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いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件

(14)
通常価格:720円 → 値引き価格:360円
2019/9/27 0:00まで

作品レビュー

[ 2019-04-23 ]

大崎善生『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』角川文庫。

真面目な前途ある女性が犠牲になった極悪非道の悲惨な事件をテーマにしたノンフィクション。前半を読み、事件から10年以上も経過し、可哀想な女性被害者の人生を克明に掘り起こす理由が自分には見当たらず、少し違和感があった。しかし、犠牲になった磯谷利恵さんが死の目前にあっても毅然とした態度を貫いたこと、母親との強い絆を培っていたことを知り、犯人たちを絶対に許せない、許してはならないという強い怒りが沸々と湧いてきた。

2007年8月24日の深夜、名古屋の高級住宅街の一角で帰宅中の磯谷利恵さんが3人の男に拉致され、金品を奪われた挙げ句に惨殺される。犯人の3人、神田司、堀慶末、川岸健治は携帯電話の闇サイトで3日前に知り合ったばかりだと言う。余りにも身勝手な冷酷無比なる悪魔の所業……

未成年者でもあるまいし、こんな悪魔は全員死刑にしてしまえば良いのに、司法というのは判例だとか社会への影響だとか余計なことを考えて躊躇するものだから、次々と悪魔は産まれるのだ。死刑になったのは3人のうちの1人。無期懲役になった2人はいつの日か社会に復帰し、のうのうと生を享受するのだろう。最後まで生きたいと願う磯谷利恵さんの希望も、未来も、全てを奪った悪魔が野に放たれると思うと、何とも遣り切れない。

本体価格720円
★★★★★

[ 2019-06-27 ]

2007年8月24日、名古屋市千種区の路上で当時31歳だった磯谷利恵さんが、インターネット闇サイトで知り合った男3人に拉致され、連れ去られたのちに殺害されるという痛ましい事件が発生しました。
本書前半は被害者の利恵さんの生い立ち、当時交際していた男性との出会いなど事件に巻き込まれるまでを追います。次に犯人3人が犯行に及ぶまでの背景をたどり、後半部では事件発生から利恵さん殺害までの経緯と、その後の犯人逮捕、犯人の裁判期間中に犯人の死刑を求めて署名活動に身を投じられた利恵さんのお母さんの姿を描いています。
幼稚園から小学校、中学、高校と成長の様子を描く前半部は子供を持つ親なら誰もが自分の子供の成長に重ねて感情移入できるような、キラキラした生命力にあふれた印象です。
一方で犯人の背景を描いた部分は、場当たり的、刹那的、打算的で前半部の輝きとあまりに対照的な暗さ、邪悪さです。
利恵さんが帰宅しないことにかすかな不安を覚え、そして警察から連絡を受けて次第に自分の娘が殺害されたという事実をお母さんが知らされてゆく部分は、読んでいて苦しくなります。
何の落ち度もない人が、たまたまそこに居合わせたというだけの理由で殺害される事件が、今も後を絶ちません。本書で描かれている遺族の方の悲しみと同じ気持ちを、この事件以降も多くの方が感じられているというのは、本当にいたたまれません。
犯罪被害者の悲しみは、犯人が逮捕され、裁判所で刑が確定してもずっと続くという当たり前の事を読者に強く訴えるノンフィクションです。

[ 2019-09-06 ]

これは実際に起きた事件を基にしたフィクションである。
また同時に、強く、賢く、生き抜いた女性の記録である。

私はこの本を読んで決して泣いてはいけないと思った。
無残に殺されたかわいそうな女性の話ではない。

強く誠実に人生を生き抜いたひとりの女性の姿と
その女性がどうして強くあれたか、をつまびらかにしてくれている。

その女性は決して特別な人ではなく、
ごく普通に壁にぶち当たり、
それを乗り越え、日々を過ごしてきた
私と変わらない人だったことに驚きを隠せない。

また、その最後の瞬間まで
彼女のように私は強くあれるか。

いや、強くありたいと勇気をもらえた。


事件の生々しさ、犯人や被害者が守られない
理不尽さに憤りを覚えた。

裁判の意味のわからない前例、
被害者を苦しめる環境の中、
強く戦う母と恋人、
それに賛同して活動する周りの方々に
私もそんな風に強く強く生きたいと思った。


当たり前の明日が約束されてると
なぜ私たちは考えているのだろうか。

考えさせられる良書。

[ 2019-05-30 ]

「2960」これに全てが集約されていると思います。
心よりご冥福を申し上げます。磯谷利恵さんのみに。
犯人は地獄の底で壮絶な苦しみに永遠に踠き続けることを願います。

[ 2019-05-27 ]

[このレビューにはネタバレが含まれます]

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[ 2019-05-21 ]

単行本刊行時から気になっていて、ノンフの文庫化はハードルが高かな、とか思ってたんだけど、まずは無事文庫になって良かった。はらわた煮えくり返る胸糞悪い内容だけど、より汎用性の高い形で読み継がれるのは歓迎すべき。
注意していれば避けられたというようなものじゃなく、災害とでも呼ぶしかない凶事には、心底慄然とさせられる。愚者が群れることによって無駄に膨張した負のエネルギーが、何の罪もない平和を踏みにじる惨状は、戦時における無辜の市民にも重なる。極刑然り。そして最後のメッセージが"2960"。本当はその何倍も、感謝の意を遺したかったであろう無念を思うと、我がことのように胸が痛む。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。