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作品レビュー

[ 2015-04-05 ]

いやぁ~、面白かった!
逸る気持ちを抑えながらページをめくり続けた。
いわゆるファンタジー小説というジャンルが苦手な自分が
コレほどハマったのはホンマ珍しいし、
その新人離れした描写力と、物語が持つ力を読む者に改めて知らしめてくれる、ストーリーテリングの巧さよ。

数千年の時を越え
本の中の世界を行き来する主人公と同じく、
読んでいる僕自身も緑豊かな海沿いの街を、彼、彼女らの生きた世界を、
本を開くことで追体験できる至上の喜び。
「ああ~、これが小説だ」と思える何事にも代え難い充実感に感謝!
( 開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんて本しかないし、極上のファンタジー小説があればタイムマシーンなんていらないのである笑)

右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠を持って生まれてきた主人公の少年カリュドウ。
14歳のある日、女を殺しては魔法の力を奪う大魔道師アンジストに
育ての親である女魔道師のエイリャと優れた魔力を持つ少女フィンが目の前で無惨に殺され、
不甲斐ない自分を呪い、復讐を果たすための孤独な旅を描いた
大人のダークファンタジー。

まったく何にもないところから
新しい国や社会を創造し、読む者を今ある現実から異世界へと一気に連れ去るファンタジー小説という特殊なジャンルだけに
そこに何がしかのリアリティがないとただの絵空事となって
物語に入り込めなくなってしまう。

けれどもこのファンタジー小説のスゴいところは圧倒的な描写力と緻密な設定によって違和感なく読む者を引きつけ、
小説というただの紙束からまだ見ぬ新しい世界を出現させるのだ。

主人公の少年カリュドウは
大魔道師アンジストへの復讐のため、
彼を倒す魔法を習得するのに必要不可欠な「写本師」の修業をしていく。
印刷技術がまだなかった時代には、それぞれの本はこの世に一冊きりしかなく、古くなったから棄てるなんてことはできなかった。
だからこそ古くなった本を新たな紙に書き写し、新しく蘇らせる写本の仕事はなくてはならないものだった。
使いこまれボロボロになった本を一字一句同じ筆跡で書き写し、高品質で一生使用に耐えうるために紙の素材やインクにもこだわり、決められた期限内に仕上げる写本師という仕事のなんと高技術で魅力的なことか。(製本すれば隠れてしまうページの端には花や剣など写本師だけの好きな印を入れられる)

そして写本師からレベルアップして「夜の写本師」になると、自分が書きしるしたもの自体に魔力を宿らせることができ、なんとその本を読んだだけで呪いがかけられるのだ。
この力を使ってアンジストに復讐を誓う主人公の執念が切なくも胸に沁みる。

写本工房での修行のパートは、本好きならヨダレタラタラになること間違いなし。
装飾文字を書く者、細密画をほどこす者、本文を筆写する者、周囲に飾り模様を入れる者など仕事は分業化されていて、 
一冊の書物が出来上がる過程が疑似体験できる。
(印刷技術が普及する以前の本は
宝石や貨幣よりも貴重な知的財産として大切にされていたことが解ります)

修行が終わり成人になったカリュドウは自分の出生の秘密が記され、アンジストを倒す鍵となる深紅の革表紙の本「月の書」を手に入れ、
逃れられない宿命の戦いへと誘われていく。

この小説を読むと、物語が持つ力とともに「言葉の力」や「言霊」について改めて考えさせられる。

愛情を持って育てられたペットは手並みの艶や目の輝きが違うように、
ちゃんと一ページ一ページ、人の手と目が触れて、息がかかり可愛がられた本は、
活字がやわらかくなり、そこに込められた人の思いをじかに感じられるようになる。

今、簡単に死を選ぶ人や
夢を信じられない子供が増えてるけど、
そんな時代だからこそ、ファンタジーが必要だし、
ファンタジーを信じることこそが悪意の拡散を防ぎ抑止する作用があるのだと思う。
夢を信じる心をつくるのは
ファンタジーの世界をいかに信じきれるかどうかにも通じると思う。

たった一冊の小説が、ときには誰かを救うことがあるように、
大好きな作家の小説の新刊が気になって今はまだ死ねないでもいい。
そう思わせてくれる不思議な力が物語には確かにあるし、
そんな小さなことで人生が繋がっていく感じが人間の一生であって欲しい。

徹底的な闇を描きながら
かすかな希望を見せて締めるラストも深い余韻を生む、
物語の力を忘れた
今の大人にこそ読んで欲しいダークファンタジーだ。

[ 2014-10-08 ]

右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠を持って生まれた運命の子。
幼いころに大きな喪失体験をした彼はやがて、<夜の写本師>として世界一の魔導師に挑む。これは、千年以上の時を経た壮大な物語です。

ブクログのレビューを通して知ったこの本、ずっと気になっていたのですが、先日図書館で偶然見つけてすぐに借りてきました。これがデビュー作だなんて信じられないくらい濃厚なファンタジー小説です。ファンタジー好きにはたまらない、しっかりと確立された世界観、体系的な魔術の数々、運命的な巡り合わせ、深い闇などなど、心をひたすらくすぐります。

夢あふれるファンタジー小説というより、これは「ゲド戦記」に近い闇の色が濃いファンタジー小説でした。なかなか残酷で、結構怖い。映像化したら美しい場面も数々あるけれど、ホラーになるかもしれない場面もあって、そのバランスがまた絶妙。

嬉しいことに、どうやらこれはシリーズが出ているようで、この世界をまだまだ楽しむことができるよう。大人になっても一気に心を異世界に飛ばしてくれるファンタジーはやっぱりいいと改めて嬉しく噛みしめた1冊でした。写本をはじめ、本好きには嬉しくなる設定もたまらないですね。

[ 2016-03-10 ]

こういう国産ファンタジー読みたかったんだー! こんなにどっしりして読み応えのあるファンタジーが書かれたなんて、本当にすごいことなんじゃないか。

翻訳物では味わえない、ストーリーと文章の確かな密着感が心地よく、何よりも話がおもしろい。翻訳ものだとこうはいかない。確かな言葉で確かな世界をどんどん構築していってくれる。所々で絵が見えてこないこともあるんだけど、充分自己補完が効くレベル。中東を思わせる乾いた空気と赤い岩壁を穿った人々の住居。そこに飾られた緑と花々の色彩は本当に美しい。

魔法がただの添え物にならず、しっかりと世界に根ざしていて、異世界感を味わえる。魔法が結構邪悪で生々しい(笑)呪いやまじないとしての魔法の描写がインパクト強かった。

終盤の一部はやや急ぎすぎて筆が滑り空回り、骨格が剥き出しになってしまった印象。でもちゃんと綺麗に話は閉じられてる。最後の最後でちゃんと救いのある、爽やかな幕引きだった。面白かった!

キャラクターに魅力を見出すというよりは、ストーリーや文章、場面の美しさを楽しむ文芸的な本。ラノベではない。ジブリ調に人物を想像すると結構しっくりきておすすめ。

[ 2015-03-29 ]

 大魔導師アンジストの手によって育ての親のエイリャを殺されたカリュドウ。カリュドウはアンジストへの復讐を誓いエイリャが生前言い残していた地へ向かう。

 魔法や呪い、魔法の力を宿した本や輪廻転生などの設定が練りこまれた王道ファンタジーです。

 そしてそうした設定を支えているのが美しい文章と魔法の描写。自然の描写はもちろんのこと魔法や呪いが使われた際の描写や設定の描写がとても書き込まれていて、設定だけに頼らない、文章の力でも勝負できるファンタジーになっています。

 ストーリーも復讐が一つのテーマになっているだけあって、カリュドウの運命のすさまじさが印象に残りました。辛いシーンも非常にしっかりと書き込まれているのが分かります。

 それだけにカリュドウの心理描写とラストの対決にもう少し読み応えが欲しかったかな、と思いました。

 ただ本当に文章が美しくて、評価の高さには納得しました。ファンタジー作品好きなら読んで損はないかと思います。

[ 2015-04-12 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2015-03-22 ]

果てしれぬ輪廻。大いなる許し。

すべてを奪われ、復讐のために何度となく転生を果たす女魔道師たちの暗い望みは、女でも魔道師でもない者の手で、また復讐という形でもなく果たされた。

そうして、その壮大な歴史の輪廻の予兆が暗示されて物語は終わる。

しかしそこにはもはや忌まわしさはない。
女を女として敬い、男がただの男として振舞う新しい時代には、もはやすべてを手に入れようとすることでしか癒されぬ孤独を抱えた者は存在しない。

互いを支え、互いを信じることの価値を知った世界では、もはや紫水晶を分かつ存在も生まれないだろう。

まだ生きることの喜びを知らぬままにその肉体を滅ぼした、たった一人の子どもが新たに生き直すための輪廻。そう信じたい。


闇、獣、人形、そして書物。それぞれの儀式に使うものは異なってはいても、どの魔道師が操る魔法も、呪文を唱えることでしかその力は生まれない。

しかし写本師の魔法ならぬ魔法は、文字そのもの。そうして魔道師の力に対抗できる唯一のもの。

この設定は、言葉を仕事にしている私を魅了した。語られる言葉と綴られる言葉。男と女。この偉大なファンタジーにおいて拮抗するものとして語られた存在は、いずれも互いの力を奪いあうことなく、それぞれがそれぞれの存在のままであり続けることで最も素晴らしい力をこの世界に生み出すのではないだろうか。

少しずつ、本当に少しずつ噛み締めながら読み終えました。上質の物語です。

[ 2015-07-07 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2014-10-14 ]

これは…すごいものを読んでしまった。
コンパクトながらしっかりしたストーリーもさることながらその描写力、設定にびっくりした。
モモとか、なんだろう、そういう児童文学のファンタジーを大人用に昇華させたような読み味がすばらしいです。この、世界にぐいぐい持っていく力は小野不由美レベルかもしれません。

あらすじを書くと、どこからがネタバレになるのか悩むが、一言で表すと「復讐」だ。
主人公カリュドゥは月石を右手に、左手に黒曜石、そして口の中には真珠を持って生まれてきた。この三つの品には大きな意味があるのだが、そのために母からも気味悪く思われ魔道師エイリャに育てられる。小さな田舎の村で膨大な書物と、いろんなことを教えてくれる育ての親に囲まれて成長するが、ある日、エズキウムの国の魔道師長アンジストが現れカリュドゥの目の前で幼馴染のフィンとともにエイリャを無残に殺してしまった。カリュドゥはアンジストに復讐するため、魔道師の修行をしようとエイリャの遺言であるパドゥキアに向かうことにする。そこで師匠のガエルクのもとで修行を積むが、ある事件により、魔術とは別の力を知る。そして「紙に触れるだけで」殺してしまうことも出来るという「夜の写本師」を目指し、アンジストの暗殺を試みるが、実はアンジストとカリュドゥには知られざる因縁があった。その因縁とはなにか、カリュドゥの生まれながらに持っていた三つの品との関係はなんなんのか…。

とにかく面白いです。
細かな描写がまた美しいんです。
繊細なレースを編むような、丁寧な始まりで、話が大きく動き出すまではむしろ描写の美しさばかりを見てしまいます。丁寧に、ゆっくり読みたい。
そして魔術や、カリュドゥが使う写本師の戦いの描写もすごい。残酷な描写も見られますが、この世界での「魔術」というものは明るさだけではない、闇も苦しみも恨みもあっての魔術なんだ、ということなのでしょう。ちょっと怖いです。
最後はなんとなく切ないけどすてきな終わり方で、悲しくないのに泣きそうでした。

映像化して欲しいようなしてほしくないような。

井辻朱美さんの解説もいいです。
魔法を扱ったファンタジーの代表作を挙げながら、この作品の良さを再認識させてくれます。

シリーズ物の1巻とのことなので続きも追いかけたいです。
ただ文庫化されたのはまだこの作品だけのようなので、ハードカバーで続編を読むかは悩み中です!

[ 2015-04-06 ]

ファンタジーはほとんど読まないので、世界観に入っていくのが難しいかと思っていたけど、文体(というか『語られ方』)そのものが自分の好みに合わなかった。
技巧や装飾の多い文章が続き、物語を展開するための出来事だけ描写しているので、淡々とした印象。
正直、読みづらく分かりづらかった。
作中で主人公の大切な人が死んでも、仲が深まっていく過程が描かれないし、性格も価値観も伝わってこないのでストーリーのために殺されたように感じてしまう。

読者が安易に世界に入り込んで浸れるような「甘さ」を作者が意図的に排除したのかもしれない。
けれど、自分にはこういった世界観を楽しむファンタジーを味わうのは難しかった。登場人物に手を引いてもらえないとその世界に入り込めない。

……解説に「魔法が真に浸潤する世界は、そのような文体によってのみつづられねばならない」と書かれていた。
つまり、すき間無く均一に、タペストリーのように織られた文体でなければ真のファンタジーではない、と。厳しい。

私は、美しく均一に編まれたタペストリーに目を凝らして魔法を読み解くよりも、緩急やメリハリのきいた、登場人物たちに魅力を感じるお話を読みたい。
でもこの美しいタペストリーが、欲しいと望む人に届けばいいな、とも思う。

[ 2015-05-18 ]

スタートは気分が乗らなくて、途中から急に読む気が起きた。
ファンタジーは好きなのだけど、ドラゴンとか出てくる方が好きなので地味な印象は受けた。
しかしながら、写本師という職業にとても魅力を感じた。なので、写本師たちの仕事ぶりが描かれているところをもっと読みたいな、と思った。
スピンオフで写本師たちだけの物語も読みたい。
隠し文字を入れたり、写本師によって印が違うところもときめきポイントが高かった!

[ 2014-09-13 ]

読みだして、まず思いだしたのはタニス・リーだった。それからル・グィンのゲド戦記だった。そして、あの巨星のようなダンゼニイを思いだした。
これがデビュー作だなんて信じられないくらい、濃厚で、濃密な読書時間を味わった。とんでもない新人作家が出てきたものだ。これだから読書はやめられないんだ。

[ 2015-10-01 ]

硬派で格調高い大人向けのハイ・ファンタジー。
千年にわたる生まれ変わりと復讐の物語を、最低限度の濃密な描写で一冊におさめているので、だらだらと日をまたいで読むよりは一気読みがおすすめ。
文体が格調高すぎてたまに読みづらい感じがあるけど(「全けき」とか)、それで退屈になったり内容がダレることもなく、展開についていけなくなることもなく(登場人物の名前は何度か確認しましたが)、描写が説明的でうるさく感じることもなく、魔法の系統や各国の雰囲気の違いもすんなり頭に入ってくる。構成・設定がしっかりしていて、かつ抑制がきいているからだと思う。

写本師という設定が絶妙で、この世界観をもっと楽しみたいと思える一冊だった。

[ 2014-05-16 ]

多彩な人間模様が魅力。“生まれ変わり”のロマンと、どんな人間にも闇と救いがある緻密なファンタジーの著者の世界は、日々の現実に縮こまった気持ちを一気に開放してくれる。
対抗する度に敗北してしまう展開と見え隠れする複雑な女心にやきもきしたが、男同士の終盤の決戦は落ち着いて読めた。シルヴァインの真っ直ぐな愛に彼が救われて、あのラストになったと信じたい。

[ 2014-04-22 ]

日本の作家ではあまり見かけない、ファンタジー小説。
単行本が出たときからかなり話題になっていたが、それも納得。やや古風な文体も作風に合っている。

[ 2014-05-05 ]

私の場合、ファンタジーものを読んで失敗した時のがっかり感は、他のジャンルの時よりもひどいような気がするので、迂闊に手を出せないのですが、この作品は、帯に書かれている「日本ファンタジーの歴史を変えたデビュー作」という文を信じて購入しました。

恐る恐る読み始めたのですが、やはり、帯を信じて良かったです。
しっかりと作りこまれた世界観に、どんどんと引き込まれて行きます。
話が飛ぶ箇所も、きちんとフォローがされているので、置き去りにされる事もありません。
全ての謎が明かされた後の、最後のオチが和やかで、良かったです。

世界観も、それぞれのキャラも良かったので、続きが早く読みたいです。

[ 2015-08-03 ]

タイトルに惹かれて購入~。ど派手で容赦のない魔法の顕現や何種類もの魔術の手法や修行についての詳細な描写が面白くて、どんどん読み進められました。
物語では主人公のカリュドウと三人の魔女、そして大魔道師アンジストの千年にわたる宿命が明らかにされていきます。
「書物の魔法」…本そのものやページの紙片や書かれた文章が魔力を持つなんて、とても魅力的ですね。

[ 2017-12-14 ]

ジャケットを見たときから気になっていながら、ファンタジーを読む気分でなく数年放置していた乾石さんのオーリエラントシリーズ。繊細なジャケットが改めて素晴らしい。
「魔法使いの嫁」を見始めてすぐ原作を読み、そこからたぶん20年ぶりくらいにファンタジー熱が起きて本書を手に取った。地中海世界を思わせる舞台設定で、まほよめのようなケルティックな妖精世界ではなく、アラビアンナイト的な魔法世界を描く。
丁寧な世界設定の中で闇に乱れる人の心の動きを描き、読み手を離さない中毒性の高さはぴかいち。そして今このタイミングで読み始める私には、遅く手に取ったが故にシリーズがそろっている嬉しさよ。一冊読み終えると、その先の同世界の物語がまだまだ待っている安心感!
ファンタジーは言葉の重さ、軽さ、世界観、人間に対する考え方等、肌に合うかどうかが非常に難しいジャンルで、特に、心のダークサイドについての価値観が合わないと読むのが辛いのだけど、乾石さんはその辺の受け止め方が二元論的でなくてとても素敵。しばらくどっぷりはまっている見込みです。

[ 2015-02-21 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2014-07-13 ]

いわゆる、竜とか魔法とか剣とかの、王道的なファンタジーは苦手です。

でもこれは、まずタイトルが美しいじゃないですか! タイトルに心奪われて読み始めて。

このお話、好きだ・・・!と思い、時間を無理やり作り出して、それでも3日かけて読みました。おかげで遅刻しかかった(笑)

特徴のある文章は美しいけれど、内容は結構ダークな復讐譚。苦手なはずのグロテスク表現も決して少なくはありません。

本の厚さのわりに内容が濃いというか、このときに主人公カリュドウはこう思った、こう思うに至るまでに彼はこんな日々をこんなことを感じながらこんな行動をとった、などの人物の細かな描写はあまりないんですね。何(どんな思い)を理由に、何をして、何が起こったか、が淡々と語られる。

そこに若干の物足りなさを感じながら読んで、エンドまでたどり着いて、やっと納得。これは、「口承の伝説」なんですね。神話などで「英雄だれそれはどんな人物で何をしたか」は重要だけど、個人の細かな心の動きなんかは必要じゃないのと同じ。この作品、カリュドウの物語でありながら、実は「この世界(この国)の物語」です。

そして、「この世界の物語」でありながら、最後に訪れる客とのやりとりに、カリュドウという人物にやっと触れられたような安心感がありました。

同じ世界を舞台に何作もあるようです。触れてみたいような、この物語ひとつをそっと大切にしまいこみたいような、なんとも複雑な読後感です。

[ 2014-05-13 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-05-09 ]

面白い、んだけど、だけど。
なにかが引っかかるのか、どうにも世界に入り込めず、なかなか最後まで読めなかった。
設定も構成も面白いはずなのに、文章が好みに合わないのか、とにかく進まない。
うーん、続きのシリーズはどうしようかなぁ。

[ 2018-08-11 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2015-02-01 ]

世界観というか文体というか、作者が力を入れて描いている部分がなかなか好みで、楽しく読めた。
復讐の話であるにも関わらず、抑制のきいた文体とテンポの早さで読みやすい。
展開の早さ、詰め込まれ感が人によっては物足りないかもしれないけれど。
それでもよくまとまっていて、個人的には不足感を覚えなかった。余白は自分の中で補完すれば済むだけのこと。
感情よりも単語や事象を楽しむファンタジーかも。

[ 2014-11-03 ]

びっくりしました。本を選ぶ時、出版元の腰巻とか宣伝文句は全く参考にしないので、実際に手に取るまで随分時間がかかってしまいましたが、他作品も読みたいと思う作家さんに出会えました。
比喩と体言止めの多い文体は実は苦手で、世界に入るまではちょっと大変に感じました。具体的な描写なのだか、抽象的な叙述なのだか見分けがつきにくいのも、異国の文化のイメージは豊かなのに、細部はともかく広く俯瞰した光景が思い浮かばないのも、なかなか取っ付きにくさを感じました。まぁ、普段アホのように濃密描写の小説を好んでいるせいかもしれませんが。
ぐぐっと心を引きつけられたのは、本の世界に投げ込まれた場面からです。何のことだか分からなかった三つの品物、三人の魔女、三つの時代、三つの人生が一つの物語に撚り合わされていく運命の妙が素晴らしくて、後は一気に読み切りました。
静と動の、光と闇の、そして男と女の、単なる対立項にならない、とても流動的で生物的な結びつきを窺わせる世界を感じました。読める限り、読んでみたい。以前読んだ『夢の蛇』を思わせる感触の本でした。

[ 2014-05-28 ]

右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。
三つの品をもって生まれてきたカリュドゥ。
キーナ村で魔道師のエイリャに育てられた彼の前に、呪われた大魔道師アンジストが現れる。
目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。
国を逃れ、宿敵を滅ぼすべく、カリュドゥは魔法ならざる魔法を操る〈夜の写本師〉の修行をつむが…
復讐を果たし、奪われたものを取りかえすことができるのか―

久々にどっぷり浸かったファンタジーでした-

ただの復讐譚でなく、千年前からの繰り返し、生まれ変わりの物語が波状に襲ってきて、私も溺れそうでした-

寿命の長さが不思議。

シルヴァインは純粋で騙されやすかったけど、ちゃんとアムサイストの本質をわかってたんだよね…
最初に奪われたから、他人のもの、力を奪い続ける羽目になったのかと思うと悲しいね。
だからって月の力を手に入れた瞬間に裏切るとかないわ-とも思うけど。

海で戯れる描写が凄く好き。
あと、写本師仲間と思いのほか仲良くなってたり、新しく奪われることなく与えられる関係になりそうで良かった-

[ 2014-05-21 ]

久しぶりに地盤の堅い、根の張ったファンタジーを読めました。魔法の解釈が古き良き伝統を引き継ぎながらも新しくて、興味深かったです。
しかし、やや世界や魔法の説明が多すぎて、登場人物にあまり共感ができなかった気がしたのと、前半(正直言うととびらのあらすじ)で大筋が見えてしまったのが、個人的には残念。この手のファンタジー小説と比べるとページ数の足りなさと、内容の物足りなさを感じてしまいました。

とはいえ、完読しなければ、得られないものもたくさんあるので、最後まで読むべき、良いストーリーです。

[ 2019-03-20 ]

復讐モノかぁ...苦手だなぁ...
と思ったのに買ってしまった本。笑

登場人物の思考や信念の深さがとてもリアルで、読むのが大変だと思うのに読み進めている自分がいた。
とっても不思議な体験!
ファンタジーが好きで小学生の頃から分厚いハードカバーの本を読み漁ってた私だけど、とても新鮮な物語だなぁと思った。

魔法モノ王道ファンタジーに飽きてきたなぁと思う人におすすめしたい♪

[ 2017-05-21 ]

知り合いのお気にの本。1冊にぎゅうっと1000年が凝縮。よくある万能覚醒ラノベとは一線を画す危うい強さもいい。幻想設定も面白いんだけど、何より人間の情念が濃すぎてこの本自体が生きているよう。まさに写本師が書く魔法書。情景を頭に描ける描写力も恩田陸並です。文字や本でトラップ発動…どこかで見たなと思っていたら、JOJOのエコーズがそうだったなと。言霊物が読みたくなりました

[ 2017-05-23 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2018-12-06 ]

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[ 2017-01-15 ]

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[ 2016-07-08 ]

世界感、魔術師の在り様が独特、ちょっとダークなファンタジー。腑に落ちない箇所がチラホラ、一読で理解するのは難しいかも。

[ 2015-11-18 ]

最初の数ページで一気に引き込まれたものの、100ページ越えないあたりで読むのに疲れてしまった。描写は重厚だし生活感も伝わってくるのだが、いかんせん本筋がわかりづらく物語に入り込めず。情報量の多さにかえって惑わされているような気がした。

[ 2016-09-26 ]

美しくて残酷なファンタジーの世界を堪能できた。ちょっと展開が早いので、上下巻にして登場人物の心の流れをもっと読ませてほしかった。

[ 2017-01-05 ]

ファンタジーとして発想は凄く良い。しかし世界観は凡庸で雑、説明不足。描写は丁寧な時もあるが、感覚的な言葉の羅列に終始して読み手に伝わらない。好きな人は好きなんだろうけど、客観的に読み難い。良く言えば詩的。小説というより漫画の原作のよう。総評としては、イマイチ。

[ 2015-02-18 ]

悪の魔道士に対抗する夜の写本師という構図が斬新で面白いです。千年もの時を経ながら紡がれる話をこの1冊に納めてあるので、場面の切り替わりが早くものたりないと感じる描写の所もありますが、どんどん読めるので気にならない程度です。

[ 2016-08-28 ]

大満足の一冊! ただ 内容的には これだけのページ数では物足りない 雰囲気は ガースニクスの「古王国シリーズ」+ハリポタの「不死鳥の騎士団」以降 という感じかな  明るい部分は まったく無いと言ってもいいけれど とにかく 文体と表現力の緻密さストーリー 言葉の美しさがとても好みでした!  上質の大人のファタジー  

[ 2015-01-22 ]

本屋に平積みで表紙に惹かれて買いました。
このお話しを知ることができて良かった。
テンポよく、最後まで飽きさせないです。
展開が若干早いかなー、とは思いますが。
シリーズになっているそうなのですが、この一冊でお話しとしては完結してます。

[ 2014-08-03 ]

その筆力に圧倒され、ぐいぐいと読まされた。読みながら、頭の中でずっとジブリ調のアニメで再生されてしまうのが止められなかった。しかし、内容が重いため、何度も読み返す派としては、心に余裕が無いと読み返せない本。

[ 2014-11-30 ]

個人的に魔法や呪術の話はあまり得意ではないので、そんなに入り込めなかった。
にも関わらず、文章から頭の中にとても鮮やかな映像が巡っていき、ファンタジーの楽しさを味わえた。

[ 2014-05-18 ]

文庫になるのを待ち抜いた作品。

魔術の概要、世界観を説明的にならず読者に分からせる筆力は素晴らしい。引き込む力が強い物語で一気に「読まされた」。

アンジストの過去はいっそもう一冊別に用意するぐらい書き込んでもよかったように思う。非道な敵の理由付にしてはあまりにあっさりとした感があった。故に終盤は若干収縮気味。

すでに既刊の「魔術師の月」は今作の守れなかった魔道師・レアルスの物語。キャラクターとキャラクターで作品を繋ぎ、一大叙事詩のような物語を創り上げて欲しい。

[ 2014-06-14 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

続きを表示

[ 2014-06-29 ]

読み応えがあった。
終盤に向けて止まらなくなる感じ。
続きが文庫本ででたら買ってしまうだろうと思う。

[ 2017-02-07 ]

装丁とタイトルが魅力的で、未知の世界へと誘われるその雰囲気がたまらなく好き。こういうコテコテのファンタジーを読むのが初めてで少しためらいもあったけれど、終盤はページをめくる手が止まらない。言葉選びがとても丁寧で、植物や原石をひとつひとつ調べながら読み進めていきたいくらい細かい。最初は少し読みづらく感じたけれど、慣れるとスラスラと読めてくる。
〈夜の〉写本師という響きがなんとも蠱惑的で、ミステリアスで、物語の中に仕掛けられた魔法や明かされる運命がなんだかうまくマッチしていて、最後まで気分良く読めた気がする。

[ 2014-06-08 ]

単行本で読んだ「魔導師の月」ほか幾つかの作品と舞台を同じくするシリーズの、初文庫化。
過去にさかのぼり前世を体験する部分に多くが割かれているのは、シリーズの特徴の一つなのかな。
復讐が目的のこの物語。痛みを痛みで返した後に、なにが残るのか・・・ということをちょっと考えさせられる。ラストがけっこうあっさりしていて、あんまり深く考え込むような余韻はないかもしれない。

[ 2014-12-20 ]

ストーリーも人物的魅力も薄い内容だけど不思議とぐいぐい読んでしまう。世界観というか、設定となの魅力があるんだと思う。魔法がどちらかといえばおまじない?呪術?のようの怪しく暗いもの。ありそうでなかった魔導師の姿。写本師の修行をしているところはわくわくしてしまった。
ストーリーとしては、1000年前から続く復讐劇といったところ。名前が覚えずらかった。

[ 2018-02-18 ]

読み始めたのは昨年末だった。思いのほか読了に時間がかかってしまった。
帯にあったように「没頭した」か、「満足」したのか、といえば私の場合は…没頭はできなかった。満足度はまぁ70点くらい、かな?

ファンタジーとして世界設定はつくりこまれている。日の当たる明るい地上も、暗くよどむ闇もよく描ききっていると思う。光も闇も息づくさまが文章をとおして伝わってくる。物語の重要な骨肉を成す「魔法」というものについては殊に精密に設定され、じっくりと表現されている。
ファンタジーとしては上質なものだ、そこに異存はない。

登場する人物もよく設定され、それぞれの背景に説得力がある。
ただ、「世界」の描写と較べて「人物」の描写はいまいち迫力に欠ける。
世界はあれほど生々しく迫ってくるというのに、人物にはそれがない。背景も立ち位置もよく練られた設定だとは思うが、それ以上ではない。敢えて断言すれば「符号」となってしまっている。世界を描く物語の流れを整えるための駒のようだ。

「ファンタジー」としてなら上質で骨太。しかしながら「小説」としては物足りない。世界に落ちる雫が生む波紋はどこまでも繊細に描くにもかかわらず、登場人物の心のひだは説明されるばかりでこちらを飲み込んではこない。そんな気がした。

シリーズとしてつづいているようなので、第一巻特有の導入部ゆえの説明過多かもしれない。評価は続刊を読んでからくだしても遅くはない。ということで次の巻も読む予定である。

[ 2016-05-05 ]

おお、本格ファンタジー。
右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠を持って生まれたカリュドウ。これらの石の意味に気づいた時は、ああ、そういうことか…と思いました。
壮大な因縁の物語が描かれていたので、カリュドウの幼少期やアンジストの「理由」がもっとしっかり示されているとなお良かったかもなあと思う。

[ 2014-10-13 ]

何もかも奪われた者視点で淡々と書かれた復讐譚。一昔前にライトノベルで流行したRPGファンタジーよりは昔ながらのヒロイックファンタジーに近く、国や魔法の体系が凝ってない(良く言えば原始に近い、悪く言えば別れているだけで踏み込みがない)。
長い歴史が関わるので国の興亡や権謀術数やら出てきそうなものですが、そこはあくまで個人の復讐に終始しており、 原初の因果の規模も規模。登場人物も感情が足りず、ドロドロしそうな所業にも関わらず全体的にさらーっと進むので、ちょっと物足りなかった。終わりはいかにも女性が起因した終わり方。宝石とか本の装飾とか人形とか、小物が綺麗。文調は静謐で、さらーっといく原因の一つでもありますが、私は好み。

[ 2017-01-02 ]

2017年最初の一冊。王道のファンタジ。
あらすじ(背表紙より)
右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔道師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る“夜の写本師”の修業をつむが…。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書界にセンセーションをまき起こした著者のデビュー作、待望の文庫化。

[ 2018-11-19 ]

魔術を設定としてではなく、言葉と職人の手仕事として丹念に描かれていてリアルに感じられる。
複雑な説明抜きで魔法の世界に入っていけるのは、表面的な世界観ではなく人々の営みがしっかり書かれているからと思う。
凄惨な場面もあるが、その分物語に引き込まれた。

ちょっと気になったのは、
とある魔法による【体験】が強烈すぎて、主人公個人としての成長や葛藤が分かりにくくなっている点。
ある意味決まった結末に向かう話なので、謎の解明や人間的な成長のことがもう少し焦点になってもよかったかなと思った。

[ 2014-08-20 ]

いま日本でこんな重厚なファンタジーが書かれているのだね。技巧的な構成に比してストーリーは結構単純で神話っぽくあり。

[ 2015-01-20 ]

緻密な世界観の作り込みと言葉でしか表現できない描写。ファンタジー小説の復権。3つの力、月と海と闇を野心家の魔術師アンジストに奪われた少女の1000年にわたる生まれ変わりと戦い。最後に男として生まれた主人公は奪われた力を取り戻す為、夜の写本師になる。

[ 2014-05-29 ]

とても長い年月を積み重ねた復讐を描いたダークファンタジー。写本師vs魔導師。写本師が職人肌で新鮮だった。
もっと登場人物たちの交流、写本師の仕事を読みたかったけど、このページ数で考えれば濃厚なファンタジーでした。結末も爽やかな風が吹き抜ける感じで素敵。
他の作品も読んでみたい。

[ 2018-03-05 ]

久々の上質なファンタジー。例えば季節の花々、囁く鳥の声空模様のくだりで季節はいつといわれずとも、そうと感じるような表現力。それはファンタジーでありながら私達が現実で知る動植物が生息しているから、また地中海沿岸を思い起こさせる人々の営みが描かれているからかもしれません。エキゾチックでいてオリエンタルを感じさせる文化と魔法の数々。魔法のシーンはそれは美しく恐ろしいです。読みだすと全てを知りたくてやめられなくなります。きっとこの作品自体にきっと魔法が息づいているのかもしれませんね。つまりは最高面白かった。

[ 2014-12-23 ]

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[ 2014-03-11 ]

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[ 2016-12-27 ]

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[ 2016-07-26 ]

来し方の因果が広がり、及ぼした影響を拾って解消していく魔法の物語で復讐譚です。ただ復讐者が凪いだ環境に置かれる穏やかな物語でもあるので、安心して読めました。
復讐譚と言いましたが、青春ものでもあります。主人公は成長します。復讐者が人間らしくあることのできる、周囲の人々のあたたかさが感じられます。この辺の人間ドラマには、癒されました。

解説文からも熱いファンタジーへの思いが感じられる『夜の写本師』おすすめです。

[ 2015-11-08 ]

一行目:右手に月石
壮大なファンタジー。
いーんだけど、おもしろいんだけど、うーん。
このレベルだと他にもおもしろいファンタジーたくさんあるしなあ…

[ 2014-06-18 ]

話の広がりの割にはさくさく進むので読みやすい。
本来はこれ1冊だけで『指輪物語』並みの分量で書けると思います。

[ 2015-04-12 ]

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[ 2017-10-20 ]

久しぶりに面白いファンタジー。

個人的には、淡々とした感情移入ができないものは、あまり好きではないけど、それ以上に惹きつけられるものがあった。
自分自身が成長していく姿も、前世を辿って全てを内包していく姿も、復讐をとげてからのその後の在り方も、好感が持てたというのも大きいかな。

他にもシリーズがあるみたいなので、機会があれば読みたい。

[ 2014-06-29 ]

悠久の時の流れの中で積み重ねられる魔道師の物語。薄い本だけど、小さな活字でギュッと濃縮された復讐譚は、詳らかに描かれる架空の世界や写本師の仕事に縁取られ、独自の世界を作る。
この本の全体の世界観みたいなものを感じながら物語の世界に浸ろうとすると、一気に読み下すのが良いような気がするのだけど、仕事が忙しくてゆっくり本を読むのもままならず、時空を超えて語られる筋立てやそこに沈殿する怨念や宿願を十分に感じ取ることが出来なかったような気がして、我ながら残念。

[ 2017-05-26 ]

とてもファンタジーらしいファンタジーだった。
闇が必ずしも悪ではない所に東洋を感じる。
写本師って良い。

[ 2018-04-24 ]

本の描写、土地の描写、文化の描写が好き。
しっかり作りこまれている感じがして、期待が持てる。

カリュドウの養い親喪失の哀しみだけで最後まで持っていくのかと思ったら、背後にはもっと大きな物語が隠れていた。
うわーここで転生が来るのか、とワクワクしっぱなし。
しかも転生物のオイシイところ(前世を思い出す瞬間、前世からの敵と仲間、長寿な前世の仲間と再び出会う等)が全部入ってる。
特にケルシュやガエルクがカリュドウに会ったときのこととか考えると、もう、一人じたばたしてしまう。
あとラストね!!
最後は一転、穏やかで優しい感じのラストにぐっとくる。
結局巡り会う運命で、愛さずにはいられないのか。

女性性が重要な装置として出てくるけれど、あくまで装置であってあまり気にならない。
カリュドウが男である意味、写本師であって魔道師でない意味。
本当によくできている。

[ 2018-03-21 ]

師匠と友達を魔導士に殺された少年が復讐をする物語。
魔導士ではなく、本を書き写す写本師となり、書いた言葉に魔力を宿す夜の写本師となり戦いに挑む。
で、その主人公は何度か生まれ変わっていて、その都度復讐相手の魔導士に魔法の力を奪い取られてきたことも復讐の理由の一つとなる。
クライマックスの戦いの場面が意外とあっさりしていたり、悪者の魔導士が人の魔力を奪うことに執着する理由がいまいちはっきりしなかったりという点はあるが、マンガとかゲームになったらおもしろいかもしれない。

[ 2016-08-21 ]

最近面白いと思える国産ファンタジーが多くて嬉しい。しかもいろんか角度から来るから油断ならない。
図書館の魔女と違ってバンバン魔法も魔道書も出るけど、完璧な理論と生い立ちに支えられた魔法はご都合主義にならず、質の悪い添加物にならない。
復讐怨み妬みがベースだから決して爽快ではないけど、また一つ良いファンタジーに出会えたなと思う。

[ 2014-08-05 ]

高校時代に読んだ《イルスの竪琴》シリーズ以来の感動をおぼえました。
実にファンタジーらしいファンタジーであり、しかもオリジナル溢れる世界が拡がっている。これがデビュー作とは思えない完成度です。
日本のファンタジーもついにここまで来たのか!

[ 2015-02-12 ]

ファンタジーは苦手だけど、表紙、紙質、文章の美しさに引っ張られて読み切れた。東京創元社は高いけど雰囲気が好きで買ってしまう。
世界観は壮大なのだろうが、1冊の筋としては単純というか正統。後半は特に勢いがあった。もうちょっと人類普遍的じゃないドロドロがあってもよかったけどなあ。
魔導師同士の戦いがカッコイイ!

[ 2016-10-09 ]

ファンタジーではあるけれど、きらっきらの世界とは違う。人が持つ復讐や妬みなど暗闇に真っ向から向き合う物語である。

とにかく読み切りたくて夢中でページをめくってしまっているので、じっくりじっくり読み返したい。

[ 2018-05-22 ]

おもしろかった。写本師ってかっこいい。魔道師よりも写本師になりたいです、私。

でもなんかしっくりこないというかすっきりしない感じ。なんでだろう...?
というわけで次巻を読むか迷い中。

[ 2017-11-17 ]

唐突な展開が多く、何度も前のページを読み返したりしてしまったけど、面白かった。
千年の話がぎゅーっとつまっており、シルヴァイン、ルッカードの話は自分が物語中にぐるりと入り込んでしまったかのような錯覚を覚えるほどだった。
写本師というものもとてもいい。

[ 2017-02-08 ]

装丁に惹かれて何作品か出てるけれどとりあえず一作目を。
あまりあらすじを見てなかったので、想像していたような内容ではなかったけれど、楽しかった。とくに後半。 続編はどんなのだろう。

[ 2014-06-28 ]

ふわぁ~すごいもの読んだぁ…という読後感でした。
壮大などファンタジー。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-1062.html

[ 2015-02-10 ]

ファンタジー小説の新たな旗手だそうで。図書館でなんとなく背表紙を眺めていたら、この方のはどれもそれっぽい凝った作りの装丁で非常に目を引きまして読んでみることに。

SFと同じでこの手の小説って設定が呑み込めるまでにちょっとひと手間あるんですが、辛抱強く読んでみましたらわりとすんなり読み進めることができました。
ストーリーだてが結構しっかりしてるので冗長なところも少なかったですし、過去の話から終盤に至っては盛り上がりとそのテンポが大変によかったと思いました。他の作品もそのうち読んでみようと思います。

[ 2016-08-28 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2018-06-10 ]

すごく縦にも横にも広がりのある大作なのに、一冊にまとまっている奇跡的なファンタジー。情景描写も心理描写も贅沢に彩りがなされ、言葉の力を端々に感じるのに白々しくならないのは細部まで世界構築がなされているからだろう。魔法が出てくるのにこんなに引き込まれるとは。めっちゃ面白かったし時間の使い方として小説一冊以上の価値があるオススメファンタジー。

[ 2016-01-13 ]

自然と書物。
それをいとおしむ心。
感じる心。

全体的に感じた印象を表すとこれかなあ。

羊皮紙とかインクとか封蝋とか
そういったひとつひとつ手間暇かけられているものに
一種の美しさを感じるし

自然の引き起こす情景や
魔術と連動した自然の表現が
なんともいえず素敵だった。

ジュブナイルのように、読みやすくイメージしやすく、
というよりも、言葉の持つ美しさや
思いもよらない比喩や表現に豊かな気持ちにさせられた。

読書をした、活字に触れたな、っていう満足感。
すごく時間はかかったけど。

カリュドウという過去を背負った少年の生まれ育ち、
彼と彼の前世を伴った旅に寄り添い、
最後に出てきた老いた彼の涙に、
人間への愛を感じて私も涙ぐんだ。

素敵な文章に触れられてよかったなあと思う作品でした。

[ 2017-01-06 ]

心の闇の部分をも請け負う魔道士たち。そうした者たちの中で繰り広げられる復讐劇。
「月の書」「三人の魔女」
幾千の年を超えても続く野望と呪い。

タイトルから想像できるように書物が重要な役割を果たす。
海に飲み込まれるシーンなどは詩的とも思えるイメージが広がる。(苦手でも大丈夫)
激しい描写もあるにもかかわらず、それほどおどろおどろしくは感じなかった。
陰陽の陰の方のファンタジー。

[ 2014-08-07 ]

右手に月石、
左手に黒曜石、
口の中に真珠。
カリュドウは三つの品を持って生まれてきた。

この印象的な一節から始まる物語に、
思えば冒頭から掴まれていた様な気がする。

本好きならきっと、誰もが持ってるだろう
自分と相性の良い作品を嗅ぎ分ける嗅覚。
いわゆる第六感が働いた。
表紙の装丁も素敵だったので、
見た目でも惹かれていたわけだけど。

初めて出会う作家さんの本は買う前に必ず数ページ読んでみる。
でも、この作品は冒頭の4行だけで良かった。
そしてまず、タイトルが美しい。

ファンタジーは大好きだけど幾多あるファンタジーの中には駄作も多い。
それも巧妙に取り繕った"さもそれっぽく作りました"的な似非本格派ファンタジーも最近ではたまに見かける。
ましてや和製(異国モノ)ファンタジーはハンデがありすぎる気はする。

そんななかで、この作品。実に良く出来ている。
乾石智子さんは根っからのファンタジーファンなのだろうと思われる。
読んでいると様々な名作ファンタジーのエッセンスをしばしば見かける、けれどクサくない。
自分の世界観を確立されてるんだな、と感じた。
よく出来たファンタジー作品は実在はしないけれど存在はしている。どこかにこの世界が(パラレルワールドの様に)在る、若しくは在ったんだと感じさせてくれる。

魔術の世界と輪廻転生と、何より本が好きなら、
"言葉の持つチカラ"を信じる人なら、
きっと好きになる作品。

ただ、
乾石さんは若い作家さんなのかな?
文章で時々気になる部分があって、そんな時だけふと現実に戻ってしまったなぁ。

続編も期待。
単行本の装丁もとても素敵なんだけど
予算の関係上、文庫化を大人しく待ちたいと思います。

ちなみに、
キアルス→ケルシュ
紫水晶(アメジスト)→アムサイスト→エムジスト→アンジスト
この辺りは途中で気づいて霧が突然晴れたかの様な爽快感を感じたけれど、
ブリュエ→ガエルクはわからなかったなー(笑)

[ 2018-07-06 ]

あーファンタジー読めなくなっちゃったな~
想像力がなくなったのか、イメージが湧いてこなくて。
ところどころ面白かったけど、読むのが大変だったという印象。
シリーズものなので、もう少し他のも読んでみようとは思う。

[ 2016-12-26 ]

2016/12/25 購入。文庫化されたので読んでみようかなと思ったのだけど、創元推理文庫は字が小さいので迷ってた。このシリーズは既に6冊出てるので、どのくらい面白いのか分からないけど、まず1巻目からチャレンジしてみようという感じです。

[ 2016-08-12 ]

一気読みにて読了。

一つの描写からたくさんのイメージが湧き起こる。
こんなにも面白い小説があったなんて。

[ 2017-03-20 ]

ものすごくファンタジーが読みたくなって手を出しました。魔道士や魔法のことがとても便利なものという世界ではないこと、そして主人公のカリュドウは魔道士でなく写本師であることというのがなんかすごく好きでした。夜の写本師てかっこよすぎない。三人の魔女の運命を〜というのがすごく女っぽい。女の執念と愛と憎しみっぽい。そしてあーーーアンジストあーーーー!ってなりました。悪いいけめんっていい。あと、キアルスのキャラクターがすごく好きで、そしてイスルイールもめっちゃ好きでした。カリュドウの最後の落ち着きっぷりもよかったです。キアルスの話も読みたいと思ったし、エマの話もしてって気持ちで、エイリャの話ももっとききたい。でも最後の怒涛の展開に置いていかれそうになりました。

[ 2016-06-26 ]

最初は精緻な表紙に惹かれたジャケ買い。
何処か懐かしさがあるけれど、こういうファンタジー世界好きだわ~。
他の本も読んでみよう。

[ 2018-01-09 ]

2015.10/22 大好物っ♡善悪単純でなく出会うモノ皆に表も裏もある。魔法も同じ。そしてそれを学ぶための魔法書の写本に焦点を当てているのも奥深さを醸し出して素晴らしい。佐藤さとる、ミヒャエル・エンデ、ロバート・A・ハインライン、上橋菜穂子諸氏と肩を並べても良いのではないかと思える程のデビュー作!!今後が楽しみな作家さんを知ることができて感謝です。

[ 2014-09-14 ]

非常に読み応えのある魔法ファンタジー。
文章の密度が濃く、易々とは読み尽くせないストーリーですが、それでいてテンポよく美しい文体なので、読み疲れはしませんでした。様々な魔道師の手仕事や、メインのテーマでもある写本師の繊細な仕事の描写がすばらしく、よくよく練られた世界観がより想像をかき立てる作品でした。

[ 2016-06-05 ]

あまりファンタジーを読まないので「読み切れるかしら……」と心配していたのだが、とってもおもしろかった! 魔道師に立ち向かう“夜の写本師”が、なぜ魔道師ではいけないのかが明かされると、読者が共有するものが増え物語への理解も増す。また品があり無意味な描写が存在しないので、この膨大な英知を操る作者にも尊敬の念を抱かずにはいられない。月と闇と海、それらをファンタジーとして著した世界に一から百まで魅了された。“ギデスディンの魔法”は本好きのこころを刺激してやまないし、できることならそこに記された文章を読んでみたい。

[ 2014-09-21 ]

タイトル『夜の写本師』の響きに惹かれたファンタジー小説。
序盤からするとちょっと意外な展開だったが、月と海と闇のモチーフの描写や、クライマックスで力が還ってくるシーンが上手い。

構成や世界観も練られていて、シリーズ化しそうだなーと思って調べてみると、やっぱりシリーズ化しているみたいですね。

ただし、全体的に復讐がテーマなだけあって、ひたすら暗い!!
もう少し人間的な成長にスポットが当てられると良かったのだが、後半の主人公はひたすらに冷徹。

続編の文庫化を楽しみに待つ。

[ 2018-04-29 ]

はじめて読む作家。
ファンタジーも久々。
確立された魔法と転生の世界観。
それらのファンタジー要素のなかで
心の奥底にある秘密に辿り着く最期。
一気に読ませていただきました。

[ 2016-03-21 ]

日本文学ファンタジーで久々に面白い‼思えるものに出会えました
世界観が事細かに設定されていてすっかり没頭して読ませていただきました

[ 2014-05-12 ]

面白かった~!
あの厚さで、この濃さは素晴らしいー!
強いて言えば、アンジストの過去がもう少し読みたかったかな?過去と言うか、紫水晶を失った経緯というか。あんな悪魔な割にそこは描写がアッサリだったので…
他のも文庫になってほしい!

[ 2017-03-05 ]

難しい表現を使うかと思いきや、突然そぐわない表現を使ったりする。
展開も早いし、あんまり面白くないかも…と読み進めるか悩みながら進んだけど、
パドゥキア編に入った頃にはそれにも慣れて、続きが気になって読めるようになりました。

[ 2017-05-10 ]

唐突な事象やご都合主義な展開にちょっとついていけない。
ほっとするシーンがない。
人物が浅い。キャラがつかめない。
娯楽として、読んでいて単純に楽しいと感じるところがあまりない。
それぞれの魔法の特徴がわかりずらい。もっと丁寧に設定し、書いてもいいのでは。魔導師の話なんだから。
とりあえず戦闘は派手でエグい。
でも、ヨーロッパの古典ファンタジーのような雰囲気は出ていたように思う。

[ 2014-11-01 ]

全体的に淡々と物事が進む印象。
前半は訳がわからず話に振り回されたような気がするけど、後半、前半にあった話が繋がり一気に読みました。
私は好きなようです。

[ 2015-01-12 ]

ハードカバー版(図書館から借りた)も読んだけど、文庫になったので購入。

月、闇、海の三つの印を持って生まれたカリュドウは、育ての親エイリャが殺されるのを目の当たりにする。復讐を決意したカリュドウは・・・

二度目だけど、ぐいぐい引き込まれる。
前よりは登場人物の把握ができたので、より話に引き込まれたのかも・・・
常に闇を背負う魔道師。
宿敵アンジストと千年にもわたる因縁。
そして、アンジストの秘密・・・
ダークな部分ばかりだけど、ラストは爽やかに感じる。
詩的な文章は最初苦手だったけど、それがダークな部分を払拭してより引き込んでくれるのかも。

[ 2018-02-23 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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