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作品レビュー

[ 2017-12-10 ]

著者は、本書の中で歴史文学は、大きく次の三つに分けられると述べている。すなわち「歴史小説」「時代小説」「史伝文学」に分けられると。

例えば、司馬遼太郎の小説を読むときに、それがどのジャンルのものなのかなんて意識したことがなかった。恥ずかしながら、「史伝文学」なんて言葉はあまり耳にしたことがなかったので、まぁ「歴史小説」だろ・・・と大雑把に思っていた。

著者によれば、より史実に近い順に、「史伝文学」「歴史小説」「時代小説」となるそうだ。そして、司馬遼太郎の小説は、前の二つに属すると。

なるほどなるほど。そのことは、司馬遼太郎の小説から、歴史を学ぶことができることの裏付けとなる。

しかし、司馬遼の小説から学ぶには、司馬遼太郎の視点を知っておかねばならないと本書で著者は教えてくれる。本書では、その視点をわかりやすく教えてくれており、本書は高品質な司馬遼ガイドブックと言えるかもしれない。

ともかく、本書を読むと、司馬遼太郎の小説が無性に読みたくなる。確かめたくなる。

これまで正直、司馬遼太郎の視点の凄さを意識することなく読んでいた。こればどちらかというと、「時代小説」の読み方だろうな。

せっかく「歴史小説」であり、「史伝文学」なのであれば、ちゃんとその史観を知って読むほうがいいですよね。・・・そういうことを知ることができたことは、本書を読んだ大きな収穫だと思います。

[ 2017-06-13 ]

歴史が基本的に好きで、当然司馬遼太郎の本は
学生のころからいろいろ読んできている私にとっては、
最近よく露出している著者が書いた司馬遼太郎に関連した
日本史というテーマは読みたくなるのは当然かもしれません
でした。
内容としては、単に史実の内容だけではなく、日本人論。
未来に対しての提言。など重要な話がたくさんあったと
思います。今の日本においても本当の意味でのリアリズムが
機能しているのか?情念的な一過性のポピュリズムが
蔓延して変な方向に走っていないのか?が本当に
問われているのではないかと思います。

[ 2017-11-12 ]

読友さんのオススメ。とても面白かったです。司馬遼太郎の作品はまだあまり読めていないので、読みたい本も増えました。「花神」、先日DJ日本史で大村益次郎の話題が出たのでますます読みたいです。自己の確立と、共感性を磨こうと思いました。ナショナリズムとパトリオティズムの違いについて知ることも出来ました。司馬遼太郎が日本の歴史をどのように捉えていたか、この本を踏まえて、司馬遼太郎の作品を再読するのも面白いだろうなと思います。ずっしりした長編が多いので気合いは要りますが。。

[ 2017-08-24 ]

司馬遼太郎さんの著者で日本史の面白さに嵌ってもう三十数年…
色々な新説が発見されて歴史の見方に変化が起きても
司馬遼太郎さんが日本人に送り続けてくれたメッセージの重要性も、小説としての面白さも色褪せない!

今の若い世代に読んでほしいから、まず磯田さんの解説で司馬遼太郎さんを知ってもらえたら司馬遼太郎さんファンとして嬉しい(^^)

[ 2017-05-21 ]

本書は2016年3月に放送されたNHK「司馬遼太郎スペシャル(100分de名著)」の内容に加筆、再構成したものであるが、イメージはかなり違った作品になっている。
つまりより歴史家としての司馬遼太郎にスポットを当てている。

坂本龍馬の「龍馬」と言う名を「竜馬がゆく」と文字を使い分けているように、司馬本人は自分はあくまで小説家であって、歴史家ではないと言っているが、世間は「司馬史観」としてあたかも歴史家として見ているという面白い現象がある。

ただ歴史学者と言われる大学教授が「司馬遼太郎」を論じることはなかったが、大学生は大学教授の本よりも司馬遼太郎の本を読んでいる。
そういう私自身を翻ってみても、学校での日本史の授業は眠いばかりで頭に入っておらず、日本史の知識は司馬遼太郎の小説やエッセイ・史論からかなりの部分を学んだという記憶がある。

その意味で本書は、歴史学者である著者が「司馬遼太郎」を正面から取り上げ、司馬作品から入って、体系的に戦国時代から昭和までの日本史を論ずるという面白い試みである。

著者は、「司馬遼太郎は、作家であると同時に、歴史について調べ、深く考えるという意味においては歴史家でもありました。しかし他の歴史家と、司馬さんは一線を画しています。司馬さんは、ただの歴史小説家ではありません。『歴史をつくる歴史家』でした。」
「戦争体験を持つ司馬さんは、『なぜ日本は失敗したのか』『なぜ日本陸軍は異常な組織になってしまったのか』という疑問から、その原因を歴史のなかに探りました。」

ということで、時代的には「国盗り物語」から昭和に至るまでの司馬作品(小説・エッセイ含む)を通じて、司馬遼太郎が日本の歴史をどのように捉えていたかを探る旅に導いてくれます。

[ 2018-10-10 ]

前にも書きましたように司馬遼太郎さんの歴史文学を読むと、
他の方の歴史文学が「あれ?違うよ」と思ってしまう影響がありました。

世間でも「司馬史観」といわれ、インパクトの強い個性的な作家の定評です。
この磯田さんの新書『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』はそれを読み解いてくれます。

司馬遼太郎さんは膨大な歴史の資料から独特の歴史を作った作家だということです。

<しかし、「司馬遼太郎を読めば日本史がわかる」というのは、半分は正しくて、半部は間違いです。(P5「はじめに」より)>

当然ですね。作家ですから想像力たくましく、そこに個性が照射されてお書きになったのですね。

その個性というのが、司馬さんの戦争体験(太平洋戦争)で暗い青春を送った昭和の初期時代の記憶が色濃く影を落として、「どうしてそうなったのだろう」という疑問から明治維新期、そしてそれよりまえの戦国時代に起因を求めてさまよったのが司馬さんの文学になったという、磯田さんの読み解きです。

そして司馬さんは昭和の時代戦争に突入していった歴史ものはお書きになれず(ならず)、遺言のようなものを「21世紀に生きる君たちへ」という文章で「小学国語6年下」(1989年大阪書籍)に

<もう一度くり返そう。さきに私は自己を確立せよ、と言った。自分に厳しく、相手にはやさしく、とも言った。いたわりという言葉も使った。それらを訓練せよ、とも言った。それらを訓練することで、自己が確立されていくのである。そして”たのもしい君たち”なっていくのである。>

と書いて1996年21世紀を迎える前にお亡くなりになったといいます。
あたりまえのことですが、明治維新期の無私の心で日本のことを考えた人々の史実からさぐりだされたのでしょう。それを考えると重みがあります。

この本を読まなければ小学生向けの教科書は知らなかったと思いますので。

[ 2018-06-13 ]

タイトルの通り、司馬遼太郎の著作を通しながら歴史を捉える。著者の、司馬遼太郎に対する敬慕の念(決して偏ることはない)が伝わるとともに、司馬氏と著者いずれからも読み取れる、未来へ向けての提言。歴史は決して過去のものではない、ということを感じさせてくれます。

[ 2018-12-13 ]

 私たち世代は(おそらく)日教組の教職員から中学高校と「日本はダメな国」史観を叩き込まれた。昭和天皇を終始「テンちゃん」と呼ぶ教諭までいた。
 長じて、司馬遼太郎の著作に接し「日本も捨てたものじゃないな」と、考えを改めた。
 幕末から明治に至る日本史は、世界史の中でも希有にして奇跡的な歩みだろう。
 ギリシャ民族にホメロスあり。中華民族に司馬遷あり。大和民族に司馬遼太郎あり!

[ 2018-09-11 ]

20代のころ司馬遼太郎を読んだ時期があって、日本史を知った気になっていた。
司馬史観とまで言われる歴史観も昨今では色々異見が出ていて、司馬遼太郎も結局は自分の生きてきた範囲の中での発想だったと云うのが最近のネガティブサイドな評価だろう。
この磯田氏の本で、その頃(小説が発表された時期)はそういう物語、史観が今より共感を得る時代背景も大きかったのだろう。
今後、司馬遼太郎を読むことは無いだろうが、一時期夢中になって読んでいたことを懐かしく思う。

[ 2017-09-27 ]

戦国、幕末、明治、昭和20年までの4つの時代について書かれてました。
「明治人が目指した坂の上の雲は、いくら坂を登ってもつかめない」、「昭和ヒトケタから20年までは『鬼胎(=鬼っ子)』の時代で、日本史上の特異な非連続の時代であり、その原因はドイツから取り入れた統帥権だった」というのがエッセンスのようでした。

[ 2017-08-20 ]

かねてから司馬作品を少しずつ読んで、いずれは読破、なんて夢見てはや何年。未だに完遂できずにいる。本書は、司馬遼太郎作品の全体像、魅力を歴史学者の立場から分析し私の様な無学者にもわかりやすく紹介している。司馬先生が本当に言いたかったこと、そしてその司馬史観が、各作品にどう反映されてるのか、これから司馬作品を読む上で、有益なガイドとなる頼もしい地図を手に入れたような気持ちだ。

[ 2017-08-14 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

続きを表示

[ 2017-08-14 ]

まだ読み始めて100ページ程だが、読むのを中断したくない程、興奮している。

最後まで飽きさせられる事なく読めた。

司馬遼太郎のエッセンスを短くまとめて読み解いてくれる。日本及び日本人を、今に生きる日本人として内省させてくれる人良書。

[ 2017-11-01 ]

司馬史観に染まっている人が、回りにもいる。
あれらの小説(大変面白いが)を史実と勘違いし、日本論を説くという、ジジイに居がちな開きメクラだ。
この本はそんな人向けではなく、司馬が何故竜馬や秋山兄弟を主人公に描いたか、司馬の考えが判る。
ナショナリズムとパトリオティズムの違いを理解することが大切。ナショナリズムは名家に生まれた者が、自身は取るに足らない人間であるにもかかわらず、そのことを自慢し、他を見下す。これを国家レベルで発現させたもの。パトリオティズムは名家に生まれたのだから、その名に恥じない、名を汚さぬよう精進し人望を得る。これを国家レベルで発揚することである。
今の日本の政治家から国民まで、どちらの思想が優勢だろうか。
司馬はパトリ側の人間を徹底的に取り上げたのだが・・・

[ 2018-01-27 ]

気軽に読める良作。司馬遼太郎の代表作の背景にある思想が分かりやすく解説されている。磯田さんの本は、本当に分かりやすくて面白い。

[ 2018-04-06 ]

司馬遼太郎が膨大な資料と緻密な調査を基に小説を書いているが、それはあくまで歴史小説であり史伝文学ではないという事を念頭に置いたうえで、司馬遼太郎の作品群から彼の思想を読み解き、戦国時代から昭和初期までの日本の歴史を俯瞰し、今日の日本人の歴史観に与えた影響を考察する。 
てな感じの本。

未だ司馬遼太郎作品は一度も読んだことがないので、いづれ読んでみようかなと思った。

んが、第二次世界大戦のあたりの件は、開戦間際の時代背景と当時の日本が置かれていた状況がもう少し複雑だったと思うので、ここで書かれているような軍の驕りって感じの流れは納得できないな。

[ 2018-10-21 ]

歴史の細かいところまでよくわかる良い本だった
最後は共感力が大切とのこと
正直が徳目
別に金儲けのためにやっているのではない国を良くするためにやっている
現代の日本人は総務が弱い
お金儲けのためだけなっている

[ 2017-12-07 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2018-01-09 ]

史実との違いをあげつらうのではなく、あくまで司馬作品が内包していたロマンや現代へのメッセージを尊重し、丹念に読み解いていく姿勢に好感が持てる。歴史ガイドとブックガイド両方の面を兼ね備えた贅沢な一冊。

[ 2018-01-30 ]

司馬遼太郎の歴史観を磯田道史が説く。歴史には準備、実行、絶頂、鬼胎がある。戦国、幕末、明治、昭和初期がそれに当たる。司馬は前半の3期を小説に描き、昭和初期についてはエッセーに述べるにとどまる。日本の歴史は我々のDNAの中にあり、今後を考える際に役立つ。幕末の大転換や明治の理想がどのような環境でどう実行されたか、日露戦争に勝利してから統帥権をかざした軍部がどのように転落したか、肝に銘じたい。欲がなく世のために尽くした素晴らしい人たちもいたし、盲目的に道を誤った人たちもいる。司馬が若者に説く共感性と自己の確立は、小説の執筆を通して得た教訓だと思う。

[ 2017-10-23 ]

これまで歴史には全くと言って良いほど関心がなかったのだが、磯田氏の『英雄たちの選択』を観てとたんに日本史が面白くなってきた。この人は歴史の魅力を伝える天才である。
番組では磯田氏は人の話を聞くのが中心で、自身の発言は少ないのだが、この本を読むと番組作りにおいて中心的な役割を果たしていることがよく解る。本書で取り上げる人物や歴史感が『英雄たちの選択』そのものである。
実は司馬作品も今まで読んだことがないのだが、無性に読みたくなってきた。中学、高校に磯田氏のような先生がいたなら自分のような歴史に無関心な生徒はいなくなるのにな。

[ 2017-09-21 ]

まぁ微妙な違和感を覚えなくもないですが、司馬遼が国民作家であることは否定できない厳然たる事実。そして日本国民の歴史観に一定の影響力を有していることもまた疑いない。故にそんなに外したことを指摘している訳でもなく、ごく当たり前のことを改めて書き出したといったところですか。
しかし、確かに司馬遼が大正末期から敗戦までを題材にした小説を書いたらどんなものが出来たのかな?無いものねだりだけど興味があるなぁ。

[ 2018-04-05 ]

分かりやすく、また、愛されているが故に、その全てが史実であるかのような誤解を受けやすい司馬作品を、歴史学者の観点から解説した書。基本となる3作を取り上げ、時代背景などの解説から、司馬さんがなにを描きたかったのか、といった作家論まで扱っている。文章のあちこちに、司馬遼太郎さん特有の言い回しが現れ、著者の司馬さん愛を感じる。
ちなみに、数ある司馬小説の中で、著者の一押しが『花神』。自分と一緒だったのが、なにげに嬉しい。

[ 2017-08-20 ]

東京から大阪に行く新幹線の中で読みました。
ひとつの見方として司馬遼太郎の作品から歴史を見る視点は面白かったです。
ただ少し強引なところもあったように思いました。

[ 2018-11-25 ]

大好きな火神の見方がとてもお気に入り。
国取り物語とか世に棲む日々とかも、また読みたくなってくる。

考えてみるとこういう仕事は大切。一度読んでいろいろインパクトを受けた作品は、再度読むとまた新しい何かを与えてくれるけど、常に積読がある自分が既に中身知ってる本に向かうには、それなりのきっかけが要る。十分な考察と愛着が詰まったre-introductionはまさにそのきっかけを与えてくれる。

[ 2018-08-21 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-09-04 ]

小説からは歴史は学ぶなとは言うが、歴史から人生や国の指針を学ぶとするならば、司馬さんの小説はそのきっかけになり、人間とは何かを考えることができそう。

[ 2018-01-08 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2017-08-10 ]

磯田さんが司馬さんの言いたかったことを代弁してくれています。司馬作品は20年以上に読みましたが、この本で久々に読みたくなりました。

[ 2017-05-27 ]

以前情熱大陸に出演されているのをみて興味を持っていた著者の方で、元々司馬さんが好きというのもあって、手にとってみました。
文章がとてもわかりやすく、さくさく読めました。司馬さんの作品を通して指摘されていた愛国心とナショナリズムの違いや、日本人の得意なところ不得意なところ、等、なるほどな、と腑に落ちました。
国盗り物語から坂の上の雲まで読み切りたいなと思いながら、まだ城塞で止まっているので、少しずつそちらも読み進めようと思います。

[ 2018-08-09 ]

司馬遼太郎の「最後の将軍」を探していたら、この本がピックアップされていたので読んでみました。

稀有の歴史小説家、司馬遼太郎氏の著作を引用しながら、磯田氏の歴史記述を交え、日本史の動きと流れを著述してあります。

司馬氏の小説に現れる竜馬や西郷などの人物像の解釈を磯田氏の観点から行い、また大正12年生まれで21歳で満州で陸軍に配属されたという司馬氏の来歴などと共に語られるので、それが司馬氏の小説のおもしろさを浮かび上がらせています。・・実は司馬氏の本は「人斬り以蔵」しか読んだことがないのですが、もっといろいろ読んでみようかなという気になりました。

また、歴史小説と時代小説、として、史実に近いものを歴史小説として司馬遼太郎や海音寺潮五郎、吉村昭などがあげられ、時代小説は、設定を歴史的世界に求め登場人物は自在に動くとし、山本周五郎、池波正太郎、山田風太郎などだとしています。

[ 2017-08-06 ]

司馬さんの作品は,読み始めたらきっと面白いのだろうと思いつつ,長大であることから,恥ずかしながら今も未読です。

本書により,司馬作品のエッセンスや魅力を知ることができましたので,いつか腰据えて読んでみたいという気持ちが強まりました。

[ 2017-07-09 ]

司馬遼太郎氏の歴史小説を題材にした一冊。
司馬氏の作品は、歴史小説でありながら、多くの日本人にとって、幕末や戦国時代のイメージの作成に大きな影響を与えている。この著書は、複数の司馬氏の作品を通して、どのような考え方で日本の歴史を捉えていたかを検証するという試みのです。
自分自身、幕末維新を中心に司馬氏の作品を多く読んだので、興味深く読み進められました。
もっといろいろな作品の引用しながら、もっと深く切り込んだ内容も読んでみたいという感想です。次回作が楽しみになってきました。

▼斎藤道三の存在が、やがて信長のような天下人を生み出し、その天下人が公儀と呼ばれる権力体(国家)を生み出し、幕藩制がつくられる。
 その国家が壊れるなかで、朝廷と結合した勢力が幕藩由来の官僚制や軍事組織を引き継いで明治国家を創設
 その明治国家の最後の帰結として、司馬さんの言う「鬼胎の国家」つまり、あの戦争を起こした昭和の軍事国家ができあがる。
 その昭和の軍事国家が無茶をやって壊れ、形を変化させたのが、私たちの現在の社会であるー司馬さんは、そんな歴史観を背後に持っていた

▼この国に暴力でもって国内を統御するという、中央集権的な権力を信長がつくり上げた。司馬さんが「国盗り物語」で描きたかったのは、その後の日本、あるいは日本人のあり方のふたつの側面
①合理的で明るいリアリズムを持った、何事にもとらわれない正の一面
②権力が過度の忠誠心を下の者に要求し、上意下達で動くという負の一面

▼「組織は変質する」というのは、司馬さんの重要な歴史観の1つ。最初は理想があるけれど、だんだん老化して、おかしなことを始める。『花神』を描いた思いがここにある

▼日本人というのは、前例にとらわれやすい「経路依存性」を持っている。「合理主義」の対局にある日本人の性質が「前例主義」(経路依存性)

<目次>
序章 司馬遼太郎という視点
第1章 戦国時代は何を生み出したのか
第2章 幕末という大転換点
第3章 明治の「理想」はいかに実ったか
第4章 「鬼胎の時代」の謎に迫る
終章 二一世紀に生きる私たちへ

[ 2017-07-10 ]

司馬作品の礼賛でもなければ単なる読本でもなく、国盗り物語から花神、坂の上の雲を通じて近代(から現代に通じる)日本の変遷と成り立ちを捉えていく内容。司馬遼太郎の一貫した軍部へのアンチテーゼが作品の根底に流れている点、改めて気付かされた気がする。関ヶ原や燃えよ剣ではなく、前述の作品が取り上げられたのもそれが理由で、所々著者の歴史観も挟まれるが、英雄物語に終始しない司馬遼太郎の楽しみ方のひとつの提示にはなっていたと思う。

[ 2019-03-14 ]

司馬遼太郎の作品を振り返りながら、戦国時代、江戸時代、明治、大正の日本の歴史の流れを振り返る。それにより、司馬遼太郎が、昭和初期の軍部の独走と戦争への流れを、一連の歴史の中で起きるべくして起きたものと捉えていたことがわかる。
最近、よくテレビなどでも著者をみかけますが、きっちりと史実を押さえ、自分なりに整理されているからこそ、これだけわかりやすく解説ができるのでしょうね。歴史学者だから当然と言えば当然なのですが、学者というとそうでもない人も多そうだから。

[ 2017-09-07 ]

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[ 2018-01-31 ]

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[ 2018-05-13 ]

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[ 2017-06-09 ]

最近『武士の家計簿』やテレビで活躍中の歴史学者の著者が、司馬遼太郎がその後の日本人に何を残しているかを考察。(ずいぶんまえに、読み終えてしまってたまに再読するのだけれど)、しばらく司馬遼太郎の作を読んでいないがまた、読みたくなった。ここまで深く考えて読んでいなく、ストーリーの面白さに流されていたとちょっと反省。

[ 2017-07-30 ]

「はじめに」に書かれていますが、歴史学者が「司馬遼太郎」をあえて正面から取り上げ、司馬作品から入って、体系的に戦国時代から昭和までの日本史を学ぶ珍しい本であると著者は位置付けました。
そして、序章 司馬遼太郎という視点 として
歴史をつくった歴史家/頼山陽と徳富蘇峰
日本人の歴史観への影響/司馬作品のオリジナリティ
歴史小説と時代小説/歴史を奇想で崩した作家
動態の文学、静態の文学/なぜ歴史を学ぶのか

第1章 戦国時代は何を生みだしたのか
第2章 幕末という大転換点
第3章 明治の「理想」はいかに実ったか
第4章 「鬼胎の時代」の謎に迫る
終章 二一世紀に生きる私たちへ

おわりに
その国の人々が持っている「くせ」「たたずまい」、簡単に言えば「国民性」といったものは、100年や200年単位でそう簡単に変わるものではありません。
であるならば、20世紀までの日本の歴史と日本人を書いた司馬遼太郎さんを、21世紀を生きる私たちが見つめて、自分の鏡として未来に備えていくことはとても大切ですし、司馬さんもそれを願って作品を書いたいったはずです。
と総括しています。
私たち現代に生きる日本人が司馬さんの思いを受けとめ、未来の世代の為に司馬作品をどう読めばいいのか、そのことをうまくまとめた素晴らしい本でした。

[ 2017-12-23 ]

司馬遼太郎の作品を大きく一本の道筋に従って読むというのが面白い。

なぜ昭和を舞台に小説を書かなかったのかの考察も興味深い。

[ 2017-11-03 ]

司馬遼太郎を歴史家として捉える。
磯田さんについては前から面白い人だなと思っていたので、その人が司馬遼太郎を同じ歴史の研究者としてどう捉えてるのか気になって読んでみた。
絶賛の「花神」を今度読んでみよう。

[ 2017-05-31 ]

司馬史観
なるほど、物語をすっきりさせるために
わざと基本情報を絞り、明快な歴史の
流れを描いたのですね・・・所詮物語!

[ 2018-02-18 ]

◯信長は「美しい女」、秀吉は「貴き女」、家康は「産む女」を好んだ。(38p)

◯明治の人たちの考え方だとおそらくこうでしょう。「中国の経済成長が七パーセントならば、せめて自分が関わるものづくりや生産だけでも毎年七パーセント成長させよう」(132p)

◯相手よりいかに優位に立つか汲々とするより、むしろ相手の気持ちがわかる、共感性が高いといった、どんな文化の人にも適応し理解することができる能力が重要になるはずです。(178p)

★単に個々の作品の解説ではなく、司馬さんが創作を通じて持ち続けた視点を解説している。
★共感性が大事というのは、最近読んだ資本主義の限界を論じた本と結論が同じで面白いと思った。

[ 2017-07-19 ]

史伝小説、歴史小説、時代小説  史伝が史実に近い

武士は兜を被るためという名目で、頭頂部を剃って月代(さかやき)をつくり、ちょんまげを結う

世界的に見れば、国民国家への移行は時代の風潮で、それができない国は植民地になるというのが国際情勢の現実でした

長州の陸軍 第1段階の預言者が吉田松陰、2段階の実行者が高杉晋作、革命の果実を受け取るのが山県有朋

思想は人間を酩酊させる

松本良順 順天堂のもとをつくった人物

司馬さんがリーダーの資質としてより重く見ていたのは、「常識を破るリーダーシップ」
次、自分が登用した人物を最後まで守り通すこと

勝海舟 曽祖父が視覚障害者 視覚障害者は当時お金を貸すことを許されていた その盲目の曽祖父が築いた巨万の富によって、身分の低い幕府の御家人から御家人株を購入して、お金の力をもって江戸幕府の末端に加わった家のものだった

咸臨丸(かんりんまる)は勝海舟や福沢諭吉が乗っていたがために後年有名になりますが、遣米使節のトップが乗っている船(ポーハタン号)ではなく、それに随行していた随行艦だった。

江戸時代の負の遺産 東アジアへの蔑視の姿勢

僭上(せんじょう) 分相応

さらに問題となったのは、日露戦争に勝った際に、数多くの軍人たちが、公侯伯子男の爵位をもつ華族になったこと。日露戦争で下級武士出身の維新の功労者が主君の大名や上級公家を追い越して、爵位の上で偉くなった

司馬さんが子供たちに伝えたかったこと
 共感性を伸ばすこと、いたわり
 自己の確立が大切


 

[ 2017-11-12 ]

今一度司馬さんにチャレンジしてみたく。

竜馬と坂の上の雲、日々是以外にも読みたいのいろいろあるなぁ。

[ 2017-08-13 ]

愛読書って何と聞かれたら、「坂の上の雲」か何かの司馬遼太郎作品を答えるであろう俺。
話題の新書で平積みになっていたので手にした本。
「小説家」であり「歴史家」でもある司馬遼太郎を歴史学者が、彼の作品を紐解く。
俺の日本史の知識の基礎を作ったのは「まんが日本の歴史」ですが、そこに彩りを与えたのは司馬遼太郎でした。
これまでは、幕末や明治の作品が中心でしたが、戦国時代を描いた「国盗り物語」や、小説には描かれなかった昭和を語った「この国のかたち」は読まないとなと思います。