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(703)
価格:1,040(税抜)
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作品レビュー

[ 2018-11-08 ]

又吉の小説2作目。
今度はお笑いではなく、演劇の世界で芽を出そうともがく若者の恋と葛藤を描いてあります。
お笑いのほうが、体験も滲んでいて、ユニークと言えばユニーク。
個性的な表現を追求する気持ちには、演劇のほうが感情移入しやすかったです。

永田は、友達と上京、小劇場で活動していました。
たまたま画廊で一緒になった感じのいい女性・沙希に声をかけます。この人ならわかってくれるだろうと。
永田の方はともかく、紗希がよく付き合う気になったな~という出会いですが。
沙希もじつは演劇が好きで上京したので、何かを感じ取ったのでしょう。

暗くて不器用な、演劇に取り憑かれている永田。
それでも二人は暮らし始め、楽しいひとときを経験し、微笑ましくいたわりあいます。
芝居はうまくいかないほうが多く、永田は沙希が関わる他の人達に嫉妬するようにも。
後半は、好きな女性にしてはいけないことのオンパレード。
何度かやり直そうとするのですが‥
真剣に仕事に集中して、やっと少し成功し始めても、取り返しがつかない。

最後に懸命に愛を伝えようとするのが切ない。
そんなに好きなら、互いに気持ちが残っているのなら。
とも思うけど‥
紗希はぼろぼろですよね。この後も苦労をかけられそうだということを考えると、こんないい子はもっと平和な環境で暮らしたほうがいいのかもしれない。
そんなことを思いながら読了。
「出会わなければもっと早く東京に負けていた」という沙希の言葉に説得力がありました。
ただ苦しんだだけではない、必然的な出会いだったのでしょう。

[ 2017-05-19 ]

針先くらいの大きさしかない、つまらない、大したことない自己顕示欲にがんじがらめになっている主人公が大っ嫌い。
今まで読んだどの本の主人公より、「こいつ嫌いだわ」って思った。

心の狭さ、器の小ささ。
逃げることでしか保てない自分の軸。
でも、その人間臭さに惹きつけられた。

うだつの上がらない毎日を、
丁寧にしたいのにどうしたらいいかわからない恋人との日々を、
自分で自分の首を締めながら生きてる様は、
たとえ悪あがきだろうと、
演劇という拠り所を通して「生きてる」そのものだったんだろうな。

終盤の畳み掛けの熱量がすごい。
登場人物たちの人となりはしんどいけど、結果、すごく良本。

[ 2017-06-20 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-05-19 ]

「火花」で又吉は本物だと思って次作も絶対読もうと思ってやっと読んだところ。
in one sittingで読みました。珍しいんだよね、一気読みできる本ってそうそうない。
太宰感がプンプンするけど私はそれは大好物なので快感しか覚えず、精緻な描写からは主人公のねっとりした自意識が読者に読みながらにして空気を通して入ってくる。いい。
人間凸凹で寄りかかり過ぎるともうどこまでが自分でどこまでが相手なのかわからなくなって、自己と他者が恋愛によって結合すると切り離すのはレゴブロックのように簡単にはいかず。
昔子供の頃粘土細工した時に、胴体先に作って手足を後からつけたら接着が難しくて、なんとか水つけながらつけて、もう一度手を作り直したいと思って取ろうとしてもその時にはもううまく取れなくなって諦めて粘土ぐしゃって潰すはめになる、みたいな感じ。

テレビで、火花の時読みにくいという読者の声をたくさんもらったから読みやすくしたって言ってて不安になったけど、全く又吉節は消えておらずなんやねんって思った。テーマはただし身近になったかな。

[ 2017-05-15 ]

冒頭の技巧的な装飾的心理表現は辟易としたが、ストーリーが転がりだしてからの展開は凄くいい。主人公の彼女への想いを語るところはグッとくる。全体的にはよくあるストーリーで、そう思わせるのは作者の力量を感じた。

[ 2017-05-15 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-04-05 ]

文芸紙に載っていたものを読んでみた。花火も読んだが、こちらの方が小説としてレベルが高いように思う。

主人公のクズっぷりを読んでいると、だんだんこれは自分のことが書かれている本だという錯覚に陥った。

愛しかたは人それぞれなのだが、愛しているが故に歪む事は多々ある。それは相手に対しての甘えということでも、我儘ということでもなく、その人の心からの愛の1つの発露として、何故か、そうなる。

話題性だけではない、この作者の非凡な才能を感じた。

[ 2017-06-01 ]

どんなに人を好きになろうとて、1番は常に己である…
自己険悪に気づかされるほど人に思われていても尚、自己愛に溺れ、その深みに浸かれば浸かるほどに大切な人との距離が出来てしまう。
日常的に過ぎていく物語は過去の物としてそこに存在するがそれは決して自分を変える未来の糧にはなりえない。 それはまるで劇場の様に振り返ることのみで語られる、儚く忘れられ事の出来ない衝撃だけを僕に与えてくれた…

[ 2017-05-21 ]

又吉さんが書いているという時点で、既にその世界に入れている、入らされている?
独りよがりの主人公の胸が締め付けられる切ない物語。
サッカーゲームの選手名を作家さんにして、イタリア、ブラジル代表と戦わせるシーンは又吉さんのセンスが光る。やはりツートップは芥川と太宰か。

[ 2017-05-16 ]

屈折しているのに、大事な人を傷つけているのに、そんな主人公を客観視しない潔さ。どこかで間違えたはずなのに、ふと我に返る暇も与えず、剥き出しの激情だけで駆け抜けてゆく。
ただ読者だけが冷静に、それを眺めている......そういう劇場なのだろうか。それでも最後ばかりは胸が締め付けられた。

[ 2017-05-11 ]

ある週末に発売日を知った。
普段はそこまでこだわらないのに2作目は初版を買おうと決めていた。
発売日の朝に目が覚めて、書店の開店時間と同じくらいに買いに行った。
書店と名のついたレンタルショップに着くと目当ての本がちょうど棚に並べられようとしていた。
荷台から取り出すのは気が引けたので少しCDや他の本の棚を見て、その本が棚に並べられてから手にとった。
会計を済ませて店内にあるカフェでアイスコーヒーを買って窓際のカウンターで読み始めた。
打ち合わせ中の会社員や会議中のおばさんたちの会話が聞こえていても読んでいた。
同じカウンターに座った女性の顔が気になっても本から目を離せなかった。
駐車料金がかかってしまうことも気にはなったが読むのをやめなかった。
アイスコーヒーの氷が全て溶けてしまっても読み続けた。
トイレに行きたくなっても読むのをやめたくなかった。
又吉劇場の支配人はきっかけ作りこそ下手でも実はしっかり恋愛ができる人なのではないかと思った。

[ 2017-10-07 ]

主人公は売れない劇作家の永田。
その恋人は役者を目指して上京してきた純真な子、沙希。
二人の間には<いい舞台を創る>という共通の夢があり、
その分野に携わる個性的な人達と関わり合いながら揺れ動く彼らの行く末を見守らねば、という気持ちにさせられる物語。
永田はとにかく変人ではあるが、
沙希ちゃんにとって彼は<物語職人>であり、彼女が生きたいと願う舞台の<創造主>。故にその関係は創造主と創造された者、の様な不思議すぎる縁でのみ、結ばれていたのではないだろうか。
恋愛臭が全くしなかったのはその為であった様な気さえする。
だが、創造主的才能を持つ人間は永田だけでは無い。
その事が彼を饒舌にさせ、台詞である「」内の文字数、半端無い事になってしまうのだが、これにうんざりしてしまう
フリをしながら、内心(又吉、面白いな~)とほくそ笑んでしまう辺りは、さすがと認めざるを得ない。
やがて、彼らの関係もなるようにしかならないラストで終わりそうだな~と思いつつ、残り少ない頁を捲っている時に感じたフエードアウト感。
彼らがいた世界がすーっと遠ざかってでも行く様な感覚。
思わずタイトルを思い出した。
そうか、ここは劇場だ。するする心に幕が降りてきた。
(観せられていた。)
本を閉じた後、そう感じた。

[ 2017-05-21 ]

主人公の卑屈さ、彼女に対するクズさに嫌気がさしましたが、最後は感動してました。
時より出てくるユーモア、劇の構成は面白く、クズだけどすごい才能を持っているのではないかと思わされました。計算してのことだと思いますが、アイデアすごいです。
自分の評価は低めですが、純文学があまり好みではないので、好みの問題だけです。

[ 2017-08-24 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-08-20 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-05-24 ]

劇場
火花がかなり良かったので読んでみたが、正直期待よりはかなり普通だった。なんというか、面白くないといえばそれまでなのだが、火花ほどみんなが楽しめるストーリーではないなというイメージ。太宰治や芥川の様な極めて文学的な言い回しと、ストーリーがかみ合っていないようにも感じてしまった。

[ 2017-07-03 ]

主人公が嫌いです
心がざわついて
何度も「もうやめよう」と本を閉じた
でもまた読みたくなって
沙希ちゃんいい子過ぎ
演劇って何?
ラストがよかったなあ

≪ 不器用な二人の未来祈ります ≫

[ 2017-08-25 ]

 読み始めてからしばらくは、なんて読みにくいんだ、と思った。文体が独特で。
何?何??と同じところを何度も読み返したり。
ため息をつきながら、なんとか乗り越えてみると、もうその先は止まらなくなった。
止められない、ぐいぐい感たるや・・・。

 永田をどうしようもないクズだな、ダメな男だな、とバッサリ言うのは簡単だけれど、それだけではない。

 たまに東京に行くと、あまりの街の大きさに、人の多さに眩暈がすることがある。
この大都市で生きていくのは、大変だろうなと思ったりする。そういう、生き辛い街で、好きな事をして生きていくという選択。
決して才能があるわけでもなく、闇雲に努力するでもなく、こういう風にしか生きられない、といわんばかりに同じところに留まるだけの、不器用で怠惰な男。程度の差はあるにしても、こういうどうしようもない人間もいそう。

そして、永田のダメっぷりは、随所で誰の意識にも実はあるんじゃないか、と思えて凹む。
最愛の人との関係を、とことん自己中心的にふるまい、甘えることで壊してしまう幼稚さと不器用さも、腹立たしくはあるけれど、どうにも切ない。

 あんなに献身的に自分を支えてくれた沙希に引導を渡された永田は、この後随分苦しむのだろうな。
喪失感と後悔。
大きな失敗を糧に、もうちょっとしっかり生きろよ永田。

[ 2017-10-28 ]

小説を目で追っているのに
脳内で又吉さんの声と顔で文章が変換されてしまい
ずっと又吉さんに朗読をしてもらっているような
面白い読書体験でした。

青山と罵り合う主人公永田の、
あまりにも容赦がなさ過ぎるセリフがとにかく辛い。
永田がここまでの憎しみや怒りを感じてしまうのは
相手の嫌な姿の中に自分を見つけてしまったからなのでしょう。
永田と沙希の最後の場面は、私が今まで読んだ恋愛小説の中で一番美しく感じました。

一冊目の火花よりもこちらの方が
私の中で主人公と又吉さんが同化しすぎてしまい
小説を読み終わった直後、
又吉さんのことがちょっと嫌いになったくらい(笑)
読み終わったとたん内容をきれいさっぱり忘れてしまう小説があるけれど
これは正反対。
いつまでもいつまでも心の中に主人公たちが生きています。

[ 2017-08-26 ]

ずいぶん前に読んだので、印象がぼやけてしまったが、売れない劇団員と暮らす女性を、可哀想だと感じたのは覚えている。どうしてこういう男を好きになってしまうのかな・・・・。

[ 2017-07-03 ]

火花を読んだとき、表現することうまいなあって思ったけど、それほど騒がれる本かな?でも又吉さんと友人になりたいってずっと思ってた。
この作品は火花より私好み。3回以上クスクス笑って、こんな会話できる彼女と彼氏って最高やなって思ってた。まさか最後でじーんとくるなんて。次もいい作品書いてほしいな。

[ 2017-06-11 ]

「永田…なんでそれ言わないの〜」っていう場面がたくさん。大切なことほど後回しにしてしまう不器用なひとという感じで、悪いひとにはどうしても思えなかった。(そんなことないか。勝手な男だな。)最後のシーンも。あれが永田の中のどれほどのことかと思ったら、ウルっとしました。

[ 2017-09-25 ]

内向的な性格の永田は、演劇の世界を夢見て上京するもなかなか芽が出ずにいた。そんなときにナンパした沙希と付き合うことに。献身的でおおらかな沙希の家に身を寄せるも、不器用な永田は素直になれず。そんな生活に次第に沙希は疲れていき。。。
永田の劣等感や焦燥感が、残酷なほどに伝わってくる。変わっていくことがよいことなのか、変わらないことがよいことなのか?元劇団員とのメールのやり取りも感情むき出しで迫力がありよかった。

[ 2018-12-28 ]

はっとする表現も確かにあったが、主人公のダメさが、それでも、と愛すべきラインにまで昇華したとは感じられず、ただただ鬱陶しいし自己中心的で不愉快。
こういう類の、と括れてしまうのが又吉さんの執筆物なのに残念。

[ 2017-08-18 ]

まだ読んでる途中だけど、これ、フェリーニの「道」と同じだ。
こういうのは本当にダメで、カラダの中身が水みたいに溶けて、全部目から流れ出ちゃいそう。悲しくて、切なくて、申し訳なくなる。

[ 2019-08-18 ]

なんでもっと沙希ちゃんを大切にしてあげられへんねやろ、って思わずにはいられない。でも、これって自分に自信が無いからこそ湧いてくる感情なのかなって思う。嫉妬するのもそう。自分のことを好きでいてくれる沙希が怖くなってくるような感覚。やめとけよ、永田なんて。永田の中にいるもう一人の永田がそう言ってるんじゃないかな。天邪鬼と言えばそれまでやけど。ここがすごく私自身に被った。自分のことをカッコいいとかちょっと好きかもって思ってくれる人のことをいつもないがしろにしてしまう。そして、そんな人の尊さを失ってから気づく。

[ 2019-08-17 ]

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[ 2019-01-31 ]

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[ 2018-08-31 ]

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[ 2017-08-29 ]

又吉が今ほど売れてない頃から好きで、よく知っていたので読んでいて主人公が又吉としか思えず、小説を読んでいるというよりエッセイのように思えた。それでも良いのかもしれないけど、”小説”を読みたかったので少し残念。
どうしても「火花」と比べてしまうけれど、火花は序盤、中盤も面白かったのに対して劇場は序盤、中盤なかなか読むのが進まない感じだった。読むのをやめてしまおうか迷ったけどとりあえず読まなきゃと思い進めると、終盤やっと盛り上がってきて最後までガーッと読めた。そして最後はぐっと心を持っていかれ、読んでよかったと思わせてくれた。

[ 2017-05-21 ]

心に響いた


主人公の永田の描写が
自分と類似していたからだと思う。
永田が自分ではないかと錯覚したほどに。
これは太宰治の「人間失格」を読んだ以来だった


最後の場面は特にせつなかった

[ 2017-08-29 ]

恋愛ものでした。途中訳のわからないセリフが続く場面があって疲れますが、切ないです。切ない男女の物語。

[ 2017-05-28 ]

主人公は『コンビニ人間』の白羽を彷彿とさせるクズ男でした。沙季ちゃんが健気でね、なぜこんなクズと一緒にいるのだと、僕が親ならこの男を叩き潰しますね。
と、思わせるあたりは又吉直樹、才能あるんだなと。『火花』でもそうでしたが、何かに夢中になってまわりが見えなくなっている男を書くのがうまい。口喧嘩の場面なんかは、よくあれだけの言葉が出てくるなと関心。
ちょっと細かいけど、前半部分では人が多くいる様子を「人込み」と表現していたのに、後半では「人混み」となっていたのが気になりました。意味が違うのか?
総合的には満足、三作目も出してほしいですね。次はまったく違う人物を描いてほしいです。

[ 2017-06-03 ]

火花を三度読んだけど、その時の感情や気持ちが恐ろしく繊細に書き込まれています。
この本も二度、三度読むごとに違う視点や感覚で読めると思うので、少し寝かせてまた読もうと思います。
翌日大後悔とはよく言ったものの、後悔後悔後悔の永田に人間の卑しい部分も嫌だけど共感してしまった。

[ 2017-08-04 ]

面白くなさすぎて最後まで読めなかった。
この人の作品への評価って、「有名人」であることを除いての正当な作品への評価なのかな?

ヒロイン?が主人公にとって都合良すぎて気持ち悪いです。
お母さんのこと悪く言われて、「私が悪いよね」とかいう女の子、都合が良いわ。

最後まで読めてないので、最後には鬱憤の溜まった女の子が主人公に対して爆発したりするのかもしれないですけど…

とにかく文章が気持ち悪い。
主人公が関西弁というところもどうしても又吉さんのキャラで脳内再生されてしまって、感情移入しにくい。

芸人さんだけの時の又吉さんは好きだったけど、賞を取ってから急に芸術家気取りっぽいインタビューし出して、それも違う感じがする。

今の売れてる現代小説と比べて、読者が「良い」と思った結果の評価じゃない気がするんですよね。
一生懸命作家を目指してる人、悔しいだろうな。

[ 2017-05-25 ]

恋愛小説ということで、普通によくある若い恋人同士の話でした。しかし、劇場というタイトルの通り、演劇をめぐる若い男女にはよくありがちな話でもあったりします。実際ない話じゃ無い。できる気になっている脚本家が、どうしても恋人を幸せにしたいが、その方法が手段が分からない。それはなぜなのか。そして、二人はどうなるのか。恋人同士を描きながらも、体の触れ合うシーンは少なく、文章は心情と行動、それと演劇とそれにまつわる文筆がほとんど。でも、この二人が一緒に居たいと想い合っていることは、はっきりと分かります。幸せにしたいと思い続けながら、その手段が分からない男にイラっとするかもしれませんが、それでもあがき、恋することを、胸が詰まる言葉で表現しているこの作品に触れた時、切なさを感じるのならば、それは大切な人をしっかりと愛せている証拠なのかもしれません。こういうエピソードを持つ友人がいるなら、他人とは思えず、きっと大切にしてしまうでしょうね。

[ 2017-05-21 ]

なんだこのクズ男と思いながら読んでいても、読後ずっしりと心にしこりが残りました。私も彼と似たようなとこが多少あるかもしれない。だからなのかな?彼は自業自得なんだけど、そうするしかなかったのかな。苦しいです。

[ 2019-01-21 ]

恋愛小説とは知らず手に取ったが、読み終わって「恋愛小説だ」と思った。いわゆる、ときめいたり、淡い気持ちを抱いたりするような恋愛小説ではないが。主人公の永田を軽蔑するような少し「気持ち悪い」と感じてしまうような、それでも切り捨てられない。どこか自分と重ね合わせてしまう部分もあり、それでも感情移入しきれない。その中間に漂いながら、読んだ。又吉直樹さんは、又吉直樹さんだからこそ書ける人の、書ける部分を、書ける方法を知っている。2冊目だけど、たぶん、この人の本が好きだ。

[ 2017-05-28 ]

劇団の脚本を書いている永田と、服飾の大学に通うという名目で女優を目指して上京した沙希の恋愛小説です。読んでいて、苦しくなりました。

沙希の純粋無垢な優しさに触れることで、自分の醜さが強調されて苦しくなったり、同じ年齢で『まだ死んでないよ』という劇団の作・演出を手掛ける小峰の才能に純粋な嫉妬を感じたりする永田の気持ちに、共感しました。

永田はいつでも味方でいてくれる沙希の優しさや弱さに甘えて、いわゆる“ヒモ”で迷惑ばかりかけているように思えて、最低だとも感じました。しかし、“ほんまにみんな幸せになったらええな。(p178)”と言ったとき、永田のことが愛しくなりました。沙希のおかげで、こういう言葉が出たのだと思います。

永田も沙希も東京で死にかけでなにもできないと思っていたときに出会って、寄り添っていて、二人の“純粋”な部分が羨ましくなりました。

また、小説のなかで、商店街で空手の型を母親に披露しながら歩く少年に気がつくと、歩く人達が道をあけて進路をゆずる、優しい風景が大好きです。私も“こんな瞬間に立ち会うために生きているのかもしれない。(p149)”と思いたいです。

[ 2017-05-18 ]

主人公が又吉としか思えなかった。
いやーなんか最低なんだけどさ、周りからどんなに反対されてもわたしだけは。って思っちゃう気持ちは分からないでもないな。
むしろ人には分からなくてもわたしは好きだって言える人が強いのかもとか、今なら思う。
幸せってなに?って考えてしまった。

[ 2017-05-27 ]

最後のシーンが良かった。別れのシーンだけど、本当に別れると思う。
「火花」より前に書かれた作品らしいので、「火花」と似た構成はありますが、読みやすかったです。演劇論や訳の分からない会話の下りがありますが、夏目漱石や太宰治を読んでいてもそういう箇所ありますから、又吉直樹さんは真似たのだと。

評価は分かれると思いますが、迷っているのならば読んでください❗

[ 2017-06-01 ]

火花の前から書き始めてた作品だけあって、何度も書き直したりしたであろう本作は、完成度の高い仕上がりだと思う。
細かな描写や繊細なセリフの表現が刺さりました。
次作が本当に楽しみです。
この二作と全く違う主人公を書ききって欲しいです。

[ 2017-05-31 ]

「火花」テイスト
ここに出てくる「永田」の方が、より又吉さんぽいな。
と思った。
明るく屈託の無い前向きで「永田」の事をある意味信頼している「紗希」
独りよがりでマイナス思考な「永田」
真面目に話すことが恥ずかしいのか「紗希」の前ではふざけてばかり。

何だか似ている「私」と。
「火花」よりもこっちの方が好きだな。

[ 2017-05-14 ]

こういうこと良くあるだろうなという話ではあるが、妙にリアルで甘酸っぱさもある。主人公はかなり又吉と重なるね。

[ 2017-09-16 ]

最初から最後まで又吉だった。

細かい日常の描写や考え方が、日々こんな事を感じてそうだな…と常に著者の顔が浮かび、永くんはきっと又吉だな…と重ねながら読んだ。

又吉作品はエッセイは読んでいるが、肝心の「火花」を読んでいないから、小説1冊目。
芸人を脚本家に置き換えてるだけで、本人の実話も入ってるんだろうな。

永くんはクズだけど、最後は悲しい。

[ 2017-06-02 ]

又吉直樹『劇場』読了。演劇を主軸に恋愛小説という触れ込みだったけれど、それは表層に過ぎなくて、「東京」という混沌とした物語だった。登場人物の永野に関ジャニ∞の「Tokyoholic」みを感じた。「東京」を諦められる人と「東京」に魅せられて諦めきれない人の物語。
感情の書き方がとても、上手くてゾッとした。その感情、私も知ってるやつ…、言語化されてる……という感じ。
恋愛小説としての男女のキャラクター設定は、私の想定してたまんまで笑ったけど。(笑)太宰に影響をがっつり受けているであろう感じがとても出てる……。
『火花』も面白かったけれど、私は『劇場』の方が面白かった。『火花』はあまりにも私小説的で常に又吉さんの影があった感じなのだけど、『劇場』ではそんな印象はあまり受けなくて、時々、あぁ、これ又吉さん言いそうだなってチラつくくらいで、割合純粋に小説として楽しめた。嫉妬だわ……。

[ 2017-05-14 ]

久々に本で泣きました。
男は、素直になれない、プライドが高い。
女は、夢を負う男を支えたい、辛抱する。
男女ってこうだよね、と自分の恋愛と思い当たる節がたくさんあり、思わず頷きながら共感できる描写ばかり。
若い二人が大人になるにつれて色々変わっていく。そして、未来はまだ見えない。それでも二人だけの思い出をいつまでも大事にしていることに、いい大人でもキュンとしたり、切なさを感じたり。涙が溢れました。愛と優しさで溢れている素敵なラブストーリーです。

[ 2017-05-24 ]

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[ 2017-10-29 ]

又吉ってこう、人が心の中に持っている嫉妬の感情を爆発させるのが本当にうまいなあと思う。その上で口が上手いから、もう、私たちにはかなわない。

夢を追って、誰かに依存して、でも依存したことを認めるプライドさえなくて、依存した相手を壊してしまう。それも、ほんとのほんとに最後でないと、認められないほどに、この主人公の永田ってやつはしょうもない男だ。でも建前社会の中で、自分の感情に素直で、怒ったり、泣いたり、怯えたりする永田のことを、とても人間らしいなと思った。

未だ夢を追っている人たちには辛く感じる場面もあると思う。でもそれでも読んでほしい、そう思える小説でした。

[ 2017-09-08 ]

すんなり読めた。物語の展開としては特別なことははない。沙希のように純粋に人を愛せる人がいればいいと感じる。芸術家の理屈っぽい生き方に純粋な沙希の愛が恋愛小説としても成り立っている。
文章は作家の独自性がうかがえる。

[ 2017-06-07 ]

切なくて、ラストが刺さった。不器用で、優しくて、ややこしい。そんな彼が不憫でもあり、人って程度の差こそあれ、こんな感じだなと思ったりしながら。
次も楽しみ。火花も素敵だったけど、火花より、こちらの方が再読したくなってくる。

[ 2017-05-22 ]

正直、読み始めてから1/3位まで
ちょっと後悔するくらい、永田の話がつまらなかった
なかなか読みたいという気にもなれずだった
でも、中盤前に、どんどんと引き込まれ
気になり、気持ちを寄り添い、心配になり
最後は切なくて切なくて、
永ちゃんも、さきちゃんも、悲しくて切なくてアホで
若さゆえ、勢いなのか、正直なのかな気持ち
思い出したり感じたり、貴重な読書時間を過ごした

[ 2018-01-25 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-05-30 ]

普段は(かさばるので)単行本より文庫なのですが、今回は文庫化が待ちきれずに買ってしまいました。

序盤がえらく硬く入るけれど、全体的には前作より棘が抜けて、読みやすいのかな。
テーマがより、スッと心に入ってくる感じがします。

それでいて又吉節はトーンダウンしていないのが凄い。
1作目ほどではなかったけれど、笑ってしまう場面も幾つかありました。
テレビでは笑えないのに、文章のセンスと喋りのセンスは全く違うところに存在するのですね。(失礼)

作りは変わらず、終盤にどうしても書きたいことがあって、そこへ向けてお話が進んでいく形。
その流れが、前回より自然になったと思いました。

個人的に2作目をどう書くのかとても興味があったのですが、1作目の延長線上で技術がパワーアップした感じでした。

もうこの作風で固定なのかな。

現時点でも完成度は高いので、持っているクオリティを着実に高めていくことはもちろん間違ったことではないのですが、大きく殻を打ち破って欲しいという我が儘な願いもあります。
それが出来る才能をもった人だと思うので。


以上、自分で読んでもなんか上からだな、と思いましたがこれは単純に私の文才のなさなので他意はないです。
興味深く読めました。

[ 2017-05-21 ]

デビュー作が評価された作家やミュージシャンは、往々にして「2作目のジレンマ」をどのように超えるかが大きな困難であり、そのジレンマを解決できずに歴史に埋もれた創作者は枚挙に暇がない。さて、本書を読了して真っ先に感じたのは、著者は一人の純文学作家としてのその陥穽を超克し、そのポジションを確立しただろう、という感覚であった。

今作では演劇の脚本家である若者を主人公として、芸術という自己表現に従事する人間が、必ずどこかでぶち当たるであろう”自らの才能を信じることの不安”や”自分より評価されている他者への羨望や嫉妬”などの感情が、余すことなく描かれる。天才でない大多数の創作活動に従事する者でこうした感情を抱かないものはいない(抱かなかったのだとすれば、それは天才か馬鹿かのどちらかである)はずであり、その感覚の生々しさがこうした言語化され、ストーリーに中に自然と配置される技術は、著者の強い才覚に基づくものであろう。

[ 2017-05-27 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-05-28 ]

主人公は、自意識が肥大したクズ。そしてヒモ化してさらにクズ度が増していくという…
読むのが苦しかったのは、主人公の嫉妬心が誰にも少なからず思い当たる節があるからなのかな。この本の裏テーマは、嫉妬心なのではないかなと思いました。

恋人の沙希も、終盤ギリギリまで明るくてなんでも受け止める感じで、そこがまた他の登場人物と違った違和感があり気持ち悪く、とにかく気持ち悪い人ばかりがでてくる小説でした。
そこがあったからこそ、ラストの感情を吐露するシーンの輝きが圧巻。結局最後も劇場の中で思いを吐き出せない2人は切なすぎました。
ちょっとした会話のやりとりが面白いのは、さすが芸人。苦しいですが、そこを乗り越えて最後まで読んでほしい1冊です。

[ 2017-05-25 ]

上京したことのない私にも、上京感を味わわせてくれる、素敵な作品。
青春小説。まどろっこしいとこもあるけど、それもよかった。

[ 2017-05-20 ]

これね、又吉が書いたものじゃなかったら、気持ち悪くて読みきれないとおもう。又吉が書いた違う本にもチラっとこの女の子の話出てきて、そのときはあぁなんかせつなくて優しくていいなって思ったのだけど、劇場はあまりに主人公の自我が強すぎて気色悪くてもやもやした。又吉好き、から入るから読めるけど、誰でもないひとが書いたものだったとしたら、理解してあげようと思えなかったと思うよ。

[ 2017-06-22 ]

クズ男の話。
主人公に対してイライラする箇所も多く、なにが言いたいの…なにがしたいの…と考えこんでしまいなかなか読み進めることができなかった。
周りに理解されない人を描くことで、読者に何をつたえたかったんだろう。

[ 2017-08-29 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2018-03-28 ]

「火花」は、ピースの又吉さんの作品って先入観を持ちまくって読み進めた。
「劇場」ももちろんピースの又吉さんの作品だと思って読み始めたけど、その気持ちを持ち続けるのは難しいくらい読み入ってしまった。
別にそんなこと思う必要はこれっぽっちもないんだけど、この世界に沈みそうになると何度も「そうだ、これは又吉が書いたんだ」と意識的に思い出しで浮上して、また沈んで…の繰り返し。
永田がムカつきすぎて、しばらく関西弁聞きたくない。
わかりそうでわからないところも多かった又吉さんの作り出すものが、ライトな読者側に寄せてくれたのか?私も言葉にはできなかったけど、こういうふうに思ってたのかもしれないってくらい、泣きたいくらいに胸が痛かった。

[ 2017-06-01 ]

こんな恋愛はしたことない。
だけど、この小説を読んでいると、昔の自分の恋愛を思い出すんだよ。
なんてことないのに悩んでいたりしたことを。

又吉さんの書く小説は、私の奥底に眠っていた何かを思い出させることが多い。

[ 2017-05-26 ]

一気に読んだ。

永田の生き方、沙希との関係の続きが気になり、どんどん頁をめくる。

どんなに想い合ってる二人でも、うまくいくとは限らない。
作中の人物を見ながら、自分自身の生き方も顧みる。

永田は、人間らしい感情に溢れていて、沙希との接し方に悩む様子は微笑ましい。
が、さすがにもうちょっと何とかなるだろ、とも思う。笑
劇作家の人たちはこんなんばっかりなのか、とちょっと嫌いにもなる。


一度目はスピードを上げてぐいぐい読み進めてしまったので
二度目は一つ一つの文を噛みしめながらじっくり読もう。

あー楽しみだ。

[ 2018-06-06 ]

二作目は恋愛小説、と公表されていたのでこの本棚のカテゴリもレンアイを選択しましたが、「自己表現」とか「自立」とか「依存」についてを恋愛を題材にして描いた小説、というような感じでした。前作『火花』と同様に主人公の思索のモノローグ部分はかなり好みでしたが、劇団のメンバー間でなされるやりとりの痛々しさというか不毛な感じは苦手で、朝井リョウさんの『何者』を読んでいたときと似た感じのモヤモヤした気持ちになってしまい疲れました。でも最後の場面で、丁寧に散りばめていた伏線を見事に回収してくれた感があり、読後感は爽やかでした。次作も楽しみです。

[ 2019-05-04 ]

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[ 2019-03-04 ]

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[ 2017-05-14 ]

『新潮』掲載時は『火花』より難解に感じ挫折しました。所々やはり難しかったのですが、今回は大切に読んだつもりです。
神社の前の木から落ちた青い実を偶然一緒に見た彼女とのお話、又吉ファンにとってはお馴染みのエピソードだと思いますが、あのお話を思い出さずにはいられません。
永田と沙希の関係とその流れは、恋愛小説でも現実でもよくあることかもしれないけれど、世界観や最後のやりとりの切なさは又吉さんらしくて良かったです。何とも言えない余韻があります。

[ 2017-10-22 ]

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[ 2017-09-07 ]

又吉が描く初の恋愛小説。内気な主人公「永田」は演劇にのめり込む内気な青年。その永田に「靴、同じやな」と話しかけられ、付き合い、献身的に尽くす沙希。ダメ男な永田に腹が立ちながらも、切ない恋愛小説です。

[ 2017-05-28 ]

主人公のモチーフは作者本人なのではないか?と疑問に感じてしまう表現が印象的であった。

一方で自意識が肥大化して劇場に登場するヒトやモノ、シーンがそうであるように接触するすべてにおいて根拠を追求する思考がもたらす主人公の心の変化が苦しく思える。それは自分にも思い当たる節があるからだろうか。

小説というよりは別のカテゴリに分類される書籍だと思う。

[ 2019-09-25 ]

終盤の畳み掛けで一気に読んでしまった。とにかく切ない。
主人公の永田のどうしようもない性格が自分と重なってしまった…
好きなのに表現せずふざけ続けて、相手が自分のことをずっと好き、一緒にいるのが当たり前って考えに共感してしまった。

[ 2019-07-19 ]

サキを見ていて、これは又吉さんの理想なのか?それとも誰かモデルがいるんだろうか?と思ったけれど、実際にこんな人いるんだろうかと思った。街中で声を掛けられ慣れている女性にとって、永田は異質に映るんだろうか?この人はちょっと違う、なんて思うんだろうか。永田が青山に向かってメールを連投するところを読んで、ああ、俺もこんなヤバいことをよくするなと思った。これは、相手を説き伏せるというよりは、自分に対しての戒めのような気がしていて、青山からの返信は、もう一人の自分からかけられる罵倒のような気がした。自分の中の理想の返信だったのではないか。

[ 2019-08-30 ]

主人公の永田が気持ち悪すぎるし、人間として最低すぎて、読むのがダルくなるくらいだったけど、それを文字で感じさせてしまう又吉はすごいと思った。

[ 2019-01-01 ]

漫才師としての鉄壁ぶりからしてある程度予想はしていたのだが、それにしてもここまで読ませるとは・・・

主人公は売れない劇団で脚本を書いている内向的な青年。
私自身は、大学のクラスメートに劇団員がいてそういう世界があることを知った。下北沢の小汚い小劇場での公演を体育座りで観るという経験もした。その友人はシャイでとにかく脱力しており、ただときどき異様にシュールなギャグをひとりごちているようなやつだった。その彼が舞台の上では人が変わったようにぶっ飛んでいるのを見て、ああこういう表現欲求あったんだ、と不思議に感動したことを憶えている。

・・・なので、主人公を取り巻く世界をなんとなくイメージできた。そして、自分の才能への自負と不安に悶々とする主人公を徹底的に肯定する恋人のキャラクターがとにかくよかった。

そしてここが又吉の真骨頂だと思うのだが、たとえば恋人同士の会話がもどかしくすれ違うようなシーンで主人公がぼそっとつぶやくセリフが大喜利的にめちゃくちゃ面白いのだ。
切なさと笑いとをここまで深く共存させている文章を、少なくとも私はこれまで読んだことがない。
演劇への思いと二人の関係とが一点に収斂していくラストも静かに素晴らしい。

[ 2018-11-02 ]

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[ 2018-10-15 ]

なんとも切ない恋愛小説でした。
なかなか日の目を見ない自ら脚本も描く劇団員と東京に自信がなくなりつつある女の子のお話です。
今、一番会いたい人に会いたいときに、会いに行けないのはなぜなんだろう?そんな当たり前のことができない自分はなんなんだろう?
あなたならどうしますか?

[ 2018-10-23 ]

「火花」は結構好きだったから、こちらも読む。 しかしながら、「劇場」はちょっと... 主人公がクズ。ヒロインも優しすぎるというか、ダメだと思う。なんとか読み終えたがキツイかな。

[ 2018-05-20 ]

「文章を書くのが上手い芸人」から正真正銘の「作家」になった!

いや、すごいです。驚きました。すごく好きです、こういう小説。
読み終わった直後、スタンディングオベーションしたくなりましたw

前作「火花」は、「お笑い芸人にしては上手いじゃない。ふふん。」とかなり上から目線の感想を持ったのですが、今回はお見事!あっぱれ!又吉さんの底力を見せつけられた感じです。

冒頭、10頁ほどは梶井基次郎とカミュと太宰治が混ざったような文体で、「お、今回はこんなお堅い感じでいくのか?」と襟を正して読んでいたのですが、徐々に又吉風に。

ラストは感動で涙が出そうになりました(出なかったけどw)。

[ 2018-11-17 ]

主人公、すごくイタいし面倒臭いし「ほんまクソやなこいつ」と思うが、所々自分にも当てはまるところがあってぐさっと抉られる。
変わらないといけないと頭では思いつつも全く変われない、行動に移せない主人公の心情というか生き方、よーーーく分かる。そして後で失ってから後悔するんよね。はあ。。

[ 2018-03-25 ]

又吉くんの小説は劇場が初めてです。図書館で雑誌掲載されたのを少し読んで、絶対買おうと思い、ハードカバーを購入して読みました。結果、すごく良くて満足です。

文章表現がとても丁寧で、描写力のある方だなと思いました。私なんかは言葉にできない感情を、又吉くんはしっかりと文章で書いてくれて、ぴったり当てはまるのが心地よかったです。

下北沢とか三鷹とか、私と縁がある街が出てくるのも読むきっかけになりました。又吉くんに親近感を抱いている方なら、楽しく読めると思います。

[ 2018-01-14 ]

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[ 2017-10-16 ]

前作より少しわかりやすい。
又吉の実体験に基づいて書いてある気がする。
長編の恋愛小説。ラストまで誰も幸せにならないし、主人公に感情移入出来ない。最低な主人公にいいように使われて、最終的に鬱になって東京から離れ、田舎に帰っていく恋人の女の子。でもその訳のわからなさが、恋愛なんだろうなって感じる。読み終わったあと、感じたのは、世の中には悪人と善人にきっちり分けられる訳じゃないってこと。最低な主人公が考えてることは恋人が笑顔になることだったり。上手く人の間で器用に渡り歩いてる人が、本当は人に自分のことしか頭になかったり。
悪人は悪人の顔じゃなく、善人のフリして近づいてくる。まさにそんな気分を味わった気がする。

[ 2017-07-04 ]

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[ 2017-07-18 ]

恋愛小説というとイメージ違うかな。苦悩、嫉妬心の物語ではないですかな。嫉妬の塊プライド男に優しくそして励ます女の子。自覚しているけれどどうにもできない男の心情がよくかけていると思います。こんな男は、ああ嫌だな〜と思っちゃうよ。作家が芸人さんなので、主人公=作家さんとまではいかないけれど、それに近いものを持ってるのかな、と思ってしまう(芸人さんはHITするまで大変なんでしょうけれど)。不器用、不器用。火花よりは嫌な面が多いし、読み辛かったが、その分、うまくかけているってことかいな。

[ 2019-03-03 ]

なんちゅうキモイタい、不協和音男を創り上げたんやって感じ。途中、自分の不甲斐ない姿と重なってシンドくなった。置き去りにされた感じの文章表現もあったが、着地は巧く概ね満足いく作品でした。

[ 2017-12-13 ]

「嫉妬」という感情は手が届きそうだからこそ芽生える感情だと思っていました。

演劇も音楽も文学も創作という面では同じだと思っています。才能のあるなしは努力とは関係ないところにいて、それを理由づけしてしまう自分はたしかに存在しました。

自分もまた「他人の才能」という壁にぶちあたり、言い訳を並べて、諦めたモノです。
本の感想ですら言葉が見つからず、表現できない小さな世界にいます。この本はワタシには到底生みだせない言葉が、文章がたくさんありました。

何かを作り、作り終えるということ。頭に浮かんだコトやモノを、咀嚼し、またもとの温度や色で捻出すること。能のないモノにとってはとてもとても遠いのです。

[ 2017-07-01 ]

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[ 2017-10-07 ]

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[ 2017-12-19 ]

好きな感じの話ではあったものの、共感とか、感情移入とか、そういったものがあまり出来なかったのはきっと私の経験不足なのだろうな、というのが本を閉じて最初に思ったこと。
(主に恋愛に関して)もっと経験して、また何年か後に読んだら今とは全く違う感想を抱くのだろうね。

聞き覚えどころか見覚えすらある地名をなぞり、その場所を想像しながら読めたのがとても楽しかった。都会の喧騒とか、思いの外穏やかな住宅街とか。

共感も感情移入も出来なかったけど久しぶりに読むのを止められなくて夜中までかかって一気読みしたのだからやっぱり面白かったと思う。

また開く日まで大切にしておきたい本。

[ 2017-12-26 ]

2017.12.26 読了
火花も良かったけど、劇場の方が好きかも。
どちらの作品も登場人物が魅力的で、今作では、沙希みたいな人が現実にいたらいいなーと思った。笑
永田は性格ねじ曲がってて、最初嫌いだったけど、読んでいくにつれて好きになった。

ラストは本当感動したし、あの部屋での二人のやり取りが、まさに劇場で演劇を見ている感覚になった。

[ 2017-12-30 ]

すごくすごく面白いってわけじゃないけど、又吉の文才と、淡い温かみを感じる良本だった。どうしようもない主人公だけど、女神のような彼女に支えられてる様子がイライラしつつも良かった。私は好きだな。

[ 2018-01-21 ]

「火花」同様、この主人公の永田も又吉さんの一部なのかもしれない…と思って、あまり永田好きじゃない、と重く痛々しい気持ちで読んでいました。又吉さんはむしろ好きなのですが、一部を取り出して強調されると苦手なのかも、と。
考えすぎて空回りするような、これ本気で言ってたら怖い、と思うこともありましたが、永田が沙希に言うラスト辺りの長台詞ふたつはぐっときました。
永田にとって、沙希は光のようなものだったのかも。壊してしまって初めて、大事だったことに気付く。切ない。
しんどかったですが、面白かったです。又吉さんの作品、これからも読んでいきたいです。

[ 2018-12-16 ]

【いちぶん】
いつまでもつだろうか。次に不安が押し寄せてくるのはいつだろうか。それを考えないように。視界が狭くなって叫びたくなったら今この感じを思い出せばいい。

[ 2018-01-26 ]

この物語の主人公は不愉快だが好きだ。あまりに若く、甘く、嫉妬と猜疑に満ちた彼は私を含む読者の心にも通じる俗物根性であり、自虐の行為の中に再生への道を模索する姿に密かに応援したくなる。彼の愚行にツッコミを入れたくなると同時に己の過去を反省したくもなる。欲言うならば、終盤の演劇論はいっそ省いて彼女のアパートの寸劇へと展開した方が主人公の夢と現実の切なさがより浮き彫りになったと感じる。そんなツッコミが私の愚行であり琴線に触れまくる又吉の文章が好きだ。

[ 2019-09-27 ]

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[ 2018-01-27 ]

(2017.10.30読了)
自分には縁遠い演劇の世界に身を置く若い劇作家の恋愛小説です。読み始めは分かりにくい文学作品の様で正直つまらなかったです。
しかし、読み進めるうちに自分の若い頃の後悔とも重なり、だんだんのめり込んで一気に読んでしまいました。
又吉直樹の文章を通して、あの頃うまく言葉にできなかったいろんな思いが蘇り、ちょっと切ない気持ちになりました。
いい作品だと思います。

[ 2017-11-09 ]

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[ 2017-07-11 ]

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[ 2017-07-13 ]

一口で恋愛小説と片付けるのは なんか違った。 仕事や 生きがい 彼氏の立場 人間関係それぞれに小さな劇場のようなものがあり それに対して悩みあぐねていた。 主人公がラストをきっかけに 少しは成長してくれたらと願っている。

[ 2017-07-27 ]

「火花」よりこっちの方が好き。
ダメダメ男の永田と、ひたすら優しい沙希ちゃん。
脚本を読みあいながら本音を語るシーンはよかった。最後にふたりが演じた劇場が沙希のアパートだったんだなぁ。
「一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったやろな。」

[ 2017-07-04 ]

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[ 2018-09-05 ]

会いたい人には会える時に、
会っておくべきだなと実感させられた。

約束してもその時は
会えないかもしれないから。

沙希は永田を本気で愛してたんだなと思う。
好きすぎて辛かったんやろうな。

愛しすぎて別れたくなる、
傍に居られない気持ちが何となく分かる。

又吉直樹さんの書く小説は
『火花』の時もそうだったけど、
小説以上に映画向けな感じがするというか、
私が勝手に思ってるだけなのかもしれないけど、
読み終えた後で是非とも映画でも
見てみたい。

[ 2018-05-15 ]

分かりやすい恋愛と、理解し難い恋愛が有り、それは、その人の生き方よりも色が出やすいもののような気がします。色は1色ではなく2人の色が混ざり合って新たな色になるのですが、どうやっても誰とも色が交じり合わずどこまで行ってもマーブル模様になる組み合わせが有ると思います。それがこの本の永田と沙希のカップルでしょう。
沙希は必死で永田の歪んで歪で純粋な世界に寄り添おうとしますが、永田は交じり合う事を拒否続けます。沙希はそんな永田に惹かれているので完全な矛盾。我慢してサラリーマンになって必死で働く事にしたとしたら、沙希の呪縛が解けて一気に心が離れてしまうような気がします。いずれにしても健全な関係ではない。
何しろ永田は世界を拒絶し世界から拒絶され続ける事によって、自分の表現世界を作り上げている(つもりになっている)ので、溶け合おうとしている自分の心に気が付く度にぶち壊してしまうんですね。ほんとめんどくさいやつ。自分の友達が付き合ってたらすぐ別れを進言します。でも、この二人の歪な関係のなんと美しいことか・・・。

[ 2017-06-03 ]

劇作家の恋愛の物語。純文学の面白さを多くの人に広めたいというメッセージが伝わってきます。物語の進め方と心情の描き方のバランスが丁度良かったです。青山との論争とラストの自転車で二人乗りする場面が印象深かったです。

[ 2018-11-11 ]

又吉直樹の2作目。
演劇で食べていこうと東京でもがく若者の恋愛小説。

途中から沙希が主人公のように感じた。

「待ってね。待ってね。」

最後の現実と夢が入り混じって愛を伝える主人公と
それを「ごめんね。ごめんね。」と聞く沙希の姿は
涙無しには読めなかった。

他人に笑われても幸せだった二人。

それでも受け留めきれないこと。

変わること、変わらないこと。

全部を越えて二人は二人が必要だった。

[ 2018-04-30 ]

この内容はなぁ。地方から演劇を夢見て上京したクズ男を主人公に、彼をヒモとして抱える優しく天真爛漫な(自称「バカ」という救いのなさ)女との恋愛っていつの時代ですか。
恋愛、男女の関係についてはぼんやりしている。どうしてお互い惹かれたのかわからないまま早々に同棲しているが性的なにおいがない。セックスを描けとは言わないが、いつもニコニコしているだけの沙希がイマジナリー彼女のように希薄なまま5年以上時間が経つ。反面男の嫉妬や劣等感は生々しく永田のクズっぷりが際立つ。永田と野原の男二人、劇場という背景は前作を引きずっているようにも感じられる。
歪だが、小説のレベルは保たれている。文書や表現の個性は強く、最後のエモーショナルな台詞には揺さぶられた。もっと書いて、さらに面白い作品を読ませて欲しい。

[ 2018-07-25 ]

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[ 2017-06-10 ]

沙希という名前、劇団、演劇、下北沢、高円寺、東京...
個人的に刺さるキーワードが多過ぎる...。
火花より、こっちの方が好きだな。

[ 2017-06-08 ]

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[ 2018-09-03 ]

観念的で、時間は止まったまま流れていくのに、最後に急に過ぎた年月とその重さを突きつけられるようだった。そして最後の最後に、永くんと沙希ちゃんの関係に色がついて、どっと涙が出た。東京芸術劇場での『まだ死んでないよ』の演出みたいな作りの話。そして悪い人が一人もいない話。

[ 2018-02-06 ]

図書館で予約したのはいつだっただろう?
半年くらいたってやっと順番がきたような。
やっと順番がきたと読みはじめた途端仕事が忙しくなかなか読み進まない。
返却日ギリギリになんとか読了することができた。
前作の火花は面白かった。
今作の劇場も面白かった。
面白いのだが、なんか文学を意識しすぎなような気もする。
ザ・文学という感じである。
この文学さがもうちょっと和らいだらもっともっと面白くなりそうな気がするんだが。
まあそれが又吉っぽさなのかなあ。
コレは映画化ではなく舞台化した方がよい作品だなあ。

[ 2017-09-29 ]

演劇界を舞台にしたピース又吉の第二作。
前作「火花」はものすごく読みやすく共感もしやすい、誰にでも読んでもらえる非常に優しい小説だったが、さすがに芥川賞受賞後の作品ということで今度は文学の技巧が散りばめられた作品となった。
こちらは登場人物にほとんど共感できない。でもなぜかホッとしてしまう。
主人公のろくでなしぶりが心地いいからだ。

[ 2018-02-14 ]

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[ 2018-03-25 ]

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[ 2017-11-30 ]

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[ 2017-08-02 ]

酷く歪んでいて痛々しい、一人の青年の物語。青年の持つ闇と毒、身勝手で恥ずかしいほどの自己顕示欲。才能が物を言う世界で僻み当たり散らし、自分を正当化することでしか守れない弱い生き物。それを助長してしまった沙希の優しさ。悶々としながら読み進めるも、最後にはなるほど、この作品自体が、故郷を離れ煌びやかな東京に夢も希望も喰われた哀れな若者の姿を描いた舞台劇の脚本なのかもしれません。ちなみに私だったら、ヒモ男が差し入れを送ってきた母親を悪く言った時点で足蹴にして叩き出しております(笑)。

[ 2017-07-23 ]

前作より良かった。
火花はイマイチ入って来なくて、読むのが辛かった。
今回は恋愛絡めてたから読みやすかったのかな。

はっきり言ってヒモのくせに、ヒモであることを認めたくないというか、その事実から目をそらしているプライドの高さが痛々しい。
こんなヒモに出会わず、早く挫折して実家に帰っていたほうが、彼女のためになったのに。

[ 2018-05-16 ]

ダメな自分が分かっていて、変えられない。
人はなぜ、変な虚栄心とプライドをはがせれないのだろう。そんなものすぐはがしたら、ずっといろんなものが見えていろんなものに出会えるのに。

[ 2017-06-26 ]

著者の「火花」とはまた違う、恋愛小説である。作中に出てくる小ネタは、火花を彷彿とさせるような漫才シーンだが、恋愛観が出てきたりするところが相違点だと感じる。全体的に恋愛の要素は薄目な印象。甘い恋愛でなく、依存している部分も感じられるのは目を瞑るが、甘甘系統が苦手なら読みやすいかもしれない。作中に小説が出てくるが小説の雰囲気や描写、読んでいて伝わるものなどの印象が読み手の視点からずばっと語られていて、書き手は読み手の気持ちがどう思うのかが読者目線でいくと自分の作品がどのように写るだろうかと感じられる。

[ 2017-10-23 ]

 どうしようもなく不器用な演劇青年の話です。又吉ってこういう性格なのかなと思わせるほど、微に入り細に入り「嫉妬」や「衒い」や「自意識」がてんこ盛り。
 「火花」は漫才芸人、こちらは演劇って舞台は違えど、テーマは似てます。ここまで不器用だと周りも自分も傷つけちゃうっていう悲劇です。なんていうか、心のかさぶたを剥がして自傷するような感じで、読んでてヒリヒリします。読後感は決して良くないけど、太宰と似てるかな。又吉って、偶然、太宰の生家に住んでたことがあるらしいし。
 たぶん「これってわかる」っていう熱烈がファンがいるんでしょうね。僕には合わなかったかな。
 でも、高円寺の子どもの情景とか、嫉妬の分析とか、「芥川賞」は間違ってなかったって思わせるすごい才能があるとは思います。

[ 2018-11-14 ]

楽しかったこと。嬉しかったこと。悲しかったこと。最初は感情が溢れでてくるのに人は何故何事にも慣れてしまうんだろうか。
間に合うかもしれないけどまだ大丈夫だろうと見て見ぬフリをしてしまう。その結果間に合うものが間に合わなくなってしまう。
人間関係が深くなるほど求めるもの、求められるものが濃くなっていく。それをわかっていても答えを出すのは難しい。
この作品の2人はないようでよくある人と人の繋がりの話だと感じた。

[ 2017-06-06 ]

NHKの特集を見て、作品が出る前から期待。
前作は読んでないので、読み始めた時の、普通の小説との違いにまずびっくり。
普通の人が着目しないような、そうとらえるんだ!という発見ばかり。でも、理解出来ないわけではなく、しっかり余韻として残す。とても、言葉選びが上手い。
小説として決して後味の良いものではない。けれども、あーなんでそこそういっちゃうかなというもどかしさや、主人公の苦しみをうまーく表現した、本当に秀逸な作品だと思う。

[ 2017-06-23 ]

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[ 2017-06-26 ]

読み終わったあと、きっともっと優しくなれる。しかし、地の文と台詞のアンバランスに船酔いを起こしそうになるのが欠点。多分、永田に見える世界は、もっと大雑把である方が一貫しているはずだし、青山はもっと毒々しくあるべきだし、永田の言う通り、時間は経過し、人は変化をしていくのだけど、その変化は過去から今を結んだ地続きにあるはずだから、そこの断絶はきっと、事故や事件、精神崩壊によってのみしか起こらない。そう考えると、やはり永田の変化は著しく不自然で、その点において真っ直ぐな小説ではなかった。

[ 2017-06-28 ]

【2017年9冊目】
「火花」より好きです。

本作で芸人又吉とは全く切り離された文筆家又吉先生が完全に確立されたなぁ!
芸人ビートたけしと映画監督北野武のような感じ。

[ 2017-10-10 ]

あー永君と絶対付き合いたくなーい
ぐらいにクスクスして読んでたら
最後号泣してしまった。
あー切ない
不器用すぎるよー

[ 2017-11-23 ]

火花を読んだときさほど感銘を受けなかったので
今作も気構えずに本を開いた。
さらさらと読んでしまうのは勿体ないくらいに緻密な文体がぎっしりと並んでいて、何度も読み返してかみ砕きながら進めていった。話の内容は男女の出逢いと別れといったシンプルなものたのだけど
そこに込められた情感であったりお互いのやるせなさ
特に永田のもどかしすぎるくらいどうしようもない心模様が丁寧に綴られていた。どうしても女性目線で沙希ちゃんに焦点を当ててしまいがちだけど
どうしようもない流れでズレていくふたりは切なすぎて
ラストは更にぐっときた。
恋と仕事その狭間で苦しむふたり。
これも映像化されるのだろうか。

[ 2018-04-15 ]

恋愛小説として読むならば、薄っぺらい子供のままごと感が拭えないかな。前作よりもよく練られていたし、読み心地は良かったけれど、共感も反感も産まれないちょうど真ん中くらいの「無」な読み物だった。

[ 2018-02-09 ]

失礼ながら、思った以上に引き込まれた。
地下室からの手記の主人公のような自分の思いと行動がな正反対になるもどかしさと、都会の中の二人の切なさが印象的
audibleで聞いていたが、いい声の音読で世界に入り込む事ができた。

[ 2018-02-06 ]

よかったよ〜又吉すごいなぁって思った。女の子がとっても魅力的、なのに男見る目ないよ〜、、素敵な二人なのに幸せになれない。切ないなあ。

[ 2018-03-27 ]

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[ 2017-07-14 ]

東京で劇団をやっているクズ男とその男を、好きになったら女性との話し。
全体を通して、クズ男ぶりが出ており、ひどいやつやな。と思うところばかり、けど最後の日のセリフ読みのシーンが好きだな。
あと、この言葉が胸に染みる。
「一番 会いたい人に会いに行く。 こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。」

[ 2018-04-03 ]

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[ 2018-01-03 ]

友達に勧められました。
いつもハッピーなものばかり読んでいたから、この手の小説は初めてで、すごく面白かった。永田の行動、考え方にいちいちイライラして、何で沙希ちゃん!とか思って、あたしは青山さんと一緒に沙希ちゃん説得するだろうなと思って、でもそれでも沙希ちゃんは永くんが好きで、なんでやねんよくわからんって感じ。悶々と読んでいたけど、なるほど、最後は清々しく読み終わりました。イライラしたけど嫌いじゃない作品です。こういう恋愛もあるよね。きっと。本当に面白かったー。感謝。

[ 2018-01-17 ]

『劇場』 又吉直樹

演劇に情熱を傾ける主人公とそれを支える彼女の話。

なかなかステレオタイプの作品。これが、大正、昭和が舞台なら愛の物語なんだと思う。しかし、今、読むと非常に違和感がある。

ただ、視点を変えて主人公をピエロとすると見え方がかわってくる。才能が無く、嫉妬深く、「いつか俺はやれる」と信じている、愛してくれる人がいる。ただ1点の希望である彼女にも優しくすることもできない。とても滑稽に感じる。

僕の世代は就職氷河期といわれる。行き場所をさがして才能にかけた人達がたくさんいた。そして、それを応援した女性達もいた。才能と運を持った数少ない成功の下に彼らのドラマはかき消されている。一番、大切なものは何なのか、後から考えれば明らかであるが、その時に気づくことはとても難しい。俯瞰して見るとやはり滑稽だ…。

最後に読み終わった時、とても哀愁を感じました。

[ 2017-11-12 ]

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[ 2017-10-13 ]

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[ 2018-12-07 ]

恋愛小説とは聞いていたが凄かった。

難しい表現が多く、普段私があまり物を深く考えていないとわかった。じっくりと言葉を想像してみるとわかるときがあるし、わからないときもあった。

作者の又吉さんが主人公なのかと思うほど頭の中に又吉さんが浮かぶ。

[ 2017-06-22 ]

切ない物語だなぁ~
って感じたね

自分にも思い当たるような行動
心が痛かった。

起こしてしまったことに後悔するより
反省して、次に生かせるよう
頑張らなければと思った。

[ 2017-10-28 ]

図書館で借りた本。
この話の主人公がものすごく作者とダブってイメージしてしまった。劇作家とその彼女の話。出会い方は変質者なのに、なぜか受け入れてしまった彼女。彼女の懐の深さとやさしさに甘えてばかりで、いつまでも独立できない彼氏にイライラ。それでも彼女は彼氏の才能を信じて支え続ける。この後、どうなっていくのか。一緒になって、幸せになっている「今後」を想像して楽しんでいます。

[ 2017-08-02 ]

 又吉直樹の第二作、今回は中学からの友人と劇団を旗揚げし、自身はそこで公演する脚本を書いている主人公の永田と青森から女優を夢見て上京した沙希との話。
 夢を追っている男性の視点でいうと沙希のように支えてくれる女性がいて、夢に向かって集中できるでしょうが、世間の常識で永田を見ると、作中で以前永田たちの劇団に居た青山が指摘した通りだと思う。

[ 2018-10-31 ]

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[ 2017-08-07 ]

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[ 2017-09-30 ]

演劇をやることにより蔑みを受け自らの非力、能力のなさを思い知らされる。密接に繋がれば繋がるほどに苦しめられる。だけれども、この苦しみこそが生きる実感の源となっている。自分に与えられた権利は自ら行動できる一点のみと感じきることにより血路を開く。到底納得できるものではなくても現状を受け入れることで心を安心させる。生きていくということはそういうことなのかもしれない。

[ 2017-11-18 ]

又吉直樹  待望の2作目

演劇の事はわかんないけど、主人公の永田のめんどくささ・・・・ついていけない。
本当にクズ過ぎる

繊細でダメダメなくせにプライド高くて、良いひとまでも 自分の物差しで測って つむじやへそが曲がった 屁理屈で相手を畳み込んで・・・・大嫌い

読みながらムカムカした小説でした。
でも
文章は やっぱり読みやすい

変な奴でも (友達としていると面白いかも)と思うことは多くあるのだけど、友達としても付き合いたくない主人公でした。

[ 2018-04-15 ]

正直どうしても『火花』と比べてしまって、精彩を欠いているような気もしたけど、やっぱり好きです。
独特のやり切れなさ。

[ 2018-10-20 ]

やはり、言い回しが難しい。
一文がすっと入ってこないので、何度か読み返すことも。
これは、慣れだな。
男性って、もっと簡単な言い方で言葉少ななイメージだけど、この人は違う。
ほんとに、頭の中で言葉が渦巻いているんだろうな、と思う。
口ゲンカだけはしたくないな。

[ 2018-04-09 ]

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[ 2017-07-06 ]

クリエイティブにちょっとでも関わったことがある人に読んでほしいかも 傷つきそうだけど笑
これに出てくる劇中劇全部見てみたい。もしかしてもう存在するのかな
主人公クズいのに又吉の文章だとずっと柔らかい。人柄かな?橋本紡ぽさを感じた
なるほどヒモ男ってこうやってできるのか!て感じ
表紙のモノクロと紙の質感の折り合いが良い すき
じっくりじっくり読むのに向いてると思う

[ 2018-02-14 ]

芥川賞の「火花」でより注目される作品だったが、気負わず読みやすくなった点にやはり話題だけではない実力があるんだなと改めて思った。この身勝手でプライドの高い主人公の嫌悪感が日常のちょっとした細かい描写で上手く表現されていて、まんまとイライラさせられた。ただ「火花」もそうだが、芸人にしても演劇にしても何となく主人公に作者の顔がちらついてしまう。(関西弁のせいか?)次回はちらつかない話、芸人や舞台から離れた話を読んでみたい。

[ 2018-04-09 ]

上京し同級生と劇団を主宰する永田、なかなか売れずお金もない。青森出身、服飾大学に通う沙希、元演劇部。沙希を主役にした演劇が少し注目されたものの、金欠のため沙希の下宿に転がり込む。生活はすべて沙希が面倒を見ていたが、失調し、実家に帰ることになる。

永田視点、劇団も出て来るにしても恋愛メインで語られる。沙希視点での語りや野原視点での話も聞いてみたいものです。

[ 2017-10-09 ]

火花の続編なのか、そうでもないのか。
シーンのつながりを感じさせるところがチラホラ。と言っても、原作ではなくNHKのドラマとかぶるという感じだが。

[ 2018-01-24 ]

演劇界での成功を目指す、自己中で攻撃的支配的な根暗なダメ男と、天真爛漫な受け身体質で頭の悪い女の恋愛小説で、わりと面白かったです。
理屈っぽい感じの文章が好みだし、(共感は出来ないけれど)劇作家の苦悩や主人公の繊細な性格が深く掘り下げられているお蔭で人物像がリアルだったから、身近にいないタイプなのに容易に想像が出来ました。
(登場人物がキライ、というレビューが多いみたいですけど、それはその裏返しかな、と。そういう意味では又吉さん成功じゃないでしょうか。)

それにしても、又吉さんも籍を置くこういう系の職業の人って全体的に幼いのかしら。
あの歳になってああいう発言や思考回路は幼稚。純粋のあらわれ、と理解してあげるほど世間は寛大じゃないし、だから当然疎まれる。歩み寄らないで自我を通すことがかっこよく、ひとりで生きていると思い込んでいるところも不快でした。

でもまあ、共感が出来ないのにいいと思える話ってそうそうないので、この作品で☆3は評価高めです。。

[ 2017-12-25 ]

又吉さんがどうこう、ではなくて、
主人公?が、、、ひどい、、、

私、こんな言葉使うの初めてだけど、
クソな話、カスな人物、と、
本を読んでそれしか思わなかった。

なんちゅう小説。

って思ったんだけど、
これが売れない芸能人の実態なんだろうね。

ミュージシャンとか、売れたら
下積み時代支えてくれた奥さん捨てて
きれいな人と結婚するのを
いつも、イメージダウンと思ってみていたけど、
やっぱり、芸能界で売れて出会う人は皆
人間的にパワーがあったり、引きつけるものがあったり、
また、輝いている女性はキラキラしてるだろうし、
魅力的なんだよね、きっと。

世界が変わるんだな。。。

[ 2018-01-19 ]

読み終わるまで本当にしんどい一冊だった。決して読みにくいという話ではなく、自分と同化して辛いというか。もちろん全て同じわけではないんだけど。そういう読み方をしてしまったので、人には勧められない。
あと、青山との問答は大審問官じゃん、って思った。

[ 2017-12-28 ]

おおお面白かった。不器用すぎる主人公描かせたら右に出るものはいないのでは、又吉。沙希が幸せになりますように。どうしようもない奴で離れた方が絶対幸せになれるのになぜかどうにか一緒にいてほしかった。

[ 2017-12-29 ]

夢あるこだわり変人男と天真爛漫優しい女のリアルラブストーリー

登場人物みんなが大事に思っている物や人があり
でも大事にするって言葉で言うほどとても簡単じゃない
永田さんとさきちゃんそれぞれのやり方があって

途中まで永田さんクソかよーとしか思えなかった
でもこれってさきちゃんありきの結果なんだよね

最後の展開は前が見えなくなる中必死で読み進めていました。
あれがリアル

[ 2018-08-05 ]

 「火花」よりも、この「劇場」のほうがストンと心に落ちてくるという意味で秀作だと思う。

 演劇に生きる一人の男とその恋人の悲恋。
 自意識が強すぎるゆえに素直になれない男と、その男を包み込み慈しむゆえに壊れてしまう女のお話。
 劇団の主宰、演出を張ろうとして生きる男とは概してそうゆう生き方しかできないのではないだろうかと考えさせられる作品だ。

(内容紹介)
一番 会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。
演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。
夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。

[ 2019-01-02 ]

audibleで読みました。「火花」とは違うナレーターだったが雰囲気はしっかりと伝わった。
正直「火花」よりもインパクトがあった。
素直になれない男にはイライラしたけど。

[ 2017-09-17 ]

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[ 2017-06-12 ]

帯文:”かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。” ”一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。”

[ 2018-01-06 ]

同級生と立ち上げた小さな劇団で脚本を書く主人公は、八月の朦朧とした街の中で、同じように画廊を覗きこむ若い女の人と出会う。

[ 2017-07-12 ]

「劇場」
一番 会いたい人に会いにいく。


演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った。


力のある作家とは、ぐぐっと熱くさせる物語、表現、描写、文章を書くことができる人だと個人的に思います。その点を鑑みたら、又吉は力のある作家です。


永田は、演劇を通じて世界に向かうと言えば聞こえが良いですが、実は自己世界を変えることができない、自己を客観的に見れない。良く言えば、自己に誇りがあると言えるが、決してそうではない。沙希の底知れぬ優しさに甘え続けた堕落の人間です。


甘え続けるダメな人間で終わっていたら、これは最後まで読めない。しかし、中盤から終盤にかかるにつれ、永田は、人間のずるさや弱さ、卑屈さを沙希にぶつけ始め、更に元劇団員に対しても、自己を正当化して全てをたたきつけながらも、この熱が凄い。永田が元劇団員にたたきつけるメールの会話なんて、人間のマイナスを全てさらけ出した感じになっており、一気に引き込まれるパワーがあります。これだけでも、凄いなと。


そして、沙希の優しすぎる人間性に甘え続ける永田からも、なんて人間は弱くちっちゃいんだろう。でも、人間てこんなもんよね。と思わせます。んで、最後の沙希の優しさが底をつき、弱さを出して、永田も弱さ丸出しで無理に笑いに持っていく。この締めが最後でした。ぐぐっと胸が熱くなりました。

火花よりもぐぐっと完成度上がってます。中盤から終盤までの展開は最高ですね。

[ 2017-10-29 ]

芥川賞作家・又吉直樹の小説。

前作『火花』と同様、売れない劇団員の話が続く。
特にわかりやすいオチがあるわけではなく淡々と描かれるので、好みは別れるだろうけど、前作よりは面白かった。

[ 2017-08-05 ]

作者が有名人だから仕方ないのかもしれないけど、主人公の台詞が全て又吉直樹の声で聞こえてきて、いまいち話に入り込めなかった。主人公は関西弁でないほうが、もっと深いところまで味わえたと思う。

[ 2017-07-03 ]

永田は最低だと思う。ふたりの関係は、もうどうしようにも修復できないのに、当人たちはズルズルと断ち切れないし、断ち切りたくない。でもそろそろ限界、しんどい。自分の外にあるものにそれほど深入りしてしまったとき、どうもがいても血が出るのなら、少しでも傷を和らげられるようにたくさん笑っていよう、笑わせてあげようとするのは、とてつもなく切ない優しさだ。その優しさが、今日までの彼らを救ってくれていますようにと勝手ながら思う。一体どこまでが又吉さんの実体験なのかはわからないけれど、滲み出る誠実さが呪縛になっていないといいな、なんて思ってしまった。引き出しに仕舞い込んだ過去の記憶は、美化することさえできないよう、かけた鍵を紛失してしまいたいと私は思うけど、この人はそうじゃなかったのかなあ。読み終えてから暫し悶々とした後、改めて『劇場』というタイトルに痺れた。
ハイ、全然消化できてない! また読もう。

[ 2017-11-24 ]

又吉らしさが散りばめられた作品だったと思う。ところが永田と沙希にどうしても共感できず、釈然としないまま、けれども物語の行方が気になって一気に読んでしまった。とくに沙希の方は、お話の世界だから仕方ないけれど、実際にはこんな好都合な?優しすぎる人はいないよなぁと、度々思いながら読んでいた。永田が濃く描かれている分、沙希の台詞の白々しさが浮き出ていたように感じる所があって、少し残念。

[ 2017-07-04 ]

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[ 2017-07-11 ]

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[ 2018-05-22 ]

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[ 2017-07-14 ]

太宰と同じで現代のクズぷり感は確かに感じるんだが、私自身が今回のテーマである演劇に微塵も興味が無いせいなのか、クズはクズでもそんなクズ存在するのかよみたいな、だから演劇•芸術系はメンドクセーと改めて誤解をもとに感じさせてくれる主人公と、そんな都合のいい女なんているのかよと感じさせるヒロイン、無理な設定やなあと思いながら実はそんなグスカップルはかなり多いのも事実で、実は自分が1番マイノリティーなんじゃないかと惨めに思ってしまうような、ホンマどーでもいい作品で、私としてはオススメする事はございません。以上。

[ 2017-07-14 ]

とても沈んだ気持ちにさせてくれる。
わかっていながら大切な人を傷つける。

自分だけは失うものがないかのような錯覚は
若さがそうさせるのか。
言葉にしなければ伝わらないことはたくさんあるのに。

元々、この手の苦しい恋愛小説は苦手だけれど
笑える箇所は幾つもあって
それがまた、苦しさを強くしているようなところがある。
笑うと苦しくなる、そんな感じ。

夜中に
マンションの前で自転車の呼び鈴を鳴らし続ける主人公の様子が
怖かった。
怖かったけど
別の建物から沙希が出てくるというオチが、
とっても作者らしい感じがして
不覚にもちょっと笑ってしまった。

でも、やっぱり、
誰が書いても恋愛小説は苦手だった。

[ 2019-02-04 ]

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[ 2018-04-30 ]

演劇ってどこまで高尚なものなのか。
ものづくりに深く入り込むということは、それだけエゴが出てくるとも言えるだろう。
その姿勢が必要なものなのか、はたまた不要なただの虚勢なのか、自分にはわからないが、少なくとも主人公の永田は見ていて本当にイライラする人!
一方沙希はこれほどかというほどそんな永田を受け入れ、愛する。
人生は自分の後悔のないように生きるべき、けれど必ずそこに他人の人生とも密接に関係してくる。そんなとき、他人の人生を壊す権利は当然ない。
どこまで戦って、どこまで迎合していくのがよい人生かはわからないが、人の人生を壊さないこと、また人に自分の人生を壊されないようにすることはとても大切。その上で、だれかの人生のプラスアルファになれたら本当に素敵なことであろう。
人間臭さを全面に押し出してる本作、その癖の強い登場人物たちをどのように捉え、どのように付き合いながら読み進めていくか、人によるのではないだろうか。

[ 2018-08-17 ]

2018/08/08読了



恋愛小説 と世間では云われているらしいけれど
恋愛というより、依存というか、別ベクトルの共存が描かれている。
正直いって「ヒモ」ただし下世話なそれではなく
太宰の描くようなダメンズに近く、人間失格に近い印象を持った。(全体的に日本の近代文学にとても近しい)


ダメさを理解しながらも脱却できない永田と
解放されたいができない沙希
沙希の人物像がいまいちつかめないが、太宰文学を読めば近しい女性はいるのだろうか
リアルに近い永田の心情。又吉さんの言葉まわしは私的にはかなり好きなのもあるので、永田がキレたり説明する破滅的な論調は、読むには楽しい。
(実在したらキレると思う)ので、永田という人物は
受け容れることはできないが、変わらない彼の周りの変わり行く人
環境の移り変わりが、季節とともに変動するのはなかなか面白くてかなり勉強になった。


火花もだけど、根底にあるのはやはり「笑い」だろうか
笑いと芸術と自己。ひねくれやつれてしまった自身
そういうのが、又吉さんのテーマとなっているのだろう。

[ 2017-08-17 ]

永田くん、ダメ過ぎ。でも自分のことを言われているようで共感したくないのに、これまでの自分の行動を振り返ってしまう。沙希ちゃん、太陽よように永田くんを包んでくれていたのに、夕日のように淡く沈んでしまった。健気で優しすぎる。ハッピーエンドにならないことは薄々感じてはいたが、これも人生劇場。
何か考えさせられることいっぱい。

[ 2017-12-05 ]

火花とはまた違う感じでよかった。個人的にはこっちのほうがすき。
暗いという評価が多かったけど、暗くて読みづらいとかそういうのはなくて、そんなに気にならなかった。
それよりも沙希の行動が自分と重なる部分が多くて、そこに関しては、読んでくうちにどんどん苦しくなった。
良かれと思ってやってたことが、悪循環を生んでて、気付いた時には時遅し…どうやっても元には戻れない状態、、なんてつらい。
いつか落ち着いたらもう一度読みたい。

[ 2017-08-03 ]

前作の「火花」同様、この作品も話題にはなっているようだ。

非凡なる作品という感想はあるが、やはり純文学というジャンルが自分にはちょっとピンとこないのかもしれない。

[ 2017-11-20 ]

又吉直樹の第2作 「劇場」
やや遅ればせながら、読んでみました。

出だしが、ややかったるくて、思わず放り出しそうになりましたが、女性主人公が出てきたあたりから、読みやすくなりました。

それでも、主人公がうだうだと述べる場面は、やや鬱陶しい。

前作と同様に、芸術(?)を作る人が主人公なのですが、その求めるもの、それゆえの苦悩、多分それが作品の主題なのでしょうが、そこに普通の生活を送る人々との共通性を感じられないのは、何故なんだろう。

彼らの悩みを、人ごととしか受け止められない。自分事に出来ない。

そこが同じように、生活破綻者を描いた太宰との違いかも知れません。

[ 2017-06-21 ]

東京で演劇するために上京してきた男の話。

これは現代風『人間失格』なのではないかなというのが読み終わった感想でした。賛同も共感もしにくいけれど、東京で夢を追う若者にはとても刺さりそうな苦しい作品。

『火花』を書いた又吉さんの作品とだけで読んだのですが、ときどき、はっとさせられる言い回しがあったので、また次書くことがあれば読んでみたいと思いました。


「ここが一番安全な場所だよ!」

[ 2017-10-23 ]

物語を通して主人公の行為、理屈に頷きながらも何か腑に落ちない所がよく出てきます。ちょっと角度を変えて見れば気持ちの悪いクソ男のエピソード。つまりは弱者、弱さの物語なのかと思います。そう見ると弱者の論理、汚さ、言い訳そして美化をうまく描かれていると感じます。ニーチェを併せて読んでいれば面白さが増すのではないでしょうか。

[ 2017-07-03 ]

驚くほどに攻撃的な作品だった。
恋愛小説と謳っているけど、これら暴力だ。痛いくらいに。
妬みからくる黒い気持ちがどんどん蝕んで、愛する人を傷つける、平気で。
愛していない同業者は汚い言葉でとことん追い詰める。病的で、だけどどこかわかる。
愛せば愛するほど痛めつけたくなる。憎くて仕方なくなる。そんな主人公永田の気持ちを分かってしまうし。反して、沙希ちゃんの真っ直ぐさ、素直さが痛い。
最初から最後まで攻撃的で、泣きたいような怒りたいような笑いたいような、感情がぐるんぐるんする作品だった。

[ 2019-01-21 ]

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[ 2017-08-04 ]

自分の心に素直にまっすぐ生きるって
一番難しいのかもしれない。

ある程度歳をとってしまえば
いっきに楽になる(おばちゃんの実感)
でも主人公のような人は
歳とっても同じなのかなぁ。
しんどいよなぁ。

[ 2018-03-15 ]

引き込まれる文書なのだが、どうして主人が鬱屈としているのが耐えられず、終始イライラしっぱなしだった。
自身は、どうしても上手く感情移入ができなく、最後までもどかしい思いだった。

[ 2017-08-01 ]

初出 2017年「新潮」

自意識が強く、独りよがりな男。
まるで私。感情移入してしまって読むのが辛くなった。
空中分解した自主公演中心の劇団の脚本家だからそのままでいられたし、沙希ちゃんに愛された。でも、そのままでいたから破綻した。

後悔するなあ。

[ 2019-01-26 ]

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[ 2017-11-12 ]

前作も今作も終始、トーンが同じ感じがしました。前回が友情なら今回のテーマは恋愛。特に盛り上がる訳でもないし、大きく沈む訳でもない。でも、ラストまで一気に読み進めてしまうんですよね。性格が不器用な男性っているよね、とか。すごく尽くす女性っているよね、とか。どちらが悪いとか悪くないとか。そういう事ではなく、価値観にズレが生じてくると自然と気持ちが遠のいてしまうかなぁ、と。

[ 2017-07-03 ]

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[ 2017-06-08 ]

2017/06/08
ラストが素晴らしい。
自意識の塊のような主人公は、太宰治の人間失格を思わせた。
永田みたいな彼氏絶対嫌だなー。笑

[ 2017-06-30 ]

好きだという気持ちを素直に現せないのは、自分がまだその立場にいないと思い詰めたから。不器用な二人だった。二人を引き裂いたのは世間だ

[ 2017-09-18 ]

一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな-。かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。

「火花」で芥川賞受賞後の2作目。相変わらずの自意識過剰、自己陶酔的な文章で、物語も陳腐、登場人物に全く感情移入できない。もう又吉作品は読まないだろう。
(Ⅾ)

[ 2018-11-03 ]

「サキね、ゆっくり話してくれる人の方が、言葉の意味を考えられるから嬉しいよ」
「沙希ちゃんはアホなん?」
「アホじゃないよ、かしこいよ」
「俺もアホちゃうで、頭の中で言葉はぐるぐる渦巻いてんねん。捕まえられへんだけ」
「わかるよ」
「身内の前では、ちゃんと話せるしな、めっちゃ早口の時もあんねん」
「すごいね!」

『「なんかいい話だね」
「どこが?」
「全員やさしい」
そうとらえた沙希だけが優しいのだと思った。』

『僕より先に慌ただしくソファーに腰を降ろした沙希が僕を見上げて、
「ここが一番安全な場所だよ!」
と笑顔で言った。
その言葉はいつまでも僕の耳に残った。たしかに、あの部屋が一番安全な場所だったのだ。』

『すべてわかったうえで、なにもわかってないふりをしなければならない。突き詰めて考えると、自分がなにもしていないことに気づいてしまう。それもわかったうえで知らないふりをしなければならない。』

「なぁ」
「ん」
「寝た?」
「起きてるよ」
「手つないでって言うたら明日も覚えてる?」
「うん? どういうこと?」
「明日、忘れてくれてんねやったら手つなぎたいと思って」

「先鋭的な表現が見ている人に先鋭的な と思われていること自体が既に古いと考え始めてもいい」「玄人受けって、結局は時代を変えられない敗者の言い訳でしょ」

『他人の失敗や不幸を願う、その癖、そいつが本当に駄目になりそうだったら同類として迎え入れる。その時は自分が優しい人間なんだと信じこもうとしたりする。この汚い感情はなんのためにあるのだ。』

「デートの時にコンビニで高菜おにぎり買って食べたって本当ですか?」
「うん」
「えっ、なんで? マジでウケるんですけど」

『そして物語の力というのは、現実に対抗し得る力であり、そのまま世界を想像する力でもある。』

「ごめんね」
「沙希ちゃん、セリフ間違えてるよ。帰ったら沙希ちゃんが待ってるから、俺は早く家に帰るねん。誰からの誘いも断ってな。一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。」

[ 2017-10-29 ]

あまりにも不器用な、演劇青年とその恋人のお話。
苦しいなぁ、と思いながら読みました。
そして読みながら、私も歳をとったんだなと思いました。

20歳前後の頃に読んでいたら、また違う受け取り方ができただろうと思います。ぐじぐじとした心模様がそのまま描かれていることが、その頃の自分にはきっともっと違う形で響いたのではないかと思います。

お金がないこと、やりたいことがなかなかうまくいかないこと、ひりひりとした焦燥感、それは今でもあるけれど、歳を重ねた分、響き方が変化していて。
そのことを考えることができた点において、今読めてよかった物語でした。

[ 2018-08-16 ]

お笑いや演劇など「芸能」という世界はマニュアル的な成功の答えがないから、自分を信じて一人で突き進み、孤独に耐えるしかない。そんな一人ぼっちの努力の途中で自分を肯定してくれる人が現れたら?

芥川賞作家芸人、又吉直樹の2作目は前作同様、一般社会にはうまく溶け込めないが、演劇の世界ならば、居場所があると信じる青年の物語。

彼は奇跡的にも自分の才能を認めてくれた女性を見つけて、同居することになった。とはいえ、二人のゴールにあるのは破滅しかないだろう。この二人が出会い、認めあったことは幸運なことなんだろうか。

男女二人の漫才会話で進行するストーリー。オチはドス黒い。

[ 2018-03-06 ]

好きな類の本ではないけど
この人文才あるんだろうなと思う
次の本出したら、また読んじゃいそうな気がする

自分が思ってることとか、感じてることを
ちゃんと伝えるのって、けっこう難しいね
このややこしい主人公さ、
伝えるのはド下手だけど、自分には素直、それでもってたぶん純粋

なんかわけわかんない人いっぱいるけど
その行動には、なんか考えがあって、その人にとっては意味があることだったりするのかなー
と思ったりしました

[ 2018-02-22 ]

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[ 2017-09-19 ]

2作目どうなのかな?期待せず読んでみたら
『火花』より好きな感じ
純文学読んで、なにこれって小説が多い私には
又吉さんの書かれる小説はわかりやすくていいです。
芸人さんが書いた本ということで読んだこともありますが
素直に読み終わって、読んで良かったが感想。

[ 2017-10-28 ]

クズの描写が上手すぎる。
クズが絶対に言いそうな台詞の数々も。

壊れている永田が沙希を壊していく様子が苦しい。
最後で号泣。
「一番会いたい人に会いにいく。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。」
もうダメだと分かってる2人の、未来のもしもの話ほど悲しいものはないと思う。

[ 2018-02-04 ]

周囲から見たら、
なぜ付き合っているんだろうと思っても
結局一緒に居続けるこういう不思議な男女が
世の中にはいっぱいいるんだろうなあ。

でも、それも期限はある。
女性のほうが先に夢から醒める。

最後、切なかった。
目の前に光景を想像したら、
馬鹿馬鹿しすぎて、切なかった。

[ 2018-02-20 ]

主人公のロクデナシ男に同調し過ぎてつらい。自分の中にある嫌なものを見せられたような感じ。精神的疲労が溜まっている時に読むんじゃなかった。
でも読むのをやめられなかった。しかもラストはボロ泣きしてしまった。
幸せになって欲しい。幸せになりたい。

[ 2018-03-28 ]

劇場というタイトル通り
東京にいると
演じ続けてる人によく会う。

通称【劇団 東京】の人々

小型犬を連れてるけど、
サングラスや派手な装飾で全然構ってない人

自分の田舎の方が優しくて
東京の人は冷たいという。

disりたい訳ではなく
周りに私の東京を押し付ける街
それが東京な気がして。

それに悪いも正しいもないが、、、

だからこそ永田はクズ人間だが
それを拒否できなかった沙希が
大手を振っていい人となるのは疑問。
こんなクズ人間を見守らなきゃが
東京にいる理由でもあった訳で

他の劇団の人達と仲良くしはじめたら
東京にいる理由がなくなったり

都会に生き残る人々は
何を得て何を失ってるんだろうっていう
表現をするために
劇場にたってんるんだ。


[ 2018-04-18 ]

演劇に捕らわれた青年を中心とする物語。
個々のシチュエーションは深く納得。
せやけど全体の流れは受け入れられへんように思う。

[ 2017-12-29 ]

【No.232】「あの公演の中途半端な仕上がりは強烈な批判にさらされた。それは仕方ない。しかし世間からの嘲笑には向き合えても、仲間からの非難はほとんどリンチのようなものだ」「どの感情とも断定できない人間の複雑な表情に惹かれる」「経験したことのない速度で日常が動き始めた」「僕のような暮らしをしていれば生活に期待などしないし、必要なものも、欲しいものもなかったから、ある意味では楽だった。誰にも好かれていないから嫌われないように努力する必要がないという楽さに似ている」「いつからか嫌われることが標準になり、誰にも期待しなくなってから楽になった」「僕が批判的に捉えていた要素などは、本人達にとってはどうでもいいということが公演を観てわかった。そもそもの力が強いから、理屈やスタイルで武装化する必要がないのだ」「あの人は幻想を追い掛けているという理由で、批判から逃げたり、人に許されようとしてるけど、本当は全部口だけですから」「自分の悪い所なんていくらでも言える。才能のないことを受け入れればいい。理屈ではわかっているけれど自分では踏みきれない。人に好かれたいと願うことや、誰かに認められたいという平凡な欲求さえも僕の身の丈にあっていないのだろうか。世界のすべてに否定されるなら、すべてを憎むことができる。それは僕の特技でもあった」「日常が残酷だから小説を読んでる時間くらいは読者に嫌なことを忘れてもらいたかったんだ」「他人の失敗や不幸を願う、その癖、そいつが本当に駄目になりそうだったら同類として迎え入れる。その時は自分が優しい人間なんだと信じこもうとしたりする。この汚い感情はなんのためにあるのだ。人生に期待するのはいい加減やめたらどうだ。自分の行いによってのみ前向きな変化の可能性があるという健やかさだけで生きていけないものか。この嫉妬という機能を外してもらえないだろうか」

[ 2018-03-25 ]

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[ 2017-09-17 ]

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[ 2017-11-07 ]

主人公の永田は大っ嫌いなタイプで腹立たしささえ覚えるのに最後まで読んでしまったのは、やはり小説のタッチに魅かれたからだと思う。健気すぎる沙希ちゃんに会ってみたいと思った。あんな子はいるのだろうか。又吉さんが一語一語丁寧に言葉を紡ぎだしたのがわかる作品だと思う。

[ 2017-07-26 ]

そうか。又吉が恋愛小説を書くと
こんな感じになるのか。。。

子どものように独りよがりな男 永田と
子どものように従順な女 沙希の
青くさくカビくさくはかない恋物語。

そりゃ終わるわ こんな恋
と言ってはいけない。
恋は必ず終わるもの。
永田も沙希もその時お互いを必要としただけだ。

それでも人が恋をするのは
自分の姿を鏡に写して見るように
自分という人間を知るためには
「他の誰か」という鏡が必要だから。

どんなにつらい思いをしても
また誰かに恋をしてしまうのは
自分をもっと知りたいからなのだ。
愛のためとか 愛する人のため
なんて言葉は全部自分のためにある。 

ちょっと悲しいし涙も流すけれど
そんな風にして人は死ぬまで
自分の欠片を拾い続けていくのだと思う。

それを率直に書いた又吉はやっぱり
思慮深くて 嘘のつけない いい奴だと思った。

[ 2017-12-31 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-10-14 ]

ピース又吉の2作目。図書館で予約して4か月待ち。
芸人から劇団員、劇作家に立場を変えるけど、主人公永田の姿は又吉の姿が投影されているようで、彼をイメージして読みました。
もうちょっと、悲しいエンディングも想像したけれど、まあそれなりの結末。
いろいろ紙一重だよなと思った。

[ 2018-01-03 ]

あらすじだけを話すとしたらものすごく単純で呆気ないんだけど、一つ一つの表現に又吉らしさが出てるんだろうな。

[ 2017-07-31 ]

+++
一番 会いたい人に会いに行く。
こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。

演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。
夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。

『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、
書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。

夢と現実のはざまでもがきながら、
かけがえのない大切な誰かを想う、
切なくも胸にせまる恋愛小説。
+++

脚本を書くことで演劇という手段で自分の世界を作り出そうともがく永田は、自分の中に湧き上がるものと時代の流れとをうまくすり合わせることができずにいる。それでも、諦めたくない何ものかを持っているので、安易にその流れに乗っていくことはできないのである。深く考え、悩むこともあるのだが、声として外に出る言葉は、胸の裡とは裏腹に軽薄でふざけた調子になってしまったりもする。先の先を読み、裏の裏へ思いを致して、結局空回りするような感じとでも言えばいいのか。それは、すべての人に理解してもらえるわけではなく、落ち込み自己嫌悪に陥ることも多々あるのである。水鳥が悠々と泳いでいるように見えて、水面下では大忙しなのと似ているような気がする。永田もまた、傍から見れば、恋人の沙希に寄りかかってぐうたらしているようにしか見えない。沙希も、精いっぱい解ろうとしていたのだが、やはり追いつかなくて疲れてしまったのだろう。面倒なものである、人間というものは。不器用で面倒で、外からはうかがい知ることのできない思いに溢れた一冊である。

[ 2017-11-28 ]

「神田川」の世界蘇るって感じでしょうか。赤いマフラーをして銭湯に行っても何ら不思議のない世界。四畳半フォークの時代、歌のヒットに連れて、貧乏で、若いがゆえの不安定さで、自分を傷つけ、恋人をも傷つけるという映画がたくさんできた。最後真っ赤な口紅をつけて狂ってしまうのは何の映画だったか。「劇場」もそれに近い展開となる。
ここでの彼女は天使のような理想的な女性。そんな女性はいないだろと思うが、その存在が主人公のダメぶりを引き立てるという構造になっている。
『少しでも別のことで心に不安があると無性に神経が昂ることがあった。その感覚が腹の底に沈殿すると、自然と表情がこわばり、身体に力が入る。そうなるたびに小さなことに拘泥する自分自身のことを、せこくて醜い生きもののように感じてしまう。それでも気持ちは収まらず、執拗に沙希を責めたくなるのだった。』
『優しい人の顔を見ながらでは血だらけで走ることはできない。』

青春の苦悩というと聞こえはいいが、コンプレックス、嫉妬、自己愛、自己憐憫、自意識過剰と徹底的にダメぶりを羅列していく。読みながら、共感したり、こんなにひどくないと優越感を持ったりするが、主人公にそれから脱却していこうというベクトルが見えないので、自己嫌悪が自己愛の裏返しでしかないと分かってうんざりしてくる。さらにこの心根がイノセントな女性を傷つけていくというはどう説明されても単なる唾棄すべき男じゃないかと思う。

自分がいかにダメな男であるかを綿々と書くというのが又吉直樹の作風になるんだろうなと思う。
こういう件は又吉直樹の地の気持ちが正直に出てるんじゃないかと思い、感心するような笑ってしまうような。
『嫉妬という感情は何のために人間に備わっているのだろう。なにかしらの自己防衛として機能することがあるのだろうか。嫉妬によって焦燥に駆られた人間の活発な行動を促すためだろうか、それなら人生のほとんどのことは思い通りにならないのだから、その環状が嫉妬ではなく諦観のようなものであったなら人生はもっと有意義なものになるのではないか。自分の持っていないものを欲しがったり、自分よりも能力の高い人間を妬む精神の対処に追われて、似たような境遇の者で集まり、嫉妬する対象をこき下ろし世間の評価がまるでそうであるように錯覚させようと試みたり、自分に嘘をついて感覚を麻痺させたところで、本人の成長というものは期待できない。他人の失敗や不幸を願う、その癖、そいつが本当に駄目になりそうだったら同類として迎え入れる。その時は自分が優しい人間なんだと信じこもうとしたりする。この汚い感情はなんのためにあるのだ。人生に期待するのはいい加減やめたらどうだ。自分の行いによってのみ前向きな変化の可能性があるという健やかさで生きていけないものか。この嫉妬という機能を外してもらえないだろうか。と考えて、すぐに無理だと思う。』

文学者の名前をつけた選手がゲームでサッカーをするとか、芝居仲間に延々と悪口を書いていく といった塊が少し過剰すぎて趣向に見えてしまうところがある。

ただ、演劇の考え方とか、描写とか、比喩は的確で豊かな語彙で語られる。
『前向きに生きていけるんやったら、演劇なんてやらんよ。勉強しなさい。綺麗な服着なさい。髪型ちゃんとしなさい。美しい言葉を使いなさい。それに疑問も持たんと全部言う通りにしてきた人間がどう間違えたら大学もいかんと働きもせんと東京出てきて劇団なんてはじめんの?表現に携わる者は一人残らず自己顕示欲と自意識の塊やねん。』
『物語の力というのは、現実に対抗し得る力であり、そのまま世界を想像する力でもある。』

最後、シナリオを読むフリをして本音を語り合うところは、「火花」の逆さ言葉漫才にも似たアイデアで、泣き節綿々、不愉快な読み心地だったのが、うまくまとめられる。こういうの日本映画は好きだからまたドラマ化映画化されるんだろうな。