一話一話に新しい世界を感じさせる。短編集だが一つ一つの作品が独自の世界観を形成していて、作者の想像力に驚嘆する。

[ 2017-06-26 ]

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[ 2017-04-05 ]

「地獄とは神の不在なり」
これまで読んだ海外SF短編で最も面白かった。
天使の降臨が災厄と僥倖をもたらす世界という設定。
災厄と僥倖に振り回される人々を描いて、
神への信仰とは何かをうまく語っている。
その他の短編もリアルさとSF的な設定のバランスが絶妙でした。

[ 2017-07-30 ]

2017/07読了。映画「メッセージ」に感銘を受け、原作を、ということで。

最初の作品「バビロンの塔」は、星新一さんの穴の話に似ていた。その他は、難解で読むのに非常に苦心した。

『あなたの人生の物語』は、映画よりも淡々としいた。その他も超本格SFという感じでした。難しかったけど、圧倒されました。

[ 2017-05-28 ]

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[ 2018-03-29 ]

映画を観たかったのだけど、観損ねたので。短編集とは知らなかった。え、これを映画にしたの? どうやって? とさらに映画が気になる罠でした。たぶん、わりと、理解が追いついていないけど、どの短編も発想がすごくてぞくぞくしました。面白かったー。SFは読む気になれない、と思っていた過去の自分に、こんなに面白い世界があるんだぞ、と教えてあげたい。

[ 2017-05-31 ]

半端ねえ……。
すべての短編が、思考実験のような、それでいて物語性もある緊張感をはらんだものだった。

やはりなんつっても「あなたの人生の物語」が評判通りの傑作で、一度目にぐるっとひっくり返される感覚を味わって、二度目読んでようやくそれなりに理解。映画も見た。映画も好きだったけど、やっぱり原作のヘプタポッドの言語の描写と、それを習得することによって思考様式まで身につけていく過程の描写が好き。なんだか、ほんとうにありそうに思える。
>「ぜんぜんすごい」
>信じられない。わたしの仕事仲間が、「すごい」に「ぜんぜん」をつけるような人間だったとは。
なんてくすっと笑ってしまうようなところもあって。(←語尾まねっこ。)翻訳たいへんだっただろうな。でも大変読みやすい。
最初の「バビロンの塔」もおもしろかった。先日ブリューゲルのバベルを見たので、れんがを運び上げる過程など、現実感を持って迫ってきた。
「理解」は「あなたの~」とちょっと似ているところもあるかな。超人的な認識力を持つにいたったふたりの心理戦は鬼気迫るものがあって、なかなかの緊迫感なんだけど、絵面を想像すると超地味(笑)。映像化はぜったいできないであろうw
あとは最後の「顔の美醜について」が、やはり徹底した思考実験のようなんだけど、おおぜいの人の言葉だけで描かれていて面白かった。
「七十二文字」や「地獄とは~」は、よくわからなかった(^_^;; 

しかしここまで練りに練った完成度を求めたら寡作になるのもむべなるかなで……なんとも悩ましい作家ですね。

[ 2018-08-18 ]

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[ 2020-03-03 ]

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[ 2019-10-18 ]

長いこと積読していたが、映画公開前にと思い読む。寡作で知られる著者なので、これまで短篇を一度読んだきり。(たしか「息吹」だったかな?)表題作がやはり良かった。ヘプタポッドたちとのコンタクト部分と、娘への語りかけ部分。一見関係のない話が交互に展開していく上に時系列が前後しながら収束していく。混乱しがちだけど、これは主人公のルイーズがヘプタポッドの言語を習得したからなのかな?と感じた。あくまで異星人とのコンタクトは調味料で、この物語を引き立たせている。映画がとても楽しみ。そのほかは「七十二文字」が好み。

[ 2019-11-02 ]

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[ 2020-03-13 ]

科学とか数学とかの知識がなさすぎて、短編集なのに読むのが時間かかったけど全部面白かった。本格派SF好きはもちろん、SFって宇宙とかの話ばかりで苦手だなーと思ってる人にもオススメ!

特に数学に弱くて「ゼロで割る」なんかは何回読んでもなかなか頭に入ってこなかったので悔しい…きっとその辺に強い人からしたらもっと面白いと感じられるんだろうな。「理解」も一度読んだだけでは理解できず自分の理解力のなさに切なくなったり…宇宙からのエイリアン襲来とかより、人間を超越した存在の話が好きなので、「人類科学の進化」で超人類なんて言葉が出てきたときはテンション上がった。

映画「メッセージ」を見てから原作を読みたいと思って軽い気持ちで読み始めたけど本当に1人の人が書いたのか…?と思うくらいそれぞれの話の世界観から設定から特徴が違うし濃いし、一冊の長編小説を読んだ時よりものすごい満足感を味わえる

[ 2019-10-21 ]

SF短編集。

映画「メッセージ」のなかなか深い世界観がよかったので、原作も読んでみようと思って。

著者はアメリカ人だが、中国系移民の子息だという。

著者のデビュー作でもあるらしい冒頭の「バビロンの塔」は、映画「メッセージ」とも近い、時空を極めて行くと元いたところに繋がっているというテーマか。太極(大いなる極みはつまり無窮に通じる)や陰陽(陽は陰を生み、陰はまた陽を生む)といった中国的思想を反映しているのかも。

表題作で、映画の原作となった「あなたの人生の物語」は、映画と違って(映画はやっぱりアクション要素も必要だろうしね)、過去・現在・未来がただそこにあるものとして描かれている。独特の寂寥感が意外と心地よかった。

一方、「名辞」で泥人形を操る(「七十二文字」)、天使(神)の実在(「地獄とは神の不在なり」)、美醜失認処置(「顔の美醜について」)など、著者独特の世界設定による作品は終止違和感があった、というか気持ち悪かった。こちらは一神教的価値観に楔を打ち込んでいる・・・と思うのはカンタンすぎる解釈だろうか。

著者はまた、物理学やコンピュータ科学の学位を持っているという。SFも「空想科学小説」の枠を超えて、こうした専門知識なくしては描けなくなっているジャンルなんだろうな。

[ 2019-03-17 ]

SF以外では有りえぬ?短編少数で高く評価される稀有な作家。処女作はPKD『宇宙の眼』のような長編になりうるアイデアを緻密なデティールを構築してユーモラスに表現/表題作は、「英語を教えず相手の言語を解明せよ」とのミッションによって女流言語学者の人生観が変化するストーリー。俺も読んで「人生観が揺さぶられる」ような感覚を覚えた。映画化した監督も、短編に多くの意味を読み取ってそれを表現したかったのだろう/『地獄とは…』ヒューゴー賞になるのは宗教トラウマ故か。神は「真実の信仰ではない」という権利を持つ←「真の謝罪ではない」日本の心の中まで支配しようとする朝鮮人は神(になったつもり)か、というように様々な連想がはたらくのが名作たる所以。

[ 2018-01-22 ]

映画の原作と聞いていたので長編と思ったら、短編集でびっくりした。(映画は未見。)以前に一作だけ読んだことがあって、もっとロマンチックな作風と思いこんでいたのだけれど、とっても理屈っぽいことにも驚いた。一つのアイディアを突き詰めていったらどうなるのか、紙の上で実験しているのを眺めているような気がする。もちろん、それだけではないし、小説として楽しめるのだけれど。小説がSFというよりも、作者がSFだという感じ。それぞれ、発想も展開も面白いのだけれど、個人的には『顔の美醜について』が楽しかった。

[ 2018-11-05 ]

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[ 2017-12-19 ]

映画化された「あなたの人生の物語」を含む短編集。超人的な頭脳を持ってしまった男の物語「理解」天使の降臨が災いを招く「地獄とは神の不在なり」伊藤計劃「the indifference engine」を思わせる「美醜について」が一番おもしろかった。

[ 2018-03-11 ]

表題作含む8編の短編からなる。どれも突拍子もないアイデアに驚かされる。非現実的な題材のオンパレードだが、遠未来でそこまで否定されるかは、これまでの革新的技術の進展からは断言はできない。著者のこだわりが全編を通じて感じられ、その解説調子には辟易させられ、何度も途中で読むのを止めようと思ったが、独特の雰囲気の中、結論を気にしながら付き合ってしまった。

[ 2017-09-16 ]

とても理系なSFの短篇集でした。「メッセージ」の題で映画化された表題作が読みたくて選びましたが、文章だけでは想像が難しかったです。映画が気になりました。一番好きだったのは、天使が降臨して奇跡や災厄が起こる「地獄とは神の不在なり」です。天使も見てみたいし、天国や地獄も垣間見える世界ってわくわくします。こちらも映像で見たらすごいだろうな。面白かったです。

[ 2018-06-08 ]

映画「メッセージ」の原作。この小説からとてつもなく深遠なるビジュアルを構築した映画製作者達に賛辞を送りたい。主題は同じだが小説には政治は絡んでこないので主人公のパーソナルな側面に焦点を当てている。小説と映画、どちらも傑作。

[ 2016-06-14 ]

タイトルにもなっているあなたの人生の物語。
短編集でどれも面白かったのですが、とりわけ現実に密接した壮大な不思議でした。最近インターステラーを見たせいかどうにも時間とは、未来とは、また確率とは、ということをすごく考えます。それに対して、その知覚の質から違うかもしれないという、とても面白い視点を築いてくれたお話でした。
わたしはどの極致へ向かうのだろう…
どきどきします。

[ 2018-08-23 ]

古本屋で100円代で売っていたので購入。
現役最高のSF作家のひとりらしい。短編集。バビロンの塔や数式の話など様々な世界観が書かれる。ただどれも自分にはなかなか難解なものが多かった。

[ 2017-09-04 ]

読んだあとにこの小説って何が書いてあったんだろう?
と反芻すると、読み終わった直後よりも、
正解ではないのかもしれないけれど
自分なりの答えが浮かび上がってきて
うわぁ~と全身が締め付けられるような
または何か見えない力強い「何か」に
抱きしめられるような感覚になるときがあります。
今回ご紹介するのはまさにそんな小説。

主人公は言語学者なんですね。
で、宇宙からやってきた
コミュニケーションのとれない異星人と
意思疎通するために政府に雇われる。
最初は異形の異星人との意思疎通は
出来ないわけですが彼女のアイデアをもとに
少しずつ彼らの言語と文字(にあたるもの)を
理解できるようになり
彼らの文字を使って思考することもできるようになる。
すると彼女の意識は少しずつ変化していくんですね。
まぁ異星人の文字を使って思考できるようになるわけですから
考える道具が変わってくるというわけで
当然導き出される答えも変化してくる。

で、その新たな考え方によって
彼女はある重大な決意をするんですね。
決意をするというか、選択をするというか。
どんな決意かということを書くと
ネタバレにしかならないので書きませんが
その決意を読んで私の脳裏に浮かんだ言葉は
「会うは別れの始めなり」という言葉でしょうか。
別れそれも悲劇的な別れがやってくるとわかっていても
それも我々小さな存在の力の及ばぬところで
その悲劇はすでに決められている
ちっぽけな出来事のひとつだったとしても
それでも「選ぶ」ことを続けられるかどうか?

そんなことをこの小説って何が書いてあったんだろう?
と反芻したときに脳裏に浮かんできて
私はうわぁ~と涙してしまったわけです。
オススメです。
ちなみに「メッセージ」という映画の原作らしいです。
2017/09/01 12:51

[ 2016-10-24 ]

言語と思考をテーマにした、珠玉の短編集。
ここでは、もう一度読み返したい二編を。

【理解 "Understand"】
「もっと賢くなったらなぁ」「究極的に頭がよくなると、人は何を考えて行動するか」といった、
誰もが一度は空想する世界が、この短編の中で繰り広げられる。

『アルジャーノンに花束を』と同じく、医療による知能の拡張がモチーフだが、
『アルジャーノン~』で超知性である状態が、数ページだったのに対し、
この短編では後半にかけて、畳みかけるように能力を開花し、
読者自身が賢くなったようなカタルシスを覚える。
サスペンスな展開は、映画『Limitless』に雰囲気が近い。


【あなたの人生の物語 "Story of Your Life"】
表題作。
異なる言語形式を持つ、異星人とのコンタクトを通じて、
思考が変容していく、言語学者の物語。

2016年に『メッセージ(Arrival)』というタイトルで映画化。
日本では、2017年5月公開予定。
目には見えない言語と思考を、どのように映像化するか、楽しみ。

[ 2017-09-19 ]

不幸な未来があると分かっていても、人はその人生を選択する勇気があるのだろうか。
ヘプタポッドの言語を解析したルイーズは、過去・現在・未来を同時に認識する同時的意識を持ち、それによって、将来産まれてくる娘ハンナの未来まで認識してしまう。
悲しい運命を受け入れるルイーズの強さと深い愛に心が打たれる。
小説版は映画とは異なり、ルイーズがハンナとの出来事を未来形で語るパートが断片的に織り込まれており、徐々にそれが何なのかが分かっていく構成で、本作のテーマがよりストレートに響いてくるこちらのほうが映画版より好みかも。もちろん映画も素晴らしいのだけれど。
近代SFの傑作と位置付けていい作品。

[ 2018-12-08 ]

まず思ったのは、作品を読むのに頭を使うことを要求する作家であるということ。
好きな作品はバビロンの塔、七十二文字。バビロンの塔は大人の童話みたいな話。七十二文字は、言葉は言霊を思わせる作品だった。
作者の頭の良さについていかなければならず、読んでいて思わず肩に力が入るんだよね。その点が個人的な好みから言って☆ひとつ減。

[ 2017-12-27 ]

短編集すべてがうまいなぁ…と感じさせる。表題作は、トリッキーな作りなので最初よく分からなかったが、2度目読むと、因果論から逃げられない自分、言語による世界の変容について心がざわつく。

[ 2017-07-10 ]

SFの良い読者でないためにさっぱりわからない話ばかりで( ;∀; )「バビロンの塔」はなんとか読めた。「あなたの人生の物語」も混乱しつつ。「理解」はもうなんか科学進みすぎて魔法戦みたいだなと思いつつ読んでました。
また挑戦するつもり!その日まで評価控えます。

[ 2017-07-09 ]

理詰めの思考法に喜びを感じる方向き。ハードSFのセンスオブワンダ-の真髄を感じる。上質である。個人的には難しくて辛い。

[ 2017-12-27 ]

映画の原作ということで読みました。映画と原作で相違点がいくつかありますが、よく映画化できたな!というのが素直な感想です。こちらは短編集になっていますが、その一編が映画の原作にあたります。ほかの短編はリアリティとフィクションが織り交ぜられていて、本当にありそうな話に感じました。

[ 2018-07-19 ]

201807
海外SFはいつもなんとなく難しくて、若干の眠気と戦いながら読み、読み終わった後になって物語の世界に浸る感じになるんだけど、この本もそんな感じ。心に残る。

[ 2017-02-04 ]

あまりに高尚な表現の数々。私の頭のキャパには入り切りませんでした。映画化されるという表題作はかろうじて理解できたものの、それでも???のオンパレードでした。映像になったらこんな私の頭でも理解できるでしょうか。

[ 2017-06-14 ]

名作とは思うが難解で記憶に残りにくい
表紙   6点岩郷 重力   朝倉 久志他訳
展開   7点2002年著作
文章   6点
内容 715点
合計 734点

[ 2017-04-11 ]

ブラウン大学で計算科学を学んだ作家の短編集。
全てSFだが、難解な本だと感じた。
独特の概念が描かれているが、まずそれがなかなか把握出来ない。

面白いなと思ったのは以下二作。
「あなたの人生の物語」
異星人と言語学者の交流を通じて、新しい世界の見方を獲得する話。
我々人類の言語、思考は逐次的であるが、異星人の言語、思考は目的論的で始めから未来がわかるというもの。正直、良くわかんないけど、未来が確定した世界で生きるというのはどういうことだろうか。

「顔の美醜について」
架空のドキュメンタリーで、人は容姿の美醜により人を差別し、判断する。
そこで他の差別を無くすのと同じように「美醜不認装置」という脳内デバイスにより、美醜により感情がわかないように調整し、人を美醜で判断しない世界を導入する社会に巻き起こる様々な意見を描いたもの。面白い着眼点だと思いましたが、しかし、顔の美醜は本能的な欲求とも関わるものであるから、他の差別と同列化するのは難しいかもね。

[ 2017-10-10 ]

映画をみたので借りてみました。
映画の話は、映画がわりと忠実に再現されていたのだなと
思った。
他の話はわりと難しいので飛ばし飛ばしで
よんだが、理屈や頭を使うことが好きな人、あるいは
使いたい人はとことん考えられるのでよいのではと
思った。

[ 2016-07-27 ]

凄いものを読んだ。特に表題作。SFなのだが、精巧かつ重厚な建造物を造るかのような、論理的な裏付けがされている。宇宙人と如何にコミュニケーションをとるかという課題に対し、丁寧に言語学的仮説を積み重ねながら接近を図っていく様はスリリングとしか言いようがない。自分たちが持っている「価値観」の意味すら揺るがされる。これなどを読むと侵略ものの映画で描写される宇宙人像は、なんと薄っぺらいのだろうかと思う。

[ 2017-09-17 ]

「メッセージ」という映画の存在を知り、本書を手にとった。異星人とのふれあいがリアルに描かれていて、おもしろく感じたものの、(映画を見ていないので)文字がどのようなものか感じにくく、いまいち入り込めず。また、彼らが去っていくのも、「現実で起きそうな話だなぁ。」と思いつつも、エンターテイメントとしてはやや物足りない。
他の作品も、基本的に作者はすごく頭がいいんだろうなぁと感じながらも、私の理解力を超える点もままあり、楽しめたものの、格別な印象を残すまでには至らなかった。
そんな中でも、「バビロンの塔」と「顔の美醜について」は、とっつきやすくおもしろかった。

[ 2019-03-05 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2012-08-12 ]

2冊目は最近読んだSFの短編集です。理系の頭の良い人の描いた文章だなぁとつくづく思いました。難しくて一回読んだだけではすっと頭に入らない文章があるっていう。。
全8章中、理不尽な神と無償の愛についての「地獄とは神の不在なり」、薬物の副作用により超知性を獲得した臨界超越者に関する「理解」が特に面白かったです。
「地獄とは…」の世界では、神による救済が全く無作為で、また罪の無い人が無意味に死んだりと、人間の価値観から理解することが不可能な無慈悲なものとして神が描かれます。特に信仰を持たない自分には、神いるとしたらきっとこんなだよなぁと思えました。
「理解」では超人同士の対決が圧巻。自己崩壊コマンド「Understand」に痺れました。
(最初に原文で読んだのです)

[ 2016-12-05 ]

表題作が、映画「メッセージ」の原作だ。
この緊密な構成の小説をどのように映像化するのだろうと期待しているのだが、予告編を見る限りは、冒険活劇的な展開になるようだ。

空間によって時間を克服されうるのか。
彼らの書く巨大な表義文字と同様のものを、地球人は都市として建造したのではなかったか。

[ 2017-08-19 ]

壮大な思考実験の積み重ねを見た気持ち。SFってこういう世界なんだな、と痛感した。

収録作品:「バビロンの塔」「理解」「ゼロで割る」「あなたの人生の物語」「七十二文字」「人類科学の進化」「地獄とは神の不在なり」「顔の美醜について――ドキュメンタリー」「作品覚え書き」

[ 2016-08-30 ]

機械や科学が介入するバリバリのSFだけでなく、「少し不思議」の意味のSFも含まれた読みやすい短編集。外見の美醜に纏わる物語を広げた「顔の美醜について」は読み応えがあった。

[ 2017-10-11 ]

映画『メッセージ』の原作ではありますが、それは、この本のごく一部。と言うのは、この作品が短編集だから。

いやぁ、不思議な話ばかりですね。SFなので、未来的な話、不思議な話で良いのかもしれませんが、特に後半に収録されている「七十二文字」や「地獄とは神のふざいなり」などは、SFと言うよりはファンタジー。あまりに不思議すぎて、最初のうちは、中身は頭に入ってきませんでした。

映画『メッセージ』の原作は「あなたの人生の物語」。映画を先に見ていたので、なんどなく、あれがこのシーンに相当して・・・などと思いながら読んでいましたが、映画化に際して、脚色されていますね。全然違うとまでは言いませんが、短編の物語が一つの映画になったわけですから、水増しされていますよね(笑)

[ 2019-04-03 ]

本は、作者や編集者の意図がありなんと、短編集でも順番通りに読むが、今回は気になるものから読んだ。
面白かったけど、難解な内容で疲れてしまい、全作品は読み切れなかった。

読んだ順番どおりに書く。

■あなたの人生の物語
映画も気になったが、まず原作から。
これは面白い!映画も後で見たけど、私は原作の方が好み。
人生の物語を全て知った上で、そして喜びや苦悩の極致を知った上で、それでもその道が歩めるか、、
ヘプタポッドの描く文字の描写を見ると、まず漢字が思いついた。漢字そのもののつくりには時制の概念は無いけど、見て一瞬でその概念が頭に飛び込んでくる漢字というものは、優れた発明だとつくづく思った。作者テッド・チャンの名前を見て納得。漢字を知らないと書けなかったのでは?
しかし、映画の宇宙船はどう見ても柿の種にしか見えなかった、、


■バビロンの塔
これも面白かったなぁ。空の天井まで行き着いてその底を触った時には常識が覆ってどうなることかと思った。
円筒印章、これが物語の最初から伏線になっている。平原に横倒しにしたら、、と。秀逸な作品だと思う。


■理解
私には正直難しすぎた。ただ、最後の最後でタイトルの言葉が非情なる重みで主人公に響く。人間を緻密な機械のように捉える概念が怖い。ゲシュタルト崩壊、という言葉を初めて知った。


■ゼロで割る
私は、かつては恋人だった二人の愛情が完全に冷えて壊れる様を見る(読む)のが非常に辛い。どうか、それ以上言わないでくれ、言うな、という男性の心の声に泣けた。「停電の夜に」を思い出す。もうこれは、心臓をえぐられる辛さ。最後の、感情移入こそが二人を引き裂く、というくだりも染みる。一番しんどいことは愛情が冷めること自体ではなく、それに気付いてしまった瞬間なのだろう。
数学に関係ないところで刺さってしまったが、タイトルのゼロで割る=不定の意味は余り捉えられず、これから考えたい。でもゼロで割る、って会社の仕事の表計算でよくエラーになるものだな、、身近な問題。


■顔の美醜について

登場人物の発言で物語が進んでいくが、途中で正直誰が誰やらわからなくなった。核となる女性(ルックス良し)がひたすらに元恋人のことを想っているのが切ない。〝カリー”はお試しなら面白いが、脳損傷受けるとなると微妙。。

作品の中で語られてるように、人は見た目だけでなく、声や話し方、臭い、香りもその人の判断基準にしてると思うう。ほとんど生存本能で、自分にとって危険は無いか、好ましいかを咄嗟に判断してるのかと。作品中の保守派の意見にあたるのだろうけど、感度を鈍らせること自体にとても抵抗を感じる。


一旦これで図書館に返そう。あとはまた読みたくなったら借りたい。「七十二文字」が気になる。でも一旦箸休め。

[ 2019-03-19 ]

科学や物理用語が多数放り込まれるとワケわからなくなるますが、新しい世界はワクワクするのと、テッドチャンがスマートであることはわかった。

[ 2019-07-07 ]

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[ 2017-05-24 ]

短編集ですが、どの話も確かな満足!しかも、どの話も世界観がしっかり確立されていて、引き込まれます。文章も説明的じゃないのに、適切な言葉と会話で見事に表現されていて、私はもう、この著者こそが人類を超越した知能の持ち主なのでは?と驚愕致しました。
今までの読書は何だったんだろう!?何度でも読み返したい一冊。

[ 2017-12-03 ]

SF。ファンタジー。中短編集。
全体的に難しいけど、ぎりぎり読めるくらいの専門的な内容。

「バビロンの塔」ファンタジー。不思議。
「理解」スリリングなSFサスペンス。なかなか。
「ゼロで割る」数学。ヒューマンドラマ。
「あなたの人生の物語」ファーストコンタクト。言語SF。特徴的な構成だが、構成の意味が分かると確かな感動があった。
「人類科学の進化」近未来ショート・ショート。

図書館への返却期限のため読めたのはこれだけ。
やはり表題作が素晴らしい。有名なのも納得。

[ 2019-07-02 ]

SF短編集。各方面で絶賛されていて、SFが苦手な自分でもさすがに楽しめるだろう、ってことで入手。結論。つくづく自分にはSFが合わないんだな、ってこと。一番好きだったのは、最後の美醜判定にまつわる物語。でも裏を返せば、これが一番SFぽくないから、っていう見方も成り立つ。収録作の中では一番長いし、タイトルにもなっているくらいだから、目玉は表題作なんだろうけど、二人称と一人称のパートを順繰りに進行させる、っていう趣向は気に入ったけど、ラストもそこまでのめり込めなかった。慣れればもう少し親和性も出てくるんだろうと思って、なるべく意識的にSFに触れるようにしているんだけど、さすがにそろそろ限界かも。

[ 2016-09-29 ]

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[ 2020-05-16 ]

ハードSFに分類される本で、いくつかの短編からなります。
私は、この本から、一文読むたびに、「この文章を理解できるか?イメージできるか?」と試されているような感覚になりました。
読み終わったとき、本を読んだ者にしか到達できない読書体験ができます。一方で、読む資格があるかも試されます。(私はいくつかの短編は理解できず断念・・)

まずは、読みやすい「バビロンの塔」だけでも。

[ 2017-06-08 ]

異星人との未知の対話と、心に浮かぶ我が子との既知なる日々。
ヘプタポッドが使う架空の言語を紐解くことで明かされる言語の大いなる役割に驚き、心に刺さって残った。
その美しいプロット。
尊い一瞬を生きれたなら命の宿命から少しだけ自由になれるのかも。

[ 2017-07-02 ]

テッド・チャンという人は、文系の私から見ると、ほとんどヘプタポッド並みに違う論理の世界で生きてるバリバリ理系人。かつて想像したこともないような論理で動いている、それでいながら、不思議なほどに接近可能な世界を構築して見せてくれる。
冒頭の話からして、いきなりバビロンの塔である。この世界では、人間は太陽を下に見ながら上に昇り続け、天井の世界の底に穴を掘ったりする。それでもいわゆる「荒唐無稽」なSFなどではなく、この世界の内部では完璧に筋が通っている構造になってるのだ。最後に示される円筒印章のモデルも効いてる。
他の作品で示されるのも、人間が名辞を操ることでゴーレムを動かし、精子の中に完全なホムンクルスの形が保存されていることで生殖がなされる世界であったり、天使が出現して気まぐれに人に災厄や恩恵をあたえたり、地獄が権現するような世界であったり。いわゆるSFらしいSFではないが、今ここにある世界の論理と全く異なる世界を構想し動かすという意味でまさにSF的想像力全開の小説群だ。
そして、やはりどれよりも印象に残ったのは表題作だった。因果的ではなく、合目的であるような世界という、想像もつかないような世界のモデルを、水面に入ったときの光の屈折率をたとえに、そして異星人の標記文字の構造を使って、接近できるように説明する見事さ。そして、われわれの世界観や倫理と根本的に対立するようなその世界観の中で、ひとの誕生と死の間に存在する人生を新たな目で提示する感覚。スリリングでエレガントで味わい深い小説だった。

[ 2018-04-02 ]

「メッセージ」の原作である短編が読みたくて、初のテッド・チャン作品と対峙。

いやーー、何がっていうんじゃなくて、難しい本だった。この翻訳をした人は、相当苦労なさったのではないかと邪推。
SFがあまり得意でないのも合わさって、本当に読み進まなかった。
ボリュームは少ないけど、めちゃくちゃ時間がかかって読了。

[ 2017-08-06 ]

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[ 2017-05-29 ]

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[ 2019-09-24 ]

イーガンと並ぶほどハード。科学に特化されているぶんまだ分かりやすい。女性的センチメンタリズムがとてもうまい。認識が現実に浸透してくるという共通作風は確かにそうだ。ある種のスチームパンクである「72文字」などはサスペンスやアクションすら内包しているのだから、十分に長編化できるのに、なぜあえての短編なのだろう。登場人物も訳ありで魅力的なのに。いくらでも長くできそうだし。商売っけが希薄なのだろうな。
とにかく自分のこの十年で最大の重要作品集になったのは間違いない。

[ 2010-10-08 ]

妄想的思考実験。
「脳内会議のすごい人」(と、勝手に呼んでいる)こと、チャン先生の現在唯一の単独の短編集。
スペースオペラやSF的ガジェットを使ったファンタジーと同じ棚にカテゴライズするのもどこか違和感のある、ダイナミックな小説。

妄想も想像も、ここまで脳内で練って練って理屈で緻密にブチあげれば、人を感動させるに足るんですよという好例だと思います。
浮かび上がる「神もテクノロジーも時間も空間も宇宙も理も、結局そこにででんとおわすだけ。全部お前らの解釈次第なんですよ。」というテーマは、なんとも投げやりでクールで切なくもあり、押し付けがましくない。諦めと一筋の希望がないまぜになったような気持ちでむらむらさせてくれます。

以下、各話の感想です。(※ネタバレなしのつもり!)

■「バビロンの塔」
彼らは、高いたかい塔へ上って、いつかあの天井を破ってその先の真実を知るんだ…。
―いきなりなんか宗教的な寓話か!
と思わせつつ、神様は出そうで出ない。地道に塔を登る工夫達と、塔に生きるその家族の生活がリアルに描かれます。そして結末は驚きの…
…アレ? ゜Д゜
初っ端から、先生はにぎりっ屁をかましてくれます!
この脱力感。いるかどうかも判らない神様は終始だんまりで、結局世界なんて×××してるだけのようです。

■「理解」
事故によって脳に障害を負った男が、とある治療法により奇跡的な快復を見せた。その後に彼の身に起こった副作用とは・・・?
―頭よすぎるやつは頭おかしいんです。頭のおかしいやつは、にらめっこするだけ、相手を殺せるんです。でもちゃんと理解してるから、そのへんもしっかり納得してるんです。というお話です(たぶん)。
頭が良い事=万能である事への持ってきかたがスゴイ。

■「ゼロで割る」
数学者の彼女は、天才過ぎる故に気付いてしまった。否定したくても、完全に証明できてしまうんですもの。もう、その事実には耐えられない。
―数学ってば、整然と目の前にある自然の摂理みたいな気がしてたけど、ぜんぜんそんなことありませんでした、というお話です(たぶん)。
数学は疎いですが、一瞬目の覚めるような思いをした気がします。

■「あなたの人生の物語」
ある日現れた異星人とのコンタクトを行う女性言語学者。彼らとの交流の中で、彼女は知る。「あなた」の人生の物語を。
―さすが表題作、切ないセンスオブワンダーのSF汁が出まくりです。
構成が素敵にロマンティック。言語学って、宇宙を記述する学問なんですね。
まずはこの話から読んでもいいです。最高ですから。

■「七十二文字」
『名辞』は、ものの根源を記述する理の七十二文字。オートマトンの手を器用に動かす技術を持つ、若き命名師の名はストラットン。名辞により、もしヒトが子孫を残す仕組みをコントロール出来るとしたら?
―人類の進化と衰退を、この世界に横たわる錬金術の如き科学で顕わにする。
ヒトにテロメアがあるのなら、人類という種にもあるのかもしれないですね。
#珍しくアクションシーンもあるよ。

■「人類科学の進化」
超人類と能力的に隔てられた末に、人類に生きる道はあるのだろうか。
―先生の「前置きナシ」のトンデモ世界観から世界を冷たく見つめる、クールなやつ。
全部でわずか4ページちょっとでこの勢いです。

■「地獄とは神の不在なり」
天使が降臨すると、そこに居合わせた人々に快復と、死と、肉体の欠損が現れる。そんな世界で、生まれつき足に障害を持ち、降臨で妻を失った男と、その周囲の人々に起こる奇跡に満ちた出来事とは…。
―具体的にそこにある「天使」「天国」「地獄」。彼らは砂漠や山や街中に平然と現れる。もしそんな理解不能な存在があちこちに現れては、体が治ったり死んだりするとしたら、人間にとってどんな意味を持つのだろう。
現代社会と神々とが交錯する不思議な世界で、倫理観はどうなっていくのか。非常にエキサイティングなお話。

■「顔の美醜について」
美醜失認装置「カリー」。装着することによって、人の顔の美醜の見分けがつかなくなるこの装置をめぐって、セイブルック校で賛否両論が巻き起こる…。
―ほかとは少々毛色の異なる、社会性の強いお話。他のお話程インパクトは無いものの、もっと身近な題材で、じりじりと背中がかゆくなります。
チャン先生もこういうの書くんですね。

[ 2012-11-10 ]

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[ 2017-06-26 ]

最後に不幸が訪れると分かっていたとしても、それまでの過程で十分すぎるほど幸福な時間を過ごせるとしたならば、その道を進むことを選ぶだろうか。
(幸福を時間で積分した時にプラスであれば選択する、みたいな功利主義論法を思い浮かべてしまった)

映画「メッセージ」の原作。映画の方が面白かった。短編集で、「あなたの人生の物語」以外は本当につまらなかった。

[ 2017-08-01 ]

久しぶりにきちんとしたSFを読んだという印象が残った。作品によって印象度が異なるのだけど、やなり映画にもなった表題作は、不思議な叙情とめくるめくような揺れがあって心に残る。それ以外の作品も、今まで考えたことのないような角度から物事を捉えていて、一種の思考実験集のように感じられた。

ただ、物語として面白いかと言われれば、それほどグイグイ引っ張って行ってもらえる感じはしなかったのが正直なところだ。興味深く読んだけれど、同じ作者のたのさくひんをよみたいかといわれれば、正直な気持ちとしては、積極的に手に取りたいをは思わない。

[ 2018-01-19 ]

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[ 2017-07-14 ]

映画『メッセージ』がかなり面白かったので、気になり読んでみた。難解なSFだった。映画原作の『あなたの人生の物語』から読み始めたんだけど、むしろその他の短編も様々な示唆に富んでいてとても良かった。
とりあえず、作品毎の感想など。


『あなたの人生の物語』
映画のイメージが先行してしまって、純粋に小説作品として読めなかったのが残念。なんというか、このある意味難解な原作小説をあそこまでエンターテイメント性の高い映像作品に仕上げてしまった映画制作陣がすごいと思った。

『バビロンの塔』
バベルの塔ってなんかミステリアスで魅力的な存在で、子供の頃はいろいろと逸話的なものを読みあさっていたような気がする。もし本当にあったならどんな感じだったのかとかぼんやりとイメージはしていたけど、この作品にはその辺りの仕組みが綿密に描かれていて膝を叩いてしまった(笑)これなら存在できたかも!!

『理解』
スリリングな展開で面白かった。『アルジャーノンに花束を』を彷彿とさせる作品。

『ゼロで割る』
プログラマーがいちばん嫌な言葉かも(笑)

『七十二文字』
世代が有限というアイデアは面白いなぁ。あと名辞の解析ってまるで遺伝子解析だよなぁ。

『人類科学の進化』
イマイチよくわからず

『地獄とは神の不在なり』
神は理不尽だなぁ…なんか『沈黙』にも通じるものを感じた。

『顔の美醜について‐ドキュメンタリー−』
これは面白かった!いちばん好きかも。「美醜失認処置」なるほど、理解は出来る…受けたいとは思わないけど(笑)

[ 2015-01-29 ]

 SFの文学賞受賞作3編を含む計8編を収録したSF短編集。

 収録作はいずれもハードSF系のため内容は難しかったり理解しきれなかったりしたところもあるのですが、それでも作品自体が持っている”力”に強く引き付けられてしまい、分からないながらも読んでしまいますし、満足してしまいます。

 表題作「あなたの人生の物語」はエイリアンの言語分析をする女性言語学者の日々と、その女性学者の”あなた”に向けての語りが交互に書かれていく形式の短編。

 この女性学者の”あなた”への語りが非常に美しくまた愛情にあふれているのが分かります。そしてその語りの意味が分かった時の切なさもまた素晴らしいです。

「バビロンの塔」は天まで届く塔を造る男の姿を描いた話。
 神話的、宗教的なモチーフでその物語は非常に壮大。これが短編集の一番初めに収録されているので、この短編を読んだだけで、この本はすごい作品に違いないと思いました。

「理解」は手術により常人にない感覚を手に入れた男の話。
ストーリー的にはハリウッドで映画化されていてもおかしくない映像映えしそうな作品だと思いました。それだけでなく後半は人類を越えた者同士の姿から見えてくる孤独や、自らの力をどのように使うかという問題が描かれていて哲学的な面でも考えさせられます。

 アイディアでいちばん面白かったのは「顔の美醜について―ドキュメンタリー」人の顔の美醜の区別がつかなくなる脳への治療を受け入れるかどうかをめぐり様々な人の考えが述べられていく作品です。

 人の価値は内面にあるとはよく言われますが、実際のところはどうなんだと聞かれると…まあ美形の人の方が得しているのは事実だと僕は思っています。
そう考えるとすべての人がこの治療を受けて顔の面で差がなくなるのはいいことのように思いますが、そうした均質化は本当にいいことなのか? こうやって均質だけを追い求めていくと突出した才能が集団から抜け出た”悪”ととらえられるようになってくるのではないかと個人的には少し不安になります。

 「地獄とは神の不在なり」会話文が少ないことや宗教観がイマイチ飲み込めず入り込めなかったのですが、テーマが非常に面白かったのでぜひ再チャレンジしたい短編。

 おすすめのSFで必ず名前の挙がるこの本ですが、それだけの理由があるのだなということを実感した一冊でした。作者のテッド・チャンはかなり寡作の作家さんらしいのですが、ぜひ次の作品も読みたいところです。

ローカス賞短編集部門賞
ネビュラ賞、第33回星雲賞海外短編部門「あなたの人生の物語」
ネビュラ賞、ヒューゴー章、ローカス賞第35回星雲賞海外短編部門「地獄とは神の不在なり」
ネビュラ賞「バビロンの塔」

[ 2016-09-22 ]

教授が学生に研究課題を与えるがごとく、拡げられる設定を短編でスッと終わらせて「大体枠組みはわかったね。あとは君たちで考えなさい」と言われている気がする。田辺イエロウ「終末のラフター 」を思い出したり。

[ 2012-04-24 ]

4/24 読了 図書館
SF熱が来たのでちょこちょこ読んでます。テッド・チャンの短・中編集。
高校生の頃に「地獄とは神の不在なり」だけ読んだはず…なんだけど…まったく覚えていなかった。
七十二文字が好きだな。

[ 2019-06-09 ]

難解でした。ミステリを読んでるといわゆる落ちというか結末を期待してしまう身体になっていて、これってどういう面白さなんだろうと考えてしまう。素直に世界観を楽しめばいいんですけどね。と思い直した最後の2篇は面白かった。

[ 2010-08-19 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2019-02-21 ]

《目次》
・「バビロンの塔」
・「理解」
・「ゼロで割る」
・「あなたの人生の物語」
・「七十二文字」
・「人類科学[ヒューマンサイエンス]の進化」
・「地獄とは神の不在なり」
・「顔の美醜について――ドキュメンタリー」
・作品覚え書き

[ 2017-12-22 ]

映画『メッセージ』にやられたので原作を。
という理由で手に取った。
表紙が映画の宇宙船になっているのは、
嫌だけどまーしょうがない。

テッド・チャンという名前は聞いたことはあったのだけど、
残念ながら手にすることがなかった。
が、何故手にしなかった今まで。
と自分を責めたくなるくらい、素晴らしい作家。
この一冊は短編集なんだけど、レベルが高い。
そしてテッド・チャンの知識の広さがすごい。
この人かなり頭いいな。

表題のストーリーは映画とかなり趣が違う。
ストーリーは(大体)同じなんだけど。
原作を先に読んでいたら映画に失望しただろうから、
映画を先に観て正解だった。
映画は、映画的(若しくはハリウッド的)要素が組み込まれていて、
原作を読んだ後ではその使い古されたエピソードに陳腐さを感じたはず。
小説はもっと主観的な感じなんだけど、このまま映画化するのは多分困難なので、
まあうまく作った方なんじゃないかなー。
監督GJ。

宇宙人・言語以外にも、神、数学、生命、美醜の感覚等々、
話のネタが広い。
神を素材をした話は2つ(考え方によっては3つ)あるけど、
宗教臭くない。
純粋に知識と興味と実験性、そして知性を感じるだけ。
全体的に実験性が強い印象を受ける。
仮定がストーリーを組み立てるための要素としてあるわけではなくて、
知的好奇心による思考実験の手段としてストーリーがある感じ。
ジャンルとしてはSFなんだろうけど、それじゃ収まらないな。
そしていちいちそれらが濃い。

個人的には
『あなたの人生の物語』が一番で、直後はなんどか繰り返し読んだ程。
『地獄とは神の不在なり』が二番。
いや、この話すごいです。

今まで知らなかったのが勿体無い。
★5じゃなくて4なのは、とても感覚的なもの。
多分私の頭が悪いからなんだが、
理解するために戻る、を繰り返したので、
その分没入が削がれたので。

[ 2018-07-28 ]

映画よりはるかに分かりにくく、感情が抑えられより哲学的な内容になっている。私は映画の方が感情の動きがあって好きだが、映画の後にこれを読んで、こういった論理展開はスゴイなと思った。

[ 2019-12-11 ]

映画化されたことを知らずにチョイス、このあなたの人生の物語は読み終わった後にキーポイントに気づいた。映画見てみたい。他の作品もよかった。

[ 2017-07-18 ]

エイリアンのエクリチュールを体得することで人間のエクリチュールでは解決できない問題が解決する、という物語ならほかにもありそうだが、それを普遍的な母の子への思いに絡めた表題作がやっぱり凄い。バベルの塔、ゴーレム、天使の降臨を扱った短編は、題材はお馴染みでもこういうふうに昇華するか~とアイデアに感心する。美人を判別できなくする処置をめぐる話も寓意的でいい。テーマの据え方はよいが、物語自体はやや難しいこともあり娯楽性に乏しいかも。

[ 2017-08-19 ]

17/08/15 途中断念

表題作まで読んで一旦終了。
面白いとは思うけれど面白がるには自分の読解力がついていけてないというつらさ。SFは私にはハードルが高いのか。

[ 2018-03-20 ]

映画『メッセージ』の原作である表題作を含む短編集。

映画『メッセージ』の前半部、圧倒的な他者とコミュニケートすることの不安、緊張を不気味に静かな絵で描いたところに心惹かれたので、随分前に買ったまま積ん読していた文庫本を引っ張り出しました。

原作「あなたの人生の物語」はむしろ、言語、一文字で一文/一章/一ページ/一冊/全てを表す異星の言語のありかたと、言語を習得することで意識のあり方が変容することにフォーカスされている。言語がわたしを規定し、世界を規定する。

時間軸を行ったり来たりする不安定な一人称の文体、主人公である言語学者が「あなた」へ語りかける文体の不気味さ。映画はあの薄暗い光によって、この不気味さを再現していたのだなと思う。

実をいうと、映画を先に観てエイリアンの文字のイメージを得ていなかったら、『あなたの〜』の言語の解読部分が理解できたかわからない。

他の収録作は、天の天井を掘りすすめる職人が見たもの「バビロン塔」、自然現象としての天使の降臨を描く「地獄とは神の不在なり」、ものの真の名辞が力を持つ世界で人間の名辞を探求する「七十二文字」など。どれも面白いです。

面白いけど、ちゃんと理解できてる気がしない。著者の作品覚書はあるけど、読むとさらに分かんなくなる。

[ 2017-08-15 ]

映画『メッセージ』を鑑賞し、面白かったので原作も手に取る。
映画のイメージに助けられ読めたけれど、先に原作を読んでいたら理解できたのか疑問。
フェルマーの原理のくだりはワクワクしながら読んだ。
ASLも出てきたりして、映画同様、手話言語学者の感想が気になる。

表題作以外の収録作もどれも面白かったが、特に「理解」「地獄とは神の不在なり」「顔の美醜についてードキュメンタリー」に刺激を受けた。

山岸真氏の解説に「認識の変容が現実の姿をも変容させ、それは人間の内面世界にも反映される、というのはチャンの作品に共通するモチーフだ。」とあったが、まさにどれもそんな作品。

物理学とか数学とか認知科学の知識があるともっと楽しめるのだろうなと思う。

テッド・チャンとはどんな人物なのか気になる。石黒浩氏や平田オリザ氏あたりと対談でもしてくれないだろうか。

[ 2017-12-03 ]

表紙が違うー
短編集。表題作目当てで読んだけれど、表題作が一番面白かった。映画とは違ったベクトルで楽しめた。
ほかの話は、楽しめたものと目が滑る(専門的すぎて……或いは私の理解力が追いつかなすぎて)と真っ二つに分かれた。
好きなのはバベルの塔と、理解と美醜の話と神の話かな(理解できたかどうかは別)。
時間が経って読み返すと、また違う感想が生まれそうな気がする。

[ 2017-08-08 ]

久しぶりに海外の翻訳SFを読んだ。映画「メッセージ」の原作短編が表題作ということで、手に取ったのだが、いやはや、21世紀のSFはこんなことになっていたのですか。
「バビロンの塔」はいわゆる〈バビロニアSF〉にカテゴライズされるとのことなのだが、私にはロード・ダンセイニの夢幻譚のようにも読めた。なにより、バビロンの塔の建設現場の描写がすばらしい。とてつもないものを作り上げる人間の誇りと、神の領域へ近づかんとすることへの畏怖がひしひしと伝わってくる。
「理解」
「ゼロで割る」
「あなたの人生の物語」
頭から尻尾の先まできっちりと作りこまれた精緻な機械の小箱のような物語。「ゼロで割る」はさすがにわかりにくかったけど、「あなたの人生の物語」はもう一度冒頭に立ち返って読んでみると、この物語の悲しみが伝わってくる。映画は見ていないのでなんとも言えないが、これを映画化しようなんて、どうして思ったんだ?
私がいちばん気に入ったのは「七十二文字」。20世紀初頭を思わせるロンドンを舞台にした錬金術+スチームパンクな世界観の生命を巡る物語。こっちの方を映画化して欲しいな。
「地獄とは神の不在なり」。天使の降臨が奇跡であると同時に災厄であるという世界観。キリスト教を知らなくても全く問題なし。
その他、ショートショート「人類化学の進化」とインタビュー形式でつづられる顔の美醜を巡る騒動を描いた「顔の美醜について」全8編。SF好きなら読んで損はない、というか、むしろ読んでおくべき一冊。読むと語りたくなる!

[ 2018-03-09 ]

内容(「BOOK」データベースより)

地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」ほか、本邦初訳を含む八篇を収録する傑作集。

[ 2019-01-11 ]

短編集とは知らなんだ。
読了。
話がまったく頭に入ってこなかった。映画の紹介を見て興味をもったが、この原作からよく映画にできたなと感心するのみ。
ストーリーが二本立てになってるのがまた読みにくい原因。
よくある手法だが、文章がわかりにくくて相性があわなかった。頭の中でビジュアル化できなかったせいかも。
ほかの短編は読む気が失せて読んでません。
久しぶりにスカ引いた感じ。

[ 2020-07-17 ]

映画 メッセージ を見て原作が気になり手に取ってみました
SF系の小説に不慣れなので時間はかかりましたがとても面白かったです。
映画化した話以外の物語も、頭の悪い私では到達しないような難しい話でしたが夢中になれるものでした。
翻訳された方々素晴らしいと思います。

[ 2010-11-30 ]

かなり昔に読んだのであやふやだが,各作品の評価はこんな感じだったと思う.おススメは何といっても表題作.

バビロンの塔 ★★★★(一発ネタだけど面白い)
理解 ★★★★(クライマックスまでにダレなければ…)
ゼロで割る ★★(この手の話はおなか一杯)
あなたの人生の物語 ★★★★★(傑作)
七十二文字 ★★★(まあまあ)
人類科学の進化 ★(これいらんだろ)
地獄とは神の不在なり ★★(いい感じで話が進むのにオチがしょぼい)
顔の美醜について : ドキュメンタリー ★(この手の文章は誰が書いても面白くならない)

[ 2020-04-29 ]

まず初めに、読了に苦労しました。
読み出してから一度挫折して、他の本を読んだあと、再挑戦。
脳をフル回転させて読むことで、ようやく読み終わったというのが、正直なところ。

確かに、濃厚な世界がそこにはあり、
まさに、SF的純文学が広がっている。

次に読むときは、すべてを順番に完読するのではなく、デスクで正体して1話づつ読む事にしよう。

[ 2020-02-20 ]

かなり評価が分かれる本だと思う
読みやすい訳ではないし、登場人物も急に名前が出てくることが多く誰?てなることが多い
ただ読後感の良さは唯一無二と思う

[ 2020-02-17 ]

表題作「あなたの人生の物語」最後の1ページ、自分の中からさぁっとヘプタポッドが去っていく感覚とともに悲しみでもあり喜びでもあるような、というよりは悲しみや喜びのいずれでもないような、それでいて涙がこみ上げてくる不思議な感情を味わった。SFは誰もみたことのない世界との出会いだと思うが、それを単に文章による描写を超えて、文章そのもので再現しているという点で真にSF小説だと感じた。

[ 2018-10-15 ]

2018/07/11
あなたの人生の物語、うーん、なんだかいまいち入り込めない?冒頭のバベルの塔のあと、メッセージの原作となった短編へ。残50ページで疲れちゃって中断。

2018/07/13
図書館でさらに「あなたの人生の物語」
映画原作の短編読了。これをよくあんな映画にしようと思ったなー(笑)。少しメモ書いたが、再読してキーボードでさらにメモ書くかな。

2018/07/24
あなたの人生の物語。うーん、どうにも合わない……。メッセージ原作は映画観てたこともありわりと楽しめたけど、それ以外はむずかしいというか盛り上がらないというか。アマゾンレビューではけっこう評価高いが、ハードSFでも苦手な方面なんだなー。七十二文字まで読んで、これはDNAのことを言ってるのかとわかったけど、ここまでかなー。

2018/08/10
『あなたの人生の物語』読了。全体的にちょっとツボが違うと言うか、ノリきれなかった。映画原作と「地獄は天使の不在」はよかったけど、地獄は〜も最後は理解しきれなかった。天使が降臨することにより、身体的に恢復するものがいる一方、身体を損なうもの、もしくは死んでしまうものがいると言う設定はとてもおもしろいと思ったのだが。

エヴァ、渋谷駅の岡本太郎の壁画、天使または使徒がこの世に顕現するときの圧倒的な異化作用のイメージ、ここにぐっと惹かれる。作中でも光の束とか炎とか天国の光とか、それに類する描写があった。

最終的には無心なる絶対的な信仰がテーマ? これが自分のツボにハマるラストであったら、それだけで評価がぐっっっと上がったんだけれどな。

でも、なんだかんだ言いながら最後まで読んだし、映画原作については再読しながらメモを取りたいと思うわけで、理解できなかったけれども、何かしら惹きつけられるものは会ったということなのかも。

[ 2018-10-14 ]

映画「メッセージ」(Arrival)の原作「あなたの人生の物語」。
「地獄とは神の不在なり」の天使降臨の生々しさが衝撃だった。


バビロンの塔
理解
ゼロで割る
あなたの人生の物語
七十二文字
人類科学の進化
地獄とは神の不在なり
顔の美醜について−ドキュメンタリー

[ 2018-10-13 ]

図書館で借りました。とても評判の良いSF短編集であったが、自分はとても読みすすめづらかった。仕事が忙しかったせいもあってゆっくり読めなかったせいかも。

[ 2018-10-11 ]

テッド・チャンの短編集だ。どれも素晴らしい。特に宗教的な背景はないというけれど、キリスト教的世界観がとても感じられるなあ。

[ 2020-03-15 ]

スケールの大きな世界を展開する凝縮された短編が並ぶ。SFというジャンルにとらわれない物語を楽しむことができる。聖書を日常的に読んでいる方にはもっと深い感銘があるのかもしれない。

[ 2017-10-30 ]

8つの短編が収まっています。
表面的にはファンタジーっぽいものもありますが、本質的にはサイエンスフィクションです。しかも、ある科学的アイデアを元に、一つの世界をイメージし、(その世界を背景に物語を描くのではなく)世界そのものを主題にするという意味では、非常に純粋なSFだといえそうです。
それにしても、バライエティに富んだ世界です。著者の発想力の凄さに脱帽します。
なんだか久しぶりに気持ち良いSFを読んだ気がしました。
[バビロンの塔]
バビロンの塔が完成し、空に届いた。空に穴を開ける為、石工が呼ばれた。彼らは道具を乗せた荷車を引きながら4ヶ月間塔を登り続ける旅を始める。塔に住み着いた人々。途中から太陽の高さも越えてしまう。
そしてたどり着いた最上部で、彼らは天に穴を空け始めるが・・・・。
[理解]
植物人間だった主人公は、脳損傷の新薬効果によって異常に高度な知性を得、世界の統一的全体像を理解できるようになる。それを知った医師やCIAは、何とか彼を利用使用とするのだが・・・。
[ゼロで割る]
優秀な数学者である妻は、あるとき新たな発見をする。それは神学者が神の存在を否定する法則を発見したようなものだった。その発見以後、妻の世界は次第に崩壊して行き・・・。
[あなたの人生の物語]
異星人とのファーストコンタクトに携わる言語学者。彼女が理解し始めた異星人の文字は、物事の初めからその結果の全てを含む形で表現される同時認識的文だった。その世界に漬かるうちに彼女は・・・。
[七十二文字]無生物に埋め込まれる72文字の名辞。名辞によって無生物たちに様々な活動をさせる(例えば人形を歩かせる)ことが出来る世界。名辞を解析し、更に精緻な名辞を考える命名師たちは・・・。
[人類科学の進化]
新たなコミュニケーション方法を持つ超人類。彼らによって科学技術は大幅な進化を遂げたが・・・
[地獄とは神の不在なり]
天使の来訪が頻繁に起こる世界。天使は何人かの病める者を秘蹟によって治癒する一方、その出現時の異変によって、周囲の者の命を奪う。妻を天使の出現によって奪われた主人公は。。。。
[顔の美醜について―ドキュメンタリー]
顔の美醜の判定能力だけを麻痺させる”カリー”が部分的に使われ始めた世界。カリーを全学に広めようという学生の運動は、やがて世界の注目を浴びるが。。。。

[ 2020-02-07 ]

2017年に公開された映画「メッセージ」。パッケージデザインの神秘なイメージや広告等により是非見たいと思っていたが、原作「あなたの人生の物語」を先に手にした。まずは率直に淡々とそして静かに進むエイリアンとのコミュニケーションの解析をどのように映画として描かれているのか大変興味を持った。
映画にするには相当な脚本力がないと難しいと思ってしまった。
他、文明の夜明けの時代の中、天にも登る塔を建設する「バビロンの塔」や機械式人形にAIを組み込む「七十二文字」など古い時代設定に近未来の科学が交差する中短編全8作品

[ 2016-01-07 ]

表題、ふたつの場面が代わる代わる進んでいる訳に気がついた瞬間が面白い。
主人公がなんでそうしようと思うかの設定が不思議なのに妙に納得してしまう。ヘプタポットも可愛らしい。
これから人生の温度がどんどんぬるくなって行きそうな終わり方だけど、そんなにモヤっとはしませんでした。

[ 2016-09-28 ]

# あなたの人生の物語

## バビロンの塔
バビロンの塔は天に届き、天井に穴を空けてさらに上に出るとそこは地上であった。
SFというよりはファンタジーか。

## 理解
瀕死の事故にあい、ホルモンKという新薬で治療を受けた男が、すべてを超越する能力を得る。自分の体を細胞単位で制御でき、他人の意識も操作できる。

## ゼロで割る
ゼロで割ることを許容する法則を見つけてしまった数学者が正気を保てなくなる。

## あなたの人生の物語
宇宙人と遭遇し、時間経過に無関係のその言語を理解した科学者が、過去も未来も一様に見通せるようになり、生まれたばかりの娘にその人生の結末まで話して聞かせる。

## 七十二文字
中世ぐらいが舞台か。名辞という文字列によって人形を動かすことができる。人間の発生は前成説によって理解されている。精子だけを加速して成長させることによって、人類はあと数世代しか繁殖できないことがわかってきた。精子に「これと同じ名辞が書き込まれた精子を製造する」という名辞を書き込むことによって、繁殖の計測を試みる。その名辞こそが人類という種そのものを記述する文字列ということになる。

## 人類科学の進化
人類の能力を超越した超人類が科学を先導している今、人類にできることは超人類の理論を追いかけて理解することだけだが、それでも意味はある。

## 地獄とは神の不在なり
天使の降臨が現実に起き、地獄が顕現してその中を覗き込むことができ、死者が天国へ登っていくところを見ることができる世界。
天使の降臨は雷のようなエネルギーの爆発として現れ、治癒を受けるものもいるが、死者も出る。
SFというよりはファンタジーか。

## 顔の美醜についてードキュメンタリー
脳の操作によって顔の美醜を見分けられなくすることができる。その方法の賛否についてさまざまな立場の人物のコメントが並べられている。

[ 2016-06-01 ]

どの作品も独創的で面白い。評価が高い本書であるが、その期待に十分応えてくれるだろう。訳文も読みやすく、すらすらと読めてしまった。個人的に面白かったのは、「バビロンの塔」「理解」「七十二文字」「顔の美醜について」だ。なんだほとんどじゃないか。ただ一方で神と関わる話が多く、私を含む日本人には本当に内容を理解するのは難しいかもしれない。

以下、個別の作品の感想。

◎バビロンの塔
あのバビロンの塔の建設中に人間が世界の正体を知る。神話と哲学が混じった不思議な感覚が面白い。宇宙の形がどうなっているのかなど物理的な要素もあり、いくつものSF的要素が絡まって、楽しく読める。

◎理解
「アルジャーノンに花束を」に似た話になるのかなと思いながら読み進めたが、進む方向が違っていた。神を薬で創り上げるような物語だった。面白い。

◎ゼロで割る
1=2を証明してしまって苦悩する数学者を見守る学者の物語。“もしだったら”を想像したらこんなことが起こりそうというのがよく分かる。きっかけは面白いが、結末が少し物足りない。

◎あなたの人生の物語
異星人とのファーストコンタクトものというには大雑把過ぎるかな。ファーストコンタクトの難しさは分かるが、それと“あなた”、つまり異星人と“あなた”の関係がよく分からなかった。想像を膨らませると、“あなた”の父親が誰なのかを考えてしまう。独創的な物語である。

◎七十二文字
AIではなく生物学的に人工生物(オートマトン)を作り出そうとする。粘土ロボットに命を吹き込むというか、ゴーレムを作り出そうとする。現代の技術に近いものはDNA解析技術でクローン生物を作り出す試みであろうか。背景に人類が5世代のうちに滅んでしまうことがあるのだが、あまりうまく活用されていないのが残念なところか。

◎人類科学(ヒューマン・サイエンス)の進化
シンギュラリティを迎えた時の科学がどうなるのかを警告(想像)している。楽観論かな。

◎地獄とは神の不在なり
キリスト教徒ではない人(私を含む)にとって、この物語を理解するのは難しいのではないだろうか。知識としてキリストを含む神を知ってはいても、それをベースにされた時点で、きっと知るべきことが欠けていると思う。自分にとっては難解でした。

◎顔の美醜について――ドキュメンタリー
この作品は、読者が美男美女かそうでないかで印象が変わるのではないだろうか。そう思うと普通に面白い。人間が本来持っている生理的な反応に対して人工的な操作をするのは、文字通り不自然だと思うな。あらゆる差別を撲滅するのは賛成だけど、論理ではない感覚的なところの差別を撲滅するのは教育だけでは難しい。だから科学の力を使おうという発想はアリなのだけど、それも不自然なのかもしれない。

◎作品覚え書き
著者がどのような発想で収録されている作品を執筆したのか本人の解説が読める。こちらを先に読んでおいてもいいかもしれない。

[ 2015-12-06 ]

理解するには文章が難しく感じた。
本の感想よりも翻訳家の苦労ばかりが先に頭に入ってしまうため、内容をあまり覚えてないのに、自身の読解力の限界を感じた。

地獄とは神の不在なり、は文章も読みやすく、よくこんな物語を思いつくものだと感心した。

[ 2014-06-23 ]

寡作のSF作家テッド・チャンの8篇からなる短編小説集。著者は中国からの移民の両親を持つアメリカ人。
 激烈な傑作だった!特に表題作含む後半!!一遍ずつの感想を。(以下ネタバレに気をつけながら書くけどネタバレ含むかも)

 「バビロンの塔」…文字通り、ずばりバビロンの塔の物語。オチが鮮やか。
 
 「理解」…異能者バトルの形をとった、ある意味「裏・アルジャーノンに花束を」的な物語。人類の知能を超越していく男の精神世界の描写は読んでいて楽しい。

 「ゼロで割る」…数学の公理、定理に関する数学者達の見解の変遷の歴史と、とある夫婦の破局の二つの物語が交互に進む。無機的な数学の理論の行き詰まりと、血の通った夫婦の破局が、同じような瓦解の決着を見るというのは面白い。


 「あなたの人生の物語」…傑作と名高い表題作。突如地球を訪れたエイリアンの未知の言語を解析することになった言語学者の主人公。彼らの使う言語の謎を一つ一つ解き明かしていくにつれて、驚くべき運命に巻き込まれていく…というのがあらすじ。
 主人公がエイリアンと対話しながら言語の謎をひも解いていく、という物語と、とある一つの家族の暖かい情景が何者かによって語られていくという二つの物語が交互に進んでいく。となると、読者としてはこの「何者かによって語られる一つの家族の暖かい情景」は一体何なのか?ということに当然意識が行く。しかもこの「一つの家族の暖かい情景」は過去のことなのか未来のことなのか分からない、非常に曖昧な時制で書かれていることに気づく。一体どういうことやねん…?ということばかりに気を取られてばかりもいられない。主人公がエイリアンの言語の謎を解き明かしていく、というメインの物語も言語学のお話として非常に読んでいて楽しい。
 やがてこの二つの物語がとある一点で交錯するのだけれど、その一点というのがね、もう非常に自然で、かつ見事で、ええ。そして全てを受け入れた主人公の決断が…!
 深い感動を読者に与えるであろう傑作。すばらしい。

 「七十二文字」…無生物に対して擬似的な生命活動を与える「名辞」と呼ばれるコマンドのような文書が存在する、架空のイギリスビクトリア朝時代、というだけで既に面白い設定。これがラノベとかだったら、名辞によるゴーレム対決とかいう方向に行きそうなものだけれど、この設定をまさかの壮大なテーマにぶつけてくる。その意外性に度肝。そして引き延ばせばこれからますます面白くなりそうな設定とストーリーをこの短編1本で終わらせる、という作者の潔さに拍手。

「人類科学の進化」…超ショート・ショート。補食される側に回る、というレベルでは無いが、確実に生命体としてワンランク下になってしまった人類というものを想像させる。

「地獄とは神の不在なり」…面白さのベクトルは違うけれども、表題作に並ぶ完成度を誇ると個人的に思う本作。定期的に天使が降臨する世界。天使の降臨を目的することによって、ある者は啓示を得るが、ある者は体の一部を失い、またある者は命を落とす。天使の降臨によって啓示を得た者たちは集会を開き、神の愛について語り合う。また天使の降臨により体の一部を失ったり家族を失ったりした者は、それでも神を愛すべきなのか、といったテーマを語り合う。
 設定だけでもかなり面白いが、読み進めていくにつれて新たな世界観の説明が小出しにされていき、読んでいて飽きない。またそういった世界観の中で繰り広げられる物語自体もとても面白い。
 神の愛、あるいは罰が可視化されてしまう世界(それでも神の意志は全く測ることが出来ない)では、神を愛すべきか否かというのは人生のほとんどを占める一大テーマになるんだろうな。ラストの余韻は強烈。

 「顔の美醜について」…人類永遠のテーマについて、真正面から真摯に取り組んだ一作。醜い顔が全て美しい顔に見える、のではなく醜い顔と美しい顔の区別がつかなくなるというのがミソか。

 全編に共通する特徴だが、物語の展開、構造、オチの付け方が非常に緻密に組み立てられている。この緻密さは、物語を書き始める時点で物語の全体像がほぼ完全に定まっていないと出せないはずで、つまり作者はそういう丁寧なやり方で小説を書く人物なんだろう。
 非常に完成度の高い短編小説集でした。オススメ!

[ 2014-08-10 ]

レベルの高い知識に支えられているけど、そういう細部は必要最小限に抑えてあるため物語にも集中できてよい短篇集であった。細部をふくらませたら長編小説が8作できたのではと思う濃さだった。『理解』『あなたの人生の物語』『七十二文字』『地獄とは神の不在なり』が特に良かった。

[ 2018-03-27 ]

テッド・チャンの文章に感銘を受けたのが、SFマガジン700傑作選収録の短編『息吹』を読んだ時ですが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『メッセージ』を観た機会に、本書も購入。

寡作の人ということで、この本一冊で全作品の半分くらいをカバーしてしまえるようですが、後から読む人間にとっては追いつきやすくてありがたいという面も。

個人的に、SFを創り出す時の方法論として、着眼点とか発想の興味深さとか独特さという科学(サイエンス)側の手法と、文章の技法を通じいかに読み手の感情を喚起するかという物語(フィクション)側の手法という二つのやり方が主にあると何となく思っています。
本書収録の作品はいずれも、上記の手法のどちらかあるいは両方の視点で考えて、とてもユニークで面白かったです。

本の最後に著者による覚え書きがあるのが個人的に新鮮で、海外SFの本ではあまりそういうパートは無い印象だっただけに、そちらも非常に興味深く読んでました。
各作品の発想のきっかけとか、完成させるまでの苦労話とか読んでると、海外作品でも色々と参考になる気がします。
他の短編作品も追いかけて読んでいこうと思いました、まだ発表作品数が多くないうちに……。

[ 2015-02-10 ]

数学とか言語学とか認知科学とか、色々な分野のネタが入っている。なんだろう、この説得力。荒唐無稽なのに妙に受け入れさせられてしまう。
著者の経歴を見て納得。サイエンスライターか。
ネイチャーとかに記事を書いている人が、小説を書いてみたという雰囲気は確かにある。

私が特に気に入ったのは、表題作と「理解」。「顔の美醜について」も、参りました。どこでネタを仕入れているのか。取材や調査をしっかりして、理解した上で書いている感じがする。

著者は天才だな!

[ 2013-05-04 ]

世界で一番好きな本。
人生観が激変した。
こんな物語を、自分もいつか書いてみたい、と思った。

唯一の不満は、作者が寡作であること。
テッドチャン先生、新作お待ちしてます。
一生待ってます。

[ 2013-01-09 ]

2012年に読んだ本ランキング19位!

ガチガチのSF短編集。どの短編も理詰めで書かれているので、かなりの読み応え。個人的には、その読み疲れる感じも心地よく大満足。アイデア自体が面白いものもあれば、そのアイデアによってもたらされる影響をつづったものも面白かった。ただ完全には消化しきれていない感があるので、また時間をおいて読みたい。

[ 2020-01-14 ]

難解な専門的用語や設定も、何故かとても読みやすく物語に落とし込まれていて、割ととんでもない設定が日常と地続きに読めてしまった。こりゃおもしろいね。

『息吹』を読む前に、息子の蔵書から拝借。

[ 2013-05-02 ]

以前から評判だけは聞いていたテッド・チャンの短編集。
文字や言語といったモチーフが多く使われている。個人的には表題作より『七十二文字』の方が好みだった。
意外に面白かったのが最後の『顔の美醜についてードキュメンタリー』。

[ 2015-12-13 ]

まず表題作がよかったなあ。最初は意味がわからなかったけど、読み進めていくうちに糸がつながってきて、最後はなんとも言えない切なさに包まれる。
僕にとっての白眉は「七十二文字」。パラレルワールドのお話かと思いきや(多少なりとも科学史を知っていたら、くすりと笑える部分がけっこうある)、最後のオチで唸る。
いずれも珠玉の作品集。読んで損はない。

[ 2020-04-06 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2013-01-13 ]

ごっついSFを読みたくて購入。
ごつかった…読み辛い位でしたが、読了後、自分の中で昇華された時の
感想が語りつくせないものがあります。
「地獄とは神の不在なり」が一番好きでした。マーカー引きながら読みたい。
「七十二文字」「顔の美醜について」あたりも面白かったです。
「あなたの人生の物語」が読了後のモヤッと感と云うか、
考える事が一番多かった気がします。
時間を置いてまた読んでみたい一冊。

[ 2014-02-05 ]

「ゼロで割る」「七十二文字」が私には難しすぎて、読み進めるのに苦労してしまったけれど、最後の2作はとても面白かった。

ファンタジー的壮大なプロットのなかで、言語・数式・信仰・美醜といった――ときに神秘性すら帯びる概念が、人間の世界を秩序立てていく様を、淡々と描き続けているような感じ。
ただ、そこにあるのは無謬なき秩序などでは決してなくて、どこかに矛盾をはらんでいる。
だからこそ、それらの概念に呑まれてしまわないことが大事で、不断の思索が必要となるのだろうと考えさせられた。

[ 2014-06-19 ]

あとがきの「ミッチェルに、ぼくの妹でいてくれてありがとう」って書き出しは素晴らしいなぁ。

これ面白かった。
宗教学、数学、言語学等々多彩なモチーフで彩らされたSF短篇集。世界観を作りこんで一部をすくうって姿勢やから、ハードめやのに読みやすい。おすすめ。

[ 2013-09-22 ]

このSFとファンタジーの融合具合、言葉や式という記号体系に対するセンス、神林長平にも通じるものを感じました。

[ 2014-07-27 ]

てっぺんまで登るのにひと月以上かかる建設中の塔を旅する男の物語「バビロンの塔」
異星人とのコンタクトを任せられた科学者の試行錯誤「あなたの人生の物語など、8編の短編集

[ 2012-02-04 ]

現代においてもてはやされているSF小説がいかにつまらないかを知る為のベンチマーク。訳が悪いのかとも思ったが、役者の評判はかなり良いので、純粋に現代SF小説のつまらなさを知る事が出来る貴重な指標。

[ 2012-05-15 ]

解説を読んで知ったのだが、この短編集が著者の傑作選ではなく、この時点で発表されていた全作品とは本当に凄い!デビュー即8打数8安打の十割打者。この快進撃はどこまで続くのだろうか?第1話冒頭「かりにその塔をシナルの平原へ横倒しにしたら、端から端まで旅をするのに二日はかかるだろう」って高さが100kmってこと?一行目から一気に引き込まれた。後はやっぱり表題作と『地獄とは神の~』が特に良かった。オチで読ませる作風ではないので何度でも読める。この本は売りません。尚、作品毎の感想は別途呟きました。奇想爛漫、続編熱望。


番外作『作品覚書』。作者自らが収録作のひとつひとつについて、解説ではなく、創作に至る経緯を語ったもの。勿論、これは作品ではないが、作家の想像力の源泉が窺われて興味深い。仮に短編集の全8話が存在しなくても『実在しない書物に関する若干の覚書』という題名で一編の作品としても通用しそう。  2012年5月26日


第8話『顔の美醜』。美醜失認処置(識別能力を損なわないまま外見を重視しないようにする技術)を巡る、賛否両論の発言、記事、インタビュー、演説等を並べただけの構成。ここ韓国で整形手術の是非はディベート授業の定番ネタ。この本を読んでおくと独創的な論を展開できるかも。在韓留学生にお勧め。  2012年5月26日


第7話『地獄とは神の不在なり』。先ずは題名が秀逸。天使降臨と地獄顕現が常態化した世界。降臨は一種の稲妻の様な物であり神の御業には奇跡と犠牲が伴う。神の沈黙と不条理。まるでトルネードハンターさながらオフロードカーを駆って降臨天使を追うライトシーカー達の姿が印象的。最後に無条件の愛。 2012年5月24日


第6話『人類科学の進化』。僅か4頁のショートショート。科学雑誌投稿記事風文体。A・C・クラーク『幼年期の終り』に代表される超人類進化に関するパロディ。ハイテクノロジー文化との遭遇を生き延びた人類の科学的方向性についてシニカル且つコミカルに描写されている。傑作ではないが結構笑える。 2012年5月22日


第5話『七十二文字』ゴーレムの一種であるオートマンが単純労働を担う世界を描いた、所謂ビクトリア朝・改変SF。ホムンクルス、カバラ、種の断絶、遺伝子操作、人口政策等の興味深いテーマが織り込まれているが、個人的には物語に入り込めなかった。題名についての具体的言及も行われない。要検索。 2012年5月22日


第4話(表題作) 珍しく読み返す。異星人言語の解明の為に招聘された言語学者。彼等の言語は順不同で、発話と表記に関連性がない上、因果律を前提としない。一方並行して、確定した未来を示す、言い切り文で綴られた『あなた(娘)の人生の物語』が挿入される。一見何の関係もない話が最後に交わる。 2012年5月19日


第3話『ゼロで割る』。追憶の断片と数学史がコラージュされた小品。『ある数をゼロで割っても、その答えは無限大という数にはならない。その理由は…ゼロで割った結果は文字通り“不定”なのである。「たった今、私は数学の大部分が誤謬であることを証明してしまった。数学はもう無意味になった。」』 2012年5月18日


第2話『理解』。頭部に損傷を負い、脳細胞再生治療を受けた男が 超知性を得る話。『アルジャーノンに花束を』を思わす設定。作中で男が語る「ひとつで全宇宙を表現する巨大な象形文字」への考察は ドストエフスキーが、癲癇発作直前に訪れる恍惚の中で感じたという世界理解のヴィジョンを思わせる 。 2012年5月17日


第1話『バビロンの塔』。重層の神話的、宗教的、哲学的解釈が可能な作品ではあるが、案外、著者は不思議な物語を書いて、読者の当惑した様子を見たかったのかもしれない。非常に絵画的な作品である。絵画としてはブリューゲルの傑作があるが、物語として具象化できるとしたら諸星大二郎しかあるまい。 2012年5月15日

[ 2014-09-13 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2012-12-25 ]

難しかった・・・理論的な部分はなんとなくの雰囲気だけで理解するのが限界でした(表題作とか言辞の話とか)。とはいえ表題作はちゃんと読んでないとどこで感動すればいいのかわからないという寒いことになってしまうので、がんばって読みました。でもどれもおもしろかった。アイデア自体は結構わかりやすい。バベルの塔の光景を想像するとすごいです。顔の美醜の話は身近な問題で興味深く読めた。

[ 2013-03-04 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2013-08-20 ]

ガチなSFなので、数学や物理に詳しくない、私のような文系読者にとっては、目が滑る文章もままあったが、それでもかなり楽しめたので、読む価値はあった。

中でも表題作には感動。

[ 2014-08-08 ]

表題作はもちろん、自分には「理解」と「地獄とは神の不在なり」も最高。読者自身の中に持つ思想、世界観によって様々な共鳴が、各々の中に生まれそう。こんな完璧な短篇集は読んだことがないほど。

[ 2013-11-10 ]

科学や数学の法則や神学的象徴を作品の中心に置きつつ、それを全体のメタファーとして見事に機能させているこの8つの短編集の素晴らしさは、世界観そのものよりも人間を、更にはそれぞれの人生を肯定しようとする眼差しがもたらしているのだと思う。だからこそ本作にはディストピア的世界は存在せず、未来に対して穏やかな微笑みを浮かべようとする意思を感じてしまうのだ。特に、短くも凡庸に終わってしまった一つの生を科学的法則と円環的意匠によって描いた表題作は特筆もの。願わくば、あなたの人生の物語もまた微笑みを浮かべていますように。

[ 2011-10-23 ]

ヒューゴー賞やネビュラ賞などの名だたるSF関連の賞を軒並み制覇していることと「中国系のアメリカSF作家」というちょっと珍しい出自に興味を持って読んでみたものの、がっつり本格的なハードSFであっさり撃沈…。数学のや物理をモチーフにきっちり世界観の設定をしているので、そういう発想に面白さを感じる人にはおすすめ。

面白く読んだのは「理解」。薬物により脳の機能が大幅に向上し、神に等しい認知能力を備えることになったら世界はどう見えるのか。映画「スキャナーズ」を思い出した。ファンタジー寄りの「バビロンの塔」と「地獄とは神の不在なり」も好き。

[ 2017-05-17 ]

メッセージの原作って短編なのね。
短編集だけど、まだまだ話を膨らます事が出来そうな話ばかり。不思議な読後感をもたらす不思議な話。映画になるだけ有って「あなたの人生の物語」が一番普遍的で判りやすい。
ファーストコンタクトものなんだけど言語学的アプローチが面白い。
他にも天使の降臨が日常である世界とか、ゴーレム的オートマトンが日常であるとか、突拍子もない設定の中の日常的風景描写が妙に緻密で面白い。
長編は書いてないのかな?読んでみたい。

[ 2011-10-19 ]

中短8編の中ではやはり表題作の「あなたの人生の物語」が一番面白く読めた。宇宙人との対話の中でプロジェクトの進行と共に語られる“彼女”の物語が徐々にシンクロしていく。
言語論や数学などのSFらしい小難しい話も展開されるが、教育や社会いへの言及も強く表に出している印象だ。8編通じて人生というか母性というものを強く意識させられた。やはり人間は皆、母から生まれ人生を始めるのだなと思った。

[ 2013-02-01 ]

長い間読まずにとっておいた期待の作品。

 年に数回ある「図書館切れ」。要するに貸し出しの切れ目である。だから、大事にとっておいた本を取り出した。天才作家の短篇集だ。

 オープニング「バビロンの塔」は登って行ったら最後地上につながっていてってな感じであまり面白くない。宗教的な話なんだろうか?

 次の「理解」は既読。別のアンソロジーで読んでしまった。なぜ超人類がふたり同時に存在したらダメなの?って部分がひっかかるんだが、パワーゲームは面白い。『虐殺器官』の色があるなぁ。言葉というか言語がチャンの底流にある気がする。

 続いて「ゼロで割る」は意味不明だなぁ。

 そして本番 「あなたの人生の物語」。異星人の言語を理解することで、結果から先に知ることを会得した女性科学者が、これから生まれてくるわが子の人生を語る小説。SF的に面白いのだが、それ以上にわが娘に対する愛あふれる表現がすばらしい。これって本当にチャンが書いたのか?って思うくらい。再読したい作品だ。

 次の「七十二文字」は面白いところがなく読み飛ばし、 「人類科学の進化」もジョークが理解できずにパス。

 気を取り直して「地獄とは神の不在なり」に進むけれど、神学的で理解できない。再読を期してパス。

 次の 「顔の美醜について --- ドキュメンタリー」は面白い。ほんとうに面白い。顔の美醜を判断する中枢機能を殺すシステム「カリー」を設定し、その世界を描いている。人は見かけが9割ってな世界だな。これも再読候補。おもしろい。でも、SFじゃない!

[ 2011-08-29 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2014-04-13 ]

SFは素晴らしい!本を閉じた後そう声を上げたくなるような、珠玉の短編集でした(長さ的には中編)。ワシはそこまでSFに詳しいわけでは無いので、この作品群のアイデアが過去あったかどうかの検証はできませんが、ワシの狭い読書録の中では見たことない設定ばかり。

なんという発想、なんという創造/想像力。様々なアイデアに彩られた八つの作品に、これまでに考えたりしたことの無い概念を幾つも教えられた感があります。

表題作の「あなたの人生の物語」は、結果に至る過程の描写が余り見たことがないもので、そこで考えさせられる「物理現象の知覚」の違いというのがとても感覚的に引っかかるものでした。

また、ワシはどうやら「神の存在(あるいは不在)」を定義する小説が好きなんだな、ってことにも気付かされました。ワシは信仰(神道)を持っていますが、自分の信仰と合っているか否かは問題では無く、それでいえばむしろ自分の思想(信仰)と離れている概念ほど、知悉し考察するのが楽しいのです。それは、自分の思想を継いで接いで補完してくれたり強化してくれます。

今回の作品の中でそれを思い知らせてくれたのが「地獄とは神の不在なり」。神と、奇跡と、信仰と、それらの「価値」をどう定義するか、その価値を失った人はどうなるのか、そんなことを考えさせられました。

読みやすいか、といえば決してそんなこともない、文体的にはむしろ多少の導入のかったるさも感じるのですが、読み進めていくウチのアイデアの部分に強く惹かれて、いずれ文体の合う合わないがどうでも良くなってきます。それだけ、ひとつひとつの発想が面白いのです。

[ 2011-08-23 ]

短編は避ける方だが、これは面なぜか惹かれて買ってみた。「理解」がインパクトあった。後半にかけての疾走感、頭脳戦。

[ 2008-06-19 ]

とあるヒトに強烈に薦められて読んでみた。8つの短編集。全ての物語の奥底にしっかりと流れているキリスト教的世界観がきちんと理解できないのがもどかしい。原罪への畏怖や異形へ固執、そして理屈にこだわる表現が、この短編集へのとっつっきにくさの元となっているよう。表題作が一番評価が高いようだけれど、私は冒頭の「バビロンの塔」が一番好きだな。

[ 2011-12-15 ]

一編一編、設定とストーリーが練られていて、どれも長編並みの読み応え。SFでありつつ、も愛するひとと家族を見つめる作品が多い。偉大な一冊。

[ 2011-07-08 ]

小説としてはちょっと読みにくいので一般の人にはおすすめではないのですが、その中に記述されているアイデアは非常に面白く感じました。私の考えているイメージに合致するアイデアもあってうれしくなってしまいます。特に表題作の「あなたの人生の物語」は逸品です。決定論的な人生観が無理なく描かれています。

[ 2013-01-10 ]

大学の図書館で借りてきた。
表題の「君の人生の物語」は物事の始まりから終わりを一気に体験するという能力を獲得し、自身の子供の出世と死を天秤にかけ、尚産むことを決する物語。良かった。

[ 2012-01-03 ]

フェルマーの原理をテーマに定めた表題作が素晴らしい。ヘプタポットという異星人を通して会話、文字、時間などに関する認識を問いただす描写は流石。
日常の世界に1点だけ非日常的なエッセンスを付け足すことで、こんなにリアルで不思議な体験が得られるとは。本格的なSFを読んだのはいつぶりだろうかとふと思い返す。

[ 2011-05-23 ]

「バビロンの塔」とか「七十二文字」、「地獄とは神の不在なり」の、異地球感がすごい。世界が成り立っていて、その世界で歴史を紡いだ人間が生きてる話でした。
あとは表題「あなたの人生の物語」。一見関係ない2つの話が交互に綴られていく「(作家の)手法」に見えて、読み進めるうちに「(登場人物の)認識」であったことに愕然。

題材とかは面白かったです。ただー、読みにく、かった、なあ…と……

[ 2011-05-06 ]

どの短編もおもしろいが、表題作はやはり素晴らしい。
エイリアンの言語を研究するうちに、人生の新しい観点を見つけるという物語と、娘へ語る母親の物語がラストで重なる瞬間は、あたかかくも静謐な感動がある。
宗教的なテーマにもなりやすいが、そこは無神論者であるチャンらしく、物理の変分原理を使ってくる。
物理や数学を美しさを人生にも感じたい人なら、たぶん好きだと思う。

[ 2020-02-01 ]

短編集。表題作である「あなたの人生の物語」は映画『メッセージ』の原作。地球外生命体との"言葉"の理解を巡った、哲学書であると感じた。

[ 2010-12-29 ]

表題作は確かに凄い。ある種、ミステリ的構成だったので、最後には全部がすっきりわかった。
それより僕が気に入ったのは『地獄とは神の不在なり』
描かれている世界は現実世界となんら変わらないのに、ひとつ、神という存在を認識できるという要因が入り込んだだけでこうも違うものかと思い知らされた。でも全くの荒唐無稽ではなく、きっとこういう世界になっているだろうなと妙に説得力のある話だった。

[ 2010-11-04 ]

表題作、最初よくわからなかったが、筋書きがわかった瞬間とても切ない気持ちになった。単なるSFではない話。他の短編もどれもはずれなし。極上のチャン・ワールドが味わえる。この人の作品はこれからもウォッチしたい。

[ 2012-08-22 ]

表題作ももちろんだけど「理解」のラストでは読んでる自分も、イメージがほどかれていくような物語の中に取り込まれる感覚を味わって、心の中にしっかりイメージと言葉が残った気がする

[ 2013-10-09 ]

中短編で読みやすい。

SFのひとつのアプローチは思考実験だと考えているが、これは秀逸な例である。わざとらしさがない。

作者の調査が綿密なのだろう、一人の作者の作品とは思えない描写は舌を巻く。また、アイデアの着想もなかなか斬新であると思う。

評価の星が少ないのは、これを誰かに勧めるか、自分がまた読むかという観点ではこの評価となった。

[ 2019-12-29 ]

◆バビロンの塔
ネビュラ賞を受賞したデビュー作だそうです。聖書でおなじみのバベルの塔が題材。大気圏を突き抜けて月や太陽よりも高い(長い?)塔の建設の話。とても牧歌的な雰囲気のお話です。メビウスの輪…ですね…。

◆理解
「アルジャーノンに花束を」みたいなお話。話が終わりに近づく頃には主人公がものすごく頭がよくて、おまけにもう1人主人公よりも頭の良い人物が出てきて…ついていけません。

◆ゼロで割る
1=2を証明してしまった数学の教授を妻にもつ夫の話。探究心もほどほどにという事でしょうか。

◆あなたの人生の物語
女性の一人称で語っているというのもあるのだろうけど…著者って男性よねと思わず名前をしげしげと見てしまった。ネビュラ賞受賞の表題作。
「見るため」「観察するため」に地球にやってきたエイリアンの言語を解読するうちに人生先取りととでもいうのかな、不思議な(?)体験をする女性の話。

◆七十二文字
「鋼の錬金術師」か「スチーム・ボーイ」の世界でしたね。私の頭の中は。
人類科学の進化
スギモト遺伝子療法で超人類を可能にしたテクノロジーの話。短編じゃなくショート。

◆地獄とは神の不在なり
天使が降臨し、様々な災厄や祝福をもたらす話。
これを読んでいる最中に「あなたは神を信じますか?」な方達の訪問を受けた。悔い改めよということか。なぜ私が複雑な顔で応対していたかは彼女達にとって永遠の謎だろう。えー、ウチは敬けんな浄土真宗の信者なので…と言ってお引取り願った。

◆顔の美醜について-ドキュメンタリー
ある大学で、カリー(美醜失認処置)を必要条件にしようとし、投票までのさまざまな論争を記録した話。恩田陸さんの「Q&A」を思い出した。
カリーを受けることによってものすごい美形もそうじゃない顔も全て平均化して見えてしまう。みんな一緒な顔に見えてしまうなんてつまんな~いよね。

2006年4月12日

[ 2011-07-04 ]

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[ 2012-07-08 ]

新進気鋭のテッド・チャンが紡ぐ8つのストーリー。
そのうち以下に示す作品は、栄えたる賞を受賞した。

・バビロンの塔*ネビュラ賞
・表題作*ネビュラ賞*スタージョン賞他
・地獄とは神の不在なり*ネビュラ賞*ヒューゴー賞*ローカス賞他

『バビロンの塔』にいたっては、デビュー作にしてネビュラ賞を獲得するという史上初の快挙。
なんたる才人!読む前に変な先入観を抱いてはいけないのだが…知ってしまったのだから、仕方がない。

そして、読破。
期待を裏切らないテッド・チャン。
なんといっても表題作!これがズバ抜けて素晴らしかった。
優しいモノローグに記された驚くべき運命。
エイリアンとのコンタクトにより獲得した力は、果たして幸福に通じるものなのだろうか…

何かを隠喩した描写が節々で見られるからであろう。
読後に包まれる微妙な余韻は、表題作に限らず。
また、作品を通して物理学や数学など著者の嗜好が見受けられたが、なかでも言語学についての見識が深く、興味をそそられる内容であった。

他のお気に入りは、『ゼロで割る』『地獄とは神の不在なり』『顔の美醜について-ドキュメンタリー-』の三篇。これらもまた優れた作品。

まったく、面白い視点で物事を捉え、面白い物語に仕上げる人だ。

[ 2011-07-28 ]

おもいっきり本格すぎるSFなので、ボケーっと読めないのはご愛嬌。8つのストーリーからなる短篇集ですが、全てに言えるのはネッチリ濃厚なサイエンス・フィクションで、発想と観点が秀逸なこと。中でも面白かったのは「理解」と「顔の美醜について」の2編。まず「理解」は、薬物により脳の機能が大幅に向上し、超人類となった男の話。もし世の中の事象のみならず人間の感情や行動のすべて理解できるようになったら…という、まったくもって妄想がすぎる神設定なお話です。もうひとつ面白かったのが、「顔の美醜について」。顔の美醜を認識不能にする処置があったら…というこれまたタイヘンな妄想の世界。表題作をはじめ、よくこんなこと思いつくなあという感心と、観点と認識次第では、さまざまな可能性があるんだなという感心の詰まった本でした。読むたびにいろいろ気付きそうなので、あと3回は読むと思います。 おもしろいSFはもう哲学ですね。

[ 2020-01-11 ]

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[ 2010-10-15 ]

0年代ベストということで期待したほど楽しめなかった。
表題作は時系列ではない認知方法の物語。世界の広がりを感じた
グレッグイーガンのほうが好みかな

[ 2010-06-30 ]

表題作含め、がっつり硬派なSF短編集。
ライトなSFをイメージしていると途中で「???」となると思う。
正直私も数度読み返して理解した作品もある。

ただ、理解すると珠玉の短編集に思える。
SFファンならぜひとも読んでほしい。

[ 2020-05-05 ]

ヒューゴー賞やネビュラ賞を受賞したからと言って、それが自分にとってあまり意味がないこともある、ということを感じた、海外SFの中短編集だ。
一言でいうと、「観念的」。そこには独特の思想も感じられ、それが自分には合わないというか理解の外というか。
表題作は映画にもなっているようなので、映画はどのような解釈をしているのか、興味がなくもない。
なんにしても、理解や同調が難しくても、全編読みきったことに少なからず満足している。

[ 2016-03-07 ]

発表以来各誌で絶賛され続けている、中国系米国人作家の短編集。どこでレビューを読んでも褒めちぎられていて、手に取るにはちょっと気が引けるぐらい(^_^;
取り上げられているテーマは斬新です。いかにもSF的なアイディアを基に、でも描き出すのはそのアイディアの「SFらしさ」よりもむしろそこから派生する日常生活の変容、人間の心の変容。淡々として外連味のない筆致といい、ちょっとグレッグ・イーガンを彷彿とさせます。

が、鴨にとっての読了後の印象は、「えっ、これで終り?」とあっけにとられたのが正直なところ。
好みに合わなかった、と言ってしまえばそれまでなんですが・・・何と言うかこぅ、SF的なアイディアを基に世界設定をして、登場人物を配置して、登場人物の動きや心情を描写して、で、それで?というところで物語が終わってしまうんですよね。その発想は面白いけど、物語としてどうなの?と評価できる一歩手前でカーテンを閉められてしまう感じというか。
SFとしての構成要素は十分満たしていると思います。物語としての完成度を、鴨としてはもっと期待したいです。まだ知られ始めたばかりの作家ですし、これからの作品に期待大!ですね。

[ 2010-04-05 ]

想像力が刺激された。
確かにわれわれは時間に沿って生きていくけど、未来も過去がすべて同時に来ることがあったとしたら…。
どんな未来があるかを知りつつも、前向きに歩き出す姿に心を揺さぶられた。

[ 2011-07-26 ]

脳科学であったり、ファースト・コンタクトであったり、遺伝子工学であったり、SFとしてはおなじみのネタばかりなのだけど、語り口が熱くてぐいぐい読ませてくれる。やはり表題作が一番印象深いが、『理解』の超人バトルの描写がとても面白かった。

[ 2017-05-27 ]

「バビロンの塔」(The of Babylon, 1990)浅倉久志 訳
「理解」(Understand, 1991)公手成幸 訳
「ゼロで割る」(Division by Zero, 1991)浅倉久志 訳
「あなたの人生の物語」(Story of Your Life, 1998)公手成幸 訳
「七十二文字」(Seventy-Two Letters, 2000)嶋田洋一 訳
「人類科学の進化」(The Evolution of Human Science, 2000)古沢嘉通 訳
「地獄とは神の不在なり」(Hell Is the Absence of God, 2001)古沢嘉通 訳
「顔の美醜について ― ドキュメンタリー」(Liking What You See : A Documentary, 2002)浅倉久志 訳
「作品覚え書き」(Story Note)古沢嘉通 訳

[ 2010-09-28 ]

表題作だけ読んだ。よくできていて美しい。ただ、作者の重心が読者を感動させることより、作品の完成度を上げることにより置かれている感じがする。そういう態度も嫌いじゃないけど。

[ 2010-06-20 ]

内容
地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、
まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…
ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、
天使の降臨と共にもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、
天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」、
ほか本邦初訳を含む八篇を収録する傑作集。

[ 2010-08-03 ]

SF短編集。めちゃくちゃ面白かった!!。発想も論理も物語も全てが緻密で美しい。認識の変容とその先、みたいなのが共通するテーマなのかな?。とにかくサイコーでした!!。

[ 2010-01-27 ]

短編集って並び順が大事かも。この短編集の最初の話がつまらなくて。
個人的な好みの問題だから、作品の出来が悪いわけではないんだろうけど。
読むのを止めようかと思ったけど、がまんして読み進めたのです。しばらく「う〜む」という感じの作品が続いたのですが、表題作の『あなたの人生の物語』という短編を読んだらとても面白くて吃驚。
その後は全部面白く感じたな〜。
これを最初に持ってきたら、後のも面白く感じた気がするんだけどどうだろう?
最初だけで後は面白くなかった、って事になるのかな?
2004/05/17

[ 2010-05-23 ]

読んでいる途中、「?????」とはてなが頭を行きかった(笑)
む、むずかしい・・!
しかし、段々とこの書体や作者の魅せる世界観に慣れて来ると、難解は難解ながらも、なるほど、と思う。とにかく先を知りたくてページを繰り続けてしまう。
表題作ともなった「あなたの人生の物語」は、読み終えて、筆舌に尽くしがたい感動を覚えた。激しいものではない、実に静かな感動だ。

これも何度でも読みたい作品だ。

[ 2009-12-31 ]

短編集です。
ヒューゴー賞、ネビュラ賞をとってる作品だけあって
おもしろかった。天使が光臨してくる話「地獄とは神の不在なり」と「顔の美醜について-ドキュメンタリー-」の話が印象的。

[ 2015-05-30 ]

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[ 2011-01-30 ]

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[ 2011-06-18 ]

本のタイトルにもなった作品は、非常に素晴らしい。ヘプタポッドの言語と生まれもった思考に、羨望を覚える。「地獄とは神の不在なり」もよかった。真の信仰とはどんなものなのか、わかった気がする。

[ 2012-07-08 ]

表題作目当てで買ったが、「地獄とは神の不在なり」「顔の美醜について」が秀逸すぎた。社会派SF寄りのテイスト、好きだなー。思わず唸るようなラストでした。

[ 2009-11-01 ]

SFの世界では、結構有名な作者さんの短編集で、色んな賞を受賞しています。
SFは、人によって好き嫌いがあるので、みなさんに押しなべて薦めることは出来ません。
(最初に「惑星ソラリス」なんか読んだ日には、二度とSFは読まないと思う人もいるかも)
有名なこの作品も好き嫌いはあると思いますが、短編集ですので、自分にあった作品を選べるという意味では、間口が広いかもしれませんね。

この作品中のお気に入りは、ヴィクトリア朝のイギリスを舞台とした「七十二文字」と、天使の出現が自然現象のように扱われている現在の世界を描いた「地獄とは神の不在なり」ですかね。

「七十二文字」は、オカルトと言語学、および化学が密接に関連した技術世界が描かれます。はっきり言って、その世界に描かれる説明体系はよく理解できていないと思いますが、世界の描き方としては面白いですね。
現代の科学技術も説明体系がきちんとしていることが条件なら、オカルトでも説明がきちんととしており、再現性がある技術として存在するならば、こういう世界もありえるのかいうところです。
まあ、こういう世界が好きならどうぞ。

「地獄とは神の不在なり」は、自分が高校時代から疑問に思ってきたことが、作品とされており、結構立ち止まって考えながら読みました。
「なぜ、弥勒菩薩は末法の世の中まで現れないのだろう?」
「なぜ、神は人間を弱く創り、試練を与えながら、みんなに救いの手を差し伸べないのだろう?」
こういうことを疑問に思った事がある方は、面白く読めるかもしれません。
天使の出現が、奇跡と災厄をもたらす世界に生きる人々を描いた作品です。

両方とも映像化しても面白いかもしれません。
とかいっても、一番印象に残ったのは、一番目に掲載されているバベルの塔の建設作業員のお話「バビロンの塔」だったりして。

[ 2012-04-10 ]

とにかく全篇面白い。厚めだけど、長さもテーマも様々だし、構成も変化に富んでるから読んでいて全く飽きなかった。「作品覚え書き」を読んでもわかるけど、どれもアイデア自体はちょっとした思い付きからが多い。しかし、そこからの話の広げ方が、らしさの見せ所。なんとなく、屁理屈から話を広げる手法ということで円城塔を思い出した。話の見せ方ではチャンは最強だけど…。(円城さんも大好きです)「理解」のイーガンに通じるバカバカしさ、「あなたの〜」の次第に謎が解けていく感覚、「七十二文字」の謎科学のワクワクはもう最高だった。

[ 2010-05-20 ]

8本のうち5本は文句なく面白い短編集だった。一番面白かったのは「七十二文字」かな。架空のヴィクトリア朝、カバラ、ゴーレム、前成説… 表題作も、最後の「顔の美醜について」も、「バビロンの塔」も。
バビロンの塔、本当に天蓋そのものに届く塔の描写がなんともセンスオブワンダー。しかし一番考えさせられたのは「顔の美醜について」か。美醜失認処置、メディアの押し付ける美というもの。

[ 2010-12-18 ]

ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、
その他を受賞あるいは入賞した作品がゴロゴロと 8 作品。
凡人には想定外の発想、物の見方ができる天才肌の作家だと思う。
もっと早く出会いたかったと思える、
濃密でワクワク出来る読書体験を味わえる。
寡作な著者には、ぜひ長生きしてもらわねば。

[ 2012-08-27 ]

相変わらずSFをSF足らしめんとしている部分についての理解は全く及ばなかったものの、それでも十二分に楽しめるっていうのが憎い。
特に大げさな修辞が凝らされているわけではないんだけど、例えば新しいものと出会って世界が開けてゆく瞬間に瞼の裏に瞬くものにも似たときめきを行間に覚えて、目の前がちかちかする。展開は淡々としていながら、一文一文に目を凝らすと実に回りくどい説明を試みている変態的文章(語弊有)もすごく私好みだった。

やっぱり表題作が頭一つ抜けて面白いのは確かなんだけど、個人的には「地獄とは神の不在なり」がお気に入り。決してハッピーエンドではないシニカルなオチが実に痛快で、思わず含み笑いを漏らしてしまう。このお話に係る作品覚え書きもまた愉快で、再読したくなることは必至。

[ 2009-05-02 ]

[あなたの人生の物語]

・人はだまし絵を見たときに、あるときは人の顔、あるときは瓶を
 見て取ることができるが、その両方を同時に見ることはできない。
 ⇒人は意味を読み取ってものを見ている。

読了日:2009/05/02

[ 2010-09-07 ]

どの短編が一番好きだろうと考えてみたけど、どれも出来が良すぎて決まらない。寓話めいたものから未来を舞台にしたものまで全部、アイデアと物語性が融合している。

[ 2011-11-28 ]

おもむろに再読レビュー。☆4なのは私の理解力不足が原因なので仕方ない(笑)

各物語の世界観や著者の言わんとするところを理解するのがなかなか難しいかもしれないが、着眼点や発想がおもしろくその点読んでいて飽きることがなかった。(頭は常時フル回転でしたが)
いくつかの短編、例えば「ゼロで割る」は数論の矛盾をついた作品だが数学の素養がないと難しいだろうし、表題作「あなたの人生の物語」はファーストコンタクトものだが、言語学者と異星人がコンタクトする過程で人間の認識の限界を示し、認識がどのように言語に影響を与えるのかという複雑な話であり難解だった。
それでも頑張って読み進めていくと何か「道」が開けるような感覚に襲われる。
SFファンなら是非読んでみて欲しい作品。

他の作品も軽く紹介
「バビロンの塔」・・・キリスト教「旧約聖書」にある「バベルの塔」の物語設定を使った作品。ひたすら天を目指す男が辿り着いた先は・・・

「理解」・・・人間知能の向上を与える薬を飲んだ男の物語。超越した知能からどのような景色が見えるのか、そして超越した知能を持つもの同士が出会ったら?

「ゼロで割る」・・・割愛
「あなたの人生の物語」・・・割愛

「七十二文字」・・・「名辞」と呼ばれる紙を埋め込むと人形がオートマトンの如く動くというファンタジー的世界観を持つ作品。この「名辞」があくまで科学として取り扱われるところが奇妙ながらも面白い。

「人類科学の進化」・・・人類の知性を超越した超人類なるものが存在する時代の人類科学の進化?を5頁という文量で皮肉ってみた作品。

「地獄とは神の不在なり」・・・天使が突然現れるという現代世界、天使の出現は突発的で奇跡を起こし病を癒すが、その反面の出現の余波で障害を抱えたり死者も出るというなんとも不思議な設定。
しかも因果応報ではなく完全に無差別に発生するため、人々は神の真意をそれぞれに解釈し葛藤する。
ある意味、神の意志は人間の意志とは断絶しているというキリスト教の神観をあらわした作品とも言える。

「顔の美醜について―ドキュメンタリー」・・・「カリー」と呼ばれる人の顔の美醜についての認識が出来なくなる技術を題材にした、ドキュメンタリータッチの作品。
本作の中では一番理解しやすい作品だと思うが、「人間は顔じゃないよ」というあまりに身近な問題について深く考察している。意外とお気に入り

[ 2008-11-16 ]

久しぶりに読んだ青背(苦笑)←しばらくご無沙汰だったから
短編集なんだけど、とにかくどの短編も発想が凄いっていうか
私としては驚きの連続で
大変満足な1冊でした。

[ 2008-07-05 ]

最近あたりはずれが多くて、小説を読む気にならなかったけど、コレは本当におもしろかった。
感動!!!とまではいかないけど、驚きに溢れた奇想天外な作品でした。

物語は単純明快!?しかもそこには予想もつかないアイデアと密接に絡み付いた登場人物の描写が印象的、とかなんとか云う解説は必要ないかf∧_∧;
でも、最初は専門用語が多くて読みづらかったけど、読んで行くうちに引き込まれていく感覚がしたね☆☆
こんな感覚は久しぶり。

『あなたの人生の物語』はSF小説です。
SFと云えば、人間の知的好奇心をくすぐらせる作品。
と、同時に心で感じる前に頭で理解しなきゃいけない難解な代物。

でもコレは少し違う。
未来を過去のように感じる事が出来るようになった母親が、まだ生まれていない娘を愛するお話。
なんか素敵やん♪

まぁコレを手にするきっかけは、『トップをねらえ!2』の最終話がこの小説と同じタイトルだったからなのだが、
読めば何故『あなたの人生の物語』なのかがわかります。
わかるとは少し違うかな?
感じることが出来ますよ!

『トップをねらえ!2』を知ってる人も、または知らない人も一度読んでみてはいかがでしょうか?

[ 2010-11-03 ]

「あなたの人生の物語」が一番好きかな。「バベルの塔」もすごい。人気の「理解」は、自分の中ではまだぴんときていない。

[ 2009-10-13 ]

SFは首尾範囲外なので、ほとんど読んでいないんだけど。
そんな中でも、一番好きな本がこれ。

理系とは全く持って相性が悪く、縁もないので、平生馴染みのない言葉が
あれやこれや出てきて読みづらいけど。
それでも、好きだ。

本当に面白い物語というのは、上記のようなことなど意に介さずに
いられるものだと思う。

なんていうか。
思考するということ・娯楽を与えてくれるということ、この両方を与えてくれる。

普段読む、さらっとさくっと読める小説も好きだけど。
自分にとっては、それは使い捨てと一緒。
だけど、この本は。、自分にとって使い捨てではない1冊。


どれもなかなか面白いけど、表題作が1番心に残る。
自分の発想にない物語。
あと「地獄とは神の不在なり」。
何度か読み返すうちに、自分の中での評価が上がった。

[ 2008-04-24 ]

ジャンルでいえばSF短編集になるらしい。
SFを好んで読んだことはなかったけど、非現実的な設定はどうも苦手、という感覚は全くなかった。
むしろ自分が認識している現実の輪郭がわからなくなってくる。それがおもしろい。

いろんな読み方ができる本です。
収録されたどの話もすごく面白いが、特におすすめは表題作。

もし私が主人公と同じ立場だったらどうするだろうか?
きっと同じようにするだろうと思う。
最上の喜びと最大の悲しみをまるごと引き受ける人生に対する覚悟を持つ
みたいなものが、いまの自分の心にずんときた。

私が母親になったらまた違う読み方になるかもしれない
と、自分の母親のことを想った。




[ 2008-04-23 ]

「理解」すごい。普通の人間の何倍も知性を強化された主人公が目指すものとは? 終盤、場面はほとんど動かず居間に立ってる人物と、回転いすに座っている人物だけ。しかし中身は思わずページをめくる手に力が入る対決シーンなのだ。読まないと味わえない興奮。しかもSFの味。あー面白い。

「あなたの人生の物語」
新しい言語は新しい世界認識をもたらす。異世界の言語は時空の認識をも変えてしまう。言語の設定をマニアックに積み重ねて読ませる部分と、娘に愛を語るパート。こういう語り口調だと、何となく娘パートには用心してしまう(いわゆる泣かせ系じゃないかと)。でも「バビロンの塔」から順に読んでいって、すでに作者の虜になってる読者は強引に泣かされてしまうのだ。最後に物語の構造に納得がいくというおまけ付き。

ほかSFというより辛口ファンタジー(もしくはバッドエンドファンタジーというのだろうか)というテイストの話も全部おもしろかった。

[ 2012-09-24 ]

以前SFアンソロジーで読んだことのあったテッド・チャンですが、現在書籍化しているのはこれ一冊のみとのこと。それでいて完成度がどれも高く、外れが一つもないです。特にお気に入りは二編。古代の錬金術が成り立つ世界を描いた「七十二文字」、一種のファンタジーですが、理論を緻密に組み立てられた世界が素晴らしいです。宇宙人との出会いとそれによる意識変化を描いた「あなたの人生の物語」、言葉によって意識変化とは斬新で面白かったです。作者による作品覚え書きも興味深かったです。新刊が読める日が来るのを待ち望んでいます。

[ 2014-07-25 ]

少し前によく平積みになっていたので図書館で借りてみました。なんというのか通好みのSFって感じだなあと思いました。

バビロンの話は面白かった。らせんというかメビウスの輪のようになっているという感覚が面白い。そして理解も面白かった。貴方の人生~は個人的にはちょっと納得いかないところはありましたがインパクトは一番ですね。

どの作品を読んでもベースとしてキリスト教が濃厚に香る感じがしました。移民二世なのになあというのはちょっと思ったりもしましたが。神と科学という二律背反しそうなものを同様に信じている人はこういう考え方をするのかな、というのが面白かった。神は現象でありすべての現象の解であるとするならば科学的にも神が成立されるべきだろうというような考え方が面白いというか。それにしても神は無条件に愛されるべき存在である、なぜならすべての創造物を生み出したのは神なのだから、という論法なら生物は(人物でも良いけど)神を母のように無条件に愛すべきである、とならないのは神=男性という意識が強いからなのか。その辺りの思想も面白い。

カートヴォネガットを読んだ時も思いましたがキリスト教をベースにSFを書くとこんな感じなのかな。毛色が変わったSFでした。

[ 2004-01-04 ]

こんなにものすごくSFらしいSFを読んだのはひさしぶりだなあ、と感慨に耽る。
感触としては、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアに似てるかな?
表題作は、いったいどんなオチにするのかと思いながら読んでしまいました。普通は、落ち着くべきところに落ち着くので、いちいち先読みしようと言う気は起こらないのですが。
この短編集が、ちゃんと落ち着くべきところに辿りついていないと言う意味ではありません。
ただ、川を下って行って海に出ると思いきや、いきなり平行世界に飛ばされてしまうと言うか。
しかも、行き着き方自体は、ものすごく論理的で説得力がある、と言うような。
なんだかピンとこない説明で申し訳ありませんが、そんな感じがしました。

[ 2020-05-12 ]

2020/05/11 読み終わった。
「折りたたみ北京」→「三体」→「息吹」からの「あなたの人生の物語」。このジャンルに慣れてきたからか、今までのこの系譜のSFの中では、落ち着いた気持ちで読んだ。
その中でも「理解」、「地獄とは神の不在なり」、「顔の美醜について」あたりが好み。「理解」の、既存言語が思考に追いつかないから新しい言語を作るところとか、グッとくる。
書題にもなっている「あなたの人生の物語」は映画にもなっている。俺は映画を先に見たけど、ヘプタポッドBがなんであんな形なのか、ヘプタポッドの思考方法とかについては、原作の方が詳しく理解できたと思う。
今まで、「高い城の男」、「タイタンの妖女」を買っては挫折してきたけど、ハヤカワSF文庫を開拓する時がついに来たかも。

[ 2014-08-03 ]

久々のSF。内容が難しかった。あと私の読解力が足りないんだろうけど、オチが何なのかよく分からないものが多かった。文章自体の意味は分かるんだけど、それが何を表してるのか分からないっていうか…。だからあまり面白いと思えなかったのでした。もしかして挿し絵があったらちょっと違ったかも??

[ 2006-11-08 ]

今のところこれ一冊(しかもこれは短編集)しかない作家ですが、早くも21世紀最高レベルのSF作家の称号が確実視されそうな勢い。素晴らしい。

方向性としては認識・意識の問題を扱っていると言う点でイーガンと近いものがありますが、イーガンより優しい。
SFとファンタジーの境目のような短編もあります。

チャン版アルジャーノン(またか)「理解」や、異星人の言語習得を通して認識が変容してしまった表題作などなど、どれも水準以上の仕上がりで解説の仕様もありません。

難しくて理解できないような理論も出てこないし、とにかく自分を小説読みと思っている人は絶対読むべし

[ 2012-01-26 ]

「バビロンの塔」は何回も読み返してしまった。なんだかすごく好きだ。
あとの短編も色合いが違って楽しめたが、言語というものの捕らえ方が興味深い。

[ 2012-02-19 ]

短編集。著名な賞を受賞した短編あり。巻末に著者による作品覚え書きが収録されている。どうして、そのお話を書いたのかが垣間見えるのは面白い。今回の短編自体は、ちょっと好みではないかな。

[ 2006-07-22 ]

もしかしたらSF史上最強かもしれないテッド・チャンの唯一の作品集(お願いだから早く書いて……)。アイデアを熟成させて濃厚なストーリーを紡ぐテクニックはプリースト級(もしかしたら凌ぐかも?)。表題作はあまりにも完璧すぎるので、たまに読み返すと、ほら、いまでも鳥肌が立つ。

[ 2008-11-13 ]

人類の理解、認識を超えた/変える新たな世界が
示された時、過去の認識に基づいた喜びも悲しみも
超越して受け容れることのできる世界が広がる。
全作宇宙を飛び回ったりしなくても
地球上(地球であろう所)にいても世界の広がりが
感じられ、想像力・創造力の豊かさが刺激的

[ 2009-01-13 ]

 久しぶりのSF。
がつーんと読ませてくれました。
うんうん、やっぱりいいねぇ。
表題作は、ちょっと感動。

 天才数学者対天才物理学者のミステリーも、
この人に書いて欲しかったかも。

[ 2011-06-29 ]

どの話も「面白くなりそうだ」と盛り上がり、
消化不良を残して閉じたように感じた。
しばらくしたら読み直したくなるかもしれない。
そういう本だと友人は言っていた。

[ 2011-06-13 ]

中短編集。
それぞれ密度が濃い話で、短編一話で一冊の本を読んだくらいの感じがした。
私には理解できない所も多々あったけれど、すごいアイディアがぎっちり詰まってるなーと思えた。満足度高い。
「バビロンの塔」「七十二文字」そして「あなたの人生の物語」が好き。特に表題作は読み終えて胸がいっぱいになった。
「地獄とは神の不在なり」は一番視覚的に訴えられた話。読み物として非常に面白かったけど、共感するまでに至らなかったのは宗教観の問題か。

[ 2012-01-25 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2007-04-23 ]

これも久しぶりに読んだSFだ。主人公が言語学者で点対称の構造をもつ異星人(セプタポット)の言語を研究している。小説中の時制はすべて未来形である。認知言語学的に読める言語SFの傑作の一つだろう。点対称の構造であれば、前後ろというメタファーは存在しない。したがって、時制もあり得ないという考えが底にある。

[ 2009-01-22 ]

すげぇよ!って言われてたほどの衝撃は無い。なんとなく予想がつく結末が多いので。
ただ表題作は強烈。一読の価値あり。こういうの大好きです。
個人的にはイーガン先生に軍配をあげます。

[ 2005-01-06 ]

収録作品
・『バビロンの塔』
・『理解』
・『ゼロで割る』
・『あなたの人生の物語』
・『七十二文字』
・『人類科学の進化』
・『地獄とは神の不在なり』
・『顔の美醜について――ドキュメンタリー』
全ての短篇が一級品。
 特に『バビロンの塔』と『あなたの人生の物語』と『地獄とは神の不在なり』のビジョンは強烈。
 是非読むべき。
 しかも、今のところ、これがチャンの全作品。

[ 2007-02-18 ]

どの作品も素晴らしいSF短編集。それぞれ、過去や現在を舞台にしているのだが、その発想と展開のうまさに驚くばかりです。
読んで損はない一冊。

[ 2007-12-13 ]

この人の作品は、なんとなく、『編む』とかいう言葉が似合う気がする。毛糸とかじゃなくて真っ白なレースとか。あ、あと「理系…!」って思った(典型的文系視点)。