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父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。―――1万年前から現代まですべてを紐解く「資本主義」全からくり

作品レビュー

[ 2019-06-13 ]

☆5の評価だが、結論として誰がこの本を読むかということで違ってくる。
高校生や経済学部以外の大学生が経済の成り立ちを知るために読むのだったら、間違いなく良書。社会人がそれを復習するために読むにも良いだろう。

ただし、この本を読んで「経済学を勉強しようかな」って思っている人にはあまりおすすめはできない。経済学の本としてはあまりに初歩的すぎる。

自分も経済の専門家ではないが、本書で「経済学」を学ぼうと思ったら手応えがなさ過ぎると感じる。
それなりの知識を持ったビジネスマンがこの本を手に取る理由としては、「経済の仕組みを素人に説明する時に参考にするため」という理由がベストだろう。

例えば、ジャレド・ダイアモンドの名著『銃・病原菌・鉄』でも述べられている「人類の貧富の格差の発生原因」や、捕虜収容所内で捕虜達がタバコを通貨代わりに使っていたという状況を使っての「貨幣の流通や価値の変動の仕組み」の説明などは、誰が読んでも非常に分かりやすい。
 
本書を読むに当たって一つだけ注意する点があるとすれば、この本を読む前には必ずキアヌ・リーブス主演の映画『マトリックス』を観ておくべきだ。この本の中で『マトリックス』のシーンが何度も引用されている。

『マトリックス』は、「機械に支配された未来の人間社会」を描いたディストピア映画の古典的名作として既に認識されており、最近の欧米のビジネス書では非常に良く引用されている。
『マトリックス』を観たことが無いという人は、このレビューを読み終わったらすぐにTSUTAYAに直行すべきた。この映画はアクション娯楽作品しても最高に楽しめるので絶対に観て損は無い。
私は当時、映画館に合計4回も足を運んで『マトリックス』を観に行った。これは私の映画鑑賞歴の中で最多だ。
ちなみに第二位はリバイバル上映を含め3回映画館に観に行ったハリソン・フォード主演の古典的名作『ブレードランナー』だ。

『ブレードランナー』は、人間のために、いわゆる3K作業(きつい、汚い、危険)をさせられていたレプリカントと呼ばれる人造人間達が反乱を起こし、その作業から逃げ出したレプリカントが人間社会に逃げ込んでいるという未来社会が描かれている。
そのレプリカントを探しだし、殺すことを任務としているのが「ブレードランナー」と呼ばれている刑事達だ。
この『ブレードランナー』も本書内で何度か引用されているので、観たことが無い人は観てみるとなにか得られるものがあると思う。

『マトリックス』、『ブレードランナー』とも未来の人間のあり方をテーマとしており、非常に深い内容だが、どちらも純粋にアクション映画として楽しめるので気楽に観て欲しい。

という訳で、本のレビューなのか名作映画の紹介なのかよく分からなくなってしまったが、とりあえず本書は読み物として楽しいし、内容も読みやすく、分量も手頃で数時間で読み終えることができるので、気になった人はぜひ手に取ってみて欲しい。

[ 2019-07-07 ]

今年出た本の中で、もっとも読まれるべき本はどれかと聞かれたら、まだ半年残っているが、迷いなくこの本を推すだろう。それは、この本がわかりやすいからでも、面白いからでも、ためになるからでもない。経済こそは、われわれがいま考えるべき、もっともホットなトピックだからである。なぜなら、われわれ人類がこの先も地球上で生きていけるか、もっと具体的に言えば、私たちの子や孫がこれからもこの星に住み続けられるか、それが経済にかかっているからである。
重要なポイントはいくつかあるが、ここではそのうちのひとつを取り上げるにとどめたい。資本主義(本書では「市場社会」という言い方をしている)は、借金によって成り立っている。たとえば、私がこれから事業を起こそうとしている。だが、それには元手がいる。そこで、銀行からお金を借りることにする。事業が無事成功すれば、その儲けで借りたお金を返すことができる。
では、銀行はそのお金をどうやって用意したのだろう。それは、(著者はこれを現代の黒魔術だと書いているのだが)まさしく無から作り出したのである。事業が成功すればお金は出てくるのだから、それを先取りしてしまうのだ。別な言い方をすれば、未来からお金を借りてきている。
資本主義の成り立ちは、(実際はもう少し複雑だが、そこは本書を読んでいただくとして)、簡単に言えばそういうことである。しかし、この仕組みには重大な欠陥がある。事業は失敗するかもしれないのだ。失敗すれば、私はお金を返せない。困ったことになる。
要するに、資本主義というのは、経済がこの先も成長するという前提のもとに立っている。しかし、いくらなんでも、無限に成長し続けるわけがない。どこかで頭打ちになる。これは資本主義に内在的な欠陥であり、資本主義の限界でもある。
本書はあくまでも資本主義の枠内で、現在の経済の仕組みをわかりやすく説明しているのだが、私はもう一歩先へ進めてもいいと考えている。つまり、資本主義や現在の貨幣システムだけが、経済のあり方ではない。たとえば、本書にも少しだけ触れられているが、利子を禁じたイスラム金融がある。これは資本主義の対抗潮流になりうる。
はじめに、経済はわれわれの子孫の未来がかかっている問題だと書いた。その意味が少しおわかりいただけただろうか。この問題を考えるために、本書は重要な手引きとなる。題名にあるとおり、決して難しい本ではない。半日もあれば読める。だから、多くの人に手にとっていただき、考えてもらいたい。経済を為政者や経済学者に任せることは、宇宙船地球号を彼らの手に委ねることに他ならない。

[ 2019-03-31 ]

"不足"が"余剰"を生み出したのが興味深い。
まだ読んだ事が無いのだけど、サピエンス全史と繋がる部分がありそう。
"余剰"は"余裕"とも言え、文化を生み出す根源となった大切なものだと思う。
あとは、"余剰"を上手く分かち合う方法なんだろう。

それと、仮想通貨は発行数が定められていて、誰かが通貨を刷ってバランスを取る方法がないから上手くいかないという話は気になる。仮想通貨もバージョンアップされていっているから解決されると良いのだけども。

[ 2019-03-19 ]

ギリシャ金融危機の際にギリシャの財務大臣を務めてた経済学者が書いた本。

たしかに面白かった!

『信用の新世紀』『日本が売られる』『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 』『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』なんかに書かれている事がこの本でギュッと結ばれた感じ。

国の財務を預かっていた人が、「基本的に金持ちは税金を払わない仕組みを作り、貧乏人はカツカツのところから税金を出すだけなので、総論として国を維持するための税収は常に足りていない。だから足りない分を国債で賄い、債務超過はある程度不可逆的なもの」って言い切られると、ねぇ。

人類史において市場ができた時代と、市場社会になった時代は全く異なっていて、交換可能価値にばかり重きを置かれるいわゆる資本主義社会というのは人類の歴史の中でも随分最近のもので経済活動においてさえ普遍的なルールではない事。封建制以前の宗教が支配の正当性を民衆に刷り込むためにその機能が果たされていた事と同じように、現代の経済学は資本主義支配の正当性を裏付けるための仕事しかしていない、とあっち側の人だった学者が言うんだもんなぁ。

とにかく、「考えろ、疑え」だそうです。

結論はテクノロジーを肯定的に利用し、人間の人間たる特性を最大限に使い、ベーシックインカム的な方法論で資源の民主化を進めるべきだ、という考え方の人でした。

[ 2019-09-18 ]

経済について、著者が娘宛に教えるように書かれた本です。著者の経済に対する考え方が詰まっています。お金や市場といった経済にまつわるものが、何なのかが非常に分かりやすく、それでいて簡単に済ませずに書かれています。そして過去に何があって、今の世界が出来ていて、なぜ今の世界の問題が起こっているのかに結び付けられています。ギリシャの財務大臣として問題もあった著者が、その意図するところを述べられているところは熱があり、それゆえに引き込まれないよう冷静に読む必要も感じました。それでも読後に思うのは、あのギリシャ危機について、あまりにも西欧キリスト教的な見方でみていたなと。著者の気持ちもわかるのです。
本当に正しい形は何なのか、それを考えるきっかけにも良いと思いました。

[ 2019-03-28 ]

市場社会が生まれた経緯に始まり、それを維持する金融システムの内容、政府の存在、格差、AI&ロボット社会の功罪、環境問題、民主主義、幸福とは?...etc, かなり幅広い内容を、歴史上の出来事や、印象的な挿話を取り上げ、順序立てながら分かりやすく説明していく内容。

p.250弱とそんなに長くなくスラスラと読めるも、かなりお腹いっぱいな読後感。それほど濃い本だった。

・市場社会の始まりは農作物などの余剰から生まれ、それを取引するための信用ツールとして通貨が生まれ、それを管理するために政府が生まれる。

・農作物をつくる土地をその時の支配者などに奪われた農奴達は生きるために別の起業をする。そしてそのためには金がいる、そこで銀行が生まれ、金を貸す事で借金が生まれる。この借金から、全ての富が生まれていく。

・労働力とマネー。産業革命以降、労働力は機械化。機械に働かせるか、人間を機械のように働かせる社会へ。またテクノロジーは今は一部の富裕者にのみが支配している。そのようなものが労働を全てAIやロボットに代替しても、しかし経済は破綻する。人間が働いて賃金を得る事で経済が回るが、現在のロボットはお金を使わないから。

・意志をもったAIが登場すると、世界はマトリックスのような悪夢の世界に?

・経験価値ではなく、全てが交換価値でカウントされるのが市場社会。昔は良い行い=GOODこそに価値があったが、交換価値が重視される社会では全てがGOODs=商品となってしまった。そこでは環境を破壊して得られるものが交換価値を生み出し、環境は破壊され続ける。

・そんな世の中で良いのか?そこを解決できる唯一の方法は、民主主義であること。

[ 2019-06-24 ]

本の前半は、経済の発生についての歴史的解説が展開されており、とても興味深い内容でした。

経済について語るとは、余剰によって社会に生まれる債務と通貨と信用と国家の複雑な関係について語ること。
農耕が保存可能な農作物の"余剰"を生み出し、この余剰が、それを記録するための"文字"や労働に対する未来の報酬を証明する"通貨"や通貨に保障を与える"国家"や国家に正当性を与える"宗教"など、現代の経済や社会に必要な仕組みや機能が発生した歴史的な流れから説明があり、経済の本をあまり読まない私には目から鱗でした。
後半は筆者の結論に誘導的な記述が多い気がしたたため、星4つの評価です。

[ 2019-09-16 ]

作者の娘の知的レベルに追いついていない私には、まだ難解でした。ふんだんに使われる例え話がそもそも分からないというのが致命的。

経済を軸としつつ、政治の話、環境の話、そして哲学的思想と幅広く展開されています。

私がもう少し賢くなった時、もう一度読み直すと、合点がいくのかもしれません。

[ 2019-06-17 ]

2019/06/17
これまで経済学の本なんて手に取ったこともなかったが、この本は非常に読みやすかった。経済のことを専門家、大富豪、政界のトップなど一握りの人間に任せてはだめらしい。このままでは私達庶民は機械の、資本主義の奴隷として一生を終えることになる。利益の追求が地球を破壊する。最近よく取り上げられるプラゴミの問題もその最たる例だよな。日本がプラゴミを他国に処分させてたことも最近知った。自分達で出したごみをよそに押し付けてたなんて、恥ずかしすぎる。無知も悪。反省。交換価値に飲み込まれることなく経験価値を取り戻す。人類は公共の利益、というか地球の保全を第一にすべきだ。そう思うけど、私にはそんな財力も権力もありません。とりあえず私個人としてはお金に執着しすぎず、助け合いの精神を大切に、地球に優しい生き方を追求しよう。

[ 2019-07-30 ]

経済学よりお金2.0に近い感じ
どっち先に読むかで感想は変わりそうだが、先出たのはこっちの様だ。
私も30で発起し、ファイナンスの勉強を始め、最初にぶち当たった問題がこれ。
正解があると学校で教えられて来たはずが、算数や理解の様な、経済と政治には正解がない事。
世の人は常に全員同じ考えをすると思っていた、おめでたい星人だったのだ!
今でも思い悩む事があるが、私の中ではかなり整理されてきている。

歴史のバイアスから現在が出来るまでを網羅されており、とても説得力がある。
ほぼ名著「銃病原菌鉄」そのままだw

それでも筆者の言い分に異議がある。
すべてがネガティブにはならないのだ。
元気な人間が常にいる事。それが進化なんだと思う。
でもただ元気なのはだめだ。
歴史を知っている蟻だ。

ドンドン進化してマトリックスにならない様にはしたいけどね。

[ 2019-07-04 ]

経済の仕組みを、歴史を追って説明があり分かりやすかったです。
本当の幸せを考えさせられました。

ホモ・サピエンス全史を纏めた内容と感じました。

[ 2019-05-19 ]

「経験価値」と「交換価値」の例えが分かりやすい。
世の中のお金の流れはよく理解できたが、債権と金利の話はあんまりわからなかった笑

[ 2019-07-19 ]

長年イギリス、オーストラリア、アメリカで経済学を教え2015年のギリシャ経済危機時には財務大臣を務め大幅な債務帳消しを主張し世界的に話題となった著者が、10代半ばの娘に向けて経済とは何かを専門用語を使わずに語った一冊。

本書を手に取ったきっかけはズバリ「売れていたから」である。やはり売れる物には理由があり、特にそれが世界中でヒットしているというのはそれだけ、普通の人々(高度な知識を持つ人ではない)にも理解されるほど分かりやすいという裏付けになる。

本書ほど分かりやすい例えを用いて、難解(だと思われている)な現象を説明している経済の本は他にないだろう。

特に、収容所の中でのタバコの取引を引き合いに出したインフレとデフレの話は登場人物の顔や気持ちがありありと想像できた。

また、エピローグで「経済学者は神学者や哲学者のようなものだ」としてそのような星占い師のような人間だけに経済を任せてはいけない。と語る姿は、父が娘にこの上なく愛に満ちた説教をしているようであった。

最近読んだ本の中で印象的な本の中に、「苦しかった時の話をしようか。ビジネスマンの父が我が子のために書きためた働く事の本質」という本(以下A書)がある。A書では、ビジネスマンとして様々な苦境を乗り越えてきた著者が就活を控えた娘に働く事の本質を語っていた。

この2冊に共通しているのは、多くの人に届けようと最大公約数的に書かれたものではなく、ただの1人に向けて書かれたものであるという事である。ある音楽プロデューサーも「売れる曲はただの1人に向けて作られている」と言っていたが本当にその通りなのだろうと改めて感じる。

A書との関連している事として、資本主義社会において会社に勤めて働く人々と資本家の関係を思い出した。

A書の中で「課長、部長、社長という肩書きは優秀な人間を気持ちよく働かせるためのシステムである」と語られていた企業人とは、本書の言葉を借りると「人を支配するには、物語や迷信に人を閉じ込めて、その外を見させないようにすればいい。だが一歩か二歩下がって、外側からその世界を見てみると、どれほどそこが不完全でばかばかしいかがわかる」ということではないだろうか。

もちろん全ての企業人がそうとは言わない。外側の世界を知った上で選択しているのであれば、余計なお世話であろう。ただし、知らないで苦役を売ってお金を手にしている人が多いのは残念ながら事実だと思う。

この本から得られた事も糧として人生を切り開く一助としたい。

最も印象に残った言葉は、
「私たちは探検を止めることはない。そして全ての探検の終わりに出発した場所にたどり着く。そのときはじめてその場所を知る」

[ 2019-09-19 ]

父が娘に語るよう、わかりやすく慈愛に満ちた作品。ん、ほんとにそうなのか?
筆者は資本主義のシステムについて、かなり恣意的に切り取って、負の側面にフォーカスしているように感じる。ここ数年のポストグローバル資本主義の潮流か。
娘に語りかける風な表現は時折出てくるものの、あくまで装飾として、だ。そして、中盤からは熱量高くなってコンセプトを忘れてるような。。
まぁ筆者も、娘に語るように書いてみた、と冒頭いってるから嘘じゃないけど。なんだかなぁ。

[ 2019-06-29 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2019-05-20 ]

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[ 2019-09-24 ]

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[ 2019-07-11 ]

余剰が経済を生んだことから、牢屋のタバコの話までは面白かった。
通貨に上限がないと、ものすごいデフレになることもよくわかった。
最後の環境の話が余計かな。

全体的にまあまあ面白いが、経済を学んだ人には少々退屈かも。

[ 2019-07-30 ]

こんな経済ので本、他には無いと思います。
神話からスタートレックやマトリックスまで、わかりやすい例で語られています。
この本を読んで、経済の動きというものがなんとなくわかった気になります。
経済学を学んだ人には、物足りないかもしれません。
私にとっては、目から鱗が落ちる事が多かったです。
入門の入門書としてお勧めできると思います。

[ 2019-07-03 ]

「大金持ちと貧乏人の話」を身も蓋もなくはっきりと言い切ってる本だ。エピソードの具体性と説得力が秀逸。言葉の力・文字の力を実感する。実にわかりやすい、思わず苦笑いを浮かべるほどに。
経済の話はわかりにくいものだが、焦点をとことん絞って単純化し、具体的な事例を語りながら説明する。よく新聞記者が「中学生にもわかる文章を書け」と言われるそうだが、やさしく説明することは難しい。本書はその難しさをクリアしている稀有な本だと思った。
最後に哲学的課題を提示しているところが「父が娘に」らしく微笑んでしまった。しかし、これは読者全てに突きつけられた課題でもあると思うと身が引き締まる。本書は「さすが!」と感嘆を唱えたくなる本である。

[ 2019-09-22 ]

言語と余剰
交換価値と経験価値
機械の中の幽霊
労働市場とマネーマーケットを動かしているのは預言の力
イカロス症候群:自動化でコストが下がり、競争で価格がコストをそれほど上まわらなくなり、需要が下がる
価格の安定:均衡
破壊は交換価値を生み出す
マス釣り:集団的愚かさの例:利益追及が人間の自然な欲求だという前提に立つとこうしたことが起こる
民主化と商品化
HALPEVAM: Heuristic ALgorithmic Pleasure & Experiential VAlue Maximizer
市場社会が成し遂げようとしていること

[ 2019-08-18 ]

市場、金融、株式市場、そして貨幣。資本主義のベースとなるこれらのシステムについて、ギリシャの財務大臣を務めた著者が、特有の詩的表現も交えながら、”父から娘に語る”という叙述形式で、極めて平易に解説される。その点では本書の面白さを私も一定程度認める。ただし、こうした経済学の平易な解説を読みたいのであれば、後述するような彼の”イデオロギー”が強度に染み出さず、よりフラットで優れた書物は多数あるのではないか?

私が納得できないのは結論についてである。著者は、現在の経済の問題を”行き過ぎた市場化”にあるとして、”一部の巨大企業や富裕層だけが参加するのではない民主的なプロセス”を対案として提示する。では、民主的に経済をコントロールするのかという点について、著者は何も語っていない。そうした態度は、財務大臣まで務めた政治家として著者を見たときに極めて不誠実ではないか。

くどくど書いてしまった。結論を言えば、私は政治的に左派ポピュリストを嫌悪している。そして、EUにおいてその先鋒を務める著者についても嫌悪しているということである。

[ 2019-09-16 ]

2015年のギリシャの経済危機時に同国の財務大臣を務めた著者が、今日の市場経済の成り立ちからその本質的なメカニズム、そこに内在する矛盾や解決策を、自身の娘に語るという形式で極めて平易な文章で記した一冊。

著者は、農業革命によって生まれた「余剰」生産物が「商品」として「交換価値」を持ったことを契機に文字や通貨、債務、国家や宗教に至る各種の仕組みが発明され、さらに生産に必要な土地・生産材・労働力という三つの要素も交換価値を持つ商品になり、それらを将来の利益の追求のために「借金をして買う」ことが一般化したことで今日の市場経済は完成したが、「交換価値」に偏重した経済はバブルや金融危機のリスクを必然的に内在するとともに、本来は「経験価値」で測られるべき自然環境を破壊する方向に働く点でも問題があるという。

金融政策や新たなテクノロジーが一部の特権階級や大企業に握られることで格差が拡大することを懸念する著者は、それらを全て「民主化」することで、市場経済の恩恵を享受しつつリスクを最小化することが可能と主張する。元財務大臣という立場からくるバイアスを感じる部分もあるが、複雑怪奇なマクロ経済の世界をこれほど分かりやすく解説された著書は他に例を見ない。手軽に読めるのに深いという点でもコストパフォーマンスの優れた一冊。

[ 2019-05-11 ]

2019.05.10 読了
前半は面白く勢いよく読み出したが、後半はやや眠く。

◆面白かった点
なぜアボリジニがイギリスを侵略しなかったのか?に対する解が、漠然とイギリスの方が発達していたから、というくらいのことしか思いつかなかったが、余剰と経済という関係と共に解説されていた点が一番面白かった。

・人類か農耕を発明した12000年前、それは本当に歴史的な事件だったと言え、今我々が「経済」と呼んでいるものが生まれたときである。
・農作物の生産によって、初めて本物の経済の基本になる要素が生まれた。それが「余剰」
・文字は余剰を記録するためだった
・「ナバックさんがどれだけ小麦を預けたか」を記録するようになったことが、債務と通貨のはじまり。
・農作物の余剰が、人類を永遠に変えるような偉大な制度を生み出した。それが、文字、債務、通貨、国家、官僚制、軍隊、宗教といったもの。
・宗教は支配者が支配しつづけるために必要だった
・農耕が必要無かった地域、木の実も果物も肉も魚も十分にあったオーストラリアのアボリジニや、南アフリカの先住民の社会では、音楽や絵画は発達したが、文字は生まれなかった
・気候に恵まれないイギリスは、大量に作物の余剰を貯めないと生きていけず、航海技術や生物兵器も余剰から生み出された。
・自然の食べ物に事欠くことがないオーストラリアでは農耕技術を発明しなくても生きてゆけ、余剰をため込む必要もなく、テクノロジーがなくても豊かに暮らしていけた。
・はるばるオーストラリアにたどり着いたイギリス人にアボリジニがかなうはずがなかった。

[ 2019-06-22 ]

【論理的ぽい宗教】
「経済学という宗教」なるほどです。
まさに資本主義経済という宗教ですね。

この本を読む前に村上世彰さんの『いま君に伝えたいお金の話』を読みましたが、感じたのが得た利益を資本家だけでなく労働者にも還元する方法はないかということです。そこで「資本の共有」を思いつきました。

が、この本にもそのまま「資本の共有」が提示されていました。わたしはものすごいことを思いついた!と思いましたが、すでに既知の情報なんですね。
ただ、具体的な共有方法は記載されていませんでした。一番簡単にできる共有方法は株だと思います。
いまや株式も投信を使えば100円単位から購入できるのでハードルは低いです。

資本金なんかないという人がいますが、お金を消費に使うか、投資に使うかの差で基本的に収入を得ている人であれば資本を持っていない人はいません。100円から投資できるのですから。。。
天引きで貯金できる力があれば、天引きで投資を行えばいいだけです。あとは放置プレイで自然に増えていきます。


銀行のすごさ(恐ろしさ)
日本銀行も含めて中央銀行はすごいです。
公的資金を注入するといってもどっからともなくお金を準備するのですね。

公的資金を注入された企業は将来的に返金するのですが、将来稼ぐで「あろう」お金を今は存在しない(中央銀行にもない)のに、現在に投入するという恐ろしいことをしています。将来に於いて世界経済が成長を続ける説が成り立っているのでできるワザです。
また、その借金が世界経済の原動力になっているのも事実です。

住宅ローンも同じです。ローンを組んだ人が将来稼ぐで「あろう」お金を前借り(+利息)をするシステムです。まれに回収できない(それでも保険や競売などでマイナスは少なくなる)こともあるでしょうが、全体としては回収できない金額の方が圧倒的に少ないということでしょう。自己破産ようような個人デフォルトは大したことではないのです。
国のデフォルトのような大きな問題でも、ギリシア、スペイン、アルゼンチンなどの国がデフォルト状態になっても、リーマンショックのような企業が破綻するよりダメージは小さいです。
国が破綻したところでどうってことはないということでしょうから、個人となれば微々たるものです。


幸福感
少し話は変わりますが、幸福感は所得が低い状態であれば、所得に比例しますが、最近思うことが職人さんの幸福感についてです。

職人さんは労働時間が長い人が多いし、給料もそれほど高くありません。
時給換算すると安い時給で働かされているように思っていましたが、職人さんは基本自分が手掛けた仕事にほこりを持っており、仕事を芸術家でいうところの自分の作品のように感じています。好きなことで時間を使っているように思います。いやいやながら手に職をつけ、長い期間働いている人は少ないです。
はじめはいやいやだったかもしれませんが、職人という職業はスキルが上がるたびに好きになっていくような気がします。
土曜日も働かされて生産性は低い状態ですが、好きなことをして生きているので実は幸福度は高いのかもしれません。年収450万円以下でも職人さんは幸福度という観点から見ると高いように最近感じています。
(職人さん違っていたらすみません。。。)

[ 2019-07-21 ]

予想以上に面白かったし、ためになった。
自分は資本主義の価値観にどっぷりハマっていて、それゆえに最近覚えていたひっかかりを本書が解き明かしてくれたような気がした。
他人にとって価値あることは「値段が上がり」、他人に必要とされないものは「値段が下がり」淘汰される、、だから価値の少ない仕事はやめて価値の高い仕事をしよう、価値の高い人間になろう、その生き方は今の世の中正しいかもしれないけど、競争煽りまくった結果地球全体は果たして幸せな結果になるのか??考えさせられるし、資本主義の前提と違った価値観を大事にするのも必要かと思った。

[ 2019-06-24 ]

20190624 読みやすくわかった気になる経済書。思想史としても読める。これまで過ごしてきた世の中の理屈を今更ながら知ったような気になる。また疑問を持ったら読み直してみたい。

[ 2019-08-02 ]

面白かったけど、帯の文句にひかれて読んだのでちょっと期待が大きすぎたかもしれないです。

銀行の「どこからともなく魔法のようにパッとお金を出す」という話はとても面白く、そうだよなーっと納得しました。

[ 2019-09-04 ]

p138 いま、われわれはそんな大転換の最中にいる。〜しかし残念ながらこの変革は、解決と反対方向に社会を向かわせている。変革の目標が〜人間を機械に置き換えることになってしまっているのだ。
p141 〜利益について、それ自体が目的になっていく〜
p153 機械と違って人を雇えば、人はお金を循環させ〜
p154 だから、仕事が単純化され機械化が進み、賃金が下がりすぎると、ある時点でものが売れなくなる。〜労働者が機械化に抵抗することは、雇用主も含めて市場全体の得になる。労働者の抵抗が自動化にブレーキをかけ、利益の破壊を防ぐからだ。
#機械は人の営みを助けるものであるべき。社会は人のネットワークであって機械のネットワークではない。人が機械の道具となる日が来れば逆転する。
p155 〜もし機械が人間の創造力や〜能力〜今後機械が発達し、そうした仕事ができるようになるだろうか。
#アイデアが過去のアイデアから生まれるなら可能。その創造に機械自身が何らかの喜び(主体を動かすモチベーション)を得られるか、それが必要かはわからない。喜びを得るなら最早機械ではない。
p159 どの部分を取り換えたら君が君でなくなるのか〜そのどこかを取り換えたら、君や私が人間でなくなるのは確かだ。
#どこまでが人間であるかは本人ではなく他者によって決まる。周囲がどう接するか(どう扱うか)であり、扱われる側が決める事はできない。(扱われたい方向に努力することはできる)
鬼(異邦人)が村人(コミュニティの一員)になれるかはその働きによる。
p168 われわれ人間はテクノロジーの可能性を余すところなく利用する一方で、ひと握りの人たちの奴隷になることもない社会を実現すべきだ。〜機械が生み出す富をすべての人に分配したほうがいい。
p202 〜私の父に話を聞いた。〜政治犯として〜収容されていた。その収容所でタバコが通貨として使われていたかを聞いてみた〜。父の答えは〜「私たちは受け取ったものをなんでも分け合っていたよ。〜」
p232 〜ヘンリー・デイビッド・ソローは、「幸福になるには、それを求めないことだ」〜。幸福は美しい蝶のようなものだ。「追えば追うほど逃げていく。しかし別のことに気を取られていると、そっと肩に止まっている」
p233 市場社会は見事な機械や莫大な富をつくりだすと同時に、信じられないほどの貧困と山ほどの借金を生み出す。
p240 アルキメデスは、離れてみると、何事も不可能ではないと言った。〜人を支配するには、物語や迷信に人間を閉じ込めて、その外を見させないようにすればいい。〜すっかり内側に入ってしまうと、アルキメデスの視点でものを見られなくなってしまう。
p246 この世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿〜
#それって何?

[ 2019-05-25 ]

序盤はなぜ経済が生まれ格差が拡がっていったのかが大変にわかりやすく書かれていてタメなった。
人々がより良い暮らしを追求し続ける限り、格差は無くならないんだろうなぁ。しかしそのことへ少しでも心を痛めたり、考えたりすることが大事なのだと教えてくれた気がする。

[ 2019-04-03 ]

確かに一気に読み続けてしまいました。面白い本でした。
大学で一番面白い経済学の講義を受けた、そんな気分になりました。実際、著者は世界各国で教授として経済学を教えていたそうです。
経済危機に陥ったギリシャのまさにその当時の財務大臣だったというのも、この本の存在の特異性を際立たせているように思います。
うちの娘はまだ小学生なので、まだちょっと早いかなと思いますが、中学生か高校生ぐらいになったら読んでもらって、一緒に内容について語らいたいなと思いました。

[ 2019-10-13 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

続きを表示

[ 2019-09-07 ]

わかりやすい本だった
特に良かった部分は、収容所にて
タバコを使った物の交換だ

今までインフレとかデフレなど
用語の説明文を見てもイマイチイメージができなかったが

収容所のエピソードで理解しやすかった
経済本では良質だと思う

[ 2019-06-15 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

続きを表示

[ 2019-07-09 ]

経済学について何も知らなかったので、読んでみました。
わかりやすかったです。導入部が特に納得のいく説明でした。映画を例えに出していて、なるほど!と思うことが多かったです。著者の思いも感じとれました。

[ 2019-05-02 ]

余剰が全てを生み出した。国や言葉や争いや宗教も。全てはその余剰を維持するための手段なのである。今ではその余剰はお金として世界を回していて、あらゆる物事に変えられる交換価値として、市場社会を生きるための目的になっている。しかし、お金で交換のできる物事には、交換価値で測れるものであるという点において、経験価値ではないと満たせないものもまたある。
市場社会では、交換価値の余剰を持たなければ、経験価値に満たされて生きることは厳しいと思う。

[ 2019-08-05 ]

自分が経済学について詳しくないため、平易に書かれているとはいえ読むのに所々つまってしまった。マトリックスの例が出ていたのは興味深く、欲望を追求しすぎるということについて考えていく。予言の自己成就と経済の関係が印象に残った。とはいえ、分かりやく経済の基礎を学ぶことがができたと思う。

[ 2019-06-05 ]

分かりやすかった。
Surplusによるヨーロッパの発達と
船で渡る商人によるグローバルビジネスの発達。
あとは第二次世界大戦の人種別に別れた牢屋の中での市場について。

[ 2019-05-03 ]

おもしろかった。経済ってほんと苦手で勉強を避けてきたが、少しわかった気になった。こういう本のいいところは、これどういうことだろうって、調べさせてくれる余裕があるところ。普通の経済本だとその余裕すら与えてくれない、、
ここをステップに少しずつ経済への造詣を深めたい。

[ 2019-06-30 ]

経済と資本主義について考える本。具体例が難しいものも多かったが、読み進めやすい本ではあった。
市場の誕生、銀行の黒魔術、狩人を例にした市場社会での競争、収容所のタバコを例にしたデフレが面白かった。

[ 2019-04-20 ]

これまでも経済に関する本は読んできたが、確かにこれは面白い。厚みはありそうに見えるが、一気に読んだ。
格差から始まり、最後は環境にも触れるというのは目次だけ見ると何だ?と思ってしまうが、上手くストーリー仕立てになっていて引き込まれていくし、腑に落ちることが多かった。特に労働と機械の部分は、強く印象に残った。

[ 2019-05-02 ]

経済について分かりやすく語った一冊。
格差が起きる理由やお金について、歴史的なものも踏まえて書かれています。

交換価値と経験価値の話が分かりやすかったです。

[ 2019-08-23 ]

余剰が制度を生み出した

逆のパターンを考える。なぜユダヤ人は他の人を迫害しなかったのか?

全ては余剰が原因

地形で人のあり方、余剰が変わる
→アフリカなどは縦に長い→気候が変わる→農工がしづらく、余剰が生まれない

労働市場は経済全体の先行きに対する楽観と悲観に左右される。

[ 2019-05-06 ]

わかりやすいのに深い。一見矛盾しているようですが
同時に成立する不思議な感覚です。

「余剰」に関するアプローチなど、「サピエンス全史」
に近いものがあるかもしれません。

[ 2019-04-30 ]

《こんな苦境に陥ったときに私たち市民を救済してくれるのは誰だろう? 国家しかない。返済できない債務は国家に帳消しにしてもらうしかない。(‪⋯‬)言い換えると、破綻しつつある経済を再生できるのは、政治の力しかないということだ》(p.109)

《個人の富は国家の武力によって築かれ、維持されていた。政府が権力者たちに与えたのは武力だけではない。国家はその歳入を使って輸送のための道路やトンネルや橋をつくるときも、病院や学校をつくって労働者に医療と教育を届けるときも、困窮している人や失業者を助けるときも、市や町を警察で守り社会を安定的に機能させようとするときも、どんな活動を行うときでも、国家は権力者が富を追求できる環境を届けてきた》(p.112)

[ 2019-06-10 ]

わりかし既知なことが多かった一方、経済が数理モデルに過ぎず、人間は最適解に落ちないために経済を読むのは難しいというカオスに触れられた。
マクロとミクロ、そのうちちゃんとやろう

[ 2019-09-01 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2019-05-06 ]

この本は内容がストーリー仕立てになっており、経済学の本としては読みやすい。タイトル通り、経済学に知識がない人でも経済の仕組みが理解できる内容になっている。経済と言っても人間が絡むことなので、心理的な要素が影響する点を分かり易く指摘しているところは合点がいく。

[ 2019-07-07 ]

経済は農作物の余剰が出来たことで発達。
・宗教発生は経済的要因。
余剰を支配者が独占し、それを正当化するためには、現在の地位は天からの授かりもので、それに反することは世の中に大混乱をもたらすのだと、信じ込ませる必要性があった。これが宗教の役目。
・オーストラリアは英国に支配されたが、逆にアボリジニが英国を支配できなかった理由。
経済は軍事力であり、経済力は余剰から発生、で、地政学的な話。ユーラシア大陸はヨーロッパから中国まで、比較的温暖で作物の生育に適しており、(特に小麦は西から東まで育つ)余剰が多く発生。これが国力となり世界を支配できる国力を持つ国はユーラシアから生まれた。アフリカは南北に長く、アフリカ全土で育てられる穀物は無く、農業文化の広まりは極めて限定的。そのためアフリカから強大な国家は生まれなかった。
・イギリスで産業革命が成功した理由。
大航海時代、貿易が金になることに気づいた英国貴族は、保有する広大な敷地で農奴に作らせていた玉ねぎなぞ、何の役にも立たないと気付き、農奴を追い出して羊を飼い、羊毛を輸出することにした。追い出された農奴は羊の世話をして羊毛を刈り、売却して、その益から貴族に金を収める商人と、蒸気機関の発明で広まり始めた工場で働く労働者に転換し、産業革命を後押しした。

[ 2019-09-08 ]

経済学の話をリアルな現実世界に絡めて分かりやすくまとめた内容。
大学時代に読んでいた経済学の本は後半に進むに連れてしんどくなっていたけど、この本は後半に進むに連れて頭の中が整理されて繋がっていく。感動。

[ 2019-07-15 ]

ギリシャで財務大臣を務めた著者が経済について自身の考えなどをまとめた一冊。

現在の資本主義に至るまでの経済の変遷から機械との付き合い方やお金、環境との関係などを平易な言葉で解説されており勉強になりました。
土地と労働が商品となることで起きた変化や貨幣と経済の関係、民主化になることの弊害など著者の考えも深く知ることもできました。

資本主義経済の成り立ちとその問題点が示唆されており、経済において多くの示唆を与え、自分の意見を得ることのできる一冊でした。

[ 2019-05-21 ]

ギリシャの財務大臣が娘のために書いた本
「資本主義」のかわりに「市場主義」という言葉を使う

農作物の生産によって、はじめて本物の経済の、基本になる要素が生まれた。それが余剰。

余剰が世の中の様々なものを生んでいる。
文字、債務、通貨、国家、官僚制、軍隊、宗教、、

支配者を正当化する思想として生まれたのが宗教
だから何千年も国家と宗教は一体だった

経験価値と交換価値

人間は昔から利益を追求していたわけではなかった

市場社会ではすべての富が借金によって生まれる

全員が協力しなければ目標を達成できないのであれば、成功には個々人の協力だけでなく、個々人がみんなも協力するであろうと信じている必要がある

機械を1人の経営者が保有すると益々格差は広がる
共同所有し、機械が生み出す富を分配しては?

地球は誰のものでもないから誰かが汚してしまう

すべての商品化かすべての民主化

経済学は「公式のある神学」
「経済学者はどちらかというと科学者ではなく、どれほど賢く理性的であっても人生の意味を確実に知ることはできない哲学者のようなものだと認めたほうがいいのでは?」

[ 2019-09-14 ]

抽象的な経済の話を例え話を用いてわかりやすく解説してくれています。
入門書の入門書としては最適です。

[ 2019-04-27 ]

ギリシア危機の際の財務大臣が書いた興味ぶかいベストセラー。
なぜ格差が生まれ、大きくなるばかりなのか。
政府の公債はなぜ必要なのか。

未来のことはわからないが、人はそれに不安を感じつつ、期待もする。

信頼が経済のなかでどれほど重要なことかがよくわかる。

限界費用ゼロの社会はまだまだ来ない。
商品化と民主化のせめぎあいは続くのだ。

[ 2019-09-07 ]

経済学者の父が 娘に分かり易く話すように「経済」について書いてある。
「なぜ 貧富の差ができるのか」「貨幣の価値はどのような成り立ちで出来上がったのか」「銀行や市場の仕組み」「進化する機械と人間の労働力のありかた」などなど

社会の仕組みに疎い私にも かみ砕いて書いてあり、分かり易い。
とくに
貨幣の成り立ちから仮想通貨の仕組みも解説してあり、ちょっとは分かった。
(深くは・・・私の力不足です)

国の力やお金が富める者に集まっていくことでの不条理さは
世界あちこちでみられることで、
最近もカノ国がよくNEWSになっているが、
わが国でも 形は違えど50歩100歩かも。

消えた年金・・・対象の人達は 知らないままに・・・だろうし、
もりかけ問題 隣のたまねぎさんと同じだよね。
国のあげてくる数字も 政策ありきばかり。

世相についてそんなに興味ない人も この本によって
ちょっと立ち止まって考えるよい機会になると思います。

[ 2019-08-23 ]

経済の見方の一つとして面白い内容の本。
2015年のギリシャ危機の時にギリシャの財務大臣の任についていた人間が書いてるという意味でも面白い。

「余剰」が生まれたことにより経済が生まれた という見方を基に「なぜ格差は生まれるのか」と分かりやすく語った内容。

経済は人々の暮らしだけでなく生き方にまで影響を与える重要なモノであるのに、一握りの”専門家”に任せっきりで良いのだろうか?
専門家であるはずの”経済学者”がいつも間違っているのはなぜ?
といったことがこの本を書くきっかけだったと述べてるだけあって、よくある経済学の本とは一線を画すものだった。
おカネとは? 余剰とは? 富とは? 利益とは? といった疑問に対する答えの一つになる本だと思う。

[ 2019-10-14 ]

帯の宣伝文句の通りに読みやすく面白かった。資本主義が進み過ぎた現代の市場原理主義とも言える仕組みを歴史から振り返り、子供にも分かりやすく?書かれた本。分かりやすい本は深い知識、認識がないと十分な理解はできないと思った。いずれにせよ、民主的な政府を作る事が、今の進み過ぎた市場原理主義を緩和させ、格差を減らす共生社会にする事ができると言う事である。

[ 2019-04-17 ]

私も渡し自身で娘等に色々教えたいと思っており、手に取る。自分にとっても興味深い話、「何故ヨーロッパは色々な場所に植民地を築けたか」
が、それ以降は難しくなってしまい、娘に教えられない内容、うーむ。

[ 2019-09-11 ]

例え話をふんだんに使って、経済にまつわるもろもろの仕組みをわかりやすく教えてくれる。
著者はギリシャが大変だったときの財務大臣で、そのときの苦悩もときおり見せる。当事者でないとわからないことをしるのは、大事なことだと思う。

金利のところや、最後のところの理解が及ばなかった。私はもっと頭を使わないと、、、

[ 2019-10-08 ]

かつてリーマンショックを予測し的中させたギリシャの元財務大臣による経済入門。古代における「経済」の誕生から、産業革命における「格差」の拡大、国家による統制を受けない仮想通貨の弱点まで、「経済」という視点で人類史を俯瞰できるのです。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/10/blog-post_8.html
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[ 2019-06-08 ]

自分の知らない新しい内容がわかりやすく書かれていたため、とても興味深い本でした。

私たちは探検をやめることはない
そしてすべての探検の終わりに
出発した場所にたどりつく
その時はじめてその場所を知る

[ 2019-06-02 ]

市場社会の交換価値。全てに値段をつける世の中には、思いやりがないと思う。
自分を守りたいという短期的な衝動に勝てない。人間らしさそのものなのかもしれないが、助け合いや絆を大切にする心はあるはずだ。
分かりやすく表現しているし、そして平等とは何かを考えさせられた。面白い。

[ 2019-06-12 ]

『父が娘に語る経済の話』評判通りのスゴ本だった。平易なことを難解に語ることは簡単だけれど、難解なことを平易に語るのは困難だ。なのに、この本は貨幣や資本主義、この社会を駆動する根本の仕組みをシンプルに、のめり込ませるような物語構成で一気読みさせる。

[ 2019-05-19 ]

「経済の話」という題名だが、いわゆる市場取引の話のみならず、地政学、金融、社会学まで、非常に広い範囲がカバーされている。

ごく普通に生活していたらこの本に書かれていることは考えもしないわけで、各トピックもそれぞれ刺激的である。

教科書的ではない、リアルな社会に触れたような気がして、それがこの本のすごいところであるのだろう。

また時間を見つけて読み返したいので星5つ。

[ 2019-04-11 ]

ギリシャの元経済大臣の著者が娘に語りかける形式で経済という複雑系を単純化しわかりやすく解説している。
余剰から経済が生まれて経緯、古代の貨幣からビットコイン、借金は(個人にとっても国にとっても)エンジンなどなど、興味を持ちやすそうな部分を選択しているのも読み進めやすくて良いと思う。
いつまでもお金音痴ではいられない。

[ 2019-05-25 ]

確かに読みやすく、経済を語る上で必要な情報は網羅してあって、それを解説してくれているので納得感や気付きを得られる一冊になっています。お薦めです。

資本主義という言葉を使わず、”市場”社会を見つめる事で、現代の経済システムの構造と問題点、詭弁と欺瞞を露わにする手法は、読み手に「難しい」という逃げ場を作らず、疑う事・知る事・自分の考えを持つ事の重要性について考えさせるつくりになっているので、「娘」に語る方式ながら、全員に考えさせるうまい方式だと感心しました。

我々の経済システムは良くはないが、それに支配されている。
それは格差を生み出すが、我々も受け入れている部分はある。
さて、どうあるべきで、我々はどう動く?

[ 2019-05-17 ]

<目次>
プロローグ  経済学の解説書とは正反対の経済の本
第1章  なぜ、こんなに「格差」があるのか?~答えは1万年以上前にさかのぼる
第2章  市場社会の誕生~いくらで売れるか、それがすべて
第3章  「利益」と「借金」のウエディングマーチ~すべての富が借金から生まれる世界
第4章  「金融」の黒魔術~こうしてお金は生まれては消える
第5章  世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界~悪魔が潜むふたつの市場
第6章  恐るべき「機械」の呪い~自動化するほど苦しくなる矛盾
第7章  誰にも管理されない「新しいお金」~収容所のタバコとビットコイン
第8章  人は地球の「ウイルス」か?~宿主を破壊する市場のシステム
エピローグ  進む方向を見つける「思考実験」

<内容>
元ギリシアの財務大臣だった経済学者が、娘をイメージして書いた経済学の本。数式や自慢は一切出てこないが、とても分かりやすい。そして悲劇的だ。我々はこの格差社会の中、経済を政治から切り離すことができず、売れるものが「労働力」しかない中、少数の金持ちに搾り取られるだけなのか?人の自助努力が大事なようだ…。

[ 2019-08-21 ]

余剰によって共有倉庫の在庫管理の記録を取るために文字が産まれたという経緯になるほど、と思った。
専門を究めようとすると往々にして「木を見て森を見ず」になりがちだけど、それが感じられなかった。もちろんギリシャ経済の失敗を経験しているから、経済学に対して真摯に向き合って間違いを認めているところに好感がもてた。
娘に経済学を教えるというものだけど、この娘がいったい何歳くらいなのか、明記してもらえると対象年齢が明確でよかったかも。

[ 2019-05-04 ]

よくある普通の実学の経済の本ではなく、大きな視点での社会の仕組みとしての経済の本だった。
丁度、サピエンス全史を読み終えたところで相通ずるものがあった。サピエンス全経済みたいなもんかな?

[ 2019-04-14 ]

経済の成り立ちを紐解く一冊。サピエンス全史も然りで、経済や地理、宗教というのは、切っても切り離せない関係にあって、歴史を学ぶというのはまさにこのメタ認知にあるなぁとつくづく。

[ 2019-06-03 ]

「資本主義経済」「市場」。私たちはそのゲームルールの中でビジネスをしていながら、それが何かをうまく説明できない存在です。本書はギリシャの元財務大臣が経済とは、市場とは、なぜ格差が存在するのか?ということをわかりやすく解説してくれています。

[ 2019-08-14 ]

これは面白くわかりやすい。経済学者でありながらそれに対して否定的なスタンスも。イギリスの囲い込みで「市場のある社会」が「市場社会」になった。
他にもメモってたの消えてしまった…

[ 2019-05-11 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2019-08-31 ]

ギリシャ経済危機の2015年当時にチプラス政権の財務大臣を務め、反緊縮・債務減免を主張した(が国民投票の反対を受け退陣した)経済学者が10代の娘クセニアに話すつもりで書いた経済の話。
どうして貧富の格差が生まれたのか、経験価値と交換価値の違い、市場社会の始まり、金融機関と中央銀行そして政府の機能、思惑で動く経済、機械・AI化の未来など、神話や小説、映画なども引き合いにしながら専門用語に頼らない平易な語り口で経済を語る。
とはいえ著者の主張も経済学の一面でしかないように思われるし、なぜそこを目指すのか、本当にそう言えるのかなど、批判的な読み方も求められるように感じた。
19-92

[ 2019-09-29 ]

数式の出てこない経済の話。
とても分かりやすく話されている。
どちらかと言えば哲学書より。
とりあえずマトリックスが観たくなった。